クレア・デーンズ Claire Danes
 噛めば噛むほど味が出る ハリウッド若手女優のなかでもトップクラスの演技派 クレア・デーンズの魅力 

 クレア・デーンズを見ていると、若き日のメリル・ストリープを思い出します。数々の作品で忘れがたい役を演じ、演技派といわれるメリル・ストリープ。日常という舞台にしっかりと足を下ろした存在感と、演じる人物の心のひだまで映し出すような演技。彼女が名女優であることに、誰も異論はないでしょう。そんな大器になる予感を感じさせるデーンズ。最近の若手女優には珍しく<生活感>があり、だからなのかどんな役も”彼女自身”に見えてしまいます。若かりし頃のメリル・ストリープ同様、クラシックな部分とモダンな部分が同居しているのも彼女の魅力。これからますます成長していく将来有望な若手女優クレア・デーンズをクローズアップ。
 1979年4月12日ニューヨーク生まれ。
芸術に理解のある両親のもと、6歳でダンスを習いはじめ、9歳で名門リー・ストラスバーグ・スタジオの演技クラスに通いだす。94年のTVシリーズ『アンジェラ15歳の日々』で早くもゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞、エミー賞候補となる。
TM (C) 2003 IMF Internationale Medien und Film GmbH & Co. 3 Produktions KG
 映画は94年の『若草物語』で本格的にデビュー。ウィノナ・ライダー、スーザン・サランドンと共演したデーンズは、この作品で大きな注目を集める。スティーブン・スピルバーグ監督も「将来、最も刺激的な女優のひとりになるだろう」と彼女を絶賛。自身の映画『シンドラーのリスト』('93)への出演を依頼したが、彼女は辞退している。ちなみに、ジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』('97)出演依頼もデインズは断っている。
TM (C) 2003 IMF Internationale Medien und Film GmbH & Co. 3 Produktions KG
 95年にはウィノナ・ライダーと再共演した『キルトに綴る愛』や、ジョディ・フォスターが監督を務めた『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』に出演。フォスターが太鼓判を押したこともあり、クレア・デーンズはバズ・ラーマン監督作『ロミオ&ジュリエット』('96)でレオナルド・ディカプリオの相手役ジュリエットを演じる。この作品で彼女はロンドン映画批評家協会主演女優賞を獲得、若手スターとしての地位を築く。
 その後もフランシス・フォード・コッポラ監督『レインメーカー』('97)、ビレ・アウグスト監督『レ・ミゼラブル』('98)など、巨匠レベルの監督たちと組み、着実にキャリアを積み上げていく。98年にはイェール大学に入学し、心理学を専攻するという文字通りの才媛。出演すれば必ず注目されるような大きな作品への出演依頼を断ることも恐れない。自分自身の考えをきちんと貫き通すところにも、同世代の若手俳優とは違う何かを感じる。
TM (C) 2003 IMF Internationale Medien und Film GmbH & Co. 3 Produktions KG


■これからの活動は? 最新映画でチェック
マシンガンの撃ち方まで練習 初の本格アクションに挑戦
 もうすぐ公開される『ターミネーター3』。意外だが、これがクレア・デーンズの最新作。前二作が世界中で大ヒットし、誰もが待ち望んでいたこの作品。彼女はジョン・コナーとともに戦うことになる女性ケイト・ブリュースターを演じる。ターミネーター・シリーズに出てくる女性といえば、リンダ・ハミルトンが演じてきたジョンの母親サラがあまりにも有名。デーンズがサラのいない穴をどう埋めていくのか、楽しみにしてほしい。
 サラとジョン・コナー母子が世界を救ってから10年。すでに予告された「審判の日」は過ぎ、世界は平穏に見えた。しかしスカイネットは存在し、いまだにジョンの命を狙っていた。今回送り込まれたのはかつてないほど高性能な「T-X」。その後を追うように再びジョンの前に現れたターミネーター。今度の目的は何なのか? なぜスカイネットは滅亡しなかったのか? ジョンの運命は……?
TM (C) 2003 IMF Internationale Medien und Film GmbH & Co. 3 Produktions KG
■『ターミネーター3』についてデーンズのコメント

「いまだに自分が『ターミネーター3』に出るのが信じられないわ。私の今までの仕事を考えると、すごく不釣合いよね。でもいつも違うスタイルの演技に挑戦したいし、派手なアクション映画での経験をするには、この作品はもってこいだと思うわ。だからといって、これからも大きな話題作にばかり出ようとは思わないけど」


■イチオシ! 話題の出演作
憧れのメリル・ストリープと親子役で共演
 出番は少ないながら、役者としての彼女の本当の魅力が伝わるのがこの作品。ニコール・キッドマンがアカデミー賞主演女優賞を受賞したことでも話題のこの作品でデーンズは、今もっとも旬の女優ジュリアン・ムーアや憧れのメリル・ストリープと共演。人工授精で生まれ、同性愛者の母親(ストリープ)とその恋人に育てられた娘という、複雑な役を演じている。
 1923年のロンドン郊外。「ダロウェイ夫人」を執筆中の作家ヴァージニア・ウルフ。1951年のロサンジェルス。夫のために息子とバースデイ・ケーキを用意する妊娠中の主婦ローラ・ブラウン。2001年のニューヨーク。エイズを患う友人の作家の受賞パーティ準備に忙しい編集者のクラリッサ・ヴォーン。「自分の人生とは?」と自問自答する異なる時代に生きる三人の女性。ピュリッツァー賞に輝くマイケル・カニンガムのベストセラーを『リトル・ダンサー』(00)のスティーヴン・ダルドリー監督が映画化。自分の居場所を見つけ、自分らしく生きようとする女性たちを描いたこの作品は、そのテーマ自体がクレア・デインズにぴったりといえる。
■ストリープとの共演についてデーンズのコメント

「演じるということがどういうことかわかってから、メリル・ストリープはずっと私の憧れだったの。一緒に仕事をして、とにかく彼女の集中力や創造性に驚かされたわ。何より、失敗を恐れない勇敢なところがすばらしいところね」

■ジュリア役についてデーンズのコメント

「私が演じたジュリアはトラウマのない安定した役どころ。その”普通”の部分を強調しなければいけなかったの。役者はときに激しく不安定な状態に陥るけど、この役はそういうものではないわ。俳優というのは、セリフが少ないほど行間にいろいろなものを込めて膨らませていくものなのよ」


■これまでの出演作でクレア・デーンズの魅力に迫る
ヴァラエティあふれる作品で彼女のポテンシャルに注目
『若草物語 コレクターズ・エディション』('94)
 いわずと知れた名作「若草物語」の4度目の映画化。戦地に赴いた父が不在のマーチ家で、母のもとで暮らす四人の姉妹の姿を叙情的かつ新鮮に描いた佳作。古典的な作品といった感じはなく、新鮮で素直に感動できる作品になっている。デーンズはマーチ姉妹の三女ベスを演じている。物静かだが高潔で、音楽が大好きな少女ベスは、どことなくデーンズ自身を思わせる。
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ・ エンタテインメント
DVD価格:\3,800
『ロミオ&ジュリエット』('96)
 シェークスピアの「ロミオとジュリエット」を、舞台を現代に変えて映画化。いがみ合う二大財閥モンタギュー家とキャピュレット家。モンタギュー家嫡子ロミオ(レオナルド・ディカプリオ)はパーティーで出会った宿敵キャプレットの一人娘ジュリエット(デーンズ)と運命的な恋に落ちる。しかし両家の抗争が思わぬ悲劇を招く。原作の台詞を生かしつつ、映像的には大胆なアレンジを加えている。『ムーラン・ルージュ』(01)のヒットが記憶に新しいバズ・ラーマン監督作。
発売・販売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
『レインメーカー』('97)
 ジョン・グリシャムの原作「原告側弁護人」を映画化した法廷ドラマ。正義感と野心に揺れる若き弁護士ルーディ(マット・デイモン)。しかし現実は彼が抱いていた理想とはかけ離れていた。大手保険会社から支払いを拒否された貧しい家族や、社会的に弱い立場の依頼人があふれるなか、やがて彼は世の正義に疑問を持ち始める。ダニー・デビート、ジョン・ボイト、ロイ・シャイダーといったベテランが脇を固める。デーンズは夫の暴力に悩み、ルーディを正義の道に導く女性ケリーを演じる。
発売・販売元:パイオニアLDC
DVD価格:\2,980(税抜)
『レ・ミゼラブル』('98)
 1812年、19年の刑期を終えて仮出獄したジャン・バルジャン(リーアム・ニーソン)は、司教との出会いから改心を決意。9年後、ヴィゴーの工場主兼市長として市民の尊敬を集める男に生まれ変わった。しかし新任の警察署長ジャベール(ジェフリー・ラッシュ)に正体を見破られたため、逃亡を余儀なくされる。名優揃いのなか、デーンズはバルジャンとの愛のうちに短い生涯を終えるファンテーヌ(ユマ・サーマン)の遺児コゼットを演じる。
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ・ エンタテインメント
DVD価格:\3,800
『もののけ姫』('97/全米公開'99)
 自然と人間の関係をテーマにしてきた宮崎駿の集大成。山里に住む若者アシタカは、怒りと憎しみにより“タタリ神”と化した猪神から呪いをかけられてしまう。呪いを解く術を求めて旅に出るアシタカは“タタラ”の村にたどり着く。その村は鉄を造っていたが、それは神々の住む森を破壊することでもあった。そんなタタラに戦いを挑むサンの存在をアシタカは知る。人の子でありながら山犬に育てられた彼女は“もののけ姫”と呼ばれていた……。デーンズはこの作品の英語版で声優としてサンの声を担当。
発売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテインメント
DVD3枚組価格:\4,700(税抜)
(C)1997 二馬力・TNDG
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