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2010年07月29日

大和撫子 in Hollywood!女優: 岡崎恭子さん

当コラムにおいて、ここハリウッドで活躍中の日本人にスポットを当てている「大和魂/大和撫子 in Hollywood」シリーズ。不定期連載ではありますが、これぞ!というアーティストの方々にご登場頂いております。そして今回ひさびさに白羽の矢が立ったのが、LAを拠点に幅広く活動されているアクトレスの岡崎恭子さん。弾けんばかりの笑顔から繰り出されるエピソードの数々、是非じっくりとご堪能ください。


  岡崎京子さん
幼少期から女優を志していたという岡崎さんは、地元である岡山県内の子供ミュージカルなどでたびたび舞台を踏んでいたとか。そして一念発起して留学、高校3年間をアメリカはミシガン州にて過ごすと、帰国後は東京の某劇団に所属されていました。のちに「ハリウッド進出」を果たすべく、一旦は演劇の世界から離れて資金作りの為に帰郷。留学中に培った本場の英語力を活かしながら英会話講師の免許を取得して4年間教鞭をとった後、再び渡米されています。以来、数々のインディーズ映画や舞台、Webisode (ウェブ上で公開されるドラマ・エピソード)、そしてU.S. Census (米国税調査)などのコマーシャル出演など、多岐に渡るジャンルにて活躍。特に今年5月にLAダウンタウンはディズニーホールにて開催されたLAフィルハーモニック公演では、日本でも人気の高いグスターボ・ドゥダメル指揮のもとヴァージン・エンジェル役に扮し、女優へレン・ハントとも共演。更に、同じくLA市内にて行なわれた舞台「I’m An Actor, They Don’t Get It」においては、岡崎さんの好演を地元紙LA Weeklyがフルネームを挙げて絶賛するなど、至るところで高い評価を受けていらっしゃいます。

インタビュー with 岡崎恭子さん

Q: ずいぶん小さな頃からお芝居の経験を積まれていたようですが、詳しくはいつ頃から女優を目指されていたのでしょうか?

「物心ついた頃からです。特に今でも忘れられないのが、幼稚園での演劇「桃太郎」の赤鬼役。唯一のセリフは鬼役みんなで言う「皆で一緒に山分けしようぜ!」だったんですが、見学にいらした園長先生の「もっと気持ちを込めて、ワクワクするように!」とのご指導に、胸が熱くなった私は思わずひとりでセリフを叫んでしまって(笑)。その熱意をすごく喜んで下さったのがまた嬉しかったのですが、結局当日はみんなで言うことになっていた為、みんなと声を合わせるべく棒読みに…。その時、ふと見た園長先生が寂しそうに俯かれていたのが、子供心ながらに悲しかったですね。それ以来、小学校での発表会やクラブではお芝居に燃えていました。その頃は演出にも携わっていて、興奮して寝付けない夜もしばしばで。また両親が「恭子は正気にも狂気にもなれる」と私を煽りながら信じていてくれたので、小学校の卒業文集の「10年後の私」欄には『大物女優に決まっているわ!』なんて書いていたり(笑)。現実はそんなに甘くないんですが、今日まで信じて応援してくれている家族には心から感謝しています。」


  短編作品”The Whore and The Priest”のワンシーンから
Q: 高校はミシガン州に留学されていたとのことですが、苦労をなさった点は?また、そこでもアクティングは続けていらっしゃったのでしょうか?

「辛かったことは…、(具体的には) ここでは言えません(笑)。やっぱり人種差別も受けましたし、言葉の壁もありました。でも今振り返ると、かけがえのない経験になっていると思います。演劇は「アメリカのオーバーリアクションが身に付いたら困る」なんて本気で考えたりして、敢えて避けていました。でもむしろあの頃は、日々をやり過ごすことで精一杯だった気がします。本格的な演劇は東京での2年間に劇団やワークショップで、LAに来てからは3年間演劇学校に通いました。」

Q: 東京にて劇団に入団後、どうしてまたアメリカ行きを?

「直感です。アメリカの映画が好きでしたし、ひとつの作品を作っていく過程において必要以上の上下関係 に疑問を持ってもいました。やはりアメリカの方が、年齢に関係なくのびのびと能力を発揮出来るんじゃないかな…って。でも今は場所を問わずに、パフォーマンスは自身の力量次第なんだと思えるようになりました。渡米の資金作りの為に東京を離れて岡山に戻ってからは毎週100人ほど、2歳半から15歳までの子供達に英会話を教えていました。あまりに毎日が充実していたので、あっという間に4年半が経ってしまったのですが(笑)。彼らから学んだことはとても多くて、今でも心の支えになっていますね。いつか彼らに「頑張れば夢は叶うよ!」って言えるように、これからも頑張っていきたいです。」


  長編映画”Luster”より、
    旦那様を殺めた強盗犯を追い詰めるという鬼気迫るシーン
Q: 9月から撮影に入られる映画”Mouse Ward (原題)”では、何と14歳の役を演じられるとか?

「 そうなんです!先日30歳を迎えた私としては、実年齢の半分以下のオーディションになりますし、受けるのを止めようかとも思っていた程でしたので、キャストされた時はかなりの驚きでした。同じ日に別の役でもオーディションがあったので、事前にもっと年相応のキャラクターのセリフも覚えて行って、14歳のKaz役のオーディション後に「別の役も受けさせて欲しい」とお願いしてみたんです。そうしたらキャスティングの方が「たった今14歳をやったじゃない?問題なく14歳だよ!」って笑って下さって。このKazは、主人公Mouseが収容される精神病院の患者という役どころなんですが、もう年齢を意識せずに、とことんなりきります!」

Q: 来たる11月にLAにて公演予定の本格舞台時代劇「—現— UTSUTSU」への出演が決定したそうですが、本作にキャストされるまでのいきさつを教えて下さい。

「キャスティング・ディレクターのYumi Takadaさんから連絡を頂いた段階では、別の役でオーディションを受ける予定でした。当日は同じ会場で別のオーディションも行なわれていて、浴衣姿の私はかなり浮いてたかも(笑)。本作の時代設定は江戸末期で、役どころは追っ手から逃げる女郎だったので、裸足で少し浴衣の裾をはだけさせて、はみ出した口紅に乱れ髪で待機しているという…(爆笑)、かなり怖い絵面だったかもしれませんね。そして最終的には別の役にキャストして頂いて、現在に至っています。LAにいらっしゃる方々は、是非観にいらして下さい!」

Q: それでは最後に、これからの展望と読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

「場所や偏見に縛られることなく、心を開いて演じ続けていきたいです。山田洋次監督の作品のように人々の心を温かくしながら、いつまでも色褪せない素晴らしい作品を残すことが出来たら嬉しいです。そして、まだまだこれからの私ですが、一歩一歩進んで行けるように頑張ります。日本の皆さん、最後まで読んで下さってありがとうございました!」


  メガネ姿はまた違ったオトナの雰囲気に

思い立ったら即行動!を地で行くような、バイタリティ溢れる岡崎さん。小柄で華奢な身体からは想像も付かないエネルギッシュな語り口には、思わず舌を巻いてしまいました。アクティングの本場ハリウッドにて、少女にも女性にも天使にさえ様変わりする「カメレオン俳優」Kyoko Okazaki。このお名前、近い将来あちこちで見かけることになるかも?今から要チェックです。また以下は、今秋に出演予定の「—現— UTSUTSU」詳細と、始めたてホヤホヤという岡崎さんのブログ。ともに今後どんどんコンテンツが増えていくそうですので、合わせてお楽しみ下さい。

粋Company主催「—現— UTSUTSU」<チケット予約はこちらから>

岡崎恭子さんブログ


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 10:28 | トラックバック

2010年07月22日

アメリカを代表する「Do-Gooders」が勢揃い!Do Something Awards: 2010

週明けの19日、ハリウッドはサンセット大通りに位置するHollywood Palladiumにて行なわれた「Do Something Awards」。個性的なネーミング・センスが光る当イベントは、一般&エンターテインメント業界における「Do-Gooders (=慈善家)」を称える受賞式典として知られています。


  「Glee」出演で大ブレイクを果たしたジェーン・リンチ
     Photo by Sweet One on Flickr

2008年より現在の呼称に改された「Do Something Awards (以下DSアワード) 」は、1996年に創設のNPO団体Do Somethingが主催する毎年恒例のセレモニー。2007年に初めてTV中継された「Br!ck Awards」が前身となっており、本年度は音楽中心のケーブルチャンネルVH1より当日の模様がライブ放映されました。さまざまな分野にて著しい社会貢献/ボランティア活動を行なう25歳以下の「世界を変えるような」一般の若者にスポットを当てると同時に、ここハリウッドやスポーツ界を代表するアクティヴィストらを合わせて表彰。一般・セレブリティの垣根を越え、異なる世代にも多大なインスピレーションを与えてくれる内容となっています。

2010年度のDSアワードのホストを務めたのは、人気ミュージカルドラマ”Glee (FOX / 原題)”のスー・シルヴェスター役ですっかり「ジャージ姿」がお馴染みとなっているジェーン・リンチ。レズビアンを公言する彼女は今年5月に同性婚を果たしており、先週お伝えした「OUTFEST」でもアチーヴメント賞を獲得するなど、今最も忙しい俳優のひとりに数えられます。その一方、本年度のセレモニーにてとりわけ熱い視線を集めることとなったのが、つい先日ハワイにて長年の恋人ブライアン・オースティン・グリーンと極秘ウェディングを遂げたミーガン・フォックス。3カラットとも言われる豪華リングを着けた「新妻」がサプライズ・プレゼンターとして登場すると、客席には驚きと祝福の声が上がっておりました。また以下は、羽の生えたスニーカー型を模したトロフィーを持ち帰った受賞者のリスト。どちらも様々なジャンルにてチャリティー活動に貢献している方々です。

Do Something 各受賞結果:
TVシリーズ: 「Glee (FOX)」
アーティスト: ジョナス・ブラザーズ (ミュージシャン)
アスリート: ハンナ・テッター (女子スノーボーダー)
コメディアン: キャシー・グリフィン (コメディエンヌ/TVパーソナリティ)
サバイバー: クリスティーナ・アップルゲイト (女優)
キッズ育成: スヌープ・ドッグ (ヒップホップMC/男優)
動物愛護: ケラン・ラッツ (男優)


そして当セレモニーの目玉、最優秀賞に当たる「Do Something: Grant」の候補となった5名のファイナリストより、補助金10万ドルが贈られたのはコネチカット州在住のジェシカ・ポズナーさん。23歳の若さで慈善機関Shining Hope Community Center創設者のひとりとして名を連ねる彼女は、東アフリカ最大のスラム街キベラの性差別や貧困に立ち向かうべく活動を行なっています。およそ66%もの少女達が食料を手に入れる為に性交渉を強いられているとされるキベラでは、生涯で教育を受けられる女性は全体の8%にも満たないとか。このような悲しい現実を受けて、同機関ではキベラ初となる学費免除の女子校Kibera School for Girlsを創立。これまでに約5700人もの女性達が入学およびその後の就職を叶えているそうです。セレモニー中のクリップにて、現地の子供達に囲まれているポズナーさんの弾けるような笑顔が印象的でした。

最多のチャリティー数でギネス記録を持つ故マイケル・ジャクソンさんを筆頭に、今年1月より現在も続けられているハイチ基金など、慈善活動が極めて盛んなアメリカならではと言える「Do Something Awards」。以下のウェブサイトからは彼らの多岐に渡るボランティア内容がご覧頂けますので、興味を持たれた方々はぜひ一度覗いてみて下さい。

Do Something 公式HP


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:18 | トラックバック

2010年07月15日

マニアックな話題作を押えるならココ!OUTFEST: 2010

いよいよ夏本番に突入した現在のLAでは、本年度で28回目を数えるOUTFEST: Los Angeles Gay & Lesbian Film Festivalが行なわれています。7月8日から18日まで、世界選りすぐりのLGBT (Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender / Transsexual) 関連作品や様々なイベントが一挙に楽しめる、何とも贅沢な11日間。すでに「オスカー候補」の呼び声も高いオープニング作品やパネル・ディスカッションなど、今やすっかり夏の恒例行事となっている当フェスティバルの見どころをご紹介していきます。


  ポップな彩りが目を引く2010年度OUTFESTのバナー

1982年の創設以来、LAを拠点にLGBT (レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー及びトランスセクシュアルの頭文字より) の地位向上を目指すNPO団体「OUTFEST」が主催しているLos Angeles Gay & Lesbian Film Festivalは、アメリカ国内において最も歴史あるLGBT映画祭のひとつ。近年では市内ウェストウッドに位置する名門校UCLAの映画/TV学科とともに関連作品のフィルム保存やアーカイヴ作成に着手するなど、社会的にも多大なる貢献を果たしています。さらには米ケーブル局HBOや酒造メーカーABSOLUT VODKAら大手企業も協賛に乗り出しており、そのスケールは年々拡大中。昨年度は4万人前後の来場者を集め、セクシャルマイノリティ・コミュニティからの観客はもちろんのこと「ストレート」に属する人々も多く詰め掛け、連日の大盛況となっています。

第28回目を迎えた2010年度は、世界各国から厳選された長編60作品と短編87作品から成る計147本を日替わりで上映。ハリウッドに構えるDGA (Directors Guild of America: 米監督組合) 本部、老舗シアターLaemmle Sunset 5やJohn Anson Ford Amphitheatre、ダウンタウンはOrpheum Theatreなどを会場に、続々とスクリーニングが行なわれています。その一方、昨年レズビアンであることをカミングアウトした女優メレディス・バクスター (「ファミリー・タイズ (NBC / 邦題)」)を迎えての「Coming Out in Hollywood」や、ハリウッドにて活躍する脚本家らを招いたパネル・ディスカッションも随時開催中。そして現在のLAにて「LGBTエリア」として確立しているウェスト・ハリウッドのコミュニティ誕生25周年 を記念して「ブロークン・ハーツ・クラブ (2000)」など、当地を舞台に描かれた作品群も合わせて公開されています。

本年度のOUTFEST初日を飾ったのは、今年のサンダンス映画祭でもオープニングを務めた”Howl (原題)”。「ミルク (2008)」のガス・ヴァン・サント監督がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、同作での好演が光ったジェームズ・フランコがバイセクシュアルとして知られたピューリッツアー受賞詩人のアレン・ギンズバーグに扮している1本です。ビートニック/ヒップスター世代のバイブルとして今日も崇拝される著書「Howl (『吠える』)」をタイトルに、彼の激動の生涯を描いた本作には、ジョン・ハム (“Mad Men (AMC)”)やメアリー=ルイーズ・パーカー (「Weeds~ママの秘密 (Showtime)」)ら実力派俳優達がこぞって出演。彼らのパフォーマンスはすでに話題を呼んでおり、早くも賞レースへの参戦が目されています。その他「4 in Focus」カテゴリーでは、今回で長編監督デビューを果たした4名をフィーチャー。本年度のベルリン国際映画祭にてLGBT作品に贈られるテディ賞を獲得、ミネアポリスで暮らすトランスジェンダー達に迫った”Open (監督: Jake Yuzna)”、ティーン少女の繊細な初恋模様を描く”The Evening Dress (Myriam Aziza)”、カナダの田舎街を巡る物語が本年度のサンダンスにて話題に上っていた”Grown Up Movie Star (Adriana Maggs)”、同じくサンダンスや他の映画祭にてトロフィーを続々と獲得、ペルーの漁村で繰り広げられる”Undertow (Javier Fuentes-Leon)”などなど、性別も出身国も異なる監督達による作品にスポットライトが当てられています。

例年以上に話題作が充実している2010年度のOUTFEST。今後各所にて注目を浴びること必至のタイトルが目白押しですので、ぜひとも下記のウェブサイトより詳細をチェックしてみて下さい。

OUTFEST 2010: Los Angeles Gay & Lesbian Film Festival公式HP:


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 10:07 | トラックバック

2010年07月08日

どうなる!?2010年度エミー賞の行方

8月29日のセレモニー本番を前に、いよいよ今週木曜日にお披露目されるプライムタイム・エミー賞のノミネートリスト。今年は人気シリーズのフィナーレや意外なキャンセル作品が相次ぎ、例年以上にトロフィーの行方が気になるところです。そこで今回は「続投」を果たせなかった番組タイトルをおさらいしつつ、賞レースに参戦してきそうな作品群に注目してみたいと思います。


  心にポッカリと風穴?
  人気シリーズ「Lost」が終了。

2010年度で62回目を数えるプライムタイム・エミー賞は、米テレビ芸術アカデミー (ATAS: Academy of Television Arts and Sciences) が主催するアメリカンTVの一大祭典。今年は現地時間7月8日の早朝、先月中旬までに絞り込まれたノミネートリストが発表される予定となっています。今やワールドワイドな人気を博している「米国発信」のドラマやリアリティ・ショーだけあって、当イベントの注目度は世界規模。その一方で、特に今期は惜しまれながらも打ち切りが確定したシリーズが多数あり、ますます多くの視線がEmmysに注がれること必至となっています。

この春の改変期に最も話題に上ったフィナーレと言えば、まずABC局の顔であった人気ドラマ「LOST (邦題)」。本作はスタート当初より第6シーズンにて完結と決められてはいましたが、いざ最終章を迎えるとなるとやはりファンの間からは終了を惜しむ声が続出しました。また同局にて「ポスト・ロスト」の呼び声高くスタートを切ったばかりであった”Flash Forward (原題)”は、たった1シーズンをもって打ち切りが決定。更には同じくABC局のコメディ作品であり、日本でも放映中の「アグリー・ベティ」も意外や意外、第4シーズンに入ったところで突然のキャンセルが告知され、多くのファン達を驚かせています。

そしてスタート時よりコアなファンを保持し続けている「24 (FOX)」も、今年のスプリング・シーズン中に終了をアナウンス。今期で第8シーズンを数える人気ドラマのフィナーレを前にして、主演のキーファー・サザーランドらからも異例のコメントが出されました。しかし本作においてはすでに映画版の製作が明かされており、スピンオフ作品の歴代記録が更新される期待も十分。ファン待望の豪華2時間バージョンとなりそうです。その一方で、先の「アグリー・ベティ」と同時期にスタートした「HEROES (NBC)」は、第4シーズン放送真っ只中に惜しくもキャンセルを発表。そして同局の看板番組として20シーズンも続いていた法廷劇「ロー&オーダー」までも、最終的な打ち切りが確定してしまいました。

ネットワーク系列に続いてケーブル局に目を向けてみると、これまでエミー賞を含む数々のトロフィーを獲得している推理ドラマ「名探偵モンク (USA Network)」が第8シーズンをもって終了。2週に渡るファイナル・エピソードは、同局として過去最高の視聴率を叩き出しています。またイケメン揃いの時代物「The Tudors~背徳の王冠~ (Showtime)」は、今期の第4シリーズがファイナル・シーズンに。更にCW局にて鳴り物入りでスタートを切った「メルローズ・プレイス」の新シリーズにおいては、期待を裏切る第1シーズンのみでキャンセルの憂き目に会っています。ちなみに、同局が誇るその他のティーンドラマ「新ビバリーヒルズ青春白書」と「ゴシップガール」に関しては、ファンには嬉しい契約更新が発表されています。

上に挙げたシリーズは日本でも割合に知名度の高い作品のみであり、実はこれでもほんの一部。いかに各局の「台所事情」が厳しいのかが伺える結果と言えるでしょう。それを踏まえて本年度のエミー賞ドラマ部門を占ってみると、60年代の広告業界を描いた賞レースの常連”Mad Men (AMC)”、ニューフェイスながらも秀作であると評判の法廷ドラマ”The Good Wife (CBS)”といった面々に、「LOST」や「24」などのベテラン勢が再び食い込んできそうな予感。2007年度に6シーズン目で幕を閉じた「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア (HBO)」のように、どちらかが有終の美を飾ることとなるのでしょうか。
そしてもう一方のコメディ/ミュージカル部門においては、すっかりお馴染みとなっている”30 Rock (NBC)”や昨年の話題をさらった”Glee (FOX)”、新顔の”Modern Family (ABC)”など、比較的に新しい作品の競り合いが見られそう。そうなった場合は、この度のキャンセル作品が入り込むのはどうやら難しくなるかもしれません。

開催まで残すところ2ヶ月を切った2010年度のエミー賞。近年通りの「リピート」となるのか、はたまた意外な「逆転劇」が見られるのか、かなりの盛り上がりに期待が高まります。生粋のテレビっ子はもちろん、最近のアメリカン・ドラマはあんまり…という方々も、今年のEmmysには是非ともご注目を!


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:31 | トラックバック

2010年07月01日

本年度のパワーリストがここに!Forbes誌が選ぶ「最もパワフルなセレブリティ100人」

アメリカ発の経済誌フォーブスが毎年選出している「World’s Most Powerful Celebrities 100」番付。 ここアメリカだけにとどまらず、世界でもすっかりお馴染みとなっているこの企画、今年はあの「エンタメ界の顔」が再度トップに君臨するとともに、ワールドワイドな知名度と活躍を誇る「ニューカマー」がいきなりトップ5にランクインする結果となりました。

米国および世界諸国で刊行されているフォーブス誌は、例年世界の長者番付など「パワーリスト」を発表することでも知られる指折りの経済専門誌。そして今回ご紹介する毎年恒例の「World’s Most Powerful Celebrities 100」=「最もパワフルなセレブリティ100人」も、$マークに敏感な業界関係者による熱い視線が集まる「ハリウッド番付」として人気を誇っています。
こちらのリストは収入のみに限った番付ではなく、2009年6月から今年6月までの1年間におよぶ個人総収入に「名声」を加味して作成されたもの。映画・TV・ラジオなどメディアへの出演料、書籍発行やCM/フランチャイズ契約を含む全てのエンタメ関連の収益に合わせ、Googleなどのウェブ検索ヒット数、ブログなどでのサーチ回数、メジャー雑誌のカバー登場件数、そして本年度からはソーシャル・ネットワーキング・サービスのFacebookにおける”Friends”数、そして同Twitterでの”Followers”の数も集計されているそうです。


  オバマ氏の大統領当選にも一役買ったとされる
  オプラ・ウィンフリー

まず本年度の堂々第1位に輝いたのは、「世界で最もギャラが高い女性」として著名なオプラ・ウィンフリー。昨年のリストでは第2位に甘んじていた彼女ですが、今年は過去4度目!となるトップへと返り咲くことになりました。アンカーウーマンから冠番組のホストへとキャリアアップを重ね、その後は女優業や雑誌編集、そして2011年には自身のTVネットワークまで開設する「スーパーウーマン」の昨年度の収入は、ざっと3億1500万ドル。ちなみに、去年の1位でウィンフリーをかわしていたアンジェリーナ・ジョリーは、今期18位へと後退しています。

続いて登場のビヨンセは「ディーバ」としての世界ツアーやアルバムの売り上げ数はもちろん、個人の洋服ブランドや香水ライン、大手化粧品メーカーL’Orealや任天堂とのCM契約などなど、音楽界を飛び越えた活躍で第2位にランクイン。そんな彼女に次ぐジェームズ・キャメロンは、何と言っても「アバター効果」でのTop3入りを果たしています。本作によって、自身が「タイタニック (1997)」でブチ上げた世界興行収入18億ドルを優に越える27億ドルという記録を樹立。12年前のアカデミー賞にてシャウトした「King of the World!」は、今日も健在の模様です。

そして初登場にして第4位に着けたのは、日本でもすっかりその名が浸透しているレディ・ガガ。個人の6200万ドルの収入に加え、世界ツアーや通信会社Virgin Mobileなどとのパートナー契約、さらには奇抜なファッションや人々の度肝を抜くミュージック・ビデオによって、ウェブ検索数でもトップクラスに入る1年となったようです。
一方、彼女と同様に初ランクインを果たしたのは、人気ポップス・グループのブラック・アイド・ピーズ (16位)、昨年は降板騒動の渦中にあった元ナイトショー司会者コナン・オブライエン (51位)、近年は出演映画が軒並みヒットを重ねているロバート・ダウニー・Jr. (73位)、冠番組にて芸能人に対してイチャモンに近い苦言を呈しているコメディエンヌのチェルシー・ハンドラー (98位)といった面々。そして「トワイライター」ならぬ「トワイハード (=更に激しいトワイライト・ファン)」といった単語まで輩出するほどのシリーズ人気の立役者であるロバート・パティンソンとクリスティン・スチュワートも、それぞれ50位と66位に名を連ねています。


「2010年度: 最もパワフルなセレブリティ100 / Top10」

#1. オプラ・ウィンフリー(TVパーソナリティ/女優/慈善活動家/編集・経営者)

  スキャンダルも何のその?第5位にランクインした
  タイガー・ウッズ
#2. ビヨンセ (ミュージシャン/女優)
#3. ジェームズ・キャメロン
    (映画監督/プロデューサー)
#4. レディ・ガガ (ミュージシャン)
#5. タイガー・ウッズ (プロゴルファー)
#6. ブリトニー・スピアーズ
    (ミュージシャン/女優)
#7. U2 (ロックバンド)
#8. サンドラ・ブロック (女優)
#9. ジョニー・デップ (男優)
#10. マドンナ (ミュージシャン/女優)

今回リスト入りした100名の総収入だけでも、何と47億ドルにも上るとか。そうそうたる面々が集まるハリウッドにおいて、更に「最も影響力がある」とされる彼ら。そのスゴさは桁違いと言えるでしょう。今後より多くのメディアに登場するのか、はたまた来年は圏外となってしまうのか?新たなランキングの発表まで、彼らの動きと推移に注目していきたいと思います。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:20 | トラックバック