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2008年05月 アーカイブ

2008年05月01日

『奇跡のシンフォニー』より -音楽1-

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、今回は、『奇跡のシンフォニー』から。
GWの期間中、都内ではクラシック音楽を楽しむ大規模なイベントが開催されていたり…

少しゆったりした時間が持てそうなこの時期、いつもは敷居が高く感じるクラシック音楽に親しむにも良いチャンスなのかもしれません。

そんな中、クラシックにとどまらず、ロック、ゴスペルなどなど…40曲以上の楽曲をフィーチャーしたという、この映画の「音楽」に迫ります!

40曲以上をフィーチャーした珠玉の映画音楽

 主人公のエヴァンと両親の絆を物語る音楽は、映画の第2の主役と言っても過言ではない。そのため、スタッフは、クランク・インの2年前から、このストーリーを語るためのオリジナル曲を求めて、無数のアーティストや音楽業界のプロに接触したそう。その結果生まれたのが、ハーモニカのソロから完璧な交響楽までを含む40曲以上をフィーチャーした、多義にわたるダイナミックなサウンド・トラックだった。それは、マーク・マンシーナによる全体の映画音楽と調和を保つクラシック、ロック、ゴスペルの演奏から成り、すべてを織り込んだ「オーガストの狂詩曲ラプソディー」へと向かっていく…

ストーリーに共感して参加した豪華ミュージシャンたち!
 
 このストーリーに心打たれ、オリジナル曲を提供したアーティストの1人が、グラミー賞を何度も受賞しているジョン・レジェンドだ。映画のために初めて曲を書き下ろした彼は、エンド・クレジットの「Someday」の作曲と演奏を担当した。
 さらに、映画に協力を惜しまなかった大物ミュージシャンには、ロックンロールの殿堂入りを果たしたデヴィッド・クロスビーもいる。作品のサウンド・トラックにヴォーカルとして参加した彼は、オーガストのギターの演奏スタイルを、著名なギタリストのマイケル・ヘッジス風にしたらどうかと提案。かくして、フレディ・ハイモアのギター練習には、故ヘッジスの演奏テープの研究が含まれることになった。

 そのハイモアとジョナサン・リース=マイヤーズがギターで共演する場面の曲は、ブラジルのギタリスト、ヘイター・ペレイラが作曲。「Dueling Guitars」と名付けられたこの曲は、マーク・マンシーナがプロデュースし、ペレイラとダグ・スミスが演奏した。

また、オーガストが聖歌隊の歌声に引き込まれて教会へ入っていく場面で歌われる「Raise It Up」は、ハーレムのインパクト・レパートリー・シアターが映画のために書き下ろした数曲のうちのひとつ。コロンビア大学映画学部の教授でインパクトの創設者であるジョマル・ジョセフと、聖歌隊にも参加しているジャズ/R&Bのミュージシャン、チャールズ・マックがプロデュースしたこのナンバーは、第80回アカデミー賞の主題歌賞にノミネートされた。

 これらの多様なサウンドをまとめるために、ボブ・ディラン、ビリー・ジョエル、レイ・チャールズといった大物アーティストとの仕事で8個のグラミー賞を受賞している伝説の音楽プロデューサー、フィル・ラモーンが参加し、音楽を各シーンに溶け込ませるのに多大な貢献を果たした。幼稚園に上がる前にヴァイオリンとピアノを弾き、高校に通いながらジュリアード音楽院で学んだ経歴を持つ彼は、自然や周囲の雑音から音楽を聴き取るオーガストの能力に共感している。

【奇跡のシンフォニー公式サイト】
6/21(土)、日比谷スカラ座ほか全国ロードショー
(c) 2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

2008年05月15日

『奇跡のシンフォニー』より -音楽2-

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、今回も引き続き『奇跡のシンフォニー』の音楽から。

主人公のエヴァンは、生まれて初めて楽器を手にしたことで、瞬く間に音楽の才能を開花させます。それもそのはず、彼の両親も、音楽の才能に満ち溢れた2人だったのです。

…と、ここまでは物語の中のお話。今回は、実際に母ライラを演じたケリー・ラッセル、父ルイスに扮するジョナサン・リース=マイヤーズが、どのように音楽と向かい合っていったのかに迫ります!

ゼロからチェロを学んだケリー・ラッセル
 若くして成功をおさめたチェロ奏者ライラに起用されたケリー・ラッセルは、チェロ未経験者であったにもかかわらず、劇中で、チャイコフスキー、エルガー、バッハの楽曲の中から最も難しい3曲を演奏する必要に迫られた。

 「まさに“キラキラ星”からバッハまでの12週間だったわ」と、準備期間を振り返ってラッセルは言う。「まず正しい運弓の位置が覚えられるように、1曲をばらばらに分けてゆっくり演奏し、それから少しずつスピードを上げていったの。幸いにも、音を出すことは期待されていなかったけれど―才能あふれるプロのチェリストの担当ね―見た目の本物らしさを達成するだけでも、すごく厳しい練習が必要だった」


プロ顔負けの歌唱力! ジョナサン・リース=マイヤーズ

いっぽう、ライラと恋に落ちるロック・ミュージシャンのルイスを演じたジョナサン・リース=マイヤーズには、ジョン・オンドラジック作曲の「Break」、クリス・トラッパー作曲の「This Time」、ルーカス・レイノルズ作曲の「Something Inside」という3曲のオリジナル・ナンバーを歌うシーンが用意されていた。スタッフは、マイヤーズの歌声をスタジオで修正することも考えていたが、それは取り越し苦労に終わった。プロデューサーのリチャード・バートン・ルイスが、こう証言する。

「ジョナサンが、ジョン・オンドラジックの“Break”をレコーディングしに来たときのことだ。現場にいたオンドラジックは、“歌う姿勢さえできていれば、僕たちで何とかするよ”と私に言い、音楽プロデューサーのフィル・ラモーンも、“とにかく細工できるものさえくれれば、こっちで何とかする”と言っていた。ところが、ジョニーの歌はとにかく素晴らしかったんだ。フィルは、僕たちを見て一言、“なんてラッキーなんだ!”と言ったよ」

【奇跡のシンフォニー公式サイト】
6/21(土)、日比谷スカラ座ほか全国ロードショー
(c) 2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

2008年05月29日

『奇跡のシンフォニー』より -音楽3-

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、今回も引き続き『奇跡のシンフォニー』の音楽から。
映像よりも音楽が先に誕生した本作での、音楽に合わせての特殊な撮影に迫ります!!

映像よりも音楽が先に誕生~
           脚本をもとに作曲した音楽に合わせての特殊な撮影

この映画の場合、音楽の方が先にできていたので、監督のカーステン・シェリダンは音楽のタイミングに演技をあわせるのに苦心した。従来であれば、作曲家は映画がほぼ完成した時点で音楽を付け始め、仮の音楽を作って、監督がどのようなことを伝えようとしているかを判断する。しかしこのストーリーの性質と、音楽がストーリーにつれて重層する、極めて重要な役割を演じることから、異なったアプローチを取ることになった。

「これは映画と音楽を異なった面から見ることになり、非常にプレッシャーだった」と言うのは、音楽を手がけたマーク・マンシーナだ。 「オーガストと、ライラと、ルイスの間の結び付きを印象づけるために、スリーノートの主旋律を作曲し、ストーリーを通じて、3人のためにそれぞれ違ったタイミングで演奏した。この主旋律は、何度も現れるもっと大きな主旋律の一部となっていき、それが様々なニュアンスでオーガストに訪れる音楽を表すし、自然の律動にもっとも近しい旋律なんだ。 この映画はあるニュアンスで始まって、最後もそのニュアンスで終わるんだ」 
もう一つ、何度も登場するメロディが、ヴァン・モリソンの心に沁みる名曲「ムーンダンス」だ。ルイスとライラが出会ったときに初めて流れ、次にウィザードがオーガストのために演奏する。3度目は、驚くべき変容を遂げて、クラシックのワルツとなって、音楽あふれる華々しいフィナーレの場面を通じて、セントラル・パークに響き渡ることになる。

【奇跡のシンフォニー公式サイト】
6/21(土)、日比谷スカラ座ほか全国ロードショー
(c) 2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

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