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2009年07月30日

千客万来!コミコン2009を総括

ロサンゼルスの夏の風物詩がLA Film Festとするならば、サンディエゴはComic-Con Internationalで決まり!7月23日から26日まで の4日間 (22日はプレビュー)、サンディエゴのコンベンション・センターにて、アニメ・ゲーム・コミックの祭典「Comic-Con International 2009」が今年もド派手に開催されました。世界中から集まったのは、15万人にも届きそうなオーディエンス。インターナショナルな彼らに好評だったのは、一体どのパネル/ブースだったのでしょうか?



お馴染みとなったコミコン・バナー


遡ること39年前、ひっそりとコミック本をトレードする「Geeks=オタク達のメッカ」であったコミコンは、今やマンモス級の一大イベントに。コミックやフィギュア、新作ゲームやアニメなどを扱うパネルはもとより、大作映画やドラマシリーズなどのブースも設けられ、業界各社&ハリウッドにとっては恰好のプロモーションの場となっています。特に近年の会場では、ほぼ全域にiGoogleが提供するフリーWi-Fiが設置されており、TwitterやFacebookなどのSNSサービスを利用するファン達の「クチコミ効果」が存分に発揮されている模様。コミコンで発表された特ダネは、瞬く間に世界中へと発信されているようです。



今年の話題をさらったのは、まず初日に行なわれた”The Twilight Saga: New Moon (原題)”のプレゼンテーション。もはやカルト的な人気を誇るエドワード役のロバート・パティンソン熱により、彼目当ての徹夜組も続出しました。しかし、同日にサプライズで登場したジョニー・デップには、ティーン女子だけにとどまらず会場全体が湧いた様子。盟友ティム・バートン監督と共に、来年3月5日に公開される3Dファンタジー映画”Alice in Wonderland”のプロモーションに訪れました。彼らは2011年封切り予定の”Dark Shadow”でもチームアップが決定しており、今後もますます目が離せなくなりそう。また、バートン監督と「ウォンテッド」のティムール・ベクマンベトフ監督が製作に名を連ねるダークなアニメーション作品”9”が、いよいよベールを脱いだことも話題に上りました。シェイン・アッカー監督による11分の短編版がコアな人気を集めた2005年から早4年、同監督のフィーチャー版は「9-9-09」に満を持しての公開です。



会場はどこも、人・人・人!
Photo by glenn. batuyong on Flickr

同じ9繋がりで、8月14日に公開される”District 9”のスクリーニングには、意外やコミコン初参加となるピーター・ジャクソンが来場。彼が製作を務めた本作は、この夏待望のSFパニック映画です。また、11月13日の公開が待たれる”2012”も、同じくディザスター・ムービー枠として参加。「インデペンデンス・デイ (邦題/1996)」や「デイ・アフター・トゥモロー (2004)」などで世界中をパニックに陥らせたローランド・エメリッヒ監督が、今回は地球まるごと「人類破滅」に向けてメガフォンを握っています。その一方では12月18日に公開、フィクション映画では「タイタニック (1997)」以来という実に12年振りとなるジェームズ・キャメロン監督のSF超大作”Avatar”もコミコンに殴り込み。今回発表された25分に及ぶトレイラーは、8月21日より全米のImax/3-Dシアターにて無料上映されると報じられています。


コミコン2007から火がつき、全米3億1800万ドル、世界で6億ドルの興行収入を上げた「アイアンマン (2008)」3部作の第2弾となる”Iron Man 2” (2010年5月公開)のブースには、主演のロバート・ダウニー・Jr. が新キャストとなるドン・チードルらと登場し、集まったファン達に感謝を述べています。また、ダウニーは「路上のソリスト」に続く次回作、今年のクリスマスに公開予定の”Sherlock Holmes”のパネルにも参加。ここでも「みんな大好きだよ!」と告げるなど、集まった観客を大喜びさせました。そして、本年度のコミコンには「崖の上のポニョ/Ponyo (米題)」を引っ提げた宮崎駿監督も堂々の初来場。「千と千尋の神隠し/Spirited Away (2001)」より、アメリカでの宣伝部長を務めるジョン・ラセターとともに、熱狂的なファン達からスタンディング・オベーションで迎えられました。マイリー・サイラスの妹ノアちゃんやジョナス・ブラザーズの末っ子フランキー君、リーアム・ニーソン、ケイト・ブランシェット、マット・デイモン、ティナ・フェイといった豪華な声優陣が吹き替えに挑む”Ponyo”の全米公開は、キッズに嬉しい夏休み真っ只中の8月14日。先週末のLAでは、キャストを囲んでのプレミア試写会も行われています。


一気に映画作品をご紹介して参りましたが、もちろんテレビ部門も大盛況だった模様です。会場には、ご存知「24 (FOX)」や「Heroes (NBC)」、HBOの”Family Guy”や”True Blood”、”Dollhouse (FOX)”などのブースがズラリ。その中でも最も長蛇の列を作ったTVシリーズパネルは、来年放送の第6シーズンでフィナーレを迎える「LOST (ABC)」だったのではないでしょうか。当初より決定していたファイナル・シーズンではありますが、コミコン常連だった本作の終了を前に、多くのファン達は複雑な心境のようです。第6シーズン全18話のエンディングは出演者とスタッフにしか明かされていないとのこと。定番だったフラッシュ・バック&フォワードが使われない代わりに、新展開が用意されているとだけ明かされました。更に、数名のキャストがカムバックするようですが、ここでは日本版をご覧の方々の為に伏せておこうと思います。



今日でもコミック・ブースは大人気
Photo by glenn. batuyong on Flickr


筋金入りのGeeks & Nerdsやお祭り大好きのコスプレーヤー達で、大盛り上がりをみせたコミコン2009。下記のホームページより、本年度の詳細がご覧いただけます。2010年も同じく4日間、7月22日から25日の開催予定。来年こそは!という方々は、完売必至のパス販売開始に向けて、頻繁に同サイトを訪れることをオススメします。




【Comic-Con International 公式HP】


TEXT BY アベマリコ



投稿者 eigafan : 20:57 | トラックバック

2009年07月23日

第61回プライムタイム・エミー賞のノミネート発表!

毎年恒例アメリカンTVの祭典、米テレビ芸術科学アカデミー (The Academy of Television Arts & Science)が主催するエミー・アワード。9月の本式典に先駆けて、今月16日早朝に「プライムタイム・エミー賞 」と「プライムタイム・クリエイティブアート・エミー賞」のノミネート者/作品が発表されました。今日のアメリカン・TVシリーズを代表する顔ぶれを、一挙にご紹介していきます。

アメリカ国内の優れたTV番組を讃えるエミー賞は、世界が注目するテレビ業界の一大イベント。ゴールデンタイムに放送された番組を扱う「プライムタイム・エミー賞」、お昼間に枠を持つシリーズを表彰する「デイタイム・エミー賞」のふたつが行なわれていますが、エミー賞といえば今回ご紹介する「プライムタイム」版を指す場合が多いようです。本年度の見どころは、作品賞シリーズのノミネート数が7つに増えている点。これまでは5~6枠でしたが、今年はお馴染みの顔ぶれに「ダークホース」も入り混じっており、例年以上のデッドヒートや番狂わせにも注目が集まりそうです。

100を越えるカテゴリーにそれぞれ2~7名/作品がノミネートされるプライムタイム・エミー賞。各チャンネルがしのぎを削る中、ケーブル局HBOが9年連続となる最多ノミネート数を獲得しています。その数、自己ベストの3番目に付ける99候補。近年ドラマが好調なNBCがそれを追って67ノミネート、昨年のネットワーク局トップだったABCは55候補で順位を落としてしまいました。昨年のベスト・コメディシリーズ覇者”30 Rock (NBC/原題)”は、コメディ・ドラマとして同部門や主演男優賞 (アレック・ボールドウィン)/同女優賞 (ティナ・フェイ)を含むエミー賞最多ノミネート数22を樹立。2008年度のベスト・ドラマに輝いた「マッドメン (AMC/邦題)」も、同賞や俳優部門などと合わせて16候補と本年度のドラマ最多ノミネート数を獲得しています。ちなみに本作で主演を務めるジョン・ハムは主演男優カテゴリーに留まらず、ゲスト・スター部門においても”30 Rock”出演回でノミネートを果たしました。

2009年度のエミー賞では、どうやら今期に終了したシリーズが冷遇された模様。過去最多ノミネート数124を誇る「ER緊急救命室 (NBC)」は主要部門外で2部門のみ、これまで7つのエミー賞を持ち帰っている「ボストン・リーガル (ABC)」は助演部門などで4つのノミネート、カルトな人気を集めた”Battlestar Galactica (Syfy)”も監督部門などで5候補、FX局の刑事ドラマ「ザ・シールド ルール無用の警察バッジ」においてはノミネートなしに終わっています。その一方で、リアリティ・ショー部門はどのチャンネルも好調。”Dancing with the Stars (ABC)は最多となる10候補、”American Idol (FOX)”は8つ、”The Amazing Race (CBS)”は7つの候補に挙がっています。また、今年6月25日に逝去されたファラ・フォーセットさんの闘病生活に迫ったNBC局のドキュメンタリー”Farrah’s Story”は、ノンフィクション・スペシャル部門にノミネートされました。



 実物のエミー・トロフィー。2009年度は誰の手に?

エミー賞2009: 各シリーズ部門
-ドラマシリーズ
・「マッドメン (AMC)」
・”Breaking Bad (AMC)”/初ノミネート
・”Big Love (HBO)”/初ノミネート
・「ダメージ (FX)」
・「デクスター 警察官は殺人鬼 (Showtime)」
・「Dr. House (FOX)」
・「LOST (ABC)」

-コメディシリーズ
・「アントラージュ★オレたちのハリウッド (HBO)」
・”Flight of the Conchords (HBO)”
・「Weeds ママの秘密 (Showtime)」
・「ファミリー・ガイ (FOX)」
・”How I Met Your Mother (CBS)”
・”The Office (NBC)”
・”30 Rock (NBC)”

-ミニシリーズ
・”Generation Kill (HBO)”
・”Little Dorrit (PBS)”

-テレビ映画シリーズ
・”Grey Gardens (HBO)”/過去最多タイ17ノミネート
・”Taking Chance (HBO)”
・”Into the Storm (HBO)”
・”Prayers for Bobby (Lifetime)”
・”Coco Chanel (Lifetime)”

いよいよノミネートが出揃った第61回プライムタイム・エミー賞は、9月20日にLAダウンタウンはノキア・シアターにて開催。”How I Met Your Mother (CBS)”に出演中のニール・パトリック・ハリスがトニー賞に続いてのMCを務める当日の模様は、同局にて全国放映される予定です。
また、プライムタイム番組のスタッフ/技術者など「ビハインド・ザ・カメラ」で働く人々に贈られるクリエイティブアート・エミー賞の結果は、9月12日の発表。「プッシング・デイジー 恋するパイメーカー (ABC)」においてキー・ヘアスタイリストを務める徳永優子さんらのチームが2年連続のノミネートを果たしており、ヘアスタイリング部門の行方にも期待が高まります。

とてもとても紙面が足りない全候補のリストは、
下記のホームページ内「Nominations」よりじっくりとご覧ください!


【第61回プライムタイム・エミー賞オフィシャルHP】



TEXT BY アベマリコ


投稿者 eigafan : 11:45 | トラックバック

2009年07月16日

新LAスポットはリアリティ・ショー発信?

連日カンカン照りが続き、いよいよ夏真っ盛りとなったロサンゼルス。夏休みシーズンに入り、ハリウッド周辺は全米および世界各国から訪れたツーリストで賑わっています。LA観光名所といえば真っ先に思い浮かぶのがチャイニーズ・シアターですが、近年は新たなスポットが加わっている様子。それもどうやら、アメリカ発のリアリティ・ショーが人気の火付け役のようです。


これまでにもご紹介してきた通り、アメリカでは「台本なし」のリアリティ・ショーがヒットを連発。TV各局は「続きが気になって、ついついチャンネルを合わせてしまう」といった視聴者心理にあやかって、一般参加型やセレブリティの私生活にスポットを当てた内容など、多様なジャンルの番組を続々とプロデュースしています。人気シリーズは海外配給が行なわれ、更にはインターネット配信などもグッと普及。アメリカン・リアリティ・ショーの視聴層が世界規模となっている昨今、数々のシリーズの舞台であるLAには「あの番組で観たあそこに行きたい!」というファン達が詰め掛けていると報じられています。



 ロバートソン通り沿いの「Kitson」

旅行に欠かせないものと言えば、まずショッピング。今年3月にオシャレ大国=日本にも上陸したセレクトショップ「Kitson」は、しばしばリンジー・ローハンやニコール・リッチーらが目撃されたり、パリス・ヒルトンが親友を探す…というMTVのリアリティ番組”Paris Hilton’s My New BFF (原題)”などでフィーチャーされて以来、LAの定番ショップになりました。また、カーダシアン家の日常を追った”Keeping Up with Kardashians (E!)”より、母親クリス、長女コートニー、次女キム、三女クロエらが経営するブティック「Dash」と「Smooch」にも多くのツーリストが訪れているとか。日本におけるカーダシアン・ファミリーの知名度はそこまで高くないかと思いますが、姉妹の今は亡き父親ロバート・カーダシアンは、O. J. シンプソン事件の弁護を務めたひとりとして知られています。ちなみに一家は、3姉妹に加えて長男ロブ、再婚相手であるブルース・ジェンナー (元オリンピック陸上金メダリスト)とクリスの間にはケンドールちゃんとカイリーちゃんという姉妹までいる大所帯。更にブルースは、前妻と前々妻にもそれぞれ2人ずつ子供をもうけており、今やキッズ合計10名と何だか大変なことになっているお方です。


 ハリウッド通りとヴァイン通りの角にある「Katsuya / Hollywood」

お買い物の次は、やはりダイニング。日本でも放送が開始されている”The Hills (MTV)”のロケ地となったり、ブランジェリーナと子供達、オーランド・ブルーム&ミランダ・カー、先日破局が報道されたばかりのジェシカ・シンプソン&トニー・ロモといったセレブカップルらが足繁く通う「Katsuya / Hollywood」は、現在の週末客40%がツーリストだそう。その名前のとおり、こちらはジャパニーズ・フュージョンが味わえるレストランバーです。本店はスタジオ・シティに、ハリウッド店と同様にフィリップ・スタルクがデザインした店舗はブレントウッドやダウンタウン、グレンデールにもあります。他にも「Koi」や「Katana」など、たびたびスターが目撃されるレストランの多くは日本料理系。どうやら、セレブの間では「思いっきり装飾」された和食が人気の模様です。


ユニークなところでは、TLC局の”LA Ink”の舞台であるタトゥーショップ「High Voltage Tattoo」も人気スポット入り。同局”Miami Ink”のスピンオフとして開始した当番組は、オーナーの女性彫師キャット・ヴォン・Dが多くの芸能人や一般客にタトゥーを施す模様などをフィーチャーしています。彼女に彫ってもらいたい一心で、はるばる海外からやって来るファンも多数。およそ9割の顧客がInkシリーズを観ての来店というから驚きです。これまでのハリウッドのバスツアーでは、チャイニーズ・シアターやウォーク・オブ・フェイム、スターの邸宅巡りなどが定番でしたが、近年はこのショップもコースに盛り込まれているとか。東京で例えるなら、はとバスのガイドさんがタトゥーショップを指差し説明している感じでしょうか。どことなく、シュールです。


不況の煽りを受けて、ロサンゼルスの上半期ホテル稼働率や近郊の空港利用者数は2ケタの下落。LAの観光関連各社は降って湧いたアメリカン・リアリティ・ショー人気とパブリシティ効果に、この夏こそ「書入れ時」になりそうだと期待を寄せているようです。今後も本コラムでは、アメリカのリアリティ・ショーが発信する新スポットを追いかけていきますので、どうぞご期待ください。




TEXT BY アベマリコ


投稿者 eigafan : 11:48 | トラックバック

2009年07月09日

RIP 「King of Pop」: マイケル・ジャクソン追悼式

誰もが耳を疑う訃報が届けられてから約2週間。現地時間7月7日に、故マイケル・ジャクソンのメモリアル・セレモニー/追悼式が行われました。家族や旧友、そして世界中から集ったファン達に見守られながら旅立った「キング・オブ・ポップ」。音楽と笑いと涙に包まれたセレモニーの模様をお伝えします。



 メモリアル会場となったステープルズ・センター

七夕のこの日、メディア各局では早朝から「MJ」ことマイケル・ジャクソンのニュースで持ち切りに。午前8時頃より、プライベート葬儀を前にジャクソン一家がハリウッド・ヒルズのフォレスト・ローン墓地へ向かう模様が、CBSやケーブル局E!などで完全生中継されました。パトカーに先導されたリムジンが走る高速道路101はその間、一般車両は全て通行止め。そして9時を回ると、葬儀を終えた家族とマイケルの棺を乗せたロールス・ロイスの一団が、LAダウンタウンはステープルズ・センターへと向かいました。この際に乗り換えた10フリーウェイも、会場近辺は完全に遮断。それでも移動ルート付近には、一目でもマイケルに会いたいと詰め掛けたファン達でいっぱいになりました。


当初の予定から約30分の遅延後、午前10時半頃からセレモニー開始。マイケルらに楽曲を提供しているスモーキー・ロビンソンが、故人の親友ダイアナ・ロスの弔辞を代読しています。そして暫くの静寂の後、ゴスペルが響く中をマイケルの兄弟達が赤いバラで飾られた金の棺を運び込みました。彼らの左手には、MJのトレードマークであったプラチナ色の片手袋が。その様子を見ただけで、何だか胸がいっぱいになってしまいました。


 6日の段階でこの人だかり&パトカーの数

プログラム:(- スピーチ/♪ パフォーマンス)
- ルシウス・スミス牧師
♪マライア・キャリー&トレイ・ロレンツ “I’ll Be There”
- クイーン・ラティファ
♪ライオネル・リッチー “Jesus is Love”
- ベリー・ゴーディ (モータウンレコード創立者)
♪スティーヴィー・ワンダー “Never Dreamed You’d Leave in Summer” “They Won’t Go When I Go”
- マジック・ジョンソン&コービー・ブライアント
♪ジェニファー・ハドソン “Will You Be There”
- アル・シャープトン牧師
♪ジョン・メイヤー “Human Nature” (ギター演奏)
- ブルック・シールズ
♪ジャーメイン・ジャクソン “Smile”
- マーティン・ルーサー・キング3世&バーニス. A. キング
- シーラ・ジャクソン=リー (テキサス下院議員代表)
♪アッシャー “Gone Too Soon”
- スモーキー・ロビンソン
♪シャヒーン・ジャファーゴリ “Who’s Loving You”
- ケニー・オルテガ
♪ ”We Are the World” / “Heal the World” (合唱)
- ジャーメイン・ジャクソン/マーロン・ジャクソン/パリス・ジャクソン
- ルシウス・スミス牧師


多くの「モーメント」で満たされたセレモニーの中でも特に圧巻だったのが、MJの幼少期から晩年のビデオクリップ直後に登場したスティービー・ワンダー。この日の為だけに歌詞を変え、同じ音楽界で一時代を築いたマイケルを偲びました。また、彼らの後輩となるジェニファー・ハドソンも、堂々たる歌声を披露。彼女のお腹には、新しい命が宿っています。更に、旧友達によるスピーチからは、マイケルの知られざる一面も。マジック・ジョンソンは一緒にKFCフライドチキンを頬張った思い出を、MJと同様に幼い頃からスポットライトを浴びていたブルック・シールズは、エリザベス・テイラーのウエディングドレスを式前日に覗き見しようと、ふたりでにテイラーの寝室!に忍び込んだエピソードなどを語っています。


その一挙手一投足が注目の的となり、容易に外出することもままならなかったマイケル。メディアに揶揄されることも多々ありましたが、シャープトン牧師が3人の子供達に向けた言葉「パパはちっとも変じゃなかった、彼が対応しなくちゃならなかったことが変だったんだ。」に、胸がすく思いがしました。そしてセレモニーの終盤、そのメッセージを受け取ったひとりである長女パリスちゃんがマイクを握っています。「生まれてからずっと、パパは最高の父親でした。ただパパが大好きって言いたいです。」11歳の少女の涙声に、どれだけ多くの人々が目頭を熱くさせたことでしょうか。


 ノキア・シアター前の電光掲示板にはマイケルの映像が


セレモニーのオンライン・フリーチケットへの応募数は、延べ160万。約180倍の競争率を経てペアチケットと入場用リストバンドを手にした8550名のうち、1万1000人がステープルズ・センター会場内へ、残り6500人が隣接するノキア・シアターにて式典を見守り、彼らにはマイケルの軌跡が詰まった記念パンフレットが贈られました。また、アメリカ国内の24州47ヶ所の映画館では、セレモニーに参加できなかったファンの為に上映会が開かれたと伝えられています。


ジャクソン5/ジャクソンズ時代の、どこまでも伸びていくような透き通った声。ソロとなってからは歌唱力はもちろんのこと、一瞬でMJだと判る”Hee-hee!”のハイトーンや、目が離せなくなるほどにキレのあるダンスなど、マイケル・ジャクソンの魅力と偉大さは筆舌に尽くし難いものがあります。特に筆者と同世代の読者にとっては、物心ついた頃からそこにいた「世界のポップ・スター」だったのではないでしょうか。MJが人々に遺してくれた歌声やダンスは、何世代にもわたって受け継がれていくことでしょう。




TEXT BY アベマリコ


投稿者 eigafan : 20:17 | トラックバック

2009年07月02日

今年も大盛況!LA Film Festが閉幕

去る日曜日、先週からお伝えしていた第15回ロサンゼルス・フィルムフェスティバル (LAFF)が、惜しまれながらの最終日を迎えました。2009年度は特に秀逸なドキュメンタリー作品が出揃い、今日の政治情勢を鋭く捉えたインターナショナルな作品も多数。また、開催期間中には様々なハプニングが飛び交い、例年以上にドラマチックな展開になりました。本年度の主要部門受賞作品を含めて、今年のLA Film Festをおさらいしてみましょう。



 ウエストウッド・ヴィレッジのど真ん中!Foxシアター

通常は、UCLA位置する学生街として賑わいを見せるウエストウッド・ヴィレッジ。LAFFがこの地をホームに構えて早4年目に突入、毎年恒例の映画祭はもうすっかり定着した雰囲気です。本年度のフェスティバルの見どころは、何と言ってもドキュメンタリー部門。まず当初の予定では、バナナでお馴染み「ドール社」による農薬散布の実態に迫り、同社の農園労働者にスポットを当てた”Bananas! (監督: Fredrik Gertten/原題)”がドキュメンタリー部門コンペティションに出品されるはずでした。しかしLAFF開幕前日に、LA最高裁は同社を相手取ったLA在住弁護士ユアン・ドミンゲスの追加嘆願を棄却、遂には彼の証言内容が偽証罪に問われるかたちに。結果として、更なる裁判も辞さないドール社のプレッシャーのもと、その裁判模様をフィーチャーした本作は、コンペ対象外でのスクリーニングに甘んじています。


一方、LAFF真っ只中のウエストウッド周辺にある連邦機関ビル前には、先のイラン大統領選を受けて大人数のデモグループが集結。現地の揺れる情勢と彼らの祖国愛が浮き彫りとなり、後のインターナショナル・ショーケースでは、イランに今も残る「投石刑」の存在を世に知らしめた”The Stoning of Soraya M. (監督: Cyrus Nowrasteh)”が長編フィクション作品部門観客賞を獲得しています。同賞長編ドキュメンタリー作品には、ジェームス・ブラウンやB. B. キングらが出演、コンサート「Zaire ‘74」の模様を描いた”Soul Power (監督: Jeffrey Levy-Hinte)”。そしてインターナショナル長編作品は、ハンディキャップを背負って生まれた人々の日常や恋愛をフランクに描写したメキシコ製作のドキュメンタリー、”Born Without (監督: Nacid Sin)”に輝きました。


 Foxシアターの真正面、こちらはMann Bruinシアター

LAFFの目玉といっても過言ではない、米映画祭最高賞金額5万ドルを誇るTargetアワード2部門。栄えあるTargetドキュメンタリー・アワードは、メキシコからアメリカの地へ渡る出稼ぎ労働者達に焦点を当てた”Those Who Remain / Los Que se Quedan (監督: Juan Carlos Rulfo & Carlos Hagerman)” が獲得しています。こちらの上映会には作中に登場し、現在は南カリフォルニア在住のファミリーが登壇するサプライズも。また、最優秀長編作品賞に当たるTargetフィルムメイカー・アワードには、とあるニューヨーカーがジャマイカへと旅立つドタバタコメディ”Wah Do Dem / What They Do (監督: Sam Fleischner & Ben Chace)”が選ばれました。


そしてLAFFも佳境に入った8日目。「アメリカン・スイートハート」と「キング・オブ・ポップ」、米国のアイコンふたりの訃報が重なった6月25日は、会場のみならず全米、そして世界が震撼する1日となってしまいました。当日の午前、チャーミングな笑顔とボムシェル・ボディで一斉を風靡したファラ・フォーセットさんが、長期に渡る闘病生活の末に永眠。人々が悲しみに暮れる中、その数時間後にはウエストウッド・ヴィレッジから程近いUCLAメディカルセンターにて、マイケル・ジャクソンさんの死亡が確認されました。来年7月より、事実上のカムバック・ツアー”This Is It”の50公演を発表した矢先であった彼の訃報には、未だ信じられないとの面持ちで現場へ直行する人々によって、交通や携帯/インターネット回線が一時的に麻痺するほどの衝撃でした。「時代」を創ったお二方のご冥福を、心よりお祈りいたします。


劇場内のみならず、オフスクリーンでも様々な出来事があったLA Film Fest 2009。8万人を優に越す来場者にとって、本年度のフェスティバルは特に忘れ難いものになったことと思います。詳しい模様や全受賞者などは、下記のホームページより。世界各国の文化を、映画から感じてみてください!

【Los Angeles Film Festival オフィシャルHP】





TEXT BY アベマリコ


投稿者 eigafan : 11:21 | トラックバック