【FILE40】韓国発『殺人の追憶』
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2004年3月シネマスクエアとうきゅうほかにてロードショー
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『シュリ』('99)の公開を機に、韓国映画は日本でもすっかりおなじみとなりました。ラブストーリーやアクション、ホラーなど実に様々なジャンルの映画が公開されていますが、今回はそんな数ある作品の中でも韓国で昨年大ヒットし、社会現象にまで発展した映画をご紹介します。
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■ストーリー 1986年、ソウル近郊の農村で、若い女性2人の裸死体が発見される。遺体にはどちらも手足を拘束のうえ強姦された跡があり、地元の刑事パク・トゥマン(ソン・ガンホ)は、自らの足を使い捜査を開始。一方、ソウル市警から派遣されたソ・テユン(キム・サンギョン)は、資料を分析しながら捜査を行っていた。 事件当日に被害者はいずれも雨の日に赤い服を着ていた……。犯行日の共通点を発見した彼らは、雨の日におとり捜査を実行するが、予想に反してまたしても新たな被害者が発見されてしまう。 |
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■公式サイト> http://www.cqn.co.jp/mom/
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■『殺人の追憶』の背景 |
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◎社会現象に発展、実際に起きた事件を紐解く この映画は韓国で実際に起きた事件が元となっている。 1986年から91年にかけて、ソウルから南に約50km下った華城郡台安村で発生した10件に及ぶ強姦殺人事件。“ファソン華城連続殺人事件”と呼ばれるこの事件は、警察が180万人の警官を動員し、3千名の容疑者が取調べを受けたにも関わらず、いまだ解決には至っていない。 『殺人の追憶』は、この事件を刑事側の視点から描き、犯人に翻弄される彼らの苛立ちや、執念、無念さなどを浮き彫りにしている。公開と同時に事件を記憶する30~40代が劇場へ足を運んだことから映画は大ヒットし、また、事件の再捜査を求める市民運動も起きるなど、社会現象にまで発展した。すでに事件から18年の歳月が経過したため、8件目までは時効を迎えているが、今後の展開が注目される。 |
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◎当時の韓国情勢 1986年の韓国は、高度経済成長期のまっただなかにあり、造船、製鉄、自動車などの重工業が目覚しい発展をみせていた。また、北の進行を想定した防空演習も頻繁に行われており、夜中になると夜間外出禁止令が敷かれ、明かりは消すことを求められていた。ファソン華城連続殺人事件は、このような背景のもとに起こった。
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◎韓国映画に新ジャンルを築いたポン・ジュノ 「実話サスペンス」という新たなジャンルを築いたポン・ジュノ監督は、『気まぐれな唇』のホン・サンスや、『春の日は過ぎゆく』のホ・ジノなどと並び60年代生まれの新世代監督の1人として注目を集める存在である。 彼のデビュー作『ほえる犬は噛まない』では、「普通の人々」がとる行動のおかしさを軽妙に映し話題となったが、2作目となる『殺人の追憶』では、前作とは一転、普通の人々の“暗”の部分をリアルに浮き出した。“普通”なゆえに捕まえられない、刑事たちのもどかしさは、観おわったあとに我々の胸にずんと響くだろう。次回作は現在構想中とのことだが、今後の活躍に注目したい。
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■スタッフ&キャスト |
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◎スタッフ 監督:ポン・ジュノ 脚本:ポン・ジュノ、シム・ソンボ
◎キャスト ソン・ガンホ:パク・トゥマン役 キム・サンギョン:ソ・テユン役 パク・ヘイル:パク・ヒョンギュ役
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■DATA |
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原題:MEMORIES OF MURDER 韓国/2003年/130分/ 配給:シネカノン |
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