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2009年05月 アーカイブ

2009年05月12日

『消されたヘッドライン』~ドキュメンタリー界の至宝、ケヴィン・マクドナルド監督の参加~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は5/22(金)公開の『消されたヘッドライン』から。
 
ドキュメンタリー界の至宝、ケヴィン・マクドナルド監督の参加

 プロデューサーたちは、通常とは毛色の違う強烈な監督に白羽の矢を立てた。アカデミー賞を受賞(BAFTA〈英国アカデミー賞〉も2度受賞)しているスコットランド人のドキュメンタリー監督ケヴィン・マクドナルド。彼は、大ヒットとなった『ラストキング・オブ・スコットランド』が公開されるまで、映画の世界ではほとんど知られていなかった人物だ。

 『ラストキング・オブ・スコットランド』では主演のフォレスト・ウィテカーにアカデミー賞主演男優賞をもたらし、幅広く絶賛された。しかし、マクドナルドは、それ以前にミュンヘン・オリンピックでのテロを描いた力作『ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実』の監督としてアカデミー賞ドキュメンタリー賞を受賞し、ジャーナリズム界では揺るぎない地位を得ていた。
彼はミック・ジャガーやハワード・ホークスのようなロック界あるいは映画界のスターであったり、あるいはイディ・アミンやクラウス・バルビーのような大量虐殺者であったり、その対象が何者であるかに関係なく、偶像視される人物の知られざる側面をあらわにするのを得意としていた。現代のジャーナリズムを描き出す本作には、まさにうってつけの男だった。

「私が『ステート・オブ・プレイ~陰謀の構図~』をテレビで見た時、これは文句無しにおもしろいと思った。」マクドナルドが当時を思い出して語る。
「6時間のシリーズを2時間の作品にするなんて、はたして私にできるのだろうか?正直、最初は疑問に思った。」

 マクドナルドは、オリジナルのテレビ・シリーズの内容をただ単に撮り直すような仕事には興味がなかった。「試行錯誤したけど、結果的にはむしろ徹底的に変えた。テレビシリーズを見た人は見方を完全に変える必要があるだろうし、それこそがこっちの狙いなんだ」という。「特にこの劇場版『消されたヘッドライン』の脚本が目を引いたのは、紙媒体のジャーナリズムの衰退をテーマとして見ている点だった。」


監督の手によって、サスペンスとしてだけでなく、
現代のジャーナリズムのあり方にも鋭く踏み込んだ、
緊張感溢れる作品に仕上がった本作。
ドラマ版との違いも探しつつ、お楽しみください!

【消されたヘッドライン 公式サイト】

5/22(金)、 TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー
(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2009年05月20日

『消されたヘッドライン』~巨大セットで現れたワシントン・グローブ社~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は5/22(金)公開の『消されたヘッドライン』から。
 
巨大セットで現れたワシントン・グローブ社

 カルやデラ、キャメロンが同僚たちと勤務する『ワシントン・グローブ』社のごみごみした記者室と印刷室が、カリフォルニア州カルバーシティ、カルバースタジオ内に再現された。それは製作者たちも初めて見るような実に緻密なセットだった。
 プロダクション・デザイナーのマーク・フリードバーグと、アカデミー賞に五回もノミネートされたセット装飾のシェリル・カラシクは、ワシントン・ポストやロサンゼル・タイムズなど各新聞社を訪れ、数えきれないほどの写真を撮り、過去の記録文書を読んだりした。「あのセットに我々の情熱を全部注いだんだ。スタジオ二つをつなげて、だだっ広い空間を作り、天井も二倍の高さにした。その中に記者が250人以上入った日もあったよ。」

 彼は製作過程をこう語る。「リアリティを追求した。アドバイザーからはいつも『記者室はもっと乱雑にしないと』と注文をつけてたな。」本物の新聞記者がアドバイザー そのアドバイザーというのが、ワシントン・ポスト紙の政治部を担当する”本物の”敏腕編集者、R・B・ブレンナーだった。監督はいう。
「ブレンナーのおかげで迷わず撮影できた。現場のことを教えてもらい、ワシントンポスト社内を撮らせてくれた。さらにジャーナリズムというものは自分が生きている社会に責任をもち、
ウソを伝えれば悪を生みかねないという責任感を持っていた。」
 
 ブレンナーは長期休暇を取って、ポスト紙の仕事を休み、ロサンゼルスでの記者室のシーンの撮影に参加してくれた。さらに、ワシントンでの撮影でも、新聞の首都圏版を毎日編集しながら、撮影現場へと足を運んでくれた。

 製作陣を悩ませたのは、読者や記者がオンライン上で情報を入手するようになってからというもの、昔ながらの報道現場が激変した点だった。美術部は、何百枚もの書類に埋もれたオフィスを再現した後、さらに数百台ある記者デスクのコンピューター画面を、それぞれ違う内容で映し出さなければならなかった。ケーブルをひくだけでも並大抵の仕事ではない。
 

細かい所までリアルに作られているワシントン・グローブ社のセット。
本物の新聞社を借りて撮影していると思う方も多いのではないでしょうか?
映画を観る時には、現代の新聞社内部の様子が垣間見れるセットにもご注目ください!

【消されたヘッドライン 公式サイト】

5/22(金)、 TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー
(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2009年05月28日

『路上のソリスト』~ロペスとナサニエルの二人と、友人になった脚本家~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は5/30(土)公開の『路上のソリスト』から。
 
ロペスとナサニエルの二人と、友人になった脚本家

 スティーヴ・ロペスから映画化権を獲得したプロデューサーのラス・クラスノフとゲイリー・フォスターは、脚本をスザンナ・グラントに依頼した。連載コラムを読んだグラントは
「難しいのは、これほど私を感動させた題材を、どう伝えればいいのかということだった」と語る。

結局、彼女は登場人物のシチュエーションを、いくつか変えた。
ロペスに離婚した妻を与えて(実際はいたって幸福な結婚をしている)、このコラムニストの世界にさらに孤独感を追加し、
ナサニエル・エアーズの二人の姉妹を一人に凝縮し、
出来事の順番を微妙に調整した。


 一方で、グラントは話のリアリティを実感するために、ロペスとナサニエルの二人とかなりの時間を一緒に過ごした。ロサンゼルスのダウンタウンにあるディズニー・ホールをぶらついたり、楽譜の買い出しツアーに出かけたりして、何日も過ごしたのだ。「二人とも素晴らしい男性だし、二人と一緒の時間を過ごせてとても光栄だった」とグラントは振り返る。


実在の人物を元にした映画だからこそ、
直接交流し、2人をより深く知ることが出来ました。
映画で2人はどんな人物に見えるのか、ぜひご注目ください!


【路上のソリスト 公式サイト】

5/30(土)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
(c) 2008 DREAMWORKS LLC and UNIVERSAL STUDIOS

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