FILE29:アメリカ発『赤い部屋の恋人』
 3月8日よりシネ・アミューズにてレイトロードショー

『スモーク』のP・オースター&W・ワンがおくる
官能的なラブストーリー
 世界中を感動の渦に巻き込んだ『スモーク』から7年、ポール・オースター&ウェイン・ワンの待望の最新作が公開される。「『ラスト・タンゴ・イン・パリ』のような芸術的なポルノグラフィを撮りたかった」と語るワン監督が、オースターのエレガントかつナイーヴな文学世界とのコラボレートによって、深い味わいに満ちた愛と性のドラマを誕生させた。

 セックス、力、愛の幻想が、予想もつかない人間の感情とぶつかった時、何が起きるのか。ウェイン・ワン監督初のデジタルビデオ作品で、大胆なドラマを官能的に演じるのはモリー・パーカーとピーター・サースガード。彼らは、性的でそして精神的な極限状態の中で向き合う男女を、見事に演じている。
 コンピューターエンジニアのリチャードとストリッパーのフローレンスの幻想と肉体の衝突が描かれるこの作品についてワン監督は語る。「これは彼の"彼女という幻想"と、彼女が売る"幻想"の物語なのだ」


■ストーリー

 リチャード(ピーター・サースガード)は20代前半のインターネット・トレーディングで成功を治めたネット長者。外の世界と関係をもつ事に慣れていない彼は、最近、父を亡くした事や、また投資にも興味を失った事で、いっそうコンピューターの殻の中に閉じこもるようになっていた。

 フローレンス(モリー・パーカー)はロックバンドでドラムを叩いている。しかし、生活費を稼ぐために、夜は高級クラブ「パンドラの箱」でストリッパーをしている。性衝動を含む本当の自分自身と、ストリッパーの仮面の間には、はっきりとした線が引かれていると考えているフローレンスだが、その区分が確かなものかどうかは彼女自身にも分からない。

 そんな背景を持つふたりがカフェで出会い、互いに惹きつけられる。リチャードは、フローレンスがストリッパーである事を知るとさらに好奇心をそそられ、彼女をラスベガスへの旅に誘う。報酬を1万ドルを支払うという彼に、フローレンスが提示した5つの条件とは・・・。彼らは、偽物と本物が刺激的に、危険に、そして深く絡みうラスベガス到着するが、果たしてその条件を破らずに過ごすことが出来るのか・・・。


■スタッフ&キャスト

○スタッフ
監督:ウェイン・ワン
原案:ウェイン・ワン、ミランダ・ジュライ、ポール・オースター、シリ・ハストヴェット
脚本:エレン・ベンジャミン・ウォン
(ワン、オースター、ハストヴェット、3人共同のペンネーム)
製作:ウェイン・ワン、ピーター・ニューマン
製作総指揮:グレッグ・ジョンソン、アイラ・デューチマン
撮影監督:マウロ・フィオーレ

○キャスト
モリー・パーカー
ピーター・サースガード
カーラ・グギーノ


■DATA

原題:The Center of The World
アメリカ/2001年/1時間27分/ビスタサイズ
提供:日本ビクター、トライエム
配給:日本ビクター
宣伝:トライエム

2001年カンヌ映画祭正式出品作品
■公式サイト> http://www.center-of-the-world.com/
■日本版公式サイト> http://www.cinema-angel.com/akai-heya


■デジタル・ビデオにこだわったワン監督

 ワン監督は、デジタルの自然な描写特性と、様々な提案を迅速に表現できる特性を有効に生かし、映像が常に本物らしく、情景を覗き見しているかのように見える事を心がけたという。また、登場人物の感情が混沌とした状態になってくると、それにつれて画質が悪くなり、色が褪せ冷たさを増し不自然な映像になるという風に、デジタルビデオの技術を使って作品のテーマを強調した。

 使われるカメラによって劇的に変る事を発見した撮影監督のマリオ・フィオーレとワン監督は、デジタル技術のいわば出来の悪さに焦点をあてそれを効果的に使う方法を考えたという。

「私は今までの映画がやってきた事を真似するような、普通の映画を作りたくはない。私の考えはデジタルビデオの技術を見せびらかすような作品ではなくて、良くないけれどそれでも使っている、というようなスタンスなのだ」とワン監督説明している。
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