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2009年10月29日

「MJ追悼会」再び: 新たなマイケル・ジャクソンWeek

先週お伝えしたオープン10周年のステープルズ・センター含むL.A. Liveに、またも「キング・オブ・ポップ」がカムバック。今週27日に、故マイケル・ジャクソンが敢行するはずであったコンサートのリハーサル映像を収録したドキュメンタリー作品”This is It”の世界プレミアが行なわれました。


             街中で目にする“This is It”ポスター
世界が衝撃を覚えたマイケル・ジャクソンの急逝から約4ヶ月。多くの皆さんがご存知の通り、その後はステープルズ・センターでの追悼式を経て、遅延はあったものの9月にフォレスト・ローン墓地に埋葬されていました。
その後も世界各地で行なわれたあらゆるメモリアルイベントや、過去に所有していたネバーランドより売却された数々のアトラクションが国内を巡業するなど、今日でも彼の名前がメディアに登場することは多数。改めて、彼が我々に遺した偉業がどれだけのものだったかを痛感します。

そんな中、今週は新アルバムの発売&ドキュメンタリー作品の公開が重なった「マイケル・ジャクソン週間」に。まずアメリカ国内では26日、今年から来年にかけて行なわれるはずであった同名コンサートのリハーサル映像を集めた劇場版作品”This is It”のサウンドトラックが発売されました。初回限定2枚組のアルバムは、”Human Nature”、”Thriller”、”Beat It”、”Billie Jean”などの大ヒット作品などを収録。18年前にプエルト・リコ出身のシンガーが録音していたことが判明したアルバム/ドキュメンタリー/ツアータイトルと同名の新曲”This is It”も含まれています。
惜しまれながらこの世を去ってから、米国だけでも600万枚近くのCDセールスを記録しているマイケル・ジャクソン。当アルバムもまた新たにビルボードチャートのトップへ君臨するのか、注目が集まっています。

そしてアルバム発売の翌日となる火曜日には、ドキュメンタリー作品”This is It”の世界プレミアがL.A. Liveはノキア・シアターにて行なわれています。現地時間18時開演のスクリーニングを前に、周辺にはMJのシグニチャーであったフェドラ帽やスパンコールの片手袋を身に着けたファン達が大集結。17時を前にしてその模様を世界発信したストリーミング映像がインターネット上に流れるなど、一大イベントとなりました。

会場には、ロンドンを皮切りにしたコンサートに出演するはずであったダンサー達を始め、人気リアリティ・ショー「American Idol (FOX / 原題)」第7シーズンの覇者デヴィッド・クック、第8シーズンにおいて準優勝したアダム・ランバートらも駆けつけています。
ちなみに21時より本作が上映されたL.A. Live内のリーガル・シネマズは、世界最大級の全3772席を誇る新設シネマコンプレックス。今回のスクリーニングがこけら落としとなり、またひとつ新しい場所にマイケルの名前が刻まれることになりました。

今日もこれからも、伝説として語り続けていくであろう「キング・オブ・ポップ」ことマイケル・ジャクソン。極端なまでのPerfectionist=完璧主義者として知られていただけに、実際のステージに立つことが叶わなかったコンサートの「リハーサル風景」がスクリーンに流れるということを本人が知ったのなら、どのように受け止めていたのかと思いを馳せる人々も少なくないようです。

それでもきっと、今回集まった大勢のファン達を見届けていたのなら満面の笑みを見せてくれていたはず。改めて「世界のエンターテイナー」マイケル・ジャクソンのご冥福をお祈りします。
 

TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 15:03 | トラックバック

2009年10月22日

祝オープン10周年!LAのホット・スポットStaples Center

ロサンゼルスの観光名所のひとつ、LAダウンタウンに位置するステープルズ・センター。先週17日をもって、1999年のオープンからちょうど10年の歳月が経ちました。当アリーナでは、擁するスポーツ・チームの各試合にとどまらず、数々のコンサートやセレモニーを随時開催。規模も設備も拡大を続ける「ハリウッドの御用達」、ステープルズ・センターの軌跡に迫ります。




      まだまだ増築中!ステープルズ周辺のL.A.Live

1999年10月17日にステープルズ・センターが始動するまで、LAダウンタウンのこの一角は特に老朽化した建築物が建ち並び、あまり治安が良くないとされる地域でした。周辺では、日中からドラッグの売買が行なわれることもしばしばだったとか。それが今日までに、当アリーナを中心にしたLAダウンタウンの都市開発計画「L.A. Live」が進められ、Nokiaシアター (2007年秋オープン) や同プラザ、グラミー・ミュージアムが隣接するLAきっての観光名所となりました。夜になると華やかなイルミネーションが輝き、すぐ傍を走る高速道路からは全景が瞭然。今後も、ホテルや一般レジデンスなどが増築されていく予定となっています。


ステープルズ・センターといえば、まず思い浮かぶのがNBAのロサンゼルス・レイカーズのお膝元であるということ。イングルウッド地域にある「The Forum」からお引越しして来た2000年のシーズンには、12年ぶりとなるNBAタイトルを獲得しており、その後も続けてチャンピオンシップに出場するなど当アリーナと最高の相性をみせています。また、ステープルズ・センターは世界で唯一となる5つのスポーツチームのホームグラウンドとしても知られ、現在はレイカーズに加えて、NBAロサンゼルス・クリッパーズ、NHLロサンゼルス・キングス、WNBAロサンゼルス・スパークス、NBADLロサンゼルス・ディーフェンダーズが当地をメインに試合を行なっています。




           フィゲロア通り沿いに続くNokiaシアター

その一方、多目的施設であるステープルズ・センターはスポーツ以外のイベントも盛りだくさん。最近では今年7月に行なわれたマイケル・ジャクソンの追悼式が記憶に新しいところですが、実際のこけら落としは、ブルース・スプリングスティーンらによるコンサートでした。以降、ローリング・ストーンズやマドンナ、オアシス、ブリトニー・スピアーズ、最近ではレディ・ガガとカニエ・ウェストのコラボレーションなど、名立たるアーティストが当アリーナに来場。さらにアメリカ音楽の祭典グラミー賞は、2004年のNYCマディソン・スクエア・ガーデンの開催を除き、2000年より今日までずっと当地にて行なわれています。もちろん、2010年1月31日に予定されている本アワードも、当アリーナでの開催。新たなグラミー像を持ち帰るのは、一体どのアーティスト達になるのでしょうか。



お気に入りチームの試合を観戦するもよし、アーティストのライブを堪能するもよし、オープン10年目に突入したステープルズ・センターは今のLAのホット・スポットのひとつ。また、こうしたイベントに参加しなくても、日本の銀座など世界有数の街並みを参考に建てられたプラザでは、人気レストランやショップでのお買い物を楽しむこともできます。タイミングさえ合えば、セレブリティに遭遇しちゃう可能性も大。ロサンゼルスにお越しの際は、ぜひマスト・リストに加えてみてください。


TEXT BY アベマリコ


投稿者 eigafan : 17:15 | トラックバック

2009年10月15日

一攫千金?ジャックポットを当てた作品達

大作映画が台頭しているハリウッドにて、時に彗星のごとく現れては人気をさらっていく低予算映画。ホラームービーのかき入れ時=ハロウィーンを前に、この秋も新たなロー・バジェット作品が大ヒットを記録しました。こちらの話題作をご紹介するとともに、過去に作られた低予算&高コストパフォーマンスの映画を振り返ってみたいと思います。



    筆者も怯えながら鑑賞!”Paranormal Activity”

10月31日のハロウィーンを前にして数々のホラー映画が封切られる中、ひと際異彩を放っているのが”Paranormal Activity (原題)”。わずか1万5000ドル弱のマイクロ・バジェット=超低予算作品ながら、限定公開2週目となる先週末のボックスオフィスでは、約790万ドルを叩き出しています。かつては各映画祭にて反響を呼び、主に学生街にあるシアターで限定上映された本作の注目度は、観客達のクチコミやSNSを経てうなぎ登りに。その後は、別の地域に住む人々によってインターネット上でのシアター数増加の署名活動が行なわれ、現在でも劇場数を増やし続けているところです。配給元のマーケティング費用200万ドルを差し引いても、3週目での総収益はすでに900万ドル越え。今後もますます数字を伸ばしていくことが予想され、業界内では「ポスト・ブレア・ウィッチ」の呼び声が高くなっています。


本作の監督/脚本/編集/製作を一挙に務めたオーレン・ペリは、イスラエル生まれの39歳。ビデオゲームのデザイナーであった彼はこれまで映画制作を学んだ経験が一切無いながらも、無名の俳優や仲間内のクルーをサンディエゴの自宅に集めて、1週間の短期撮影を敢行しました。新居でのラップ音などペリ自身が体験した不可思議な現象をもとに描かれた本作は、モキュメンタリー=擬似ドキュメンタリー方式を取っており、深夜の物音に悩まされるカップルが就寝中の様子を自らビデオに録画するかたちで進行していきます。多くの即興を交えたふたりのリアルな会話や手持ちビデオカメラの不安定な映像によって、オカルトな内容が更にホラー色を強めることに成功。かのスティーブン・スピルバーグ監督がリメイクに乗り出していたことも話題に上っていますが、本作のあまりの怖さと完成度にリメイクは叶わず、本編そのままに上映が決まって現在に至っています。



制作費3万5000ドルにして世界総興収2億5000万ドルを売り上げた「ブレア・ウィッチ・プロジェクト (1999/邦題)」しかり、一般的にホラー映画の費用対効果は極めて高め。1968年に製作された「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド (1968)」は低予算カルト作品の草分け的存在になっており、人肉をハムで、血液にはチョコレートシロップを使って撮影した逸話が残っています。本作は11万4000ドルの制作費から国内にて1200万ドル、世界では3000万ドルを回収。一方、32万5000ドルの元手から4700万ドルの興収を得た「ハロウィン (1978)」はシリーズ化もされるなど、昨年までで約1億5000万ドルを売り上げています。


ホラー・ジャンル以外で興行的に大成功した作品として真っ先に挙げられるのは、メル・ギブソンを一躍スターダムに押し上げた「マッドマックス (1979)」。20万ドルの低予算から9975万ドルを回収して、そのコストパフォーマンスの高さは当時のギネスブックにも認定されました。また、制作費100万ドル、わずか28日で撮影された「ロッキー (1976)」となると、世界的に2億2500万ドルを売り上げたうえに3つのオスカーまで獲得。同様に28日間で撮られた「アメリカン・グラフィティ (1973)」においては、制作費のみの77万7000ドルから1億4000万ドルを計上しています。そして近年の作品では「スーパーサイズ・ミー (2004)」の高コスパが記憶に新しいところ。モーガン・スパーロック監督自らが実験台となったドキュメンタリーは、制作費6万5000ドルから最終的に2950万ドルを売り上げることとなりました。


こうして見てみると、費用対効果の高い作品達は内容的にも印象に残る良作ばかり。ジャックポットを当てるには、まず内容ありきであることは間違いないようです。限られた予算内で徹底した少人数制/短期撮影にこだわった”Paranormal Activity”のように、良いアイディアをお持ちの方々はぜひ映画撮影に乗り出してみてはいかがでしょうか?もしかしたらもしかする…かもしれません!




TEXT BY アベマリコ


投稿者 eigafan : 17:50 | トラックバック

2009年10月08日

年代別: 映画ファンとテクノロジーの関係は?

我々の生活に、インターネットや携帯電話などのデジタル・メディアがガッツリと浸透している今日。先頃、そうしたITガジェットと各世代の映画ファンの行動に迫ったリサーチが発表されました。年代別に分けられたこの結果、読者の皆さんにも当てはまりますか?



    近年アメリカで人気のタッチパネル携帯

この度、マーケティング会社Stradella Road が発表したリサーチは、実際に映画館を訪れていたティーンエイジャーから50歳以上のランダムな老若男女計3582名にアンケートを募ったもの。うち43%は現地のシアターにて、残りはオンラインや電話によって結果が集計されており、Google / Yahoo / Microsoft / AOLといった大手IT企業も今回のリサーチに協賛しています。焦点は観客達が常日頃どのようにITガジェットを利用しているのか、その使用頻度や内容などなど。年代が違えば利用目的もガラリと異なり、それぞれの層がいかに映画の情報収集を行なっているかが明らかになっています。結果を見てみると、どの世代もかなりの割合でインターネットや携帯電話に頼っている様子。これまでTVコマーシャルや新聞広告から新作映画情報を収集していたところ、現在ではSNSのTwitterやFacebook、YouTube特設チャンネルやスタジオ独自のHPブログに自らアクセスしている人々が多く見受けられました。


まず最年少枠となるティーンにとっては「ソーシャル・ネットワーキング」が全て。最もSNSの利用頻度が高く、携帯電話のテキストメッセージの送信回数もズバ抜けて多くなっています。そんな「友達と繋がっていたい」彼らは、映画を観に行く際にも90%近くが3人以上のグループで出掛けているとのこと。逆に一般的なサーチエンジンの利用頻度は最も低くなっており、大人数を映画館に運び込んでくれる彼らに対する映画PR戦略は、積極的なSNSへの参加や携帯電話へのメッセージ送信が有効と見られています。


年齢層が18歳から29歳に上がると、ITガジェットの利用方法は更に多様化。最も積極的にオンラインでサーチをかけ、情報収集に余念が無い世代のようです。SNSの利用度は高いながら、ティーンが頻繁に行なうチャットの回数は激減。興味のあるコンテンツのみにアクセスしながら、Rotten TomatoesやMetacriticといった有名映画批評サイトで新作をマメにチェックする傾向にあるようです。彼らにとってのデジタル・メディアは、コミュニケーションツールというよりも情報収集がキーポイントといったところでしょうか。ちなみにこの世代の多くは、カップルや少人数で映画館に出掛けている模様です。



どのマーケティング戦略でも「最も自由に使えるお金がありながら、費やす暇が無い世代」とされる30代は、やはり映画館に行く時間もなかなか取れない様子。また、デジタル・メディアに慣れ親しんだ年齢層ではありますが、SNSやビデオストリーミングにアクセスする機会は少なくなってくるようです。また彼らが家庭を持ち始めると、そういったコミュニケーションの機会は更に激減。しかし、ブロードバンド・インターネットや多機能携帯電話、DVRなどの所有率/利用頻度が最も高い為、バナー広告などでの地道なマーケティング活動が有効な年齢枠と見られています。


デジタル・メディアに触れる機会がありながら、新聞/雑誌/TVなどのよりオールドファッションな媒体を好む40代は、今回のリサーチにおける「推移世代」だそう。インターネットを利用する傍ら、若干新しいテクノロジーに消極的な彼らは、SNSなどのアカウントを持ちながら、最もアクセスや更新の頻度が低い世代との結果が出ています。また、多くが我が子を最優先する傾向にあり、映画に関しても子供達が好む新作を中心に鑑賞している人々が多い模様。よって、キッズにアピールするPRを行なえば、40代を取り込むことが出来るとの見方がされていました。


キッズが手を離れ始める50代は、20代のようにカップルや少人数で映画を楽しむ「リターン層」だそう。しかし、彼らの子供達と違ってデジタル・メディアにはあまり精通しておらず、97%があくまでインターネットは情報収集のツールと見なしているようです。よって、ビデオストリーミングやSNS、ブログなどへの参加にも消極的。どの年齢層よりも、新聞やテレビなどの媒体を好み、多く利用する世代だそうです。


今回のリサーチは、あくまでアメリカ国内の集計結果。同じ世代でも国別でバラつきがあるかと思いますが、皆さんは各年齢層と似た傾向にありましたでしょうか?全体的に、14%が新聞広告から新作映画情報を得ている一方で、44%もの観客がインターネットでチェックしているとか。eigafan.com Fromハリウッドでも、新作映画情報や最新ハリウッドニュースを続々とご紹介していきますので、今後もお楽しみに!




TEXT BY アベマリコ


投稿者 eigafan : 10:19 | トラックバック

2009年10月01日

2009年秋のTV改変期:気になる新作ドラマをピックアップ!

アメリカのエンタメ界に大打撃を与えた2007年脚本家ストライキから約2年近くが経ちました。それ以降は大きなヒット作に恵まれていなかった米ドラマ業界ですが、この秋は話題の新作が次々とスタートを切りました。数ある新シリーズの中から、とりわけ注目のドラマをカテゴリー別にしてご紹介していきます。


2007年11月より3ヶ月以上続いた全米脚本家ストの余波を受けまくっていたアメリカンTVが、ここに来て復活の兆し。各スタジオが満を持して開始した新作ドラマの数々は、どれも気合十分で見応えがありそうです。2009年度秋シーズンのドラマ群を見てみると、どうやら「王道系」「2匹目のドジョウ系」「エコノミー系」の3カテゴリーに分けられそうなトレンドが。日本でのアメリカン・ドラマ人気が久しい昨今、ぜひぜひ今から先取りしちゃってください。




      コートニー復活!「Cougar Town」

まずは「ザ・アメリカンドラマ」とも言える王道系より、ドラマに強いABC局放送の新作”FlashForward (原題)”は、開始前のプロモーションや口コミから強い反響を呼んでいた1本です。こちらのSFアクションドラマは、タイトルの通りフラッシュバックならぬ「フラッシュフォワード」を盛り込みながら、未来に起こる世界的な大災害へ向けて展開していく物語。イケ面=ジョセフ・フィエンズ、数少ないアジア系人気俳優=ジョン・チョウらをメインに迎え、今後は同局の人気シリーズ”LOST”のドミニク・モナハンも出演する予定となっており、早くも「ポストLOST」の呼び声が高くなっています。そして、豪華キャストでヒットの予感いっぱいの”Community (NBC)”は、コメディ・シリーズからのイチオシ作品。アメリカンTVを斬りまくるお笑いニュース番組”The Soup”でホストを務めるジョエル・マクヘイルを主演に、ダニー・プディやケン・チョンなど、国際色豊かなキャストも見どころです。一方、女性が気になるラブコメ・シリーズ”Cougar Town (ABC)”には、不動の人気を誇る”Friends (NBC)”よりコートニー・コックスが久々のドラマ登場。劇中、40代バツイチ女性を演じるコックスが、続々と若いツバメを狙っていく展開になりそうです。ちなみにタイトルにある「クーガー」とは、ネコ科ピューマの別名。ですが、英語スラングで「年下男性を落とす女性」という意味合いがあり、16歳年下のアシュトン・カッチャーと結婚したデミ・ムーアを例に出せば、「Cougar」の何ぞやがお分かり頂けるかもしれません。




     ティーン・ドラマ草分けの1本
     「Melrose Place」リメイク版

続いて「2匹目のドジョウ系」の注目作品としてご紹介するのは、CW局放送の”Melrose Place”。今秋で第2シーズンに突入した”90210 (CW)”のように、1992年スタートの同名ドラマのリメイクである本作は、同局のヒット作”Gossip Girl”と似たオシャレ感&ドロドロした内容を踏襲した作品になっています。今やママとなったアシュリー・シンプソンがメインキャラクターに参加しているところも必見ポイントのひとつ。そして、ザック・エフロン&ヴァネッサ・ハジェンズ人気で映画化もされたTVムービー”High School Musical (Disney)”に似たミュージカル・ドラマ”Glee (FOX)”も、こちらのカテゴリーにエントリーです。歌って踊ってのポップな内容が楽しめる本作は、同局の冠リアリティ番組”American Idol”のような派手さも持ち合わせており、クセになってしまう人が続出しそうな予感。また、  "The Vampire Diaries (CW)"においては、同局お得意のティーン・ドラマをベースにして、近年の「トワイライト・シリーズ」や”True Blood (HBO)”などの「ヴァンパイア人気」継いだ作品となっており、新たな若手スターが続出しそうな気配が漂っております。



今回最後にご紹介するカテゴリーは「エコノミー系」。近年のアメリカン・ドラマといえば、前出の”Friends”や”Sex and the City (HBO)”などに見られる「30代の華やかなライフスタイル」を巡るドラマが続々と製作され、”Lipstick Jungle (NBC)”や”Dirty Sexy Money (ABC)”などがその系統の代表作となっていました。しかし両作品ともにフィナーレを迎えた今、新たに開始されているドラマは「ごく庶民的な生活」をベースに繰り広げられる内容が多数。ABC局の新作”The Middle”では中東部インディアナ州を舞台に、夫と3人の子供を抱えながらパトリシア・ヒートン演じる共働きの主婦が日々奮闘するストーリーとなっています。また、米お笑い番組”Saturday Night Live (NBC)”に出演中のコメディエンヌ、エイミー・ポーラー主演の”Parks and Recreation (NBC)”も、同じインディアナ州にて展開されるコメディ。その他、アメリカ典型的なファミリーが離婚を通して同性愛や多人種に触れていく”Modern Family (ABC)”など、華やかさより家族に重点を置いた作品が多く、この不況下ではゴージャスな内容よりもリアルな「生活密着型」がファミリー・ドラマの軸へとシフトしているように見受けられます。


いよいよ火蓋を切った各局ドラマ秋の陣は、まだまだ始まったばかり。今回ご紹介した作品の他、新旧リアリティ・ショーも続々とスタートしており、しばらくはTVチェックに忙しい毎日になりそうです。今後もこれは!という番組を逐一特集していきますので、どうぞご期待ください。


TEXT BY アベマリコ


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