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2011年02月25日

開催目前!アカデミー賞における一票の格差?

いよいよ今週末27日に開催が迫った第83回アカデミー賞。年に一度きりの「映画の祭典」を前にして、ご当地ハリウッドは日に日に気忙しくなっています。「2010年度の頂点に立つ作品は?」「一体どの俳優が主演もしくは助演カテゴリーをさらうのか?」などと、様々なBuzz (=噂話) が方々より聞こえてきていますが、そもそもオスカー像の行方はどのようにして決められているのでしょうか。


  ハリウッドに登場した電光掲示板
  「オスカー開催までのカウントダウン」
例年アカデミー賞を主宰するAMPAS (Academy of Motion Picture Arts and Sciences: 映画芸術科学アカデミー) とは、映画の発展と向上を担う米国内外の映画業界人によって構成されている団体。現在6000人弱とされる非公開の会員達は、それぞれ監督、俳優、撮影や編集といった各支部において功績を残した結果、AMPASの理事会より招待を受けてアカデミーに在籍しています。

アカデミー賞の各部門は、まずそれぞれの会員によってノミネート投票が行なわれます。本年度は総勢5755名の会員に投票権が付与されており、例えば監督支部では367名のメンバー内、撮影支部においては202名のメンバー内といった具合に、自身の属する部門の中でノミネート者を選出することになっています。すると各支部の会員数が異なる為に「1票の重さ」が変わってくるという現象も。一例を挙げると、俳優部門には1183名の会員が在籍しており、男女主演/助演の演技4部門のどれかにノミネートを果たすには約198票が必要となりますが、375名のメンバーを数える脚本部門では、オリジナルの脚本賞と脚色賞それぞれに対して約63票でノミネート入りする計算になります。ちなみにオスカーの目玉とされる作品賞は、唯一アカデミーの全メンバーが投票を行なうので、本年度は10作品に対して5755名が投票することに。よって約524票を獲得すれば、作品賞候補リストに挙がることになるようです。

また投票用紙の記入方法としては、演技部門に限って俳優名と作品名の両方を記載。これは稀に複数の作品に単独の俳優が出演した場合の対する措置であり、それ以外の部門では作品名のみの記入となっています。一方、支部が存在しない外国語映画賞においては、全ての支部メンバーを対象に募ったボランティア委員らによって、その年の資格該当作品より9作品が選出され、3日間の試写セッションを通してノミネート5作品に絞られることになっています。その他にも、短編・長編アニメーション賞、短編・長編ドキュメンタリー賞、メイクアップ賞、歌曲賞、短編映画賞、視覚効果賞といったカテゴリーでは、それぞれに独自の投票方法が取られています。


  行列必至のハリウッド名物「Pink’s Hot Dogs」も
  オスカーに敬礼!  
1月14日の西海岸標準時17時に締め切られたノミネート投票は、1935年よりアカデミー賞での開票業務を執り行なっている会計事務所PwCことプライスウォーターハウスクーパースが集計。今日でも手作業で開票が行なわれており、それぞれの投票用紙には「ホワイト: 作品賞、グレー: 監督賞、ピンク: 撮影賞、ブラウン: 演技賞」といった規定の色分けがされています。また昨年度まではグリーンの返信用封筒に作品賞を、それ以外の投票用紙はイエローの封筒を使って返信するよう定められていましたが、2011年度からはグリーンの封筒そのものを廃止。全ての投票用紙をイエローの封筒に入れて送る「エコ対策」が採用されたと報じられています。

こうして出揃った各部門のノミネート・リストは1月25日早朝に発表され、翌週2月2日にアカデミー会員に向けて本投票用紙を送付。こちらの全メンバーによる本投票が2月22日西海岸標準時17時に締め切られると、後はセレモニー当日を待つばかりとなります。

現在では全ての票がカウントされ、PwC社員2名のみぞ知るとされるThe 83rd Academy Awardsの行方。その発表の瞬間に向けて、すでにカウントダウンは始まっています。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:17 | トラックバック

2011年02月17日

史上に残るコラボの連続!The 53rd Grammys 授賞式

バレンタインデーを翌日に控えた13日、ここロサンゼルスのダウンタウン・エリアに位置するステープルズ・センターにて行なわれた第53回グラミー賞。音楽の一大祭典でしか見られない新旧の豪華ゲスト・パフォーマンスとコラボレーション、そして下馬評を裏切るサプライズの連続によって、今世紀のGrammysにおいて最高視聴率を記録する快挙となりました。


  LA街頭を飾ったグラミー賞の巨大看板。
レコーディング・アカデミーことNARAS (National Academy of Recording Arts & Sciences)が主催するグラミー賞は、言わずと知れた音楽界最高峰の年間セレモニー。最優秀アルバム賞やレコード賞などの主要部門を含めて100を越える部門が設けられており、様々なジャンル/カテゴリーにおいて著しい貢献をしたミュージシャンと楽曲にグラモフォン=蓄音機を模したトロフィーが贈られます。

とりわけ2011年度のGrammysは、我らが日本人アーティストによる怒涛の受賞ラッシュという記念すべき年になりました。エンタメ情報に敏感な皆さんであればすでにご存知かと思いますが、まずB’zの松本孝弘さんとラリー・カールトン氏の競作アルバムが「ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞」を獲得。そして人気ピアニストの内田光子さんは「インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞」に、ジャズ・ピアニストの上原ひろみさん参加のスタンリー・クラーク・バンドは「コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞」、そしてサウスベイ在住の琴奏者である松山夕貴子さんが加わったポール・ウィンター・コンソートによる作品は「ニューエイジ・アルバム賞」にそれぞれ輝いています。

ノミネートの段階でエミネムの最多10部門をブルーノ・マーズが7部門で追っていた本年度のグラミー賞は、カントリー・トリオのレディ・アンテベラムによる5冠!で幕を降ろす結果に。また同じ「レディ」繋がりとして、卵型シェルター入り&御輿状態で担がれてレッドカーペットに登場、ふたたび視聴者の度肝を抜いてくれたレディ・ガガは、計3部門にてトロフィーを持ち帰っています。そして最高栄誉とされる年間アルバム賞に選ばれたのは、大所帯アーケイド・ファイアの「The Suburbs」。また、事前に多くのメディアにてジャスティン・ビーバーの受賞が確実視されていた新人賞は、オバマ夫妻もお気に入りと話題のジャズ・ミュージシャン、エスペランサ・スポルディングがさらう恰好となりました。

第53回グラミー賞: 主要部門受賞リスト

年間アルバム賞: アーケイド・ファイア「The Suburbs」
年間レコード賞: レディ・アンテベラム「Need You Now」
年間楽曲賞: レディ・アンテベラム「Need You Now」
新人賞: エスペランサ・スポルディング
ロック・アルバム: ミューズ「The Resistance」
ラップ・アルバム: エミネム「Recovery」
ポップ・ボーカル・アルバム: レディ・ガガ「The Fame Monster」
カントリー・アルバム: レディ・アンテベラム「Need You Now」

そして音楽ファン待望の豪華ステージ・パフォーマンスでは、まずオープニングからディーバ5名の競演によってキックオフ。「クイーン・オブ・ソウル」として不動の地位を築いたアレサ・フランクリンへのトリビュートに、クリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ハドソン、フローレンス・ウェルチ、マルティナ・マクブライド、ヨランダ・アダムスらが揃い、女王のヒットナンバーを歌い上げています。更にはかのボブ・ディラン!に新人バンドのマムフォード&サンズとアヴェット・ブラザーズ、昨年度の大ヒット曲「F*ck You」を引っさげたシー・ロー・グリーンとグウィネス・パルトロウなど、Grammysでしか実現できないスペシャル共演がゾクゾク。その他、特殊メイクによって肩を突起させて登場のレディ・ガガは、ヌードカラーの衣装をまとったダンサー達とともに新曲「Born This Way」をお披露目、ケイティ・ペリーは自らの結婚式のビデオを背景にブランコで宙吊りに、そして御年67歳で初のグラミー・パフォーマンスを飾ったミック・ジャガーは、昨年他界したソロモン・バーク氏に捧げる「Everybody Needs Somebody to Love」を堂々披露しています。

第53回グラミー賞: ゲスト・パフォーマー<出演順>
アレサ・フランクリン・トリビュート: クリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ハドソン、フローレンス・ウェルチ、マルティナ・マクブライド、ヨランダ・アダムス/レディ・ガガ/ミランダ・ランバート/ミューズ/ブルーノ・マーズ/ジャスティン・ビーバー、アッシャー、ジェイデン・スミス/ボブ・ディラン、マムフォード&サンズ、アヴェット・ブラザーズ/レディ・アンテベラム/シー・ロー・グリーン、グウィネス・パルトロウ/ケイティ・ペリー/ノラ・ジョーンズ、キース・アーバン、ジョン・メイヤー/エミネム、リアーナ、ドクター・ドレー、ジャネル・モネイ、アダム・レヴィーン/ソロモン・バーク・トリビュート: ミック・ジャガー/バーブラ・ストライサンド/リアーナ、ドレイク/アーケイド・ファイア

年間セレモニーでは最長となる3時間半にも及んだ全国放送は、およそ2650万人の視聴者を獲得。同様にCBS局が放送権を持っていた昨年度よりも100万人近く数字を伸ばし、過去10年間でのベスト視聴率を記録しています。先週のスーパーボウルによるアメリカ史上最高の視聴率樹立に然り、記録更新が続いた去年をさらに上回るナンバーが続出している2011年度。約2週間後に迫ったアカデミー賞も、この嬉しい波に乗ることができるのでしょうか?


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:42 | トラックバック

2011年02月10日

スーパーボウルXLV: 米TV史上最高視聴率をまたもや更新!

毎年2月の第1日曜日に行なわれる、米プロフェッショナル・フットボール=NFLの頂上決定戦「スーパーボウル」。第55回目を数えた2011年度は、爆発的な数字を叩き出した昨年をさらに上回る驚異の米歴代最高の視聴率を記録することとなりました。


  満員御礼!スーパーボウルXLV。
  Photo by Pablo Padierna on Flickr
テキサス州のカウボーイズ・スタジアムにて行なわれた、本年度のスーパーボウルXLV (第45回)。ウィスコンシン州に本拠地を置くグリーンベイ・パッカーズが同ペンシルベニア州はピッツバーグ・スティーラーズを31-25のスコアで下し、通算4度目となるNFL王者に輝いています。そしてパッカーズとともに祝杯を分け合ったのが、本年度スーパーボウルの独占放映権を獲得していたFOX局。昨年CBS局にて樹立されたニューオーリンズ・セインツ対インディアナポリス・コルツ戦での1億650万人という視聴数を大幅に上回る1億1100万人!という驚くべき数字で、2年連続となる米TV史上ベスト視聴率更新を叶えています。ちなみに、2011年度&2010年度スーパーボウルによるワンツートップに続くのは、1983年放送のTVシリーズ「M*A*S*H (CBS)」の最終話が打ち立てた1億597万人。昨年まで27年間に渡って「頂点」に君臨してきた本作ですが、現在のところは歴代3位のポジションに付けるに至っています。

アメリカ人が愛するスーパーボウルといえば、大勢の仲間達とワイワイ集って、ビールを片手にピザを頬張りながら大盛り上がりで試合を観戦…といった絵面が浮かびますが、その見どころはゲームだけに限らず。試合直前の国歌斉唱、ハーフタイムのパフォーマンス、そしてほんの30秒のスポットで広告費が2億ドルとも3億ドルとも言われるスーパーボウル・オンリーの特別TVコマーシャルと、エンタメファンにも嬉しい内容が盛りだくさんとなっています。

まず、本年度スーパーボウルの話題をあまり宜しくない意味でさらってしまったのは、オープニングの目玉とされる国歌斉唱を任されていたクリスティーナ・アギレラ。本人曰く「7歳から歌っている」というアメリカ国歌の歌詞を間違えるという痛恨のミスを犯し、愛国心の人一倍強いアメリカ人の反感を買いまくっています。その一方、ハーフタイムに登場したBEPことブラック・アイド・ピーズによるパーティ・メドレーは、なかなかの評判といったところ。レトロ・フューチャーをテーマにした壮大なステージ、衣装と無数のダンサー達によって、とりわけ若年層のファンを引き込むことに成功した模様です。また中盤には元ガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュが飛び入り参加して、ファーギーと名曲「Sweet Child O’ Mine」をコラボ。そしてR&B歌手アッシャーもBEPのフロントマンであるウィル・アイ・アムとのフィーチャリング曲「O.M.G.」を引っさげてダンス・ムーブを披露するなど、それぞれのファンに嬉しい豪華な競演が実現しました。

また本年度のスーパーボウルCMの中でひときわ注目のラインナップとなったのは、まずサイモン・コーウェルが制作する新番組「X-Factor (FOX)」予告。ひたすら彼を前面に押し出したCMに度肝を抜かれた視聴者も多かったようですが、当シンガー発掘番組の勝者にはTV番組史上最高額とされる500万ドル!のレコード契約が決まるという事実も、得てして2重のサプライズとなりました。そして今やティーンエイジャーの憧れの的、ジャスティン・ビーバーが何とオジー・オズボーン夫妻と共演を果たした電化製品ストアBest BuyのCM、同じく若者の心を鷲掴みにしてGeek (=オタク)ならぬGleek (=Gleeオタク)なる新語まで出現した人気TVシリーズ「glee/グリー 踊る♪合唱部!?(FOX)」の主要キャストによる自動車メーカーChevroletのスポット、そしてVolkswagen社の「ちびっ子ダースベイダー」をフィーチャーしたコマーシャルなどなど、クスッと笑えるスペシャルCMが続々と出揃っています。

NFLファン&エンタメファン熱狂のスーパーボウル・サンデイが過ぎ去った今、今週末には音楽の祭典グラミー賞が、そして月末27日にはいよいよ映画の祭典アカデミー賞が待っています。この度のスーパーボウルによる快挙に続く「健闘」を見せてくれることとなるのでしょうか?


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 10:56 | トラックバック

2011年02月03日

アクター達の饗宴!第17回Screen Actors Guild Awards

1月最後の日曜日、LAはシュライン・エクスポジション・ホールを会場に行なわれたSAGアワード/米映画俳優組合賞。SAG (Screen Actors Guild/米映画俳優組合) 会員の「俳優達による俳優達の為の」セレモニーでは、本年度もTV・映画史に残ること必至の輝かしいパフォーマンスの数々が讃えられています。それではさっそく「同志」が選んだ2010年度の顔ぶれをご紹介していきましょう。


  本年度SAGアワードのバナー。
例年、賞レースの目玉とされるアカデミー賞を前に行なわれるSAGアワードは、米映画俳優組合 (SAG: Screen Actors Guild)が主催するTV&映画の年間セレモニー。昨年に引き続き、People誌とともに当アワードを協賛するケーブル局TNTが全国放映権を獲得しており、豪華アクター陣が集う式典の様子が2時間に渡って届けられました。同組合に属する俳優達の投票で受賞者/作品が決まるとあって、数あるアワードの中でも唯一「By & For アクターズ」の授賞式として人気が高く、各部門を覗いてみても「監督賞」や「脚本賞」などの非演技カテゴリーは皆無。焦点はとことんアクティングのみに絞られており、またその年の作品賞に当たる「アンサンブルキャスト賞」は、該当作品における主要キャスト全員に贈られることになっています。


第17回米映画俳優組合賞/SAG Awards 全受賞リスト

<映画部門>
主演男優賞: コリン・ファース「英国王のスピーチ」
主演女優賞: ナタリー・ポートマン「ブラック・スワン」
助演男優賞: クリスチャン・ベイル「ザ・ファイター」
助演女優賞: メリッサ・レオ「ザ・ファイター」
アンサンブルキャスト賞: 「英国王のスピーチ」
スタントアンサンブル賞: 「インセプション」

<TV部門>
ドラマ部門主演男優賞: スティーヴ・ブシェミ “Boardwalk Empire (HBO)”
ドラマ部門主演女優賞: ジュリアナ・マルグリーズ「グッド・ワイフ (CBS)」
ドラマ部門アンサンブルキャスト賞: “Boardwalk Empire (HBO)”
コメディ部門主演男優賞: アレック・ボールドウィン「30 Rock (NBC)」
コメディ部門主演女優賞: ベティ・ホワイト “Hot in Cleveland (TV Land)”
コメディ部門アンサンブルキャスト賞: 「モダン・ファミリー (ABC)」
TV映画/ミニシリーズ主演男優賞: アル・パチーノ “You Don’t Know Jack (HBO)”
TV映画/ミニシリーズ主演女優賞: クレア・デインズ “Temple Grandin (HBO)”
スタントアンサンブル賞: 「トゥルー・ブラッド (HBO)」

・生涯功労賞: アーネスト・ボーグナイン


映画部門のアンサンブルとコリン・ファースが主演男優賞をさらった「英国王のスピーチ」は、今月27日に開催予定のアカデミー賞において最多12部門にノミネートされたばかり。先々週に行なわれたPGAアワード (米制作者組合賞)と先週のDGAアワード (米監督組合賞)でもそれぞれの最優秀賞に輝いており、これまで本命視されていた「ソーシャル・ネットワーク」よりも頭ひとつ分の優勢となっています。そしてお腹にベイビーちゃんを宿した主演女優賞獲得のナタリー・ポートマン、クリスチャン・ベイルとメリッサ・レオの「サポーティング・コンビ」も、堂々の賞レース連覇を達成。ベイルが劇中で演じたディッキー・エクランドご本人の登場もあり、毎度スピーチにて観客をヒヤヒヤさせているベイルが興奮気味に繰り出した言葉「あなたの生き方に感謝します」には、盛り上がった会場が更に沸くこととなりました。


  SAG会報誌「Screen Actor」表紙を飾った
  アーネスト・ボーグナイン。昨年の「RED/
  レッド」が164本目の映画出演作品に。
  
そして一方のTV部門では、同シリーズにて2連覇のジュリアナ・マルグリーズと5連覇!を達成したアレック・ボールドウィンを除き、全てのカテゴリーが初受賞という快挙に。先のゴールデン・グローブ賞に続き、ドラマ部門では“Boardwalk Empire”が「マッドメン (AMC)」を、コメディ部門においては「モダン・ファミリー」が「glee/グリー 踊る♪合唱部!? (FOX) 」の連覇を阻止する結果になっています。また昨年のライフ・アチーブメント受賞者のベティ・ホワイトは、自身が最も驚いた様子でありながら、満場のスタンディング・オベーションに包まれて主演女優賞を獲得。89歳にして初めて手にしたアクター像の「下部」に触れて”Oooh!!”と呟くなど、茶目っ気たっぷりの笑顔がとってもチャーミングでした。さらに本年度の生涯功労賞に選ばれたアーネスト・ボーグナインに至っては、さらに上をいく御年94歳!という頼もしさ。いつにも増して若々しく映ったプレゼンターのモーガン・フリーマンからマスク型のトロフィーを受け取ると、壇上の彼に熱い視線を注ぐ「後輩達」に向け、プロとして常に最善を尽くすようにと激励しました。

組合系アワードの中で唯一全国にケーブル放送されるSAGアワード人気の所以は、やはり「Aリスト」に名を連ねるスター達の来場。ゆったりとディナーテーブルを囲み、ド派手なパフォーマンスもなければホストさえ立てられていませんが、本年度も見応え十分のセレモニーが幕を降ろしています。昨年の演技4部門の受賞者全員はそのままアカデミー賞も獲得しており、SAGアワードは本年度のオスカー像の行方を占う恰好の材料となっています。昨年に続いてオスカーでもリピートと相成るのでしょうか?


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 16:56 | トラックバック