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2008年05月29日

アメリカンTV: 視聴率が軒並みダウン

2007年の秋から今春までのシーズンを振り返ってみると、各ネットワークの視聴率は著しく低下。中には今期を「史上最も困難だったシーズン」とするテレビ関係者も少なくないようです。一体何がどうしてこうなったのか、今回はその経緯を探ってみましょう。

アメリカのTVシリーズは、多くがシーズン制。約3ヶ月をワンクールとするバラエティ番組などの例外は除いて、秋に開始したドラマは翌年の春まで続き、また次の秋から新シリーズに突入するのが通例となっています。2007秋-2008春の今期も5月に入って続々とフィナーレを迎えましたが、その数字は下降の一途。昨秋に勃発したWGAストライキの影響に加えてDVRの普及やニューメディアの拡大に後押しされ、アメリカ国民のテレビ離れは止まらないようです。

まず主な原因の一つ目は、近年のヒット作不足。1998年から2004年に放送され、待望の映画版が30日に全米公開を控える”Sex and the City (HBO/原題)”を始め、2001年より開始の”24 (Fox)”や2004年から始まった”Lost (ABC)”、その翌年スタートの”Grey’s Anatomy (ABC)”のような「社会現象」クラスの作品となると、残念ながら昨今では見当たりません。また、どんな人気ドラマでも回を重ねてしまえば飽きて「脱落」しちゃう人が出てくるのは当然といえば当然。実際にWGAスト前でさえ、前述の人気ドラマ達の視聴率は前年比平均8%のダウンがみられています。

そんなところにWGAのストが重なり、事態は深刻化。度重なる再放送により、人々のTV離れは加速しました。一時はリアリティーショー人気でやや持ち直すも、全番組が戻った頃には数字は下り坂。絶大な人気を誇るオーディション番組”American Idol (Fox)”は今期もトップの座をキープしてはいましたが、蓋を開けてみれば前シーズンに比べて全体で約10%も落ち込んでしまいました。一方、こうした間に番組数が豊富なケーブルテレビへと視聴者が流れたことも、数字不振の要因のひとつ。ニールセン社が出すレートは一般放送とケーブルとで分けられる為、全体視聴数に変化が無くても、メインとなる一般部門の数字は必然的に下がってしまうことになります。

また、昨年度は15%程の普及率だったDVRが、今期になって24%にまで増加。録画して後日に鑑賞する場合は視聴率に換算されないので、観られてはいるけれど数字に反映されない、という現象も指摘されています。オンタイムでTVの前に座る必要がなくなる上、5分近くも続くCMがカットないし早送りできてしまうDVRは視聴者としては有難いのですが、製作側としては悩みの種。スポンサーが付かなくなれば制作費の捻出も難しくなる訳で、クオリティの高い番組を作るのがますます困難になるという悪循環が生まれてしまいます。

更に、ここに来て急速に伸びているのが「ニューメディア」と呼ばれるインターネット中心の媒体。そのひとつとして、各ネットワークのウェブサイト上にてシーズン中に限り無料視聴を行なうのが主流となっています。本来は番組を見逃した視聴者を本放送に追いつかせる為に始まったものですが、結果としてドラマをネットで鑑賞する人々が急増。そこに新旧ほとんどのシリーズを網羅した「海賊版サイト」までもが出現し、ドラマ=ネット視聴の構図が出来上がりつつあるのも大きな問題となっています。

今シーズンの惨敗を受け、ネットワーク各社に求められているのはパワフルな新番組ですが、発表され始めた今秋のラインナップはスピンオフが中心。すでに日本でも話題の”90210 (CW)”を始め(新シリーズを心待ちにしているビバヒルマニアの皆様へ、先日決定したケリー役のジェニー・ガースに続き、ドナちゃんことトリ・スペリングの出演が決定しました)、スティーブ・カレル主演のコメディ”The Office (NBC)”や、大人向け人気アニメ”Family Guy (Fox)”などの番外編が目白押し。どうやらテレビも映画同様、リメイクやスピンオフとして過去の人気作品に乗っかる「安全パイ策」が取られている模様です。

この秋は、各チャンネルの巻き返し&名誉挽回に乞うご期待。テレビ談義に花が咲くようなシーズン、ドラマの当たり年となりますように。また今後、9月の新番組が出揃い次第レポートしていきますので、そちらもお見逃しなく!

TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 14:41 | トラックバック

2008年05月22日

DWTS決勝:トロフィーの行方は?

いよいよ最終10週目を迎え「Dancing with the Stars (ABC)」第6シーズンがフィナーレを飾りました。これまでの軌跡や出演者同士のロマンスなども交えて、放映ホヤホヤの決勝戦の模様を一気にご紹介。通算6つ目となるミラーボール型トロフィーを持ち帰ったのは、どのセレブリティだったのでしょうか?

この春で第6シーズン目を数えた「Dancing with the Stars (以下DWTS)」。選ばれた有名人がプロのダンサーと組んでソーシャルダンスを勝ち抜いていくという番組ですが、回を重ねるごとに視聴率はうなぎ登り。すでにABCチャンネルの看板番組のひとつです。しかしここに来て、前回第5シーズンが叩き出した平均2100万人・最終回2500万人という自己最高の視聴率は超えられず。これまでの接戦と比べると、ラインナップにいまひとつ華を欠いたことや出演者間に歴然たる実力の差があったことなどが要因とみられております。それでも、かつてオリンピックを沸かせたフィギュアスケーターのクリスティー・ヤマグチの活躍などで、平均1800万人強の視聴者を獲得、常に週間Top3の座に君臨したことは、ABCにとって十分な合格ラインだったのではないでしょうか。ではでは早速、5月8日掲載の「DWTSスペシャル」版と合わせて今シーズンの模様をお楽しみ下さい。

19日・月曜日の一時間は、チャチャチャ対決でスタート。ライオネル・リッチーの名曲”Dancing on the Ceiling”に乗せて、決勝進出の3組が続けてラテンダンスを披露しました。先陣をきった俳優クリスチャン・デ・ラ・フェンテ&シェリル・バークのコンビは、26点をマーク。準々決勝目前で上腕腱の断裂を被ったフェンテですが、持ち前のラテンな腰つきで高評価を得ました。続いて登場のNFL選手ジェイソン・テイラー&エディタ・スリウィンスカは、エディタがセクシー生着替えを披露するもテイラーがいまひとつリズムに乗れず24ポイント。そして3番手のクリスティ・ヤマグチ&マーク・バラスは、審査員長レン・グッドマンに「完成品」と言わしめる堂々の30点満点を獲得しています。その後、三者はフリースタイルバトルに突入。トップバッターとなったヤマグチペアのHip Hop調ダンスには、ここでも30点が付けられました。挽回したいテイラー組は、長身を活かした多くのリフト技で27ポイントをゲット。残るクリスチャンコンビは片腕にも関わらずリフトに挑戦しましたが、完成度は他の2組に届かず。26点を獲得となりました。

明けて火曜のフィナーレは、二時間スペシャル。年々豪華になっているゲストパフォーマーにR&B歌手アッシャーが登場し、最終回にふさわしいステージで会場を沸かせました。その後、前日の結果と視聴者投票を踏まえ、準決勝敗退のミュージカル女優マリッサ・ジャレット・ウィノカーに続いてフェンテが脱落&3位に決定。怪我の功名、とはいきませんでしたが、ファイナリストとして満面の笑顔が印象的でした。残るヤマグチとテイラーは優勝を賭け、ラストダンスはそれぞれ30点満点。月曜日の視聴者投票が足された結果、クリスティ・ヤマグチがダンシング・クイーンの称号を勝ち取りました。過去を振り返ると、女性の優勝者は第1シーズンに出場したタレントのケリー・モナコのみ。初回から圧倒的なテクニックを見せつけたヤマグチは満場一致の優勝、ギラギラのミラーボール・トロフィーを手にしました。

スタンディングオベーションで幕を閉じたThe 6th DWTSですが、提供した話題はダンスだけではありません。本番組の出演者達は、皆パパラッチの標的になっています。まず、最もタブロイド誌を賑わせているのがプロダンサーのシェリル・バーク。フィリピン/ロシア/アイリッシュの血を引く彼女は、第2シーズンにペアとして優勝したドリュー・ラシェイ(妻子持ち)との浮気現場を、アクターの元彼マシュー・ローレンスに押さえられちゃった疑惑や、あのキャメロン・ディアスの元彼、俳優ジェラルド・バトラーとのデート現場を撮られたりと、ダンスフロアを降りても話題の中心です。また、第3シリーズでタッグを組んだ俳優マリオ・ロペスとカリーナ・スミノフは、実生活でもパートナーとなった「DWTSきっかけカップル」の先駆けとして知られています。しかし、今シーズン出演のR&B歌手マリオとカリーナに浮気疑惑が浮上。どうやら彼女は、ガッチリ系な「マリオ」の名の男性がお好みのようで…。そして、第5シーズンの優勝候補、驚きの6週目敗退が話題となったアイドル、サブリナ・ブライアンとマーク・バラスも「DWTSカップル」でしたが、残念ながら今月Split=お別れしてしまったとキャッチされています。ちなみに、DWTS出演のプロダンサーの中で、2組が夫婦(エディタ・スリウィンスカ&アレック・メイゾ、アンナ・トレボンスカヤ&ジョナサン・ロバーツ)だったりするのもちょっとした小ネタかもしれません。

DWTSはTV放送だけにとどまらず、オフシーズンには人気の歴代ペア達が全米巡業ツアーを行なっています。また、PS2やWiiなどのゲームソフトも販売され、ダンスファンにはもちろんのことダイエットを兼ねた主婦達の人気も集めているとか。このような好評を受け、ABCはすでに秋の改変に第7シーズンの放送を決定しています。次回は一体、どんなセレブリティ達が社交ダンスに挑戦するのでしょうか。今後もDWTSから目が離せません。

TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 16:15 | トラックバック

2008年05月16日

Mother’s Day特集:ハリウッドは出産ラッシュ!

世界の「母の日」は様々ですが、ここアメリカでは日本と同様に5月第2日曜がその日。今年は11日がMother’s Dayとなりました。年に一度のこの日はママが主役!ということで、今回は記念日にちなみ、今年に入ってママとなった&これから新米ママになろうとしているセレブリティ達をご紹介してみたいと思います。

一昨年ほど前から、ハリウッドは怒涛の出産ラッシュ。日本の芸能界も似たような傾向にあるようですが、結婚となればすぐにオメデタなのかとささやかれたり(実際に図星だったり)、はたまた新生ベビちゃんの写真をタブロイド誌に数百万ドルで売り飛ばしたり…。と、何ともビミョーな風潮まで生まれつつありますが、やっぱり生まれてくる赤ちゃんはカワイイ!のひとこと。また、母となった女性達の優しい笑顔は、見る側までもハッピーにしてくれます。それでは早速、数々のほっこりニュースと参りましょう。

アカデミー賞常連女優のケイト・ブランシェットは、先月13日に出産したばかり。現在一ヶ月のイグナティウス君が三男となるベテランママですが、驚くのはその回復力。出産6日後には故郷オーストラリアで開催されたサミットに出席というから、半端ないパワフルさです。同じくオスカー女優、ハル・ベリーは3月16日に第一子となるナーラちゃんを出産。パパは美形モデルのガブリエル・オーブリー、ベリーは元ミスUSAと、将来が恐ろしく楽しみなベビちゃんです。一方、J. Loことジェニファー・ロペスには2月22日に初産で双子のマックス君とエメちゃんが誕生しておりますが、つい気になってしまうのは旦那様の遺伝子。ミュージシャンのマーク・アンソニーが、たまに名脇役スティーブ・ブシェミに見えてしまうのは筆者だけでしょうか。何となく幸運を祈ります。

絶妙に出産日が一日違いだった元お騒がせセレブは、クリスティーナ・アギレラ(1月12日出産)とニコール・リッチー(1月11日)。それぞれ、マックス君とハーロウちゃんを出産しています。余談ですが、ハーロウちゃんの父親であるジョエル・マッデンの双子の兄ベンジーは、リッチーの元親友だったパリス・ヒルトンと現在交際中。何だかもう良くわかりません。そして出産セレブの最後を飾るのは、オーストラリア出身女優トニ・コレット。大ヒットした「リトル・ミス・サンシャイン (2006/邦題)」が代表作となった彼女は、1月9日に長女セイジちゃんが誕生しました。ちなみに、新米ママのベリーとリッチーは未婚での出産となっております。

ここからは、近々待望のベビちゃんが誕生する「これから」ママ達です。まずは、ご懐妊ニュースで多くの男性を鬱に陥れたジェシカ・アルバ。清純派路線だった彼女がいきなりの妊娠、羨ましい限りのお相手は、セットで出会ったキャッシュ・ウォーレンです。元ビバリー出演者繋がり?で第二子を妊娠中なのは、ドナちゃん役のトリ・スペリング。長男リアム君に続く、ディーン・マクダーモットとのベイビーです。同じく第二子となるのは、歌手兼デザイナーとしても活躍中のグウェン・ステファニー。英国ミュージシャン、ギャビン・ロスディルとの間にはすでにキングストン君が誕生しております。先週お伝えしたDWTS繋がりで、今期第6シーズンに出演中のマリッサ・ジャレット・ウィノカー、第4シーズン出場のモハメド・アリの愛娘、レイラ・アリはそれぞれ第一子を妊娠中。マリッサの場合、あんなに踊っちゃって大丈夫なのでしょうか。

ある意味アメリカを震撼させたのが、ブリトニーの妹ジェイミー・リン・スピアーズ(17)とジェシカの妹アシュリー・シンプソン(23)の妹アイドルふたり。アシュリーはまぁともかく、ジェイミー・リンは年齢的にマズイだろ?といった論争が未だ続いています。ハリウッドきっての大御所、ニコール・キッドマンには待ちに待った第一子がもうすぐ誕生。元夫トム・クルーズと共にふたりの養子を持つ母親ですが、今回はキース・アーバンとの初めての実子となります。妊娠5ヶ月での来日会見は、こちらのニュースでも度々取り上げられておりました。そしてトリを飾るのは、やっぱりアンジェリーナ・ジョリー。養子のマドックス君、パックス君、ザハラちゃん、プラピとの実子シャイロちゃんに続くお子様は双子の予定。ブランジェリーナもなかなか結婚しませんが、アルバ、スピアーズ、アシュリーは現在未婚の「婚約中」という状態です。

ざっとビックネームばかりご紹介して参りましたが、これでもハリウッド内ではほんの一部。2007年に引き続き、本年度も続々とベイビーが誕生します。どちらを向いてもYummy Mommy=美味しそうなママ、おかんとは呼べない雰囲気の方々ばかり。可愛らしいベビちゃんを抱っこして、ますます美しさに磨きがかかりそうです。

TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:44 | トラックバック

2008年05月08日

祝☆放送100回記念!「Dancing with the Stars」SP

本年度3月より再始動、今回で第6シーズンに突入した「Dancing with the Stars」。決勝まであと2週を残し、第1シーズン開始時より100エピソードを数えることとなりました。週明け2日間のゴールデンタイムを独占する、ABCきっての大型リアリティーショー。今回は、当日に放送されたスペシャル版の模様と第6シーズンのこれまでを一気におさらいしていきます。

シーズン中、毎週月/火曜の2夜連続で放送される「Dancing with the Stars (以下DWTS)」は、ご存知セレブリティ達による社交ダンスバトル。本コラムでも度々ご紹介していますが、日本で放送されていた「シャル・ウィ・ダンス?」と本シリーズは、英国BBCの”Strictly Come Dancing”の「のれん分け」番組といったところでしょうか。

5月6日をもってシリーズ開始より放送100回目を迎え、当日のDWTSは更にパワーアップ。敗退者が決まる火曜の”Result Show”直前に、1時間の特別番組が放送されました。こちらでは、レン・グッドマン、ブルーノ・トニオーリ、キャリー・アン・イナバの審査員3名が選んだ過去5シーズンにおける「ベストダンスTop10」を一挙に放出。歴代の30点満点ダンスがカウントダウン形式で登場し、ファンには垂涎もののラインナップとなっておりました。

特番の後は通常通りの放送に加え、これまで当番組に出演した多くのスター達が来場。第2シーズンの優勝者、90年代のアイドルグループ”98 degree”のメンバーだったドリュー・ラシェイ(ジェシカ・シンプソンの元夫ニックの弟)、第4シーズンで2位となったイン・シンクのジョーイ・ファトゥーンなどなどが華を添えました。また、目玉は同じく第4シーズンで優勝した現役スピードスケート選手アポロ・アントン・オーノらの復活。先日復活したスパイス・ガールズのメンバー、第5シリーズで2位となったメル・Bとともに、フロアに舞い戻りました。それぞれ元パートナーのジュリアン・ハフとマクシム・シュマーコフスキーと組み、プロ顔負けのダンスで観客を魅了。一方、準決勝を待たずして残念ながら敗退してしまったのは若干21歳のR&Bシンガー、マリオでした。彼まで出てたの…?とちょっと驚いてしまった方々の為に、ここで今シーズンの出演者リストをご紹介します。

★モニカ・セレス(元女子テニス世界チャンピオン)
★ペン・ジレッテ(マジシャン/イリュージョニスト)
★スティーブ・グーテンバーグ(映画/TV/舞台俳優)
★アダム・カローラ(ラジオパーソナリティ)
★プリシラ・プレスリー(女優/実業家/エルビス・プレスリーの元妻)
★マーリー・マットリン(アカデミー賞獲得女優)
★シャノン・エリザベス(女優/モデル/プロポーカープレイヤー)
★マリオ(R&Bシンガー)
☆クリスチャン・デ・ラ・フェンテ(映画/TV俳優)
☆ジェイソン・テイラー(NFLフットボールプレイヤー)
☆マリッサ・ジャレット・ウィノカー(トニー賞獲得女優)
☆クリスティー・ヤマグチ(元フィギュアスケート金メダリスト/プロスケーター)
<★:敗退(Elimination順)/☆:準決勝進出(姓アルファベット順)>

DWTS特有の気になる現象のひとつは、司会者や審査員までもが気を使う「大物」が登場した時の彼らのリアクション。異常なまでにセレブを立て、ダメ出しするのも一苦労といった様子は笑えるのですが、実力に見合わず残ってしまうのが難点と言えます。今シーズンではプレスリー元妻が良い例でしたが、ここまで来てやっと選りすぐりだけが残り、これからがどんどん面白くなってきそうです。また、今回の注目は日系アメリカ人のヤマグチさん。36歳、子持ちとは思えない現役バリバリの容姿とテクニックで、6週続けてトップの座をキープ。先週からはやや不調のようですが、間違いなく優勝候補のひとりです。
現時点でのその他の準決勝進出者は、これぞラテン!な笑顔の持ち主で腕の怪我にも負けず出演中のフェンテ、身長は2m近くでもソフトに踊れるテイラー、かなりコロコロした体系で笑顔をふりまくウィノカー。個性的な面々のラストスパートがかなり楽しみです。

2週間後には、あの怪しいと評判?のミラーボール型トロフィーを手にするスターが決定します。今シーズンのDWTSは、アクシデントや出演者同士のロマンスなど面白いネタが満載。今回ご紹介し切れなかった話題も含め、決勝の模様もレポートしたいと思っておりますので、どうぞお楽しみに。また、日本では視聴出来ないではないかとご立腹の方々は、YouTubeなどの動画サイトでチェックしてみてください。驚く程の数のビデオがUPされているはず。この機会に、思いっきりDWTSにハマっちゃいましょう。

TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 16:52 | トラックバック

2008年05月01日

LGBTパワー!第19回GLAADメディア・アワード

どの国よりも人権問題に熱心な米国には、様々な人権団体があります。GLADD(Gay and Lesbian Alliance against Defarmation)は、性的マイノリティーである同性愛者の人権を守る団体。毎年、メディアの中でゲイやレズビアンのイメージ向上に貢献したセレブを選び、賞を与えています。今年も4月26日、コダックシアターにてGLAADメディア・アワードが開催されました。全米4都市を巡る授賞式が、ここハリウッドにもやって来ました。GLAADが本年度の「顔」に選んだのは、一体どの作品/人物だったのでしょうか?
今年で19回目を数える本授賞式は、LGBT (Lesbian, Gay, Bisexual, and Transgender) と称されるゲイ・レズビアン・バイセクシャル・性転換者の地位向上の為、メディアを通して様々な貢献をした個人やテレビ番組などを表彰するセレモニーとなっています。特筆すべきは、LGBT人口が多いとされる地域でそれぞれ異なる部門の受賞者を順次発表していくこと。3月はニューヨークにて、4月は12日のマイアミと今回のロサンゼルス、そして5月にはサンフランシスコでも授賞式が行なわれます。また、本年度が初となるTV放映も早々に決定。6月27日にケーブルチャンネルBravoにて、全式典の模様が一挙に流れる特番がオンエアされることになりました。このことからも、本イベントへの注目度が年々高まっている様子がうかがえます。

この度、LA会場で発表された各賞は以下の通り。TV部門では、昨年に引き続きABCの2作品が連続受賞を達成する快挙となりました。まず、コメディシリーズに「アグリー・ベティ(邦題)」。マイケル・ユーリー扮するゲイの秘書マークや、性転換した編集長アレクシス(レベッカ・ローミン)が登場するコメディーです。そしてドラマシリーズは、”Brothers & Sisters (原題)”が獲得。マシュー・リースが演じるゲイの弁護士、ケヴィンの恋愛模様は本作の見どころのひとつとなっています。昨今ではLGBTのキャラクターを扱ったTVシリーズがかなり多く見られますが、ステレオタイプに偏ることなく、いかに公平かつリアルに登場人物を描写しているかが審査基準になっています。ちなみに、ABCは昨年秋に行なわれた多民族メディア連合 (Multi-Ethnic Media Coalition)による統計でも、最も多様な人種を扱うチャンネルとして評価されています。

LGBTコミュニティの認知を向上させ、彼らに対する世間の理解を深めた人物に贈られるヴァンガード賞。こちらは、アメリカを代表する歌姫ジャネット・ジャクソンが持ち帰ることとなりました。プレゼンターは、アカデミー賞の司会者としても同会場の舞台に立ったコメディアン/女優のエレン・デジェネレス。彼女は1997年、主演ドラマ”Ellen (ABC)”のキャラクターと同様に自らもレズビアンであることを公言しています。

シャロン・ストーンがステファン・F・コルザック賞のトロフィーを手渡したのは、ミュージシャンのルーファス・ウェインライト。10代の頃からゲイであることをカミングアウトしている彼は、LGBTに対する平等な権利の奨励者としての受賞です。また、タイトルとなっている故コルザック氏は、キャスティング・ディレクターとして活躍していた著名人。晩年は同性愛者やエイズ患者に対する偏見をなくす為、様々な活動を行なっていた人物として知られています。

最後に、パイオニア賞。独特なタッチのファッション・フォトグラファーとして時代をリードしながら、同性愛者の権利を訴え続けたハーブ・リッツ氏に贈られています。今は亡き氏に代わり、ヴォーグ誌などでリッツ氏の被写体となった元スーパーモデルのシンディ・クロフォードが登壇しました。彼女の元夫であるリチャード・ギアを無名時代に撮影したスナップ写真により、リッツ氏の写真家人生が始まったというエピソードはあまりにも有名です。

20年近くに渡って回を重ねてきたGLAADメディア・アワード。今日では、アメリカのメディアにLGBTの人々が登場しない日はありません。多岐に渡って活躍する彼らが本当の意味での市民権を獲得する日。それは、本授賞式が「過去のもの」となるその時かもしれません。

【GLAAD Media Awards 公式ホームページ】

TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 12:54 | トラックバック