レニー・ゼルウィガー/Renee Zellweger
 努力でつかんだ栄光。快進撃を続けるトップ女優

周りをふんわりと包み込むようなチャーミングな笑顔で、親しみやすさ抜群のレニー・ゼルウィガー。先日行われた第76回アカデミー賞では、『ブリジット・ジョーンズの日記』『シカゴ』のノミネート(いずれも主演女優賞)に続き、ついに“三度目の正直”で助演女優賞を獲得! 念願のオスカーを手にし、ニッコリと微笑む姿は本当に幸せそうでした。今回はそんな快進撃を続けるレニー・ゼルウィガーの魅力に迫ります。


1969年4月25日、アメリカのテキサス生まれ。テキサス大学在学時に受講した演劇コースがきっかけで、演技に興味を持ったというレニー。その興味は、いつしか夢へと変わっていきます。映画デビューは93年、リチャード・リンクレーター監督の青春映画『バッド・チューニング』(無名時代のミラ・ジョボビッチやベン・アフレックが出演)。その後は、ジェネレーションX世代の代名詞『リアリティ・バイツ』('94)や『エンパイア・レコード』('95)、『草上の月』('96)などに出演していました。
そして、96年に一大チャンスが。キャメロン・クロウ監督作『ザ・エージェント』で、“ミスター・ハリウッド”ことトム・クルーズの相手役として大抜擢されたのです。彼女が演じたのは、会社をクビになった元敏腕スポーツ・エージェントのジェリー(トム・クルーズ)を、影ながら支えるシングル・マザー、ドロシー役。スポーツ界を華麗に渡る憧れの存在だったジェリーが、自分の夫として目の前に存在する。「これは現実? 」と彼女が見せる嬉しさやとまどいの仕草は、そのままハリウッドという煌びやかな世界と、そこの住人であるトム・クルーズを目の前にしたレニーにも重なっていきます。そんな思いを一心に表した彼女の泣き笑いの表情はとっても印象的でした。
この作品の出演をきっかけにレニーは、『プロポーズ』('99)、『ベティ・サイズモア』(00)、『ふたりの男とひとりの女』(00)など数々のメジャー作品に出演。コメディエンヌとして才能を開花させていきます。

そして、その才能を余すところなく発揮したのが01年の『ブリジット・ジョーンズの日記』。30代、シングル、彼氏なし。お酒やタバコが大好きないかにも“いるよね~”というキャラクターを痛快に演じ、一躍人気者に。実はこのブリジット役がレニーに決まったときには、「ブリジットはイギリス人。テキサスっ娘が彼女を演じられるわけがないわ!」と大ブーイングが起こったそうだが、そんな反対の声をレニーは努力と実力で覆します。10キロの増量と、ブリティッシュアクセントの習得、そしてOLを演じるために、出版社にアルバイトまで経験(そこでは誰もレニーと気づかなかったそう。それはそれでちょっと悲しい気もするが)。その甲斐もあり、見事アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。
『ブリジット・ジョーンズの日記』
そして翌年の『シカゴ』では、歌とダンスという新たな一面を披露。このとき全くミュージカル経験のなかったレニーは、2ヶ月間の猛特訓の末、経験のあるキャサリン・ゼタ=ジョーンズに負けない歌とダンスを見せてくれます。スターを夢見る野心家ロキシーという役柄は、ともすると嫌味になりがちですが、それを“夢を追い続けるピュアな女性”に変えたのも、レニーの魅力に尽きるでしょう。

最新作『コールド マウンテン』では、流れ者のルビーを演じています。この作品で、念願のオスカーを獲得しましたが、受賞スピーチで『コールド マウンテン』関係者にお礼を述べるとともに、こうも言っていました。
「私に演技を教えてくれたヴィンセント・ドノフリオ(『草上の月』で共演)に、そして、とても早い時期に優しさと成功が相容れないものではない、ということを見せてくれたトム・クルーズに感謝します」

レニーがいろいろな人に愛される理由が垣間見えるひと言です。常に感謝の気持ちと努力を行っているからこそ、つかんだ成功。現在は、『ブリジット・ジョーンズの日記』の続編に出演するため、太るように頑張っているとか。


■レニー・ゼルウィガーの最新作『コールド マウンテン』をチェック!
 『イングリッシュ・ペイシェント』のアンソニー・ミンゲラ最新作。南北戦争で離れ離れになったインマン(ジュード・ロウ)と、エイダ(ニコール・キッドマン)。恋人の元へと500Kmの道を歩く男と待つ女の愛を壮大なスケールで描く。
 レニーが演じるのは、エイダに生きる術を教える流れ者の女ルビー。生活術に優れた自然児といった役どころだが、彼女の登場により戦争で影を落とした人々が明るく、たくましく変貌していく。また、ルビーとエイダの友情もこの映画の注目のひとつだ。
 本作でレニーは、アカデミー賞助演女優賞、ゴールデン・グローブ賞最優秀助演女優賞をはじめ、各賞の栄冠に輝いた。


■過去の作品でレニー・ゼルウィガーの魅力をチェック!
『ザ・エージェント』('96)
 敏腕スポーツ・エージェントのジェリー(トム・クルーズ)は、会社のやり方に疑問を感じ、提案書を提出するが逆にクビになってしまう。その提案に賛同した会計係のドロシーとともに独立するジェリーだったが、クライアントは落ち目のアメフト選手ロッド(キューバ・グッディング・Jr)だけだった。
 『バニラ・スカイ』のキャメロン・クロウ監督作。理想主義の男が人生のどん底におちた時に、友情や愛など本当に大切なものに気づく姿をハートフルに描く。レニーは、トムについていく会計係のドロシーを演じ、注目を浴びた。
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
DVD価格:3,980円(税抜)
※ザ・エージェント デラックス・コレクターズ・エディション (2枚組)
■DVD詳細はamazonまで> http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000DBFB6/eigafan-22
『ふたりの男とひとりの女』(00)
『メリーに首ったけ』のファレリー兄弟監督作。警官として誰からも愛されるチャーリーに、ある日、全く正反対のワイルドな人格を持つ人物ハンクが現れる。二重人格と診断され、ハンクを薬で抑えるチャーリーだったが、ある日同じ人物を好きになってしまい……。
 ジム・キャリーの個性が存分に発揮された一作。レニーは、キャリー演じるチャーリーとハンクから思いを寄せられる女アイリーンを演じる。一時期、レニーとキャリーはこれが元でつきあうようになったが、後に破局。
発売・販売元::20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント
DVD価格:3980円(税抜)
■DVD詳細はamazonまで> http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005LP8Z/eigafan-22
『シカゴ』(02)
 “ミュージカルの神様”ボブ・フォッシーの「シカゴ」を完全映画化。登場人物たちの欲望と嫉妬、愛と裏切りが歌とダンスで豪華絢爛に綴られる。スターを夢見るロキシーは、愛人を撃ち殺して刑務所行きとなるが、そこで偶然にも憧れのスター、ヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と出会う。悪徳弁護士ビリー(リチャード・ギア)の巧みな手腕で、服役中の今でも大人気のヴェルマをみたロキシーは、自分もビリーに取り入ろうとするが……。
 初めてのミュージカルとは思えない迫力&華麗なレニーにただただ見とれるばかり。
発売・販売元:ハピネット ピクチャーズ
DVD価格:3,800円(税抜)
※シカゴ スペシャルエディション
■DVD詳細はamazonまで> http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00007G0LT/eigafan-22


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