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2011年05月27日

音楽ファン待望の復活!Billboard Music Awards 2011

今日のヒットチャートを牽引するトップスター達が、人々を惹きつけてやまないSin City(=罪の街)に大集結。5月22日、実に5年間にも及ぶ休止期間を経て、ラスベガスはMGMグランドのガーデン・アリーナにて「Billboard Music Awards 2011」が大復活を遂げています。


  ディーヴァの貫禄たっぷり!リアーナ&ニッキー・ミナージュとコラボ
  した、ブリトニー・スピアーズ。Photo by alacoolb on Flickr
1990年にスタートしたBillboard Music Awards(以下BMAs)はそのタイトル通り、米ミュージック業界誌ビルボードが主催する音楽の一大祭典。2007年度より5年間の休止状態にありましたが、例年12月中の開催を5月に、また全国放映局をFOXからABC局へと変更して、長年のホームグラウンドとなっているラスベガスのMGMグランド内ガーデン・アリーナに舞い戻って来ました。ビルボード誌が世界に誇るBillboardヒットチャートはもちろん、CD総売上やラジオ・オンエア回数、そしてダウンロード数に至るまでを網羅して、最もポピュラーな楽曲と時代を反映するアーティストを選出。どのカテゴリーを見ても、今日のミュージックシーンを語るにふさわしい面々がその名を連ねています。

本年度BMAsのホストを務めたのは、近年の映画やテレビに引っ張りだことなっている売れっ子コメディ俳優のケン・チョン。もともとは正真正銘の医師という異色の肩書きを持つ彼ですが、実はヴァイオリンやピアノをたしなむミュージシャンでもあり、この度のアワード司会に堂々の大抜擢を果たしています。オープニングでは、人気女性ラッパーのニッキー・ミナージュやバンドTrainのボーカルを務めるパトリック・モナハンとともに、歌って踊るレヴュー・スタイルでの登場。そして、妻ニコール・キッドマンをエスコートして来場した人気カントリー歌手のキース・アーバンとの「バンジョー対決」や、2008年に飛行機事故から無事生還した元Blink-182のトラヴィス・バーカーとの「ドラム対決」、はたまた「何で、コメディアンのあなたがここに?」と突っ込まれてピアノ弾き語りを披露するなどのホストぶりで、数少ないアジア系コメディアンの存在感を存分に発揮してくれました。

その一方では、やはり世界が注目するヒットチャートの代名詞「Billboard」主催のアワードとあって、豪華なゲスト・パフォーマンスが目白押し。先陣を切ったのは、真っ白なボンデージ衣装を身にまとい、大ヒット曲「S&M」を熱唱したリアーナ。曲の後半からは、相反する黒のボンデージとマスクを着けたブリトニー・スピアーズが登場し、ともにポールダンスやピロー・ファイト(枕投げのようなパフォーマンス)、そしてキスを交わして締めくくるデュエットを果たしており、そのセクシーなステージで視聴者の度肝を抜いてくれました。ちなみにその翌日、ABC局にPTC (Parents Television Council)こと保護者テレビ評議会からのクレームが殺到したことは言うまでもありません。また、新時代を象徴するアーティストに贈られる新カテゴリー「ミレニアム賞」を獲得したビヨンセは、スティーヴィー・ワンダーやバーブラ・ストライサンド、レディ・ガガ、U2のボノやミシェル・オバマ大統領夫人ら錚々たる顔ぶれからビデオメッセージを受け、真っ白なステージにて映像とライト、そしてダンサー達を混じり合わせ、まるでPVを観ているかのような錯覚に陥ってしまうパフォーマンスで観客達を魅了。キレのあるダンスとともに、女性への応援歌となる新曲「Run the World (Girls)」は、今後のヘビーローテーション必至です。

(当日ゲスト・パフォーマー: ブラック・アイド・ピーズ、キース・アーバン、ピットブルfeat. ニーヨ、シーロー・グリーン、タイオ・クルーズ、ファーイースト・ムーヴメント×ワンリパブリック×スヌープ・ドッグ、メアリー・J. ブライジ feat. リル・ウェイン、ケシャ、ニッキー・ミナージュ&ブリトニー・スピアーズ、ニール・ダイアモンド/出演順)

Billboard Music Awards 2011 /主要カテゴリー受賞結果

アルバム賞/
ビルボード200賞: エミネム「Recovery」
ポップ・アルバム賞: ジャスティン・ビーバー「My World 2.0」/ ケイティ・ペリー「Teenage Dream」
カントリー・アルバム賞: テイラー・スウィフト「Speak Now」
ダンス/エレクトロニック・アルバム賞: レディ・ガガ「The Fame」

楽曲賞/
ホット100賞: タイオ・クルーズ「Dynamite」
ラジオ・ソング賞: ブルーノ・マーズ「Just the Way You Are」
ストリーミング・ソング賞: ジャスティン・ビーバー feat. リュダクリス「Baby」
R&Bソング賞: アッシャー feat. ウィル・アイ・アム「OMG」
カントリー・ソング賞: レディ・アンテベラム「Need You Now」
ロック・ソング賞: トレイン「Hey, Soul Sister」
ラップ・ソング賞: エミネム feat. リアーナ「Love the Way You Lie」


  どんどん可愛くセクシーに!
  弱冠23歳のリアーナ。
  Photo by mobu26 on Flickr
アーティスト賞/
トップ・アーティスト賞: エミネム
男性アーティスト賞: エミネム
女性アーティスト賞: リアーナ
デュオ/グループ賞: ブラック・アイド・ピーズ
ポップ・アーティスト賞: レディ・ガガ
ビルボード200アーティスト賞: テイラー・スウィフト
ホット100アーティスト賞: ケイティ・ペリー
ニュー・アーティスト賞: ジャスティン・ビーバー
ストリーミング・アーティスト賞: ジャスティン・ビーバー

特別賞/
ミレニアム賞: ビヨンセ
ツアーリング・アーティスト: U2
アイコン賞: ニール・ダイアモンド

リアーナとブリトニーによるホットな「S&M」デュエットで始まり、ニール・ダイアモンドの「Sweet Caroline」他の合唱で会場が一体となって幕を降ろしたBillboard Music Awards 2011。結果、エミネムとジャスティン・ビーバーが、それぞれ6部門ずつで最多受賞者の栄誉を分け合っています。本年度の全受賞者は、下記のウェブサイトよりご覧ください。

Billboard Music Awards 2011 各受賞リスト


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 10:46 | トラックバック

2011年05月19日

気になる新作から珍作?まで― アメリカンTV「夏の陣」

各チャンネルが大本命シリーズをぶつけて来るプライム・シーズンを鼻の先に控えて、この夏のラインナップが勢揃い。バケーションやさまざまなイベントに忙しくなる季節と言えども、2011年のサマーTVは立派な「娯楽」要素となってくれそうです。


  この秋注目の新シリーズ「Terra Nova(FOX)」
  に先駆けて「Falling Skies(TNT)」でもプロ
  デューサーを務めるスティーヴン・スピルバーグ。
  Photo by ScypaxPictures on Flickr
アメリカンTV界の「本場所」と言えば、ズバリ秋。各局の新作バトルとともに、人気シリーズがお茶の間にカムバックしてくる時期となります。そして現在は「Glee (FOX)」などを筆頭に人気ドラマ・シリーズがシーズン最終話を迎えて充電期間に突入、また「American Idol (FOX)」のようなリアリティ・ショーが続々とフィナーレを迎える時期となっており、TVっ子達の視線はすでに、ネットワーク系列からケーブル局までのサマー・インストールメントに集中している模様です。

各局自慢の人気シリーズのRerun(=再放送)が垂れ流し状態となるサマー・シーズンは、もう過去のお話。近年のアメリカンTVは、穴となりがちな夏にこそ秘蔵の新作を投入して来る傾向にあります。この夏期待の新作ドラマを挙げるなら、まずNBC局のラブロマンス「Love Bites」。本来は秋の放映を予定していた当シリーズは、ベッキー・ニュートン(「アグリー・ベティ (ABC)」)、グレッグ・グランバーグ(「HEROES (NBC)」)ら、アメリカンTVお馴染みの人気アクターがキャストに名を連ねており、ジェニファー・ラブ・ヒューイットやリンゼイ・プライス(「ビバリーヒルズ青春白書 (FOX)」)らのゲスト出演も予定されています。また、ケーブル局TNTでスタートを切ることとなったリーガル系(法律もの)ドラマ「Franklin & Bash」も、すでに話題沸騰中。「NYPDブルー (ABC) 」などで知られるマーク・ポール・ゴスラーと、映画「ロードトリップ (2000) 」などに出演のレッキン・メイヤーがタッグを組み、彼らの上司役にはマルコム・マクダウェルが構えるなど、その豪華プレミア放送が待たれます。

また、同様のリーガル系ドラマ繋がりとしては、ガブリエル・マクトが演じる弁護士のもと、イケメン俳優パトリック・J・アダムスがニセ弁護士に扮するという「Suits (USA Network)」も、女性の目の保養にうってつけな1本となりそうです。そして、オーストラリア発の同名ヒットシリーズ「Wilfred」が、リメイク版としてケーブル局FXにて放映スタート。主演のイライジャ・ウッドだけに見える、着ぐるみの犬を演じるのは、オリジナル同様のジェイソン・ガン。彼のヤサグレっぷりでガッツリと笑わせてくれそうな期待のコメディ・シリーズです。さらに、新作SFシリーズには、スティーヴィン・スピルバーグ制作の「Falling Skies (TNT)」が待機中。「ER緊急救命室 (NBC) 」で知られるノア・ワイリーが、エイリアン侵略を解明する歴史学者に扮する壮大な人間ドラマに仕上がっているとか。また、この夏に新シーズンを迎えるドラマ・シリーズより、一番の目玉となっているのはケーブル局HBOの冠シリーズ「アントラージュ★オレたちのハリウッド (邦題)」の最終章/第8シーズン。7月末放送予定の本作は、同局のヒット作「SATC」こと「セックス・アンド・ザ・シティ」と同じように、劇場公開が検討されているとか。

一方、アメリカンTV界にすっかり根付いているリアリティ・ショーに視線を移してみると、一般参加型オーディション番組「America’s Got Talent (NBC)」のシーズン6や、近年アメリカで大ブームとなっているフードトラック(移動型レストラン)が全米を縦断しながら勝ち抜き戦を繰り広げる「The Great Food Truck Race (Food Network)」の第2シーズンなどがカムバックする予定。そして、リアリティ・マニア待望の新シリーズには、男女10人がコスタリカにてサバイバルゲームを繰り広げ、最終的にカップル成立を目指す…という「The Bachelor (ABC)」と「サバイバー (CBS)」がお見合いしたかのような「Love in the Wild」がスタート予定となっています。また「プロジェクト・ランウェイ (Lifetime)」のシンガーソングライター版とも言える「Platinum Hit (Bravo)」では、司会に歌手ジュエル、審査員に元AIこと「American Idol」にてジャッジを務めていたカラー・ディオガルディが迎えられ、次世代のヒットメーカーが発掘される予定。そして「Young, Broke and Beautiful (IFC)」と題された旅番組シリーズでは、全米の激安レストランやバーなどなど、津々浦々のお得バーゲン情報が紹介される予定だそうで、こちらもご時世にピッタリのコアな人気を集めることになりそうです。

一方で、「行く末大丈夫?」と不安になってしまう新シリーズもあります。堂々とその先陣を切ってくれるのは、パリス・ヒルトンをフィーチャーした新リアリティ番組「The World According to Paris (Oxygen)」でしょう。2011年の時の人となったチャーリー・シーンの元嫁ブルック・ミューラーら「取り巻き」らとともに、パリスの私生活に密着する内容ですが、元大親友&現ライバルと称される「リアリティ・クイーン」キム・カーダシアン一家へのライバル意識まるだしで、いかにも詰まらなそう。また「The Hills (MTV)」出演&度重なる整形手術で命さえ落としかけたハイディ・モンタグや、「The Bachelor (ABC)」に出演&番組内で婚約者を絞るも他番組において大喧嘩と破局の一部始終が流されたジェイク・パヴェルカなど、リアリティ界の“苦笑“な人々が集結して、ナゼかレストラン開店を目指すという「Famous Food (VH1)」なる番組、そして「また素人の歌番組?」と言いたくなってしまう、タイトルからして期待値が低そうな「America’s Karaoke Challenge (ABC)」などなど、先行き不安なニューフェイスも続々と「夏の陣」に名乗りを挙げております。

今回ご紹介したほんの一部でも、ドラマにリアリティ・ショーにと盛りだくさんな2011年度のサマー・シリーズ。お気に入りのドラマやTV番組がひと段落するこのシーズン、肩の力を抜いてのんびりとTVの前で過ごすには、うってつけな内容となっているようです。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 12:59 | トラックバック

2011年05月12日

2011年度Box Office独走状態! 『ワイルド・スピード MEGA MAX』

今年のゴールデンウィーク、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか?日本が大型連休を迎えている間、ここアメリカでは記録破りの大ヒット・ムービーが誕生!人気シリーズ「ワイルド・スピード」の第5作目となる『ワイルド・スピード MEGA MAX』が、圧倒的な強さで鮮烈デビューを果たし、オープンから今日まで怒涛の快進撃を続けています。


  ハリウッドの街中をジャックした『ワイルド・スピード MEGA
  MAX』アメリカ版のポスター。原題は”Fast Five”
アメリカ現地時間4月29日に封切られた、シリーズ・ファン待望の『ワイルド・スピード MEGA MAX』。限定1104館にてひと足お先の金曜早朝の上映だけでも370万ドルの収益を上げており、この時点ですでに前作『ワイルド・スピード MAX』(2007)の初日興収180万ドルを2倍以上にも引き離す結果となっています。そして気になるオープン初日のシアター3644館における総収益は、「たった1日だけで?」と耳を疑いたくなる驚異の3320万ドルを達成。そしてそのままグングンと加速をつけるかのように、オープニング週末3日間では本年度最高をマークする8619万ドルの興行成績を記録することとなりました。

これは同時に、ユニバーサル・ピクチャーズ創業以来のオープニング記録となっており、同社が『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)によって樹立した7210万ドルを塗り替える快挙となっています。ちなみに、2011年度これまでのオープニング記録は、4月第3週目に公開された3Dアニメーション「Rio」による3920万ドル。それを優に2倍以上も上回る『ワイルド・スピード MEGA MAX』の8619万ドル、いかにモンスター級の数字なのかが一目瞭然です。


  (c) 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
シリーズ最高額となる1億2500万ドルが投入された『ワイルド・スピード MEGA MAX』には、もはやお馴染みの顔であるヴィン・ディーゼル&ポール・ウォーカーのコンビを追い詰める連邦捜査官役に、「ザ・ロック」ことドゥエイン・ジョンソンが仲間入り。南米ブラジルを舞台に、ド派手なカーアクションと予想も出来ない心理戦が繰り広げられていきます。画面を彩るイケメンと美女達、スクリーン狭しと走りまくるファン垂涎の改造車、世界屈指のゴージャスなヴィンテージカー、ウィットに富んだ笑いの連続、そしてアメリカが誇る映画批評家ロジャー・エバート氏さえも讃えた縦横無尽のアクション・シーン。エンターテインメントに欠かせない調味料がぎっしりとつまった本作は、130分間ノンストップのアドレナリン大放出を約束してくれること必至です。

イギリス、ドイツ、スペイン、ロシア、オーストラリアやニュージーランドなど、すでに世界規模でナンバーワン・ヒットを記録している『ワイルド・スピード MEGA MAX』。10月1日を予定している日本全国ロードショー、いまかいまかと待たれている方も多いはず。このワールドワイドな勢いに乗り遅れることのないよう、今からスケジュールのチェックをお忘れなく。ぜひとも、映画館だからこそ味わえる一大スペクタクルをお楽しみください。


【ワイルド・スピード MEGA MAX 公式サイト】

10/1(土)、全国ロードショー!


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 12:55 | トラックバック