FILE21:イラン発『チャドルと生きる』
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渋谷シネマ・ソサエティにて8月31日(土)公開
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女たちはチャドル(ベール)で身を隠し、静かに生き抜いた。 終わりなき運命のサークル。
イランの首都テヘランの女性たちは、決して平等とは言えない厳しい社会の現実の中で生きている。彼女達はチャドル(ベール)で姿を隠し、外では煙草も吸えず、一人では長距離バスに乗ることもできず、もちろん堕胎も認められない。この作品は、困難な現実の中で、助け合い、あるいは切り捨てながらそれぞれの生き方を模索する女性たちを描いている。
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『白い風船』('95)で華々しいデビューを飾り、躍進するイラン映画界で、今最も注目されているジャファル・パナヒ監督が、新たにイラン、イスラム社会を鋭くえぐる問題作に取り組んだ。本作は、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞ほか、様々な賞を受賞。過酷な運命の“サークル(原題)”の中で、懸命に生きようと努力する女性達の姿は美しく、見る者の心を強く捉えて離さない。
撮影許可が下りずに製作の過程で困難を極め、イラン本国では上映禁止となった本作は、ヴェネチア映画祭で注目され、その後全世界30ヶ国以上で絶賛されている。今回の日本での公開が、イラン本国での上映実現のステップとなることを願いたい。
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■ストーリー |
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出産で苦しむ女性のうめき声に続き、赤ちゃんの泣き声。窓口で「女の子だ」と告げられたチャドルに身を包む女性は、沈黙のまま何も答えない。すぐに閉じられた窓口を叩き再度女の子だといわれ、今度は「そんなわけがない、男の子でないと離縁されてしまう」と慌てて詰め寄る。孫が生まれても祝福することができない女の子を産んだ女性の母親。
表通りの公衆電話では3人の女性が電話をかけようとしている。その3人は刑務所から仮釈放された身だった。そのうちのひとりはバスで故郷に帰ろうとするが、女性の一人旅は許されず、身分証明書か同伴者がいなくては乗車券も買えない。やっとのことで乗車券を手に入れるが、警察官がバスを捜査しているのを見て身を隠す。
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またもうひとりの刑務所から逃走中の女性は妊娠中で、今は病院に勤める出所した友人に堕胎に協力してくれるよう懇願する。しかし過去を隠して医者と婚約した友人に拒否されあてもなく町を彷徨う彼女。ホテルに泊まろうにもやはり女性一人では宿泊できず、入り口で立ちつくす。
その場で出会ったのは、生活苦のために実の娘を捨てようとする母親。娘の幸せを願えばこそ、娘を捨て金持ちに拾われるようにと祈る母親に、堕胎の途を求める女性は何を思うのか・・・ |
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■作品データ |
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■原題:The Circle ■2000年イラン映画/カラー/1時間30分/ビスタサイズ/ドルビーSR ■提供:ギャガ・アジア・グループ ■配給・宣伝:ギャガ・コミュニケーションズ Kシネマ ■協力:ナド・エンタテイメント ■ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞/国際批評家連盟賞/ユニセフ賞/ OCIC賞スペシャル・メンション/セルジオ・トラサッティ賞受賞
(C)2000a production of JAFAR PANAHI FILM PRODUCTIONS(Iran), MIKADA-LUMIERE& CO.(Italy)
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■■公式サイト> http://www.gaga.ne.jp/circle/
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■スタッフ&キャスト |
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【スタッフ】 監督・製作・編集:ジャファル・パナヒ 脚本:カンブジア・パルトヴィ 撮影:バラム・バダクシャニ 美術:イラジュ・ラミンファー 録音:メーディ・デジュボディ |
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【キャスト】 フレシテ・ザドル・オラファイ マルヤム・パルウィン・アルマニ ナルゲス・マミザデー エルハム・サボクタニ モニル・アラブ ファテメ・ナギヤウィ モジュガン・ファラマジ |
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■ジャファル・パナヒ監督について |
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1960年イラン、ミアネー生まれ。テヘランの映画テレビ大学で演出を学ぶ。長編劇映画の前はテレビ用の短編・長編を数本つくり、アッバス・キアロスタミ監督の『オリーブの林をぬけて』で助監督をつとめる。長編『白い風船』('95)がカンヌ国際映画祭のカメラ・ドール賞、国際映画批評家連盟賞、NY批評家協会賞の外国映画賞、東京国際映画祭ヤングシネマ・東京ゴールド賞を受賞し、一躍注目される。97年の『鏡』を経て、本作でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を筆頭に様々な映画祭で受賞。第1回東京フィルメックスにも特別招待作品として選出される。 |
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