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2007年02月22日
大盛況!「Mu: 無」The Screening
先々週にお伝えした、ハリウッドで話題のインディペンデント映画「Mu: 無」の試写会。予定通り、2月19日にユニバーサル・スタジオ内のシアター2にて開催されました。夜8時と9時の二回公演は、両方とも満員御礼。110席余りの劇場は、大勢の観客で埋め尽くされました。入り口も、振舞われたワインと日本酒(その名も「無」)を片手に、本作や近況について話し込む人々でいっぱい。その光景は「いかにもハリウッド!」といった感じでした。それでは、大盛況のうちに幕を閉じた試写会の模様と、より詳しいあらすじをお伝えしていきます。演出中のヤコノ監督
映画の1シーン
一方、死んでいる筈の誠至は自宅で父親的存在であるヤクザの親分に刺青を入れています。 グスタヴォから自分が死んでいると聞かされ、混乱する誠至に対してグスタヴォは、昨夜からの出来事を思い出すよう促します。思い浮かぶのは、湧き上がる性欲に翻弄された自分の姿と、己に言い聞かせるかのように筆で何度も書き殴った「無」。一心不乱にその一文字を足の裏に彫り込んだことや、酩酊状態でさまよいながら見た不可思議な風景。途切れ途切れの記憶を辿りますが、結局最後に覚えているのは、目覚めた時に見た自室の天井…。夢かうつつか、自分が死んだとは到底思えない誠至は、グスタヴォ、ボブとともに自分の死体と直面します。
自分の死体に対面する誠至(ユタカ・タケウチ)
監督との質疑応答では、「落語」という日本の伝統芸能を中心に質問が飛び交いました。今後、落語をモチーフにした”Made in Hollywood”の映画が続々と誕生しそうな予感です。また、出演者による会場でのパフォーマンスも、いたって個性的。各上映前には、親分の右腕を演じた堤啓(ツツミ・ケイ)が着物を羽織ってヴァイオリンを演奏。普段はロサンゼルスでスタンダップ・コメディアンとして活躍する彼の登場で、会場の空気は一気に物語と同様「”Surreal”=シュール」なものとなりました。更に、誠至役でその圧倒的な存在感と確かな演技を披露した竹内豊(タケウチ・ユタカ)も来場。彼は二回目の公演の後、いきなり着物を脱いでフンドシ1枚に!話によると「成人になる為の通過儀式」だとか。あまりに突然のハプニングに、筆者もビックリでした…。
あらゆる面で個性が光る「Mu: 無」。まるで、心に引っかき傷を付けられるような後味が新鮮です。日本での上映は残念ながらまだ未定ですが、とりあえずは予告編を下記のホームページからお楽しみ下さい。さて、「あなたは誰ですか?」と聞かれたら、皆さんは何と答えますか?
「Mu」公式ホームページ
TEXT BY アベマリコ
2007年02月19日
アカデミー賞目前!結果を大胆予測
先の日曜にNBAロサンゼルス・レイカーズのお膝元、ステイプルズ・センターで開催されたのは、第49回グラミー賞。オスカーを目前にして行われたこの音楽の一大祭典では、女性カントリーグループ、Dixie Chicksが大健闘。主要3部門と言われる最優秀年間レコード賞・年間アルバム賞・年間ソング賞に合わせ、最優秀カントリーアルバム賞とカントリー・パフォーマンス賞の計5部門を制覇しました。他にもレッド・ホット・チリ・ペッパーズやメアリーJ・ブライジ、ジャスティン・ティンバーレイクやクリスティーナ・アギレラなどなど、豪華な顔ぶれによる式典となった模様。で、次にやってくるのが待ちに待ったオスカーです。本年度のアカデミー賞まで残すところ2週間を切り、2月25日に向けてのカウントダウンが始まっています。「…映画ファンも、負けてはいられないっ!」ということで今回は、すぐそこまで迫っているアカデミー賞の候補者をおさらい。プラス、筆者の独断と偏見で結果を占ってしまおうと思います。当たるも八卦、当たらぬも八卦。2月に入ってから、妙にワクワクしている筆者とともに、第79回アカデミー賞を予想してみましょう。まず、主演男優・主演女優賞の候補者。こちらはともに、各アワードでのレースを総ナメにしているフォレスト・ウィテカー(The Last King of Scotland:原題)とヘレン・ミレン(クイーン:邦題)が手固いでしょう。40代半ばにして「男の渋み」を増してきたウィテカーの重厚な演技。ミレンだからこそ成し得た、エリザベス女王の風格と母親としての横顔。SAG(全米映画俳優組合)会員達も認めたパフォーマンスは、まさに「オスカー」にふさわしいと言えるでしょう。
助演男優賞は、今年のアカデミー賞で最も面白くなりそうなカテゴリーのひとつ。主要部門の中では唯一、ゴールデン・グローブ賞のそれと候補者が異なっています。先のアワードを通し、エディー・マーフィー(ドリームガールズ:邦題)がリードしている観がありますが、筆者が気になるのはアラン・アーキン(リトル・ミス・サンシャイン:邦題)とマーク・ウォルバーグ(ディパーテッド:邦題)。アーキンの滅茶苦茶でありながら深い格言を残すおじいちゃん、ウォルバーグの口も意地も心底悪い刑事は、とにかく見ていて気持ち良いほど。個人的には、ベテラン俳優・アーキンによる壇上スピーチを心待ちにしています。一方の助演女優賞での注目は、ジェニファー・ハドソン(ドリームガールズ:邦題)と菊地凛子さん(バベル:邦題)。全米においてのハドソン人気は絶大ですが、聾唖者という難しい役どころに挑んだ菊地さんに対する評価もかなり高くなっています。同じ世代の日本人女性として、そして今後ますます増えるであろう「外国人俳優」の活躍を願って。筆者は敢えて、菊地さんに1票入れたいと思います。
会場となるコダックシアター
そして最後に、作品賞です。「バベル(7部門にノミネート)」「ディパーテッド(5部門)」「硫黄島からの手紙(4部門)」「リトル・ミス・サンシャイン(4部門)」そして「クイーン(6部門)」。これだけ見ても、2006年は映画の当たり年だったと言えるのではないでしょうか?筆者が挙げるトップ3は、最初の3作品。文化や風土の全く異なる三地域を描き出し、観客に厳しい問題提起をする「バベル」。香港が誇る名作「インファナル・アフェア(邦題)」三部作を、ハリウッド屈指の名優達によってリメイクした「ディパーテッド」。戦争下の日本・アメリカ両者を善悪で描かず、人間としての視点から痛烈に戦争批判した「硫黄島からの手紙」。どれも心の奥深くまで響く作品達でしたが、後世に伝えるべき作品だと感じた1本、戦争映画の歴史に一石を投じた「硫黄島からの手紙」の功績を称えたいと思います。
2月25日が待たれるアカデミー賞、候補をざっと振り返りましたがいかがでしたでしょうか?本年度は、最多8部門の候補となっている「ドリームガールズ」が作品賞レースから洩れるなど、なかなかの混戦となっています。更には、日本がらみの作品達も多く登場。今年は特に、皆さんにとって絶対に見逃せないお祭りになるのでは?昨年は監督賞と作品賞が別々(最優秀作品賞「クラッシュ(邦題)」・最優秀監督賞に「ブロークバック・マウンテン(邦題)」よりアン・リー監督)というちょっと珍しい事態になりましたが、今年は誰に、どの作品にオスカーがもたらされるのか?とにもかくにも、待ちきれません!ぜひ下記のアカデミー賞公式ホームページより、詳しい候補をいま一度ご確認ください。今月の最終日曜日に向けて、皆さんも「アカデミー会員」になった気分で、結果を予想してみませんか?
アカデミー賞候補・全リスト
TEXT BY アベマリコ
2007年02月09日
注目のインディペンデント映画「Mu」登場!
インディペンデント映画を作り、その作品が認められる。ハリウッドサクセスストーリーの王道です。脚本家、監督、俳優、あらゆる人々がいつの日かの成功を夢見て凌ぎを削るインディペンデント映画。しかし、毎年星の数ほど作られるインディー映画の殆どは、殆ど脚光を浴びることなく消えていきます。そんな中でひときわ異彩を放つ短編映画「Mu」が、ハリウッドでちょっとした話題になっています。この映画、その内容がちょっと日本がらみ。インディペンデントながら、ユニバーサル・スタジオ内の劇場における試写会へとこぎつけるという異例の事態になりました。それでは、その気になる内容を、作品の魅力やキャスト達と合わせて独占レポートしてみたいと思います。アメリカ・日本・オーストラリア・ブラジルといった、国際色豊かなスタッフによる本作品は、様々な点で波紋を投じることになりそうです。タイトルの「Mu」は、日本語で言う「無」。日本の伝統芸能である落語の一話「粗忽長屋」をモチーフに描かれた物語です。ドラマ「タイガー&ドラゴン」の第9話にも登場したこのお話、ご存知の方も多いかもしれません。監督であるポール・ヤコノは舞台を現代のロサンゼルス・ダウンタウンに置き換え、”Who am I?” 「自分は何者なのか?」というユニバーサルなテーマのもと、一個人のアイデンティティーに迫るストーリーへとアレンジしました。
主人公の誠至(Seiji)は、手彫りの刺青彫師。この物語の中で、己のアイデンティティーと肉体の狭間で葛藤します。自分はいったい誰なのか、そして異文化の中で日本人として生きることとは?沸きあがる欲望と、それを拒否しようとする意志。衝撃のクライマックスでは、自分の運命と向き合わざるを得ない状況に追い込まれてゆく…。
「Mu」の監督・脚本を担当したのはオーストラリア出身のポール・ヤコノ。渡米以前は、母国でコマーシャル・フォトグラファーとして活躍。本作は、彼にとっての監督デビュー作となります。その出来栄えは、ファインダーを通して培ってきた感性が十二分に発揮されています。また、彼はオーストラリアでは良く知られたバンドのメンバーだったとか。昔の仲間達による、無国籍な雰囲気のオリジナル挿入曲は必聴です。
DP (Director of Photography) =撮影監督は、ダン・ニース。その名前は、アメリカの100以上もの映画にクレジットされています。それもそのはず、彼はステディーカム技師としてのパイオニア。1982年より、ステディーカム(身体に装着して撮影するカメラ)を発明したギャレット・ブラウン氏に師事し、今日では最も有能なステディーカム・オペレーターのひとりとして高い評価を受けています。皆さんもご存知の、クエンティン・タランティーノやデヴィッド・リンチのオペレーターとしても活躍中です。
舞台装飾担当は、J.C. ブラウン。「ラストサムライ」(2003)や「SAYURI」(2005)、そして「硫黄島からの手紙」(2006)など、近年のアメリカ映画において日本文化を表現するには欠かせない一人。20年にも及ぶ日本での滞在を通して、アジア・日本史を学び、さらに書道も習得。そういった彼の経験が、本作でも現実的かつエキゾチックなデザインを提供しているはず。「Mu」の中では、細部に渡る小道具もほとんど彼の私物だそうで、壁一面が装飾された和室は特に見もの。
主演、誠至を演じるのは竹内豊。岐阜県多治見市の出身。2000年の渡米以来、アメリカで俳優として活躍。彼が一時帰国した際、たまたま出会った「落語」を映画化してみることを直感的に思いついたそうで、いわば本作の発起人。主演のみならず、日本語部分の翻訳や、監督・キャスト達と脚本を練り上げていく過程にも全面的に携わったとのこと。「ラストサムライ」「硫黄島からの手紙」、そして先日ゴールデン・グローブ賞とSAG賞をW受賞した”Grey’s Anatomy” (ABC)にもゲスト出演の経験あり。
誠至の親友、グスタヴォ役にはネト・デポーラ・ピメンタ。誠至とともに「Mu」のストーリーをリードする、もうひとりの重要なキャラクターを演じています。彼は、日本から見て地球の真裏に位置するブラジルの出身。本作では、エグゼクティブ・プロデューサーも兼ねています。ハリウッドにあるシアター、ファイト・クラブで定期的に舞台を踏み、先日のSAG賞でアンサンブル・コメディ部門を獲得している”The Office” (NBC)にもゲスト出演した経歴の持ち主です。
「Mu」は、欧米で「落語」をテーマにした初の作品。また、日本の手彫りを改めて世界に紹介している短編映画でもあります。抽象的でありながら、鋭い心理描写を描いた本作品には、観る者を捕らえて離さないパワーを感じます。ワールドプレミア上映は2月19日の予定。23分間に収められた映像に、観客達がどのような反応を見せるのか?筆者も必ず足を運び、結果をいち早くお伝えしたいと思います。下記の公式ホームページでは、製作風景のスナップ(「反映」をクリック)や予告編(Quicktime 7.0以降のバージョン)が視聴出来ます。尚、試写会に興味を持たれた方々は(会場はノース・ハリウッドになります)Eメールを通してご予約下さい。2回の上映を予定していますが、席に限りがありますのでお早めに!
「Mu」公式ホームページ
予約用アドレス:info@muthefilm.com
TEXT BY アベマリコ
2007年02月06日
これぞオスカー前哨戦?SAGアワード
去る1月28日、ハリウッドにあるShrine Auditoriumにおいて、第13回SAG(Screen Actors Guild=(全米)映画俳優組合)賞のセレモニーが開催されました。情報の早い読者の方々はすでに結果をご存知かもしれませんが、今年はノミネートが殆どオスカーとかぶるという、近年稀に見る「アカデミー前哨戦」となりました。ちょっと物足りなかった感があるのは否めませんが、それはともかく、「役者による役者の為の」SAGアワードを詳しくご紹介していきます。今年で13回目となるSAG賞は、アメリカの映画俳優組合によって運営されています。アカデミー賞では、現アカデミー会員に合わせ、1500人ほどの俳優メンバー達が演技部門に投票していきますが、SAG賞においては、11万人とも言われるSAGメンバーの中から2100名をランダムに選出、彼らだけで投票を行います。つまり、SAG賞では俳優達による投票のみで各受賞結果が決まるのです。こういった投票制度が、SAG賞に「ピュア」で確かな結果をもたらし、また「役者による役者の為の授賞式」と呼ばれる所以となっています。
さて、今年のSAG賞ですが、ノミネート者達は限りなくオスカー候補者と同じで、受賞者も数週間前に行われたゴールデン・グローブ賞の結果にとことん重なる結果となりました。本年度のアカデミー候補となっている20人の俳優のうち、19名がSAG賞でもノミネート。SAG賞での3つのカテゴリー(主演男優・女優賞、助演女優賞)では、アカデミー賞のものと完全に一致しました。過去12年間でのSAG賞の結果をさかのぼると、8回の主演男優賞と10回の主演女優賞がオスカーでも合わせて獲得。助演男優賞は50%、助演女優賞は60%の確率でアカデミー賞を受賞しているころになります。SAG賞が「アカデミー前哨戦」と呼ばれる訳がわかります。
今回のSAG賞で最優秀主演男優賞を獲得したフォレスト・ウィテカー(”The Last King of Scotland” / 原題)や、またもや「クイーン」(邦題)とTV部門の”Elizabeth I”(HBO)で最優秀主演女優賞をW受賞のヘレン・ミレン、最優秀助演男優賞に輝いたエディー・マーフィーや同女優賞のジェニファー・ハドソン(ともに「ドリームガールズ」:邦題)辺りは、ほぼ満場一致の結果。残念ながら「バベル」(邦題)の菊池凛子さんはゴールデン・グローブに引き続き、受賞を逃すこととなってしまいました。
トロフィーを受け取りまくっているハドソンですが、この人のサクセスストーリーは波乱万丈、「国民的人気番組(American Idol: Fox) 落選→映画に初出演→各賞ノミネート→各賞受賞」まさにアメリカン・ドリームを地でいくストーリーは、アメリカ国内でも話題沸騰。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。SAG賞授賞式での、プラム色のドレスの身を包んだ彼女の佇まいは、もはや貫禄といったところ。でも、日本人としては菊池さんのアカデミー賞での健闘を祈りたいところです。
今回のSAG賞で目新しかったのは、各賞での最優秀作品賞に当たる「最優秀配役賞=アンサンブル」を持ち帰ったのが”Little Miss Sunshine”(邦題:リトル・ミス・サンシャイン)のキャスト達だったこと。家族がモチーフとなっている本作品。SAG賞とアカデミー賞の助演女優賞枠にノミネートされているアビゲイル・ブレスリンちゃんの愛くるしい表情と、同じく2つのセレモニーにおいて助演男優賞の候補となっているアラン・アーキンの「毒舌おじいちゃん」はまさに必見です。
TV部門では、HBOの”Elizabeth I”から最優秀主演男優・女優賞 / TV版映画・ミニシリーズ部門が選出されました。それぞれ、ジェレミー・アイアンズと上記のヘレン・ミレンが獲得。ふたり揃っての受賞という快挙となりました。最優秀主演男優・女優賞 / ドラマ部門には、”House” (Fox)のヒュー・ラウリーと”Grey’s Anatomy” (ABC)のチャンドラ・ウィルソンが受賞。ここでも「Grey’s旋風」の兆しです。コメディ部門には”30 Rock” (NBC) のアレック・ボールドウィンと”Ugly Betty” (ABC) のアメリカ・フェレラがトロフィーを持ち帰っています。ゴールデン・グローブ賞に引き続き、大好きな「Betty」の受賞に筆者は再度大興奮でした。そして、ドラマ/コメディ部門の各アンサンブルは、やっぱり大人気の”Grey’s Anatomy”と、シニカルなブラックコメディが満載で、年齢を問わずにチャンネルが合わせられる”The Office” (NBC)に輝きました。この辺りは、全米が納得!の受賞結果となった模様です。
今年のSAG賞の結果はいかがでしたでしょうか?やっぱり…が多かったかもしれませんが、この結果が約1ヵ月後に迫るアカデミー賞にどう反映されるのか、とても楽しみです。更に詳しいSAG賞の各受賞者・候補者達は、下記の公式ホームページでご覧下さい。参加した俳優達の様々な表情も見どころです。ちなみに近年、授賞式ラッシュのこの時期に、各会員や関係者に作品のDVDを送るという戦略が主流となっているとか。昨年、アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「クラッシュ」(邦題)は、SAG会員11万人余りにDVDを送付。その効果もあってか、栄えあるオスカー受賞の運びとなりました。本年度は、「ディパーテッド」(邦題)、”Venus”(原題)、「リトル・ミス・サンシャイン」(邦題)の3作品が、すでにDVDを発送済みとのこと。こうした戦法がどう作用するのか、こちらも注目となっています。
SAG公式ホームページ
候補者全リスト
受賞者全リスト
TEXT BY アベマリコ