FILE23:フランス発『恋人のいる時間』
|
シネセゾン渋谷にて、10月26日~レイトショー。順次、全国公開
|
☆37年間の沈黙を破って、今よみがえる「ゴダールによる快楽と愛の解剖学」
今年になって、なぜか集中的に公開されている新旧ゴーダール作品ですが、まだまだブームは続いてます。渋谷シネセゾンでは、<秋のゴダール・コレクション・ナイト>が開催され、一挙20作品が上映されます。その一連の作品の中で、ラストを飾りロードショー公開される『恋人たちの時間』は、ジャン=リュック・ゴダールの長篇第8作にあたるもの。1964年6月29日から4週間で撮影されたスタイリッシュなモノクロ作品です。
1964年/フランス映画/1時間35分/白黒/スタンダード 原題:Une femme mariee 日本語字幕:寺尾次郎 提供:日本コロムビア、ザジフィルムズ 配給:ザジフィルムズ 協賛:IENA,EDIFICE,PUGEOT Motocycles
|
|
■「1964年に撮影された、ある主婦の一日の断片」 |
|
|
シーツの上に投げ出された女の腕、そこへ重なる男の腕。女の薬指にはリングがはめられている。そんな象徴的なシーンからはじまるこの映画は、「1964年に撮影された、ある主婦の一日の断片」という副題が記されている。人妻シャルロットとその愛人ロベール、そして夫ピエールらの1日をとらえた『恋人のいる時間』は、当時、映画倫理規制委員会の規定に接触し、公開が危ぶまれたという。しかし、題名を『人妻』(La Femme marie)から『ある人妻』(Une Femme marie)に変更し、公開が許可されたといういわくつきの作品だ。 |
Copyright (C) 2002 ZAZIE FILMS Inc. All Rights Reserved.
|
|
|
愛と快楽の区別がつかない女、女の魅力の虜となっているふたりの男たち。そんな登場人物の姿をスタイリッシュにフィルムに捉えているのは、59年『勝手にしやがれ』で始めてゴダールと組み、当時では斬新なカメラ・ワークによって一躍ヌーヴェル・ヴァーグを語る上で重要な存在となるラウル・クタール。洗練された哲学的ダイアローグ、静寂を引き裂く感情的なベートーヴェンとともに、クタールのクールな映像がゴダールならではの世界を構築している。 |
|
|
秋の夜長に、37年ぶりに上映される『恋人のいる時間』を観て、ゴダールが表現するスキャンダラスなエロティシズムを楽しみたい。 |
|
|
■STORY |
|
シャルロットは、小型機のパイロットであるピエールと再婚し、彼女の最初の夫との間の小さな息子ニコラと、3人で暮らしている。シャルロットは、3ヵ月前から、地方巡業劇団の役者ロベールを相手に不倫にふけっている。愛人との情事の後、タクシーを何台も乗り換え、尾行に気を遣いながら、空港へピエールを迎えに行くシャルロット。
シャルロットのよそよそしい様子を怪しんだピエールは私立探偵に、シャルロットの尾行を依頼している。そのことについて彼女はピエールを糾弾し、夫を「愛している」と告げる。その一方、情事のためにふたたび密会した愛人ロベールにも「愛している」と囁く。そして医者から3ヶ月の妊娠を告げられた彼女は・・・。 |
|
Copyright (C) 2002 ZAZIE FILMS Inc. All Rights Reserved.
|
|
|
■スタッフ |
|
|
監督:ジャン=リュック・ゴダール 撮影:ラウル・クタール カメラ:ジョルジュ・リロン、ジャン・ガルスノ 録音:アントワーヌ・ボンファンティ、ルネ・レヴェール 録音助手:ロベール・カンブラキス 電器技師:フェルナン・コケ 衣装:ロランス・クレルヴァル 記録:カトリーヌ・サヴィニャク 助監:ジャン=ピエール・レオー、エレーヌ・カルガン、クロード・オトナン=ジラール編集:フランソワーズ・コラン、アニエス・ギュモ 編集助手:アンドレ・ショティ、ジェラール・ポリカン 整音:ジャック・モモン 広報:クリスティーヌ・バリエール 製作主任:モリス・ウルバン、フィリップ・デュサール |
Copyright (C) 2002 ZAZIE FILMS Inc. All Rights Reserved.
|
|
|
■キャスト |
|
☆マーシャ・メリル (シャルロット)
1940年9月3日モロッコのラバト生まれ。本名Marie-Madeleine Gagarine。父はロシアの皇太子ウラディーミル・ガガーリン、母マリー(旧姓ベルスキー)は妃。ソーのリセを卒業し、バカロレアを取得してシャルル・デュランの演劇コースを受講。18才の時、ロメールの『獅子座』に顔を見せた後、ジェラール・ウリーの『熱い手』(59)にマーシャ・メリルの名で本格デビュー。 |
|
|
その後、渡米し2年間NYのアクターズ・ステュディオで演技を学ぶ。帰国後、アンナ・カリーナ共演「愛すべき嘘つき女」(61)、バルドー共演『戦士の休息』、カイヤット監督『愛のためいき』(64)といった作品に次々と出演。浜美恵の主演で企画していた『恋人のいる時間』(64)のヒロインに抜擢され、その魅力を全開。
その他の出演作は『昼顔』(66)『サスペリアPART2』(75)『シナのルーレット』(76)『愛と哀しみのボレロ』(81)『死への逃避行』(83)など。ヴァルダの傑作『冬の旅』(86)でセザール賞助演賞にノミネートされている。
映画以外では、演奏会の語りなども始め、ジャン=マルク・ルイサダのショパンのCDではジョルジュ・サンドの詩を朗読し、2001年には東京の演奏会でそれを再現して注目を集めた。一方、作家として、"La Star" (82)、"Joyeuses pates" (86)、"Moi, j'en riz" (94)、"J'aime pas" (97)、Haricots-ci, haricots-l・ (99)、"love.baba" (00)、"Patati, patata, trois petits tours et puis va" (01)を出版している。 |
|
|
☆その他のキャスト
ベルナール・ノエル (愛人ロベール) フィリップ・ルロワ (夫ピエール) ロジェ・レナール (夫妻の友人) クリストフ・ブルセイエ(ニコラ) マルガレット・ル・ヴァン(プールの少女) ヴェロニク・デュヴァル(プールの少女) リタ・メダン(マダム・セリーヌ) ジョルジュ・リロン(医者) |
|
Copyright (C) 2002 ZAZIE FILMS Inc. All Rights Reserved.
|
|
|
|
■公式サイト> http://www.zaziefilms.com/koibito/
|
■渋谷シネセゾン> http://webs.to/sibuya
|
■スタイリッシュでクールな『恋人の時間』ポストカードを3枚セットで5名様にプレゼント。詳細はこちら> http://www.eigafan.com/present/index.html
|
|
|
|
|
<<戻る
|