エミール・ハーシュ/Emile Hirsch
 ジョディ・フォスターに見出されたシンデレラ・ボーイ

デビューして間もないながらも、そのカリスマ性のある存在感で今注目を集めている俳優エミール・ハーシュ。そんな彼の魅力に迫ります。

1985年3月13日、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。幼い頃から両親を観客に見立て、演技を披露していたというエミール。そんな彼は11歳のときに、テレビドラマ「Kindred: The Embraced」に端役として出演。その後、いくつかのテレビドラマを経て、エミー賞の常連番組『ER/緊急救命室』('99)や『NYPDブルー』('99)でゲスト出演を果たす。

エミール・ハーシュを一躍有名にしたのはジョディ・フォスター製作、出演の『イノセント・ボーイズ』(02)だ。彼はこの作品で主役のフランシスに大抜擢される。“21世紀の『スタンド・バイ・ミー』とも評されるこの映画は、若くしてこの世を去ったクリス・ファーマン原作の半自伝的小説を映画化したもの。
フランシスは厳格なカトリック校に通いながら、有り余るエネルギーを持てあましている14歳の少年。マンガを書いたり、友達とバカをやったり、ミステリアスな女の子と恋をしたり…。そんな毎日を送ることで、学校での退屈さや鬱憤を消化していこうとする。

若さゆえの純粋さ、無謀さなど、この時代の一瞬のきらめきを表現することはエミールにとって相当難しかったはずだ。ましてこれは彼の映画デビュー作であり、オスカー女優ジョディ・フォスターとの共演である。しかし彼はそんなプレッシャーも何のその、映画を観ればわかる通り、実に自然体に演じている。
エミール同様、この作品が監督デビュー作となるピーター・ケアは、彼をキャスティングするときにこう思ったそうだ。「彼は今まで映画での経験がなかったから、正直言って初めは不安だった。僕の映画が彼の肩にかかっていたと思うとなおさらね」。しかし撮影が始まると、そんな思いは一瞬で吹き飛んだという。さらにこうも付け加える。「彼は作られたハリウッドの子役ではない。本物の少年だ」と。
そしてまもなく、彼の2作目となる『卒業の朝』が公開される。今度は、オスカー俳優ケビン・クラインを相手に、生徒たちの間に波乱を巻き起こす転校生という役どころ。カリスマ性を必要とする役柄だが、この映画の監督、マイケル・ホフマンはこう述べる。「オーディションの時にキャスティングの神様が舞い降りたようだった。まだまだ若いけれど、繊細さ、知的さ、そして生来の強さを感じ、直感で“彼がセジウィックだ!”と確信したんだ」
どことなく若き日のレオナルド・ディカプリオを思わせる風貌、そして繊細さとワイルドさを兼ね備えたエミール・ハーシュは、間違いなく今後の映画界を牽引する1人となるだろう。


■エミール・ハーシュの最新作『卒業の朝』をチェック!
イーサン・ケイニンの小説「宮殿泥棒」が原作の『卒業の朝』で、エミールは全寮制の名門・聖ベネディクト校に現れる転校生セジウィック・ベルを演じる。

上院議員の御曹司であるベルは、転校した初日から教師であるウィリアム・ハンダート(ケビン・クライン)に反抗的な態度を見せる。10代の少年たちの良き師であろうとする信念は彼によって覆されるのだが……。
彼の演じるセジウィック・ベルは、ケビン・クライン演じる教師の人生に影響を及ぼすという物語の中で一番重要な役どころである。そして、ここでもエミールは名優ケビン・クラインを相手に、一歩も引かない強烈な存在感を放っている。
■『卒業の朝』公式サイト> http://www.eigafan.com/sotsugyo/


■過去の作品でエミール・ハーシュの魅力をチェック!

『イノセント・ボーイズ』(02)
厳格なカトリック系ジュニアスクールに通う14歳の少年フランシスと親友ティム、ウェイド、ジョーイは、保守的な学校の中でエネルギーを持て余し、校長のシスター・アサンプタに目の敵にされている。彼らの興味といえば、学校よりも酒やタバコ、マンガだった。そんなある日、シスターにマンガを取り上げられてしまった4人は、学校に仕返しをするためにある計画を実行しようとするが……。
販売元:レントラックジャパン/DVD価格:\4700(税別) 
■DVD詳細はamazonまで> http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000896UJ/eigafan-22


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