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2009年04月30日
25周年!アジア映画の祭典LAAPFF
1983年のスタートより、延べ3000本以上におよぶ良質のアジア映画を上映してきたLos Angels Asian Pacific Film Festival。25年目に突入した本年度は、今週30日から5月7日までの開催が予定されています。厳選された35本の長編映画、146作品のショートフィルムが堪能できる8日間。09年度LAAPFFの目玉ラインナップをご紹介していきます。
翼が生えたイラストが可愛いLAAPFFバナー
今年で25周年を迎えたロサンゼルス・アジアン・パシフィック・フィルムフェスティバル (LAAPFF)は、南カリフォルニア最大級のアジア系映画祭。アジア諸国出身の監督/俳優/製作者による作品や、アジアをテーマに描かれた新旧映画が続々とお披露目されます。本年度は、26カ国より計181本の短長編作品がエントリー。西はウエスト・ハリウッド、東はリトル東京を抱えるLAダウンタウンまで、LA市内に点在する5箇所の劇場や映画館が会場となっています。一方、本フェスティバルでは映画上映に平行して、毎年様々なイベントを開催中。監督や脚本家志望の人々に向けたセミナーや、エンターテインメント/メディア業界から講師を招いたティーチ・インやパネル・ディスカッションなども人気を集めているようです。
ロサンゼルス郡では20万人以上がエンタメ関連業務に就いており、年間200-300億ドルが動くとされる最大ビジネスのひとつ。しかし、今年1月だけでそこから約2万2000人が解雇されたと伝えられています。各スポンサーの撤退から広告収入が減り、結果として映画/TV/コマーシャルのロケ数が激減。LA近郊での映画撮影は約半分にまで落ち、コマーシャルの製作も34%がカットされました。唯一、TV番組のロケが前年比76%アップしましたが、これはWGAストライキ当時の最悪数値からの上昇。一昨年からは相当数字を落としていることになります。
2009年度のオープニング・ナイトに招かれた”Children of Invention (原題/2009 )”は、今年1月に行なわれたサンダンス映画祭などでも好評だった1本。2007年のLAAPFFに短編”Windbreaker (2006)”を出展していたズィー・チュン監督の長編デビュー作です。映画祭の中間地点に目玉作品として上映される”Treeless Mountain (2008)”は、昨年のトロント映画祭においても話題に。本作でメガフォンをとった韓国出身、LA育ちの女流監督リー・ヨン・キムの第1回監督作品”In Between Days (2006)”は、同年のサンダンス映画祭で脚光を浴びました。そして、本フェスティバルの最終日を飾るのが、クロージング作品の名にふさわしい「おくりびと (邦題/2008)」。ご存知のとおり、本作は第81回アカデミー賞にて輝かしい外国語映画賞を獲得したこともあり、LAAPFF開催中たった1度きりの上映には、多くの映画ファンが詰めかけること必至です。
我らが日本からのエントリーは「おくりびと」を含めて計6本。近年に公開された様々なジャンルのドラマを中心に、20余年前に製作されたドキュメンタリーも含まれている辺り、なかなか渋いチョイスです。普段は滅多にお目にかかることのない、絶妙な「洋題」にもご注目を。
・「おくりびと / Departures (洋題)」: 滝田洋二郎監督
・「ぐるりのこと。/ All Around Us (2008)」: 橋口亮輔監督
・「愛のむきだし / Love Exposure (2008)」: 園子温監督
・「扉のむこう / Left Handed (2008)」: ローレンス・スラッシュ監督
・「山形スクリーム / Yamagata Scream (2009)」: 竹中直人監督
・「ゆきゆきて、神軍 / The Emperor’s Naked Army Marches On (1987)」: 原一男監督
また、アメリカ製作ではありますが、デイヴ・ボイル監督の”White on Rice (2009)”は多くの日本人キャストを擁している模様。主演を務める渡辺広さんは「硫黄島からの手紙 (2006)」に渡辺謙さん演じる栗林中将の副官、藤田中尉役で出演されていました。その生真面目かつコミカルな雰囲気が、強く印象に残っている方々も多いのではないでしょうか。そのほか、本作には裕木奈江さんの姿も。ただいま筆者が気になっている作品のひとつです。
毎年数え切れないほどの映画が製作されるアメリカでは、普段はなかなか海外作品にお目にかかることが出来ないのが現状。映画の都ハリウッドでさえ、外国語映画は短期間の単館上映が多いのが残念なところです。よってLAAPFFのような映画祭は、はるばる海を越えてやって来た作品を楽しめる絶好の機会。筆者も時間が許す限り、足を運びたいと思っています。LA近郊にお住まいの方はもちろん、アジア映画が気になっている方々も、ぜひぜひ以下のウェブサイトを覗いてみてください。
TEXT BY アベマリコ
2009年04月23日
レインボー・カラーの祭典: 第20回GLAADメディア・アワード
LGBT <レズビアン/ゲイ/バイセクシャル/トランスジェンダー (性転換者)>と称される、セクシュアル・マイノリティの地位向上を目指す団体GLAAD (Gay and Lesbian Alliance against Defamation)。彼らが毎年開催する「GLAADメディア・アワード」が3月末のニューヨーク会場を経て、先週18日にロサンゼルスはノキア・シアターにて受賞式典が催されました。多くの著名人が続々と登場した当日の模様、各受賞者の横顔などをお伝えします。
GLAADに協賛するハリウッドのGay & Lesbian Center。
LGBTのシンボル「レインボー・カラー」が目を引きます。
5月にはサンフランシスコとマイアミでの式典も控えている第20回GLAADメディア・アワードは、各メディアにおいてLGBTの地位向上に著しい貢献をした人物/TV番組/映画を表彰するセレモニー。全米内で特にLGBT人口の多いとされる4大都市を巡るといった、ユニークなアプローチでも知られる祭典です。本年度の司会者は、04年の本アワードにて演劇賞を持ち帰ったミス・ココ・ペルー。アクター兼ドラッグ・クイーンとして知られる彼女は会場を大いに盛り上げ、当初の予定を1時間上回る3時間もの一大イベントとなりました。
オープニングひとつ目のトークショー/エピソード賞を受け取ったのは、自身の冠番組にて彼女の同性との結婚式の模様を披露した人気番組ホスト兼コメディエンヌのエレン・デジェネレス。奥様?である女優ポーシャ・デ・ロッシとともにステージに上がりました。他のTV部門では、コメディ・シリーズに「デスパレートな妻たち (邦題/ABC)」、ドラマ・シリーズに「ブラザーズ・アンド・シスターズ (ABC)」と、お馴染みの人気番組が受賞しています。特に「ブラシス」は、同賞2年連続の制覇となりました。
また、TV部門の特別賞を獲得したのは、日本でも話題となった「Lの世界 (Showtime)」。ゲイタウンであるウエスト・ハリウッドに暮らすレズビアン達を描いた当ドラマは、今年の第6シーズンで惜しまれながらのフィナーレを迎えています。
映画部門では、満場一致で「ミルク」に栄冠。ガス・ヴァン・サント監督や、自身もゲイであることをカミングアウトしている脚本家ダスティン・ランス・ブラック氏が会場に駆けつけました。また、以前に本コラムでもご紹介したオモシロ動画サイト「FunnyOrDie.com」にアップされたビデオ、”Prop. 8: The Musical (原題)”が特別賞を獲得。「ヘアスプレー」のアダム・シャンクマン監督、ジャック・ブラックやジョン・C・レイリーなど豪華な顔ぶれが出演した作品であり、「カリフォルニア州法プロポジション8」の動きに待ったをかける内容となっています。タイトルにもあるProp. 8とは、昨年の大統領選と同時期に投票が行なわれた「同性婚を禁止する為」の州憲法改正案。リベラルな印象の強いアメリカですが、ほぼ五分五分ではあったものの禁止に可決され、現在は様々なLGBT団体が抗議運動を進めているところです。コメディ調に仕立てながらも全ての人々の平等を訴える当作品の貢献度は、かなり大きいものだと言えるでしょう。
スタンディング・オベーションで迎えられたのは、イングランド国教会内で初めて自身がゲイであるとカミングアウトしたジーン・ロビンソン主教。キャスティング・ディレクターとして活躍すると同時に、同性愛者やエイズ患者の為に生涯を捧げた故人の名前をとったステファン・F・コルザック賞を受け取っています。
また、ちょっと違った意味合いで観客の大喝采を浴びたコメディエンヌ&女優のキャシー・グリフィンは、御年48歳!でビキニ姿を披露。自称「D-List Celebrity=D級セレブ」である彼女には、自身のリアリティー・ショー”My Life on the D-List (Bravo)”において多くのLGBTキャストを出演させると同時に、同性婚承認を強く訴える活動が認められてヴァンガード賞が贈られています。ちなみに彼女は、顔のリフトアップや全身の脂肪吸引など、数々の美容整形を告白していることでも有名。圧巻のボディに思わず納得?ですが、術中に危険な拒絶反応を起こしたこともあり、むやみに美容整形に手を出すべきではないと訴えていたりもします。
GLAADメディア・アワードの会場では胸に白いリボンを着けている人々が多く見られましたが、こちらは同性婚をサポートするという証。マイノリティと見なされる彼らが、多くにとっては「当たり前」である権利を1日も早く手にすることを願って止みません。
写真付きの受賞者/作品一覧、来場者リストは以下のリンクよりどうぞ。特にプレゼンターとして登場、すっかりスリムなママになったジェシカ・アルバの笑顔は必見です。
【GLAADメディア・アワード受賞者/作品一覧】
【来場者リスト】
TEXT BY アベマリコ
2009年04月16日
ハリウッドならでは?あるお仕事に応募者が殺到中
「100年に一度」といった世にも恐ろしい形容詞が付けられつつ、連日報道されている世界的な景気後退。LAでもあちこちから「スロー・エコノミー」「レセッション (不況)」など、ネガティブな単語が聞こえてきます。そんな中、エンタメ天国ハリウッドらしい職種がちょっとしたブームになっている模様。登録者数が軒並みアップの「エキストラ業」をご紹介していきます。
一般的なヘッドショット専門店。土地柄かハリウッド周辺には多い。
ロサンゼルス郡では20万人以上がエンタメ関連業務に就いており、年間200-300億ドルが動くとされる最大ビジネスのひとつ。しかし、今年1月だけでそこから約2万2000人が解雇されたと伝えられています。各スポンサーの撤退から広告収入が減り、結果として映画/TV/コマーシャルのロケ数が激減。LA近郊での映画撮影は約半分にまで落ち、コマーシャルの製作も34%がカットされました。唯一、TV番組のロケが前年比76%アップしましたが、これはWGAストライキ当時の最悪数値からの上昇。一昨年からは、かなり数字を落としていることになります。
店頭に並ぶヘッドショットの数々。
エキストラには経験も学歴も面接すらも不問で、18歳以上で合法的に米国内で働ける人なら誰でも応募可能。基本的には日給制で、1日65ドルから100ドル前後までと金額は撮影内容によって異なり、拘束時間も様々です。また、エージェントに登録したからといって必ずしもお仕事が与えられるわけではなく、製作サイドに選ばれた人々のみがロケ現場に向かうことになります。今日ではエキストラ希望者と撮影自体の数がますます反比例しており、競争率はうなぎ登り。しかし、時にはセリフが与えられる「アップグレード」や、そこからSAG (Screen Actors Guild/全米映画俳優組合) の会員に昇格して手当てが倍増するチャンスもあります。更に、コマーシャルの場合は放映回数によってResidual (=印税/出演料) が増える契約形態もあるので、1本で数万ドルの収入になることも。実際にCMのみで生計を立てているツワモノも多く存在します。
撮影中にはカメラを直視したり声を発することが禁じられ、現場のセレブや監督らに話し掛けることはおろか、目すら合わせてはいけないとされるエキストラのお仕事。待ち時間が長い場合も多々あり、なかなか扱いが厳しいようです。それでも応募者が増えているのは、やはり人々が抱くアメリカン・ドリーム?ちょっとした一攫千金を狙える辺りが、多くを惹きつける魅力なのかもしれません。
TEXT BY アベマリコ
2009年04月09日
カントリー・ミュージックのアカデミー賞: ACMs 開催!
日曜日、眠らない街ラスベガスにて行なわれた「Academy of Country Music Awards」略してACMs。アメリカの音楽業界が特に不況の煽りを受けている中で、CBSによる全米放送は高視聴率をマークしました。当日3時間に渡って放映されたセレモニーの模様や、ニュージェネレーションによる「世代交代」となった受賞者達の面々をお伝えしていきます。
ラスベガス大通りのほぼ中央、MGMグランド・ホテル/
Photo by mandj98 on Flickr
4月8日、ラスベガスはMGMグランド・ホテルのガーデン・アリーナにて開催されたACMs。今年で第44回目となる本授賞式は、LAに本部を構えるAcademy of Country Music (ACM)主催のカントリー&ウエスタン・ミュージックの祭典として知られています。
「アカデミー」と聞くと、タキシードやガウン・ドレスに身を包んだセレブ達の姿が浮かべがちですが、こちらのセレモニーはちょっぴりユニーク。ウエスタンブーツにカウボーイハット、ジーンズ姿やミニドレスが大半を占める装いで式典が進みます。通常の音楽系アワードにおける観客よりも年齢層が高いことも特徴のひとつですが、会場の熱気は負けず劣らずの最高潮。新旧のミュージックシーンを代表する豪華な顔ぶれに、オジサマ&オバサマ達もスタンディング・オベーションで盛り上がっておりました。
本年度の司会進行は、カントリーの女王レバ・マッケンタイア。会場には各ノミネート者に加え、アメリカは今月末/日本では5月の公開が待たれる「路上のソリスト (邦題)」出演のジェイミー・フォックスや、マシュー・マコノヒー、ジェニファー・ラブ・ヒューイットらがプレゼンターとして登場し、客席には夫キース・アーバンの応援にやって来たニコール・キッドマンの姿もありました。更にはラスベガスらしく、マジシャンのデヴィッド・カッパーフィールドまで登壇するなど、シンガー達によるパフォーマンスと合わせてアリーナを沸かせています。
ACMs2009をさらったのは、活躍の華々しい若手シンガー達。アイドル発掘番組”American Idol (FOX)”の第4シーズン覇者であるキャリー・アンダーウッドは女性ヴォーカリスト賞と合わせ、視聴者のオンライン投票で決定するエンターテイナー・オブ・ザ・イヤーも獲得しました。こちらのカテゴリーでは、ケニー・チェズニーの5連覇を阻止するかたちとなっています。若干19歳のテイラー・スウィフトは、昨年11月の発売からすでに300万枚以上を売り上げているセカンドアルバム「Fearless」が年間アルバム賞に。更には、カントリー歌手として昨年500万枚以上というトップセールス数が讃えられ、クリスタル・マイルストーンのトロフィーを受け取っています。
新人賞を持ち帰ったのは、芸能人社交ダンスショー”Dancing with the Stars (ABC)”にてプロダンサーとして出演中、昨年シンガーとしてもデビューを果たしたジュリアン・ハフ。最多6部門にノミネートされながら、奥様キンバリー・ウィリアムズの第2子出産に立ち会う為に自宅からの中継となったイケメン歌手ブラッド・ペイズリーは、男性ヴォーカリスト賞を獲得しました。こうして見ると「カントリーはオトナ向け」といった認識をすっかり覆す程に若手世代の台頭が目立ちますが、他の主要部門はベテラン勢が貫禄の受賞。カントリー歌曲賞はジェイミー・ジョンソンの「In Color」、年間歌曲賞にはトレイス・アドキンスの「You’re Going to Miss This」が選ばれています。
これで見納め!すっかり薄くなったBLENDER最終号
ちょうど2ヶ月前に開催されたグラミー賞が振るわなかった一方で、2009年度ACMsの視聴率は上々の結果に。近年のベストだった2005年を上回り、昨年比では31%アップの140万人がチャンネルを合わせたと伝えられています。CDの売り上げが落ちハリウッド内でも多くのショップが閉店していく昨今。つい先日は2001年に創刊された若者向け音楽雑誌「BLENDER」が今年に入ってからスポンサー数を57%下げて、廃刊が決定したところです。こうして音楽業界がピンチに立たされている中、この度の高視聴率は不景気に風穴を開けるチャンスかも?
特にカントリーのファン層の多くはパソコンでのDLではなく確実にCDを購入する世代とあって、今回のセレモニーが良きPRとなって、人々の購買意欲に繋がるよう期待が高まっている模様です。
日本人の心=演歌とするなら、米国人のソウルはカントリーにあり。3時間のライブ放送では、オバマ大統領を支持するスピーチや、現役米軍兵にメッセージソングが捧げられるなど、愛国心に溢れていました。アップテンポからバラードまで、抜群の歌唱力で聞きごたえ満点のカントリー・ミュージック。これまで当ジャンルに明るくなかった方々も、ぜひチェックしてみてください。
TEXT BY アベマリコ
2009年04月02日
あなたならどれを観る?アメリカン・リアリティーショー2009
先々週にもお伝えした通り、現在のアメリカTV界はミッドシーズン真っ只中。新しい顔ぶれが続々と登場して、テレビっ子にとってはチャンネル選びに忙しい時期となりました。前回はニューフェイスのドラマシリーズにスポットを当ててみましたが、今週ご紹介していくのはそのリアリティーショー版。
爆発的な人気を誇るあのオーディション番組から、スター達がしのぎを削るダンス・コンペティション、マニア増加中のモデル発掘シリーズなど、今日のアメリカを代表する人気ゴールデン番組の数々をレポートします。
AIの告知ポスター
2002年6月のスタート以来「国民的番組」の呼び声を欲しいままにしている ”American Idol (FOX)”。視聴者参加型のアイドル発掘番組は今年の1月で第8シーズン目を数え、5&6シーズン辺りにピークを迎えた視聴率には若干のかげりを見せつつも、火曜日のコンテスタント達によるお披露目デイ、水曜放送の脱落者決定デイは、それぞれが毎週ワンツーフィニッシュを飾る数字をキープしています。初代チャンプのケリー・クラークソンを始め、キャリー・アンダーウッド 、ジョーダン・スパークスなど、当番組からヒットチャートの常連となったアーティストは多数。一方では、今大会出場を機に今やオスカー女優&グラミー歌手の称号を手にしているジェニファー・ハドソンや、自身のバンドDaughtryを率いて着実にヒットを飛ばすクリス・ドートリーらの活躍によって、途中敗退者への注目度もグッと増している感があります。
また、ウィリアム・ハンやサンジャヤ・マラカーといった過去の「キワモノ系」参加者の登場も、ついついチャンネルを合わせてしまう要素のひとつに。すでにアダム・ランバートの人気が高まりつつある今シーズンのAI、引き続きファンを増やしていきそうです。ちなみに今週からは、アメリカ名物?オジー・オズボーン一家への密着番組”Osbournes: Reloaded”が、同FOX局でAI火曜日の後番組としてスタートしたばかり。こちらもAI人気を借りてヒットとなるのでしょうか。
AIと同様に第8シーズンが開始しているのが、ABC局の”Dancing with the Stars”。この「芸能人社交ダンスバトル」は2005年6月の開始から順調にファンを増やし続け、毎シーズンの初回放送ごとに自己最高視聴率を更新中です。特に月曜日に放送されるお披露目デイは、その晩の視聴率トップをキープしているところ。翌火曜の脱落者決定デイも、ちょうど裏番組に当たるAIと数字を分けながら上位にランクインしています。
華やかに見えて超過酷なダンスレッスンにより、これまでにも怪我人が続出している当番組ですが、今期はTV番組ホストのナンシー・オデールと歌手ジュエルが直前の怪我で出演を断念。雑誌PLAYBOY創設者ヒュー・ヘフナーの元彼女&プレイメイトのホリー・マディソン、リッチな未婚男性が花嫁候補を探すリアリティ番組”The Bachelor (ABC)”にて「フラれた」ひとりであるメリッサ・ライクロフトらが、彼女達のピンチヒッターとして奮闘中です。
年々豪華になっていく顔ぶれにも注目が集まりますが、今シーズンはグラミー賞を獲得した女性ラッパーのリル・キム、PTAに嫌われること間違いなしのハチャメチャ番組”Jackass (MTV)”の出演者スティーヴォー、2008年北京オリンピックの女子体操で金銀のメダル計5つを持ち帰ったショーン・ジョンソン、アップルコンピュータの設立者のひとりであるスティーヴ・ウォズニアックなどなど、異色の面々による競演が見どころとなっています。
ANTMの巨大看板 in Hollywood
AIやDWTSに比べると数字はまだまだですが、特に女性達の間での「マスト」になりつつある番組が、”America’s Next Top Model (the CW)”。こちらは、過去にナオミ・キャンベルの再来と謳われ、自身の冠トークショーをも持つトップモデル、タイラ・バンクスがプロデュースしている「スーパーモデル発掘番組」です。すでに12サイクル目に突入した現在、前出の2番組と同様に巷では「ANTM」と省略されるようになり、連日必ずどこかでその文字を見かけるほどの盛況ぶり。辛口なバンクスが一般公募のモデル志望の女の子達をうまくショーケースする模様や、女子独特のコワイ「駆け引き」などが、多くの視聴者をクギ付けにしている要因かもしれません。
TVネットワーク/製作会社のOxygenが18~34歳の女性達にとった「外見vs. 内面」アンケートの結果によると、25%もの女性が「ノーベル平和賞よりもANTMで優勝できる容姿が欲しい」と答えたとか。何だかものすごい質問ですが、女性の美に対する欲求が垣間見えるお答えかも?当番組はAIの2日目と同じ水曜日、ギリギリ被らない20時(PST)にオンエア中です。
今回ご紹介した各シリーズは、どれもこれからが面白くなっていくはず。参加者達のバトルと合わせて、数字の変動も気になるところです。今後もリモコンを片手に、大型/マニアックな新番組をチェックしてアップデートしていきたいと思っていますので、そちらもお楽しみに。
TEXT BY アベマリコ