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2011年09月30日

話題作が目白押し!2011年秋の新作ドラマ

プライムタイム・エミー賞も幕を降ろし、またひとつ新たなサイクルを迎えたアメリカンTV界。話題の新作ドラマや人気シリーズのニュー・シーズンが続々とプレミアを迎えており、各局は熾烈な視聴率争いを繰り広げています。


  「New Girl」でのコミカルな演技が光るゾーイ・デシャネル。
  Photo by foqus on Flickr

アメリカンTV界において、最も重要な改編期と言えば秋シーズン。春期の大型バラエティ・プレミア (=初回放送) もあるにはありますが、12月中に賞レース候補作品が封切られる映画界と同様に、各局が満を持して送り出す「自信作」は9月から11月までの間にズラリと勢揃いします。アメリカではすっかりお馴染みとなった動画配信サービス「hulu/フールー」の日本初上陸に伴い、日本国内での人気にますます拍車がかかることが見込まれるアメドラ。キャスト、ストーリー、制作陣と、3拍子揃った「長寿シリーズ予備軍」が集まった今期は、日本でも話題となること必至のタイトルばかりです。

2011年秋シーズン: 新作ドラマ一覧 <チャンネル別/すべて原題>

CBS
“2 Broke Girls”:シットコム
“Unforgettable”:犯罪ドラマ
“How to Be a Gentleman”:サスペンス
“Person of Interest”:サスペンス
“A Gifted Man”:医療ドラマ

NBC
“The Playboy Club” エピック・ドラマ
“Up All Night”:シットコム
“Free Agents”:シットコム
“Whitney”:シットコム
“Prime Suspect”:犯罪ドラマ
“Grimm (10/21)” :ファンタジー

FOX
“Terra Nova”:SFドラマ
“New Girl”:シットコム
“I Hate My Teenager Daughter (11/23)”:シットコム
“Allen Gregory (10/30)”:アニメーション

ABC
“Last Man Standing (10/11)”:シットコム
“Man Up! (10/18)”:シットコム
“Suburgatory”:シットコム
“Revenge”:サスペンス
“Charlie’s Angel”:アクション
“Once Upon a Time (10/23)” :ファンタジー
“Pan Am”:エピック・ドラマ

ズラリと並んだタイトルは、あくまで「Big 4」と呼ばれる米4大ネットワーク局での新シリーズのみ。これにケーブル・チャンネルが加われば、リストはさらに続きます。まだお披露目されていない新作もありますが、現時点での勝者を挙げるならまずFOX局の”New Girl”。TVにも映画にも引っ張りだこのシンガーソングライター/人気女優ゾーイ・デシャネルが主演を務めるシットコム(シチュエーション・コメディ)は、同局過去10年間でのパイロット(TVドラマの第1話)放送における最高視聴数となった平均1000万人を獲得しており、前番組となるミュージカル・ドラマ「glee / グリー」が視聴率を落としている中、早くも2週連続で高い数字を残しています。

なお、初回2時間放送の鳴り物入りで始まった同局のTV版ジュラシック・パーク”Terra Nova”は、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮とハンパない制作費が話題に上っていましたが、初回視聴数は約920万人と奮わず。同じく、期待値の高かったNBCのグラマラスな60年代ドラマ”The Playboy Club”も、過激な内容を懸念したユタ州での放映禁止措置が響いたのか、フタを開けてみれば510万人前後の視聴数と低空飛行に終わっています。

一方、クリスティーナ・アップルゲイトとウィル・アーネットによるシットコム”Up All Night”は、さすがはベテラン勢の風格で、およそ1090万人を獲得。また、クリスティーナ・リッチが主演に大抜擢されたエピック・ドラマ”Pan Nam (ABC)”は、今は無きパンアメリカン航空のフライング・チームを忠実に描いており、華やかなフライト・アテンダントとラブストーリーによって高視聴数1080万人前後を集めています。

そして、CBS局のサスペンス・ドラマ”Person of Interest”は、平均1322万人と現時点での今期プレミア最高視聴数を樹立。「ダークナイト(2008)」で兄クリストファー監督とともに脚本を務めたジョナサン・ノーランを脚本家に、大ヒットドラマ「LOST」よりJ. J. エイブラムスとマイケル・エマーソンをそれぞれ製作総指揮と主演俳優に迎えており、夢のタッグは貫禄のトップ・スタートを切る結果となりました。

これからパイロット放映を控える作品群のうち、注目すべきはNBCの“Grimm”とABCによる “Once Upon a Time”のファンタージー・シリーズ一騎打ち。近年のヴァンパイア旋風に続き、フェアリーテイル/童話からのインストールメントが新たなトレンドとなっているようですが、若年層のみならず幅広い年齢層にウケるかどうかが鍵となりそうです。今回ご紹介した新作ドラマのみならず、様々なリアリティ・ショーも開始しているアメリカンTV。EIGAFANでは今後も注目作品を逐一ご紹介していきます。

TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 00:22 | トラックバック

2011年09月22日

アメドラここに極まれり!第63回プライムタイム・エミー授賞式

現地時間18日、L.A. ライブ内Nokiaシアターにて行なわれたThe 63rd Primetime Emmy Awards。TV大国アメリカが誇るTVシリーズの祭典は、今年も大盛況のうちに幕を降ろしています。


  本年度のプライムタイム・エミー賞告知ポスター。

米テレビ芸術アカデミー(ATAS: The Academy of Television Arts & Sciences)が主催する「アメリカンTVの最高栄誉」プライムタイム・エミー賞は、その年最も人気および完成度の高かった作品を讃える年間セレモニー。デイタイム、スポーツ、クリエイティブアートなど、様々なジャンルごとに表彰式が行なわれますが、通常の「エミー賞」と言えば今回開催されたプライムタイム(=ゴールデンタイム)版を指すことになります。FOX局にて全国放映された2011年度は、「サバイバー (CBS / 邦題)」や「The Voice (NBC / 原題) 」などのヒット・リアリティ番組を続々と生み出しているマーク・バーネットを製作総指揮に迎え、例年以上のテンポ・アップ。ネットワーク系であろうと平気で番組を押しまくるアメリカには珍しく、放映予定時間であった3時間内にピッタリと収められたセレモニーは、初司会を務めたジェーン・リンチの快活さが好評でした。いよいよ日本にも上陸した「グリー 踊る♪合唱部!?(FOX) 」のスー・シルベスターが当たり役となった彼女は、のっけからハイテンションなミュージカル調TVパロディを披露。また、オープニング・モノローグではゲストの大御所女優ベティ・ホワイトやケイティ・ホームズらをいじり倒すなど、ソツの無い進行でも会場を沸かせました。


  黄金色に輝くリアル・エミー像。
  Photo by Phil Hawksworth on Flickr

本年度の見どころは、何と言っても”Modern Family (ABC)”の圧勝。作品、男女助演、脚本、監督と主要5部門を見事にさらった本作は、タイトル通り「現代的な家族像」を描いたコメディ・シリーズとして人気を博しています。養子を迎えたゲイ・カップルや、初老アメリカ男性とラテン美女のトロフィー・ワイフ (=戦利品のような妻、という意) 夫婦など、同じ住宅地に住む人々の日常をコミカルに描き、昨年の初エミー参戦&作品賞受賞の快挙から、2年連続で同賞を獲得。ちなみに、主要キャストの誰もがメイン・キャラクターになり得るという理由から、彼らは揃って助演部門へのノミネートを希望しており、本作からの助演女優部門はダブル、助演男優部門ではトリプル・ノミネートを果たしていました。「30 Rock (NBC)」の連覇を阻止した「グリー 踊る♪合唱部!?」、それをさらに凌いだ「モダン・ファミリー」の猛追と、近年におけるコメディ部門の天下獲りは熾烈を極めている様相です。

その一方、安定した強さを見せる「マッドメン (AMC)」は、本年度もブレることなくシリーズ開始から4年連続で作品賞ドラマ部門を獲得。しかし、主演男優賞候補であったジョン・ハムは、「フライデー・ナイト・ライツ (The 101 Network / NBC)」のカイル・チャンドラーに同賞を明け渡すかたちとなりました。今年2月、第5シーズンを最後にフィナーレを迎えた本作は、充実の内容にもかかわらず視聴率が低迷。ネットワーク局からケーブル局へと放映チャンネルを異動するという憂き目に会っていただけあって、この度の受賞は見事な「有終の美」と言えるでしょう。そして対する主演女優賞には、「グッドワイフ (CBS)」のジュリアナ・マルグリース、男女助演にピーター・ディンクレイジ(”Game of Thrones (HBO)”)とマーゴ・マーティンデイル(”Justified (FX)”)と、それぞれが同作品における初エミー受賞を飾っており、「モダンファミリー」の独壇場となったコメディ部門と対照的に、異なる4作品がトロフィーを持ち帰る結果となっています。


第63回プライムタイム・エミー賞: 主要部門受賞リスト

・ドラマ部門
作品賞: 「マッドメン」
主演女優賞: ジュリアナ・マルグリース「グッド・ワイフ」
主演男優賞: カイル・チャンドラー「フライデー・ナイト・ライツ」
助演女優賞: マーゴ・マーティンデイル “Justified”
助演男優賞: ピーター・ディンクレイジ “Game of Thrones”
監督賞: マーティン・スコセッシ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街 (HBO)」

・コメディ部門
作品賞: “Modern Family”
主演女優賞: メリッサ・マッカーシー “Mike & Molly (CBS)”
主演男優賞: ジム・パーソンズ「ビッグバン★セオリー ギークな僕らの恋愛法則 (CBS)」
助演女優賞: ジュリー・ボーウェン“Modern Family”
助演男優賞: タイ・バーレル“Modern Family”
監督賞: マイケル・アラン・スピラー“Modern Family”

・ミニシリーズ/TV映画部門
作品賞: 「ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~ (PBS)」
主演女優賞: ケイト・ウィンスレット「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償 (HBO)」
主演男優賞: バリー・ペッパー「ケネディ家の人びと (ReelzChannel)」
助演女優賞: マギー・スミス「ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~ (PBS)」
助演男優賞: ガイ・ピアース「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償 (HBO)」
監督賞: ブライアン・パーシヴァル「ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~ (PBS)」

満場一致と番狂わせが入り混じりながらのスムーズな展開で、視聴者を存分に楽しませてくれたEmmys 2011。常に視聴数2000万人越えと言われるNFL中継「サンデー・ナイト・フットボール (NBC)」とバッティングしていたにもかかわらず、昨年比2%アップの平均1240万人がチャンネルを合わせており、極めて良好な数字が残っています。秋にメジャーな改編期を迎えるアメリカでは、今秋も話題の新作が目白押し。来年のエミー賞に食い込んでくる作品もあるかも?近日中に特集を企画していますので、そちらもお楽しみに。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 16:32 | トラックバック

2011年09月15日

あれから10年: アメリカ各局にて同時多発テロ追悼番組を放映

2001年9月11日に勃発したアメリカ同時多発テロから10年目を迎えた今年。当日の米ネットワーク各局では、グラウンド・ゼロ (ワールド・トレード・センター/WTC跡地) にて行なわれた追悼セレモニーが生中継され、通常プログラムを変更した特別番組も数多く制作されています。


  今も復興が続くグラウンド・ゼロ。
  Photo by NYC Marines on Flickr

NYの高層ビルに旅客機追突、との第一報が伝えられた時、私達の多くはテレビを通して惨劇を目の当たりにしたはずです。あの日からちょうど10年が経った2011年9月11日、アメリカ国内のTVネットワーク各局では、世界貿易センター (WTC: World Trade Center)ビル跡地のグラウンド・ゼロにて執り行なわれたメモリアル・サービスの模様が生中継されました。およそ6時間に渡ってコマーシャル・フリーで届けられた各番組は、セレモニー初参加となったオバマ大統領やブッシュ前大統領らによるスピーチと聖書朗読、亡くなった方々に捧げる鎮魂のネーム・リーディングを中心に、3都市で起こった4つのテロ事件を偲ぶビデオクリップ、そして石碑のまわりに集まった遺族による献花など、観る者の胸を打つ映像が伝えられています。

また、9月11日を前にして、ケーブルチャンネルを含むネットワーク各局では、さまざまなスペシャル・プログラムが企画されました。CBS局では”Evening News”にて3夜連続で特別枠を設け、当日にはロバート・デ・ニーロをホストに迎え、仏フィルムメイカーによるドキュメンタリー”9/11: 10 Years Later (原題)”が放送されました。そしてABC局では、TVニュースマガジンとして知られる長寿番組”20/20”にて、”Remembrance and Renewal: 10 Years After the 9/11 Attacks”と題した特番を、またニュース専門チャンネルCNNでは、テロリストの搭乗手続を行なった空港係員、ハイジャック機より通報を受けたオペレーターなど、実際に9/11テロ事件に関係することとなった人々に迫った”Footnotes of 9/11”、現場を包んだ粉塵やガスの有毒性を検証する”Terror in the Dust”、そしてグラウンド・ゼロにて救援活動を行なった女性達をフィーチャーした”Beyond Bravely: The Women of 9/11”といったドキュメンタリーを放映。その他にも、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、グラウンド・ゼロの再建に密着した約6時間に及ぶ”The Rising: Rebuilding Ground Zero (Discovery Channel)”、動物によって事件後のPTSD/心的外傷後ストレス障害を克服した9・11生存者に迫る”Saved (Animal Planet)”、著名人によるチャリティ・コンサートの模様をクロースアップした”When Pop Culture Saved America (Bio Channel)”など、アメリカ同時多発テロを様々な観点から振り返るドキュメンタリー作品が公開されています。

そして10年目の記念日を目前に控えた9月7日、9/11テロ事件によるトラウマを抱えた主人公を描くTVドラマ「レスキュー・ミー~NYの英雄たち (FX/2004~)」が、最終回を迎えました。エミー賞にもノミネートされているこのシリーズは、1999年の大規模な火災事故により、消防士であった従兄弟を亡くしているデニス・リアリーが制作、脚本、主演を務めた意欲作。9・11に親友を失った主人公の破滅的な日常と消防士としての生き様が描かれ、この度の最終話では「TVシリーズの枠を超える感動」として、再び評価が高まっています。フィナーレの撮影寸前まで、主人公が命を落とすといった昨今の米ドラマにありがちな筋書きが用意されていたそうですが、最終的には生き残って、生存者としてスピーチするというエンディングで全7シーズンを完結。リアリー扮するトミーの臨場感あるスピーチ・シーンは、実際にテロで亡くなられた343名の消防士を追悼するもので、当シリーズの制作理由であった9/11を忘れないとのモットーを実現させる形となりました。

あの目を疑うような映像が飛び込んでから10年という歳月が流れた2011年9月11日。奇しくもこの日は東北地方太平洋沖地震の発生から6ヶ月目にあたり、CNNなどの米各局では震災被害の凄まじさと、地震が引き金となったチェルノブイリに匹敵する原子力発電所事故を改めて報じています。9・11事件ならびに東日本大震災により、尊い命を落とされた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:07 | トラックバック

2011年09月08日

セレブリティ・バケーション!2011年のトレンドは?

日中は30℃前後と、まだまだ夏の陽気が残るLAエリア。すでに9月に突入していると言っても、夏休み気分が抜けない…とボヤく声があちこちから聞こえてきます。そこで今回は、過ぎ去りし「SUMMER 2011」を偲びつつ、ハリウッドならではの豪華バケーションを大特集。Aリスト・スターやジェット・セッター達で賑わう世界各国の人気スポットをご紹介していきます。


  いつかは行きたい! 南フランスはサントロペのヨット・ハーバー。
  Photo by Michael Gwyther-Jones on Flickr

アメリカの財政赤字さえ、ハリウッド・スターにとっては対岸の火事?インターナショナルに活躍する彼らの間では、ため息さえ出尽くしてしまうようなバケーション合戦が繰り広げられています。まずは、セレブの代名詞と言っても過言ではない「クルージング」をこよなく愛する顔ぶれより、思わず「映画の制作費ですか?」と突っ込みたくなる2億ドル越え!のメガ・ヨットを所有するスティーヴン・スピルバーグ。「Seven Seas (=七つの海) 」と名付けられたヨットには、試写室は言うまでもなく、完全装備のジムやマッサージ専門スパなどが併設されているそうです。いかにも世界を獲る気満々なネーミングの本船がこの夏向かった先は、イタリア領ポルト・チェルボ近郊。グウィネス・パルトロウとキッズらを交えて(スピルバーグは彼女のゴッドファーザー/名付け親)スピードボートを楽しんでいたところ、海岸で日光浴中の人々に騒音を通報され、海外警備隊によって172ユーロの罰金を科せられるハプニングもあったそうです。・・・彼らにとっての数百ドルとは、果たして庶民の何に相当するのでしょうか?
また別のクルージング・チームとして、この秋アメリカ初上陸を迎えるシンガー発掘シリーズ”The X Factor (FOX/原題)”の製作者兼審査員であるサイモン・コーウェルは、婚約者ミシゴン・フセインさんとともに南仏へ、喉頭癌と精神疾患を克服したマイケル・ダグラス&キャサリン・ゼタ=ジョーンズ夫妻は、海上での入国手続きに不備があったとして、スピルバーグと同様に罰金を請求されつつもイタリアに無事入国、そして今年に入って第1子が誕生したハビエル・バルデム&ペネロペ・クルスの夫婦も、メディア界の権力者および女優チャン・ツィイーの元婚約者として著名なヴィヴィ・ネヴォらとともに、イタリア沿岸でのクルージングを満喫しました。

セレブリティ達による2011年度の渡航先をチェックしてみると、圧倒的にヨーロッパが大半。ジョージ・クルニーが所有する別荘、というよりもお城があるイタリア沿岸では、前出のクルージング3組に並び、歌手のリアーナや、ハリウッドの最新ホットカップルとして注目のレオナルド・ディカプリオ&ブレイク・ライヴリーらが目撃されています。
そして、本年度の1番人気となったのが、南仏に位置するサントロペ。昔からゴージャスな避暑リゾートとして知られている当地ですが、今年はファミリー・マンとして名高いヒュー・ジャックマン一家、同性愛婚カップルであるニール・パトリック・ハリス&デヴィッド・バートカとエルトン・ジョン&デヴィッド・ファーニッシュなどが足を運んでいます。元スーパーモデルのファッション・アイコン、ケイト・モス、今やヒップホップ界の重鎮ショーン・コムズ、昨今はいまいち話題に事欠いているパリス&ニッキー・ヒルトン姉妹も訪れました。
次いで、我らが日本人にもファンの多い常夏ハワイでも、多くのスターが目撃されています。ジャスティン・ビーバー&セレーナ・ゴメス、ジェニファー・アニストン&ジャスティン・セロー、人気TVシリーズ”glee (FOX)”のレイチェル役で知られるリア・ミシェルとブロードウェイ俳優セオ・ストックマンといった話題のカップルを筆頭に、ダイエットに成功してイケメン度に磨きのかかったジェラルド・バトラー、米大手エージェンシーCAAのジム・トスと新婚ホヤホヤなリース・ウィザースプーンなど、数多くのセレブリティがハワイの休暇を楽しんでいる模様。

世間の常識を逸したゴージャスなバケーションの数々は、さすがハリウッド・セレブリティといったところ。今後はどんなトレンドやホット・スポットが生まれるのか、セレブ・ウォッチは続きます。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 14:07 | トラックバック

2011年09月01日

歴代最高視聴数を達成!第28回MTV Video Music Awards

8月最後の日曜日、LAダウンタウンに位置するNokiaシアターにて開催された第28回MTV Video Music Awards。世紀の歌姫によるサプライズが「ブラックカーペット」のスポットライトをさらった本年度は、見応え満点の豪華パフォーマンスと良く練られたシナリオが話題を呼び、MTVアワード始まって以来の最高視聴率を叩き出しています。

先月28日、昨年度に続いてLAのランドマーク、Nokiaシアターで幕を開けたMTV Video Music Awards (以下VMAs) は、米音楽専門ケーブルチャンネルMTVが毎年主催するミュージック・ビデオの祭典。過去1年間に最も人気の高かったアーティスト、彼らによる楽曲とそのPV/プロモーション・ビデオに、MTVのトレードマークとなっているムーン・マン (=宇宙飛行士) 型のシルバー・トロフィーが贈られます。「ホストなし」という異例の試みが行なわれた本年度のVMAsは、自己最高記録を塗り替える驚きの視聴数を獲得。一昨年前より27%ものアップを記録した昨年度に比べ、さらに9%上昇の平均1240万人がチャンネルを合わせており、スポーツ関連番組を除いた全ケーブル局の2011年度ベスト視聴率をも更新、年代別では12-34だけでもおよそ850万人が視聴し、この年齢枠ではMTV局の歴代最高視聴番組となりました。

VMAs 2011の見どころは、何と言ってもガールズ・パワー!まずは、セレモニー直前の赤絨毯ならぬブラック・カーペットにて、ビヨンセが待望のおめでたを発表してくれちゃいました。「サプライズがあるの!」と、報道陣の前でそっとお腹に手を当てた彼女の満点の笑顔には、無数のフラッシュが浴びせられています。式典中、パフォーマーとしてスティレット・ヒールで歌い踊る姿にはちょっぴりヒヤヒヤさせられたものの、さすがはアメリカが誇る歌姫ビヨンセ。堂々と”Love on Top”を歌い上げると、またもベイビー・バンプ=ふっくらとしたお腹に両手を当てる仕草を見せ、客席では旦那様であるヒップホップ界のカリスマ、ジェイ・Zが、この日にコラボを行なったカニエ・ウェストに冷やかされるといった微笑ましい一幕もありました。


  レディ・ガガのもうひとつの顔、ジョー・カルデローネ。
  Photo by Truu on Flickr

オープニングを飾ったレディ・ガガは、自身のオルター・エゴ、いわゆる「自らの分身」とされる「ジョー・カルデローネ」なる男装に身を包み、煙をくゆらせながらステージに登場。これまでにも同じ姿で雑誌カバーなどを飾っていましたが、今回はタバコ1本分の長いモノローグを敢行しています。「彼」がアルバム”Born This Way”からのシングルカット版カバーを務めた”You and I”を披露すると、かのブライアン・メイ (Queenギタリスト) とのコラボレーションで観客を圧倒。とことん我が道を突き進むレディ・ガガ、今回も例外ではありません。なお、昨年度のVMAsにて注目を集めた「生肉ドレス」など、普段のセレモニーではお色直しを重ねるファッショニスタな彼女ですが、今回は一貫してジョーの姿で通しており、女性アーティスト賞の受賞の時もそのままスピーチを続行。「ストレート、ゲイ、バイセクシュアル、レズビアン、トランスジェンダー、全ての人達がこういうふうに生まれたんだ!」と締めくくられたメッセージは、もちろん彼女のセカンド・アルバム(Born This Way)のタイトルから取られています。


  3冠に輝いたケイティ・ペリー。
  Photo by Truu on Flickr

本年度のVMAsでは、先月23日に急逝した故エイミー・ワインハウスのトリビュートが行なわれ、今回最多の10ノミネート、3つのトロフィーを持ち帰ったケイティ・ペリーの夫ラッセル・ブランドが、同じ英国人であり過去に交流もあった「生き急いだ天才」に向けてスピーチを捧げました。世界中を惹きつけた彼女の声色のパワフルさを讃えながら、生前のドラッグやアルコール依存について言及。ブランド自身もそうした常用を克服したひとりであり、彼の「必ず解決策はある」という真摯なメッセージは、MTVのメイン・ターゲットである若年層にも力強く届いたことでしょう。また今年3月、ビートルズやピンク・フロイドらがレコーディングに使用したことで知られるアビー・ロード・スタジオにて、ワインハウスとのコラボレーションを行った巨匠トニー・ベネットも登壇。公開されたビデオクリップには、少しふっくらした彼女の笑顔と変わらぬ歌声が残されていました。トリビュート・パフォーマンスでは、今やヒットチャートの常連となったブルーノ・マーズが、ワインハウスもカバーしていた名曲”Valerie”を披露。ダンサーとのハンド・クラッピングを携えたレトロかつグラマラスな雰囲気は、ワインハウスがグラミーを獲得した2008年、同賞での彼女によるロンドンからの中継ステージを彷彿とさせました。

第28回MTV Video Music Awards: 主要部門受賞リスト

年間ビデオ賞: ケイティ・ペリー “Firework”
男性アーティスト賞: ジャスティン・ビーバー “U Smile”
女性アーティスト賞: レディ・ガガ “Born This Way”
新人賞: タイラー・ザ・クリエイター “Yonkers”
ポップ・ビデオ賞: ブリトニー・スピアーズ “Till the World Ends”
ロック・ビデオ賞: フー・ファイターズ “Walk”
ヒップホップ・ビデオ賞: ニッキー・ミナージュ “Super Bass”
コラボレーション賞: ケイティ・ペリー feat. カニエ・ウェスト “E.T.”
ビデオ・ヴァンガード賞: ブリトニー・スピアーズ

その他、本アワードの功労賞/ヴァンガード賞を受け取ったブリトニー・スピアーズ、弱冠23歳とは思えない貫禄のパフォーマンス (“Someone Like You”)を魅せたアデルなど、今日のミュージックシーンを代表する女性アーティスト達が彩ったVMAs 2011。今後も彼女達の活躍から目が離せなくなりそうです。


TEXT BY アベマリコ

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