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2011年11月24日

目も当てられない?American Music Awards 2011

本年度で39回目を数える、音楽の祭典アメリカン・ミュージック・アワード。ロサンゼルスのダウンタウンに位置するNokiaシアターで行なわれた恒例イベントは、昨年度の最低視聴率に並ぶワースト記録で幕を降ろす結果となりました。旧カップルのニアミスや番組をジャックしてのCM活動!など、突っ込みどころ満載な「仰天セレモニー」をご紹介していきます。


   以前はおしどり夫婦として知られていた
  ジェニファー・ロペス&マーク・アンソニー元夫妻。
  Photo by Amanda Cogdon
アメリカの感謝祭/Thanksgiving Dayを目前に控えた20日、LAダウンタウンの多目的コンプレックスL.A.LIVE内Nokiaシアターにて開催されたAmerican Music Awards(以下AMA)。今日のアメリカ音楽界を代表するアーティスト22組が結集した17ステージ&8コラボレーションを呼び物に、開催ギリギリまでのカウントダウンで煽っておりました。しかし、ABC局で3時間もの放送枠が取られた一大セレモニーは、昨年度のワースト・レコードに並ぶ視聴数でフィニッシュ。今年の第28回MTVビデオ・ミュージック・アワードが自己ベスト記録を塗り替えている一方で、まさかの惨敗を喫しています。

セレモニー終了後、あちこちにてバッシングされているAMAですが、数々の気まずい光景の中でもとんでもないディーバっぷりを露呈させてしまったのが、J-Loことジェニファー・ロペス。メインパフォーマンス前のMCにて、マーク・アンソニーとの電撃離婚発表を気にも留めず、「素晴らしい1年だった」と振り返ったのも束の間、ドレスを剥ぎ取られる過激なパフォーマンスでシースルー・ボディスーツに早変わりし、観客の度肝を抜いています。そしてステージには、自身がコマーシャルに出演中&当セレモニーのスポンサーでもあったイタリア車両メーカーFIATの1台がポツリと登場。突如CMに切り替わったのかと観客が目を疑う最中、スケスケ・コスチュームのままの彼女が車内に乗り込み、楽曲を歌い続けるというシュールな演出。また、引き連れたダンサー群のベストポジションに「新彼氏」と噂されるキャスパー・スマートを配置しつつ、”On the Floor”で共演したピットブルと必要以上に絡み、国際的日刊紙Wall Street Journalにおいては「車の宣伝とストリップの融合」と酷評される始末。なお、後のステージにて、まるで何もなかったかのようにマーク・アンソニーと”Rain Over Me” をコラボしたピットブルには「役者への転向」を薦める声さえありました。

また、過去にDV騒動で世間を騒がせたクリス・ブラウンとリアーナの元カップルも、微妙なニアミスを展開。見事なダンスパフォーマンスを披露したクリス・ブラウンでしたが、ノミネート・カテゴリーであったソウル/R&Bアルバム賞をリアーナに明け渡し、ヨーロッパツアー中の彼女から「勝者ビデオレター」を見せ付けられるという残念な結果となっています。その他、自慢のヒップにスピーカーが付いた奇抜なコスチュームでオープニングを飾ったニッキー・ミナージュ、どこまでサイズアップを続けるのか?スリムだった当時とはもはや別人のクリスティーナ・アギレラ、2011年のパーティ・チューン”Party Rock Anthem”や”Sexy and I Know It”を引っさげて、股間にスマイルマークが光るトランクス姿でトリを務めたLMFAOなど、もはやヤケクソ気味にさえ映った2011年度AMA。その内容は、しっかりと数字に反映されてしまった模様です。

The 39th American Music Awards
<主要受賞リスト>
カントリー・女性アーティスト: テイラー・スウィフト
カントリー・男性アーティスト: ブレイク・シェルトン
カントリー・バンド/デュオ/グループ: レディ・アンテベラム
カントリー ・アルバム: テイラー・スウィフト “Speak Now”
ラテン・アーティスト: ジェニファー・ロペス
ポップ/ロック女性アーティスト: アデル
ポップ/ロック男性アーティスト: ブルーノ・マーズ
ポップ/ロック・バンド/デュオ/グループ: マルーン5
ポップ/ロック・アルバム: アデル “21”
ラップ/ヒップホップアルバム: ニッキー・ミナージュ “Pink Friday”
ソウル/R&B女性アーティスト: ビヨンセ
ソウル/R&B男性アーティスト: アッシャー
ソウル/R&Bアルバム: リアーナ “Loud”
新人賞: ホット・シェル・レイ
年間アーティスト: テイラー・スウィフト

<出演アーティスト>(アルファベット順)
クリスティーナ・アギレラ、マーク・アンソニー、ザ・バンド・ペリー、ジャスティン・ビーバー、メアリー・J. ブライジ、クリス・ブラウン、ケリー・クラークソン、ドートリー、ドレイク、デヴィッド・ゲッタ、ジム・クラス・ヒーローズ、エンリケ・イグレシアス、リル・ジョン、LMFAO、ジェニファーロペス、リュダクリス、マルーン5、ニッキー・ミナージュ、ワンリパブリック、ケイティ・ペリー、ピットブル、ウィル・アイ・アム


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 15:23 | トラックバック

2011年11月17日

全米Box Officeナンバーワン!『インモータルズ -神々の戦い-』

世紀に一度のゾロ目「11.11.11」の記念すべきこの日、日米同時公開を迎えた「インモータルズ -神々の戦い-」。皆さんはもうご覧になりましたでしょうか?「300〈スリーハンドレッド〉(2007)」の制作スタッフ勢が再集結を叶えた超大作は、予想を凌ぐヒットを記録。全米ボックスオフィスを「征服」しています。


  ハリウッド指折りのシネコンArclightに設けられた
  「インモータルズ -神々の戦い-」展示コーナー。
  劇中に使用されたコスチュームもディスプレイされています。
  
ミレニアムに一度しか訪れない11.11.11に、日米同時で封切られることとなった「インモータルズ -神々の戦い-」。ベテランズ・デイ(復員軍人の日)であったホリデイ・ウィークエンドは、この最新エピック映画の話題で持ち切りとなりました。本作は、ボックスオフィスの次点に着けたアダム・サンドラー主演のコメディ作品”Jack and Jill (原題)”の2600万人を大きく引き離す3200万人の初週週末動員数を記録。その他、クリント・イーストウッド監督とレオナルド・ディカプリオのよる初タッグ”J. Edgar”(1157万人)など、並み居る競合を押し退けて、トップの座に君臨しました。本作のプロダクション会社Relativity Mediaが事前に算出していた自己オープニング予想を700万人も上回る結果となり、アメリカ映画業界に久々のスマッシュ・ヒットをもたらしています。


実際のところ、過去数週間の米映画興収は低迷続き。ヒット作に欠ける「苦境」を何とか振り払うカンフル剤が渇望されていましたが、「インモータルズ -神々の戦い-」は、昨年同時期の数字を12%も上回るキックスタートを達成しました。全米3112館で公開され、オープン初日のみでおよそ1500万人を動員。ギリシア神話をテーマに描かれた壮大な3Dアクションは、最新映像技術の大迫力が話題を呼び、クチコミによって着実にファン層を拡大中です。また、この度のオープニング記録3200万人は、2011年度に公開されているR指定3D作品の第3位にランクイン。1位が「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」、2位が「パラノーマル・アクティビティ3」といったシリーズ続編である中、唯一のオリジナル作品として大健闘しています。

IM_main.jpg世界征服の野望を抱く悪の王ハイペリオン(ミッキー・ローク)の魔の手から人類を守る為、ルーク・エヴァンス演じる光の神ゼウスがテセウス(ヘンリー・カヴィル)を「創造」。人類と神々それぞれの運命は、ひとりの若者に委ねられることに。この豪華キャストに並び、アカデミー受賞作「スラムドッグ$ミリオネア(2008)」のフリーダ・ピントや、ベテラン俳優ジョン・ハート、海の神ポセイドン役に大抜擢された若手人気俳優ケラン・ラッツなど、華を添えるアンサンブルも大きな魅力。見事なケミストリーで繰り広げられる叙事詩は、観る者の予想を次々と裏切ること必至です。

アクション、ドラマ、ファンタジーの要素がぎっしり詰まった「インモータルズ -神々の戦い-」は、エピック映画ファンに限ることなくお楽しみ頂けること請け合い。未見の方々は、今すぐお近くの劇場へ!圧巻の最新3D映像をいち早く体感して下さい。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 14:18 | トラックバック

2011年11月10日

話題作を先取りするならココ!AFI FEST 2011

現在、ロサンゼルスにて開催されている第25回AFI Festival。LA随一の名門フィルムスクールが厳選するタイトルはさすがの良作揃いとあって、会場は連日の賑わいを見せています。


  第25回AFI Festivalの告知ポスター

11月3日から10日まで開催中のAFI FESTは、ハリウッド近郊に位置する映画制作専門大学院AFI (American Film Institute) と高級車Audiが協賛するフィルム・フェスティバル。「シネフィル(=映画通)が選ぶシネフィルの為の」名作特選で知られる当フェストの2011年度ラインナップは、例年にも増して話題作のプレミア上映が目白押しです。世界中から集められた注目作品をざっくり見積ると、フィクションとドキュメンタリーを併せ、およそ長編70本と短編40本の計110本。年末へ向けた怒涛の大作ラッシュに先駆け、絶好のスニークピーク(=覗き見)の場となっています。

本年度のAFI FESTのオープニングを飾った”J. Edgar (原題)”は、クリント・イーストウッド監督とレオナルド・ディカプリオがタッグを組んだFBI・エピック・ドラマ。「ヤング・ハリウッド」の名を欲しいままにしている若手俳優陣、アーミー・ハマーやエド・ウェストウィックらが脇を固め、「ミルク」(2008)でオスカー像を獲得したダスティン・ランス・ブラックが脚本を務めています。

その他、当フェストのプレミア・スクリーニング枠には、ミシェル・アザナヴィシウス監督が白黒無声映画に挑んだ意欲作、本年度のカンヌ国際映画にてジャン・デュジャルダンが主演男優賞を持ち帰っている”The Artist”、同じくカンヌの話題を総ナメにしたラース・フォン・トリア監督の”Melancholia”、ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツといったアカデミー俳優が勢揃いするロマン・ポランスキー監督最新作”Carnage”、2008年公開「ハンガー 」で高い評価を得たスティーヴ・マックイーン監督の第2作”Shame”、ミシェル・ウィリアムズ演ずるマリリン・モンローに賞賛の声が上がっている”My Week With Marilyn”、ユアン・マクレガー、マイケル・ダグラス、アントニオ・バンデラス、ミヒャエル・ファスベンダーら名優陣が大集結したスティーヴン・ソダーバーグ監督の新作”Haywire”などなど、これでもかと言わんばかりのラインナップで観る者を唸らせています。

そして目玉中の目玉、AFI FESTを堂々締めくくるクロージング作品に選ばれたのが、名匠スティーヴン・スピルバーグ監督による初のフルデジタル3D映画「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」。80余年前にベルギーにて誕生したコミックを原作に描かれたアドベンチャーは、重箱の隅をつつくような「ニットピッキング」がお得意の映画評論家からも、手放しの賞賛を受けています。ご存知「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ3部作でその名を世に知らしめたピーター・ジャクソンは原作の大ファンで、プロデューサーとして本作に参加。今日の映画界を代表するふたりが共同製作者のクレジットに肩を並べるフルデジタル3Dパフォーマンス・キャプチャー、楽しめないワケがありません。この度のプレミア上映後、北米での公式オープンは12月21日までお預け。一方、我が日本ではアメリカ全土に先駆けて12月1日の全国公開が予定されています。このチャンス、ぜひともお見逃しなく。

賞レースの話題がチラホラ出始めるこの季節、キープレイヤー占いに持って来いのAFI FEST。これから続々と封切られる話題作の数々も、追ってご紹介していきますのでご期待ください。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 23:30 | トラックバック

2011年11月03日

ハロウィン当日のお騒がせ?新婚72日目にしての離婚申請

“Trick or Treat! (=お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ!)”との可愛らしいフレーズが響くはずの10月31日、思いもよらない見出しが各メディアに躍りました。この日はハロウィンではなく、エイプリル・フールだったっけ?と錯覚してしまう程の「キム・カーダシアン離婚申請」ニュース。


  結婚相手よりも、結婚式の方が好きだった?
  渦中にいるキム・カーダシアン
  Photo by David Shankbone on Flickr

今年8月20日、カリフォルニア州サンタバーバラ郊外モンテシートにて執り行なわれた総額1000万ドル越えとも言われる超ゴージャス挙式の後、わずか72日目にして「ご破算」を迎えました。日割りにして1日およそ25万ドルの結婚生活との数字まではじき出され、彼らの結婚セレモニーの総費用が改めてスポットライトを浴びることに。ケーブル局E!にて、 NBA選手クリス・ハンフリーズによるキムへのプロポーズから挙式に至るまで、2エピソード計4時間に渡って放映された”Kim’s Fairytale Wedding: A Kardashian Event”では、彼らに1500万ドル相当のギャラが支払われました。タブロイド誌Peopleにおける独占取材ではおよそ250万ドルが転がり込み、更には2度のお色直しをしたヴェラ・ワンのウェディング・ガウン3着(各2万ドル相当)とLAの老舗ベーカリーHansen’sによるウェディング・ケーキ(1万ドル相当)、ペリエ・ジュエ社のシャンパン(40万ドル相当)や有名イベント・ストアLehr & Blackによるインビテーション・カード(1万ドル相当)などは、全て無料提供されたことが明らかになっています。離婚申請直後、キムの母親であるクリス・ジェナーは「報道された数字は真っ赤なウソ」とのコメントを出していますが、真相は闇の中。むしろ、結婚そのものが「カーダシアン・ブランド」のPRだったのでは?と揶揄する声も上がっています。

今回の離婚申請はあくまでキム側より一方的に提出/通知(=Serve)されたとのこと。現在ミネソタ州にて家族と過ごしているハンフリーズにとっては寝耳に水で、彼女が離婚申請を行なったことに非常に動揺しており、結婚生活を続ける為には何でもしたいとの声明を出しています。離婚宣言の翌週、キムはカーダシアン家の三女クロエとともに、姉妹によるブランドKardashian Kollectionのプロモーション活動の為、ロサンゼルス国際空港からシドニーへと国外脱出。大勢のパパラッチ達にシャッターを切られながらも、無言で搭乗口へと消えました。なお、元カップルは挙式を前にして「セレブ御用達」とされるプリナップ(=婚前契約)を交わしており、財産分与などは一切行なわないとのこと。あくまで自分は自分、とのスタンスを取っており、リアリティ・セレブ髄一の収入を誇るキムの資産は守られる模様。一方、彼女の指の太さほどもある2000万ドルと噂される20カラット以上のダイアモンドの婚約指輪は、ハンフリーズに返されるのか否か、未だ明らかになっていないそうです。さらに下世話なニュースは続き、彼らの結婚セレモニーへの列席者による高価なウェディング・ギフトはいずれ換金され、何かしらのチャリティに寄付されるかも知れないとのこと。バカラの花瓶やエルメスの食器など、高価なレジストリ・ギフトを贈らされたゲスト達。たった2ヶ月半で結婚生活に終止符が打たれるとは、一体誰が想像したでしょうか?

ミニ結婚、利益婚、クイック離婚など、あまりに残念な単語ともに報道されているキム・カーダシアンの離婚申請騒動。連日のニュースにウンザリしている人々も多く、また俳優ジョージ・タケイや人気ブロガーのペレス・ヒルトンらを筆頭に、自身がゲイであることをカミングアウトしている著名人からも、またひとつ無計画な異性婚によって婚姻の神聖さが汚された…などと、ジョークを交えて皮肉られています。一体何があったのかは不明ですが、スピード離婚でも一稼ぎしそうなカーダシアン家。この期に及んで「離婚取り消し」なんて言い出しても、もうお腹いっぱい過ぎて誰ひとり驚かないことでしょう。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 15:05 | トラックバック