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2010年02月 アーカイブ

2010年02月02日

『恋するベーカリー』~おいしい色へのこだわり:プロダクション・デザインについて~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回も、人気ベーカリーの経営者ジェーンのおしゃれな暮らしぶりもチェックしたい!
2/19(金)公開『恋するベーカリー』から。
 
おいしい色へのこだわり:プロダクション・デザインについて

 プロダクション・デザイナーのハットマンとクルーは、ブルックリンはグリーンポイントにある〝ブロードウェイ・ステージス〟の大がかりなサウンド・ステージで数ヶ月かけて、ジェーンの家の内部に使われるセットを組み上げた。マイヤーズは自分の映画の美術には常に細心のこだわりを見せるが、プリ・プロダクションのこの段階が彼女のいちばん好きな部分でもある。

自分がこれはと思った参考の写真をかき集める段階から、彼女のそのプロセスは始まった。それをプロダクション・デザイナーのハットマン、そしてコスチューム・デザイナーのソニア・グランデに渡し、彼らの創造性を喚起しては、最終的には有機的で首尾一貫したスタイルに到達したのである。マイヤーズと長年組んできたハットマンと彼女の長いやりとりは、みごとに実を結んだ。

 マイヤーズはこう語っている。「美術に関する写真をジョンに送ると、向こうは向こうで自分のイメージをぶつけてくるのね。その人がどういう暮らし方をしてるのか、っていうのがすごく多くを物語ってくれるとわたしは思うので、テーブルに何が並んでるのかとか、そういうことにすごくこだわるの。たとえば、わたしはセットの中を歩き回って、『彼女、ほんとにこんな本読むのかしら?』とか言うわけ。ジョンはほんとに親身になってくれるから、わたしたちはうんとやりとりをしたし、彼のほうでも他のどの部門のスタッフの意見も取り入れてくれたの。ほんとに疲れを知らない人で、だからこそ、アイディアがどんどん発展していくのね。ジョンは人の意見をよく聞いてくれるから、とても仕事がやりやすいの」

 ハットマンは、ジェーンがキッチンに立ったときの臨場感、庭のハーブの匂い、そして彼女のベーカリーのおいしそうなパンの味が観客にもなるべく伝わるようにと、視覚的なエレガンスが他のシーンにいきわたるよう、マイヤーズを補佐した。ハットマン自身こう語っている。「われわれは南カルフォルニアで生活するのがどんな感じなのか、観客に伝えたかったんだ。サンタ・バーバラはすばらしいところだし、そこじゃないと出ないような味を出そうとわれわれは努力した。観客にサンタ・バーバラの雰囲気を感じてもらうには、こういう特色を強く出すしかないんだ」

 こういう場面の環境を作り上げるプロセスは時間もかかるし、集中的にやらねばならないが、最終的にはハットマンにとって、またマイヤーズにとっても苦労のしがいのある結果となった。ハットマンは言う。「家は僕のやりたいようにできたし、ただ現場に来て、はい撮影という監督が多いけど、ナンシーの映画の場合は家もキャラクターの一つなので、彼女が満足するようなものを提供できるまで僕の仕事は終わらないんだ。われわれがちゃんとした仕事さえすれば、観客からのほうから見ても大いに発見のある形で終われるんだよ」

とってもオシャレなベーカリーの内装や、ジェーンが増築を楽しみにしている自宅など
スタッフのこだわりを持って作り上げられたこの“キャスト”も見どころのひとつ。
映画に彩りを添えるセットの数々は私たちの生活にもお手本となるポイントがいっぱい!
ぜひ劇場でチェックしてくださいね!

【恋するベーカリー 公式サイト】

2/19(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー

本作はR15+指定です

(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2010年02月19日

『恋するベーカリー』~もうひとつの主役のパンや料理たち:フード・デザインについて~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は、本日公開の『恋するベーカリー』から!
次々に登場する素敵なケーキやパン、お料理のデザインに
クローズアップします。

もうひとつの主役のパンや料理たち:フード・デザインについて

 この映画では料理が大活躍し、主なシーンで料理が何らかの形で登場する。撮影の間じゅう、料理コンサルタントのスーザン・スパンゲンは、裏方としてスタジオ内にある特設キッチンで次から次へと料理を作っていった。
“マーサ・スチュワート・リビング・オムニメディア”*のエンターテイメント及び食品部門の初代編集ディレクターだったスパンゲンは、同社のありとあらゆる食材を扱う「毎日のおかず」というタイトルを発案し、ごく最近ではメリル・ストリープの『ジュリー&ジュリア』という大ヒット作のコンサルタントも担当した。その映画では作らないといけなかった、昔ながらの古典的で高尚な料理のかわりに、今回は『恋するベーカリー』のためにもっとシンプルでも同じように食欲をそそる料理を作りだした。

*(訳注:マーサ・スチュワート(ポーランド系)は『マーサ』というテレビ番組でも有名な料理タレントで、テレビ、ラジオ、『マーサ・スチュワート・リビング』という雑誌など、幅広い(omniな)メディアによる活動で大人気を誇る料理家というより、今や大実業家。)

 スパンゲンはこう語っている。「今度のはカルフォルニアっぽくてざっくばらんなお料理だったのね。まあ、言ってみれば、わたしのスタイルとジェーンのスタイルを足して二で割ったような感じね。はるかに現代的な料理を作るのは、わたしにとってはいい切り替えになったわ。ナンシーにもいろいろ提案したし、彼女もどういう料理にしたいのか大枠のイメージをくれたしね。時には超カラフルなサラダとか、一般的なものもあったけど。そういうものはもともとわたしが提案したものだから、わたしたちの波長が合うのは最初から分かってたの」   

 料理本の著者として受賞歴のあるスパンゲンは、人生の大半をキッチンで過ごしてきたから、どんな自体にも臆することがない。「セットに行った一日目は、メリルと三人の友達がディナー・パーティーをやってるシーンだったの。料理をたくさん必要としたから、もうてんてこ舞いで走りまわってたわ。でも、それがあったからこそ、以後は自信がついたわけ。わたしたちも、かゆいところにまで手が届くようになったから、以降は、あれをベースにしたの」

 三日間、連チャンで撮影したあるシーンでは、彼女はカメラ映えする完璧にローストしたチキンを57個も作らねばならなかった。「あの後はオーブンがギトギトになっちゃってひどかったわ」と彼女は笑う。「あのシーンではメリルがこの映画のシンボルになるように、とてもオーバーにチキンの足を切り落とさなくてはいけなくて、そのコーチとしてお手伝いしたのね。足がぴゅっと簡単にとれるような仕掛けをしたの。まあ、言ってみれば、〝飛ぶチキン〟ね」

 このベーカリーのシーンでは、スパンゲンはさまざまなパン類をすべて調達してくる責任者で、彼女はそれをニューヨークじゅうのベーカリーの名店で手に入れたという。「裏にあるキッチンでわたしは数え切れないほどフレンチ・トーストを焼いてたのね。でも、きっとそういう簡単な作業のほうが案外へたくそだったみたい」と笑っている。


ジェーンが振舞うおいしそうな料理の数々には、
スタッフの愛情がたくさん込められていたんですね!
映画を見ている最中もお腹が鳴ってしまいそうな『恋するベーカリー』。
ジェーンの作る素敵なパンやお料理にもご注目ください♪


【恋するベーカリー 公式サイト】

TOHOシネマズ 日劇ほか全国大ヒット上映中!

本作はR15+指定です

(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

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