12月23日(土)より新宿ジョイシネマ3にてロードショー | ||
現在日本でも『エクソシスト(ディレクターズ・カット版)』がヒット中だが、ホラーというジャンルは今も昔も変わらぬ人気を誇っている。確かに日常にはない感覚が味わえるという映画ならではの娯楽性が高いという点も見逃せないが、人間の本質に迫るという部分で作家の意欲を煽るものでもあるのであろう。そこで、今回はホラー作品をアメリカから紹介しよう。アメリカというとハリウッドメジャー作品の印象が強いが、もちろんそれだけではない。世界一の映画大国として、様々な作品を生み出している。明るいハリウッドのイメージとは異なる耽美な作品、『ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ』をご存知だろうか? | ||
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そんな第1作のヒットを受けシリーズ化され、96年までに4本が製作された。それに続くのが本作、『ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ』だ。しかし、本作はただのホラーではない。今までは地獄の使者たちが中心に描かれており、人間は殺される、もしくは狂わされ魔道士になっていく道具という要素が大きかったが、今回は主人公が絞り込んで描かれ、人間の心の中の闇にぐっと迫ってくる。つまり、サイコ的要素が深くなったのだ。恐るべきビジュアルはそのままに、観る者の煩悩に肉薄してくるストーリーも堪能できるという進化した番外編とも言える仕上がりになっている。恐ろしくも惹かれずにいられない地獄の使者たちの「教え」を、あなたはどう解釈するだろうか? |
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STAFF&CAST 監督・脚本::スコット・デリクソン 原作・キャラクター創造:クライヴ・バーカー 脚本:ポール・ハリス・ボードマン 撮影:ネイサン・ホープ 美術:デボラ・レイモンド、ドリアン・ヴァーナッチョ 衣裳デザイン:ジュリア・シュクラー 特殊メイク:ゲリー・J・タニクリフ 出演:クレイグ・シェイファー、ダグ・ブラッドレイ、カーメン・アルジェンツィアノ
DATA |
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52年、イギリスのリヴァプール生まれの彼は、「血の本」シリーズでスプラッタ・パンクの先駆者として注目された怪奇幻想作家だ。85年には「ミッドナイト・ミートトレイン」で世界幻想文学賞と英国幻想文学賞を受賞。自らの原作小説の映画化にも積極的で、『クライヴ・バーカーのサロメ 』('73~78・未) で初めてメガホンをとった。そして監督2作目が『ヘルレイザー』。本作は「魔道士」(後に「ヘルバウンド・ハート」と改題)の映画化で、2~4作目までは製作総指揮を務めた。その後、映画に深く関わるようになり、98年アカデミー賞にもノミネートされた『ゴッド・アンド・モンスター』でも製作総指揮をとっている。一貫した耽美的でパンクな作風に根強い人気があり、そのヒット具合はイギリスのスティーブン・キングとの異名をとっている。 | ||
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