FILE26:フランス発『デュラス 愛の最終章』
 12月14日(土)Bunkamuraル・シネマにてロードショー!

☆モローによる、デュラスと38歳年下の愛人の16年間の愛の軌跡――

 波乱万丈な人生を送った大作家マルグリッド・デュラス。そしてヌーベル・ヴァーグのミューズとして、数々の名演でアカデミー賞特別栄誉賞を受賞した誇り高き大女優ジャンヌ・モロー。この二人の競演が傑作を生み出した。物を書く女の自我と我儘、老女と童女の顔を持つデュラスの存在を表現できるのは、モローでしかありえなかっただろう。20世紀に名を残す二人の女性の出会いは、21世紀に賞賛される作品を生み出した。


■ストーリー

 1980年夏。偉大な作家デュラス、66歳。彼女を崇拝するヤン、28歳。ふたりは出会い、その日から共に暮らし始める。その5年前、カーンの大学時代、自作の映画とともにキャンパスを訪れたデュラスにアドレスを教えてもらったヤンは、出会いのときまで毎日5通の手紙を彼女に書きつづけていた。

 手紙をやめたとき、デュラスから会いにくるように手紙が来た。ヤンは電話をかけ、トゥルーヴィル行きのバスに乗り、デュラスの部屋のドアをノックする。部屋に足を踏み入れたそのときから16年間、死がふたりを引き離すまで、ヤンは誰とも会わず、彼女だけを愛することになる…。
(c)2001 Les Films Alain Sarde Arte France Cinema


■DATA

2000年/フランス         第15回東京国際女性映画祭出品
原題Cet Amour la        第10回フランス国際映画祭横浜2002出品
配給:コムストック


■スタッフ&キャスト

☆Liste artistique

監督・脚本:ジョゼ・ダヤン
プロデューサー:アラン・サルド
製作総指揮:クリスティーヌ・ゴズラン
台詞協力:ヤン・アンドレア、マレン・セル、ジル・トラン
撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
音楽:アンジェロ・バタラメンティ
(c)2001 Les Films Alain Sarde Arte France Cinema
衣装デザイナー:ミミ・レンピカ       ☆Liste technique
編集:アンヌ・ボワッセル        
美術:シルヴィ・フェネック       マルグリット・デュラス:ジャンヌ・モロー
録音:ミシェル・カラ           ヤン・アンドレア:エーメリック・ドゥマリニー
                       大使夫人:タニア・ロペール


■「デュラス 愛の最終章」記者会見語録

☆ジャンヌ・モロー 第10回フランス国際映画祭横浜2002にて

「私とエーメリック・ドゥマリニーで、情熱と愛を込めてこの映画を作りました。そして、これを皆さんに贈りたいと思います」

「本作へ出演を決めた理由の一つは、ストーリーがスキャンダラスで普通でないということ。絶望に陥っている2人が出会い結びつき、生と死を超えた一つの機械=“書く”という行為に繋がっていく。そしてそれが、美しく素晴らしい本を生んだのだということ。大切なのは、何もかもに反対して存在した愛が、人生のなかにおける芸術的な創造に結びついたことなのです」

「デュラスやすべての女性のアーティスト、そして、愛に対して賞賛を捧げたい。肉体の人生よりも、精神の人生の方が長いのだということをこの映画は訴えているのです」
 ☆モロー&ダヤン監督 第15回東京国際女性映画祭にて

―――東京国際女性映画祭の挨拶で

モロー「ヨーロッパで女性が映画を作ることは、非常に環境が整いつつあります。ヨーロッパでは、映画産業の中で女性が男性とほぼ同等に扱われていますし、資金の問題などでも、女性が不利益を被らないようになっています。この15年の間、女性たちは映画の背景にすっかり馴染み、楽しんでいます。東京国際映画祭の中に、女性部門が設けられた事実について感謝したいと思います。女性の視点は、必要不可欠なものだと思います。今私達が生きている世界は、秩序がなく、バイオレンスで、均衡が欠けていると思います」
第15回東京国際女性映画祭:ジャンヌ・モロー&ジョゼ・ダヤン監督
「映画は、世界を映し出す鏡だと思います。そして、そのような状況の中で調和を齎すのは、政治的な問題であって、世界的な活動によって支えられているのだと思います。男性社会に対して復讐をするのでは無くて、彼ら達と分かり合っていくという試みが必要だと思います。それが理想郷であっても」

ダヤン監督「このような大変名誉な映画祭に参加できて大変嬉しく思っています。こちらに来て、アジアの映画がとても力のあるものだと感じました。もちろんヨーロッパ映画や、ジャンヌ・モローさんも尊敬しています。また多くの女性監督の映画を見ることによって、自分の知らない映像を知ることができ、大変嬉しく思っています」

―――フランス語をと映画について

ダヤン監督「とても驚いたのですが、この映画の中のフランス語はとても特殊なのです。訳すのはとても難しいです。言葉に重要な意味を置いた映画を皆様に見ていただけで光栄です」
モロー「フランス語を勉強するのに、映画を見るのは大変有効だと思います。国際的観点、感受性も養えます。歴史は変わりませんが、歴史を見る観点は変わってきています。映画言語は、カメラワークや技術的な面から確立しました。自分がどのスタイルを学ぶかが大事だと思います」


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