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2009年02月 アーカイブ

2009年02月13日

『ディファイアンス』より~脚本作業~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は2/14(土)公開の『ディファイアンス』から。
 
脚本作業
 
 脚本は、とても長い時間を要し、繰り返し書き直された。最大の悩みは、3年にも及んだ苦闘、同胞同士の争いや肉体的苦痛を2時間の映画に収めなくてはいけないことだった。

エドワード・ズウィック監督は、事実に忠実であることと共に、人間らしく生きることに情熱を燃やした人々を描くことに注力した。そして、生き残るためという名目で行われたレジスタンスたちの犯した暴力をも包み隠さずに明かした。
「ビエルスキ兄弟は聖人ではない。彼らは英雄だが欠点もある。だからこそ真実味があって魅力的に感じられるんだ。彼らは、共同体が大きくなるにつれ、リーダーとして責任を負い、振る舞いにも注意するようになった。それ故、彼らは道徳的に幾多のジレンマに直面していく。映画はそういう面を描くことでドラマチックになりストーリーは膨らむんだ。」と解説する。
 
 また、もうひとつの人間の本能である愛もしっかりと描く。
「戦時下であっても、愛を求める心は決して消えない」とズウィック監督が語る。愛する人を失った者はやむにやまれず互いに目を向ける。森で男女が出会うというコンセプトはロマンスの面もあったけれど、必要にかられて生まれたものであった。

 
長い時間をかけようやく完成した脚本。
人間らしく生きた彼らの姿はスクリーンに見事に再現されています!

【ディファイアンス 公式サイト】

2/14(土)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
(c)2008 by DEFIANCE PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.  

2009年02月18日

『チェンジリング』より~市役所の地下室から掘り出されたクリスティン・コリンズの物語~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は2/20(金)公開の『チェンジリング』から。
 
市役所の地下室から掘り出されたクリスティン・コリンズの物語

 『チェンジリング』の企画は、数年前、ジャーナリスト出身の脚本家J・マイケル・ストラジンスキーの元に1本の電話がかかってきたところから始まった。
「ある日、市庁舎にいる情報源から電話があって、もうすぐ古い記録を焼却する予定だが、灰になる前に僕が目を通しておいたほうがいい資料があると言うんだ」と、ストラジンスキーは振り返る。
「そこで市庁舎に駆けつけたところ、クリスティン・コリンズ事件の市議会福祉聴聞会の記録があった。証言を読み始めて、僕は思ったね、『こんなことが実際に起こったはずがない。何かの間違いに違いない』と。その資料は火にくべられるまでに、僕を十分虜にしてしまった」

 詳細を調べるにつれ、ますますこの事件に心をつかまれたストラジンスキーは、約1年の歳月を調査に費やし、息子の失踪にまつわる答えを見つけ出そうとしてクリスティンがたどった7年間の複雑に入り組んだ旅を詳しく掘り下げた。その過程で浮かび上がってきたのは、児童誘拐殺人鬼ゴードン・ノースコットの邪悪な犯罪の詳細(失踪中のウォルター・コリンズの殺人について何度も肯定と否定を繰り返した)と、当時のロサンゼルス当局が示した強固な権力と暴力の姿だった。
 
 クリスティンは、息子に何が起こったのかを知ることなく1935年に亡くなったが、彼女が残した遺産がどれほど大きなものだったかについて、ストラジンスキーは説明する。
「すべての核心にあるのは、実際に起きたことを見極めたいというクリスティン・コリンズの欲求だ。彼女は、どんな仕打ちを誰から受けようとも決してあきらめなかった。自分の息子に何が起こったのかを見出すための探索を、最後まで投げ出さなかった。その粘り強さのおかげで、他の人間なら挫折してしまうような難関を突破し、さらにまだ闘うことを止めなかった。そうやって州の法律制度全体を揺り動かしたんだ。そのことに、僕は敬意を表したいと思った」

 さらにストラジンスキーは、脚本を書いた意図について、こう先を続ける。
「意図はとても単純だ。僕は、クリスティン・コリンズが成し遂げた業績を讃えたかった。僕の仕事は、できるかぎり誠実にストーリーを語り、彼女の闘いを讃え、彼女が決して信念を失わず、息子を捜し続けた姿を描くことだった。なんといっても、『私の息子はどこ?』という彼女の簡単な疑問が、ロサンゼルス市の機構全体を打ち壊したのだからね」

捨てられるはずだった衝撃的な事件の記録。
クリント・イーストウッド監督や脚本家J・マイケル・ストラジンスキーによって
描かれるクリスティン・コリンズの戦いにぜひご注目ください。

【チェンジリング 公式サイト】

2/20(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
(c) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.  
※本作はPG-12指定です

2009年02月25日

『チェンジリング』より~1920年代のロサンゼルスを再現~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は現在大ヒット上映中の『チェンジリング』から。
 
1920年代のロサンゼルスを再現

 1920年代後期から1930年代初期までの特定のロケ地や画像を再現するには、広範なリサーチが必要だった。ロサンゼルスの当初のロケハンで明らかになったのは、昔からの建物が取り壊されたり、街路が高速道路に変わったり、ひとつの地区全体が無くなったりしていることだった。かつてコリンズ一家が住んでいた地区も例外ではなかった。そこで映画製作者たちは、現代のロサンゼルスの街並みに80年前の時代を投影する仕事を、プロダクション・デザイナーのジェームズ・J・ムラカミとロケーション・マネージャーのパトリック・ミグナノに託した。
 
 それは難しい仕事だったが、ムラカミと彼のチームはサンジマス、サンベルナルド、パサディナなどで、20年代のロサンゼルスの代わりに使える未開発の郊外ロケ地を発見した。
なかでも、最も大きな運命的な出会いは、ロサンゼルスの約35マイル東にある郊外、サンジマスのオールド・タウン地区の発見だろう。
 この街路樹の並ぶ住宅街は、20年代のコリンズの住宅の屋内外ばかりでなく、その近所の風景までそっくりの外観を提供してくれた。
「サンジマスのロケ地が見つけられてとても幸運だった」と、ムラカミは言う。「町のその地区はほとんど手を加える必要はなかったし、撮影した場面を見てみたらとても美しかった。全体としてできるだけシンプルに抑え、すべての色合いは、居心地のいい感じにするため地味にしたんだ」

当時の雰囲気を再現するため、ロケ地を探すだけでも一苦労。
こんな所にもスタッフの力が発揮されているのです。

映画を観る時は、ぜひ街並みや風景も一緒にお楽しみください!

【チェンジリング 公式サイト】

TOHOシネマズ 日劇ほか全国大ヒット上映中!
(c) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.  
※本作はPG-12指定です

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