レイチェル・ワイズ/Rachel Weisz
 今ハリウッドで一番注目される英国出身の女優

 伝統ある英国の舞台出身の女優レイチェル・ワイズ。今やハリウッドへ翼をひろげ、一番注目されるイギリス女優といわれている彼女の魅力を探ります。
 1971年3月7日、英国ロンドンのユダヤ系の家庭に生まれた彼女は、14歳からモデルを始め、ケンブリッジ大学で英文学を専攻。この頃から演技を学び始め、ふたりの仲間とともに「トーキング・タン」という劇団を結成、エジンバラ演劇祭のガーディアン賞を受賞する。その後、ショーン・マサイアス演出の『生活の設計』でウェストエンドの舞台にデビューし、ロンドン批評家協会の新人賞を受賞。

 93年、BBC放送製作によるスタンダール原作『赤と黒』のドラマ・シリーズで、ユアン・マクレガーと共演したほか、数本のTVドラマに出演したあと、95年『Death Machine』で長編映画デビュー。
 翌年ベルナルド・ベルトルッチ監督の『魅せられて』('96)で注目を集め、キアヌ・リーブスと共演した『チェーン・リアクション』('96)でハリウッドに進出。以後、『輝きの海』('97)『スカートの翼ひろげて』('98)『太陽の雫』('99)などに出演する。そして大ヒット作『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』('99)でヒロインを演じ、一躍スターの座についた。この作品では、格闘シーンにも挑戦し演技の幅を広げていく彼女だが、今なお舞台活動にも熱を入れている。 今年公開予定のアクション・スリラー『Constantine』では再度キアヌ・リーブスと共演、またベン・スティラーと共演したコメディ『Envy』の公開が待たれる。

 蛇足ながら、ユダヤ系ハンガリー人の父を持つ彼女の苗字は、実はワイズではなくヴァイスの発音するとのこと。


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■アバウト・ア・ボーイ(02)

『ブリジット・ジョーンズの日記』のチームがまたしてもヒュー・グランドを主演に迎えて製作したハートフル・コメディ。38歳の独身男ウィル(ヒュー・グランド)は、親の遺産のおかげで働かずに優雅な生活を送っていた。そんな彼の前に、12歳の少年マーカス(ニコラス・ホルト)が現れ、たちまち彼の生活はかき乱されていく。だが二人は次第に打ち解けあい、次第にウィルは自分に欠けているものに気がついていく…。レイチェル・ワイズは、ウィルが恋心を抱くレイチェルを演じている。

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■スターリングラード(00)

『薔薇の名前』のジャン=ジャック・アノー監督が、第二次世界大戦中に、実在した伝説のスナイパーの極限状況における愛と苦悩を描く戦争ドラマ。1942年9月。ナチス・ドイツの猛攻にさらされ陥落寸前のロシアの街スターリングラードを舞台に、そこへ送り込まれた新兵ヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)とドイツの青年将校ケーニッヒ(エド・ハリス)が緊張感溢れるスナイパー同士の戦いを繰り広げる。レイチェル・ワイズは、ヴァシリの恋人ターニャ役を文字通りすべてを脱ぎ捨てて熱演し、悲惨な戦争映画に花を添えている。

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■ハムナプトラ/失われた砂漠の都 ('99)

SFXを駆使して製作されたスティーヴン・ソマーズ監督によるアドベンチャー・スペクタクル。紀元前1290年、国王の愛人と禁断の恋に落ちた高僧イムホテップは、王の怒りにより死者の都ハムナプトラで生きたままミイラ化されるという究極の刑に処される。だが、3000年後、宝捜しの探検隊によりその棺が開けられ、神殿の地中深く眠っていた彼の怨念は再び解き放たれた・・・。エジプトは災いと共に魔都と化すのか・・・。主演はブレンダン・フレイザー。レイチェル・ワイズがヒロインのエヴァリンを演じて大ヒットした娯楽大作だ。

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■チューブ・テイルズ ('99)

ロンドンの情報誌『タイムアウト』で募集した、地下鉄(チューブ)を舞台にした9つの脚本を9人の監督が映画化した短編オムニバス。コメディー、ラブ・ストーリー、ファンタジーなど、さまざまな作品が、地下鉄つながりでテンポよくつづられていく。 英国の気鋭の監督たちに加え、ユアン・マクレガー、ジュード・ロウらが参加し話題となっている。ロンドン・テイスト満載のこの作品で、レイチェルは4番目のエピソード『ローズバッド』に出演し、はぐれた娘をパニックになりながら探してワンダーランドへ迷い込む母親役を演じている。

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■新作で探るレイチェル・ワイズの魅力

 ジョン・グリシャムの原作のリーガル・エンタテイメント『ニューオーリンズ・トライアル』で、フィッチとローアに評決の売買の話を持ちかける謎めいた女、マーリーを演じるレイチェル。この役にレイチェル・ワイズを起用した理由を、監督のフレダーはこう説明する。

 「レイチェルは、マーリーに必要なミステリアスさを持ちあわせている。何が彼女を動かしているのか、いったい誰なのかという謎めきを、彼女は漂わせることができる女優なんだ」
 また彼女自身も、マーリーを演じることの魅力を次のように語っている。

 「ラストに凄い捻りのある、素晴らしいストーリー展開に惹かれたの。この作品は、銃社会のこと、そして銃によって命を落としたたくさんの人々など、とても重要な社会的問題を取り上げたスリラーだと思うわ。劇中のマーリーは、いくつかの“役”を演じている。仮面の下に仮面をつけることは、とても刺激的で良いチャレンジになったの」
 また彼女にとっては、キューザック、ハックマン、ホフマンと共演するチャンスを得られたことも、この映画の大きな魅力のひとつになった。

 「ジョン・キューザックは、独自のスタイルを持っているの。つねにリラックスしていて、自由に演技し、アドリブをよく使う。それに、自分をさまざまな色で彩ることができるの。面白いキャラクターから真剣なキャラクターへ、ダークなキャラクターから明るいキャラクターへと、自在に切り替えることができるのね。一緒に“踊る”には、素晴らしいパートナーだと思ったわ。そしてハックマンとホフマンと共演する以上に、エキサイティングなことなんて考えられないわ。彼らの演技のスタイルはまったく違うけれど、ふたりとも深い魅力を持っている。基本的には性格俳優だけれど、主演スターとしてのセクシーな魅力があるの」

 大物ハリウッド・スターと共演しても引けを取らない魅力を放つレイチェル・ワイズ。そんな彼女の今後の活躍にさらに注目したい。


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