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2010年05月 アーカイブ

2010年05月06日

『グリーン・ゾーン』~ミッション始動―『グリーン・ゾーン』の製作にゴー・サイン~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は、5/14(金)公開の『グリーン・ゾーン』から。
本作のプロジェクトが動き出すまでをご紹介します!

ミッション始動―『グリーン・ゾーン』の製作にゴー・サイン

 グリーングラスと脚本のブライアン・ヘルゲランドは、まず失敗に終わった大量破壊兵器の探索を描くアクション・サスペンスを作ろうと考えた。そして、イラク戦争に関わった人物に協力を求めて情報を集めた。そのなかには、大量破壊兵器の探索にあたったキーマンや、イラク戦を経験した20数名の退役軍人、実際に現地で任務にあたった6人の元CIAの捜査官、イラクの最重要指名手配犯の捕獲に成功したCIAのエリート武装班のトップなどがいる。

 また、この映画はワシントン・ポスト紙の元バグダード支局長、ラジブ・チャンドラセカランのノンフィクション・ベストセラー小説『インペリアル・ライフ・イン・ザ・エメラルド・シティ―イラク、グリーンゾーンの真実』からもヒントを得ている。現地バグダードでの兵器探しのプロセスを生々しく伝えたこの本は、海外記者クラブ賞、ロン・ライデンアワー賞、英国サミュエル・ジョンソン賞を受賞し、ナショナル・ブック・アワードの最終選考作品にも選ばれた。大絶賛を浴びたこの作品が、グリーン・ゾーンの実情を世界に伝えたのだ。

 プロデューサーのロイド・レヴィンは製作陣の熱意をこう語る。「ポールとブライアンは、グリーン・ゾーンを舞台にした大量破壊兵器探しをサスペンスにしようと考えた。この素材こそ、僕らが求めていたものだって確信したよ」

 プロジェクトが形になるにつれ、グリーングラスはこの映画が、自身の作品では常連の俳優マット・デイモンとのコラボレーションにはもってこいの作品になると確信した。
「『ボーン・アルティメイタム』の撮影を終えて、マットと次の作品について話し合ったんだ。当時、世界一危険な場所は、間違いなくバグダードだった。そこを舞台に圧倒的な臨場感のアクション映画が作れるかどうかが、僕らの試金石となったんだ」


スタッフ達の熱意と各プロフェッショナル達の協力により
リアリティとスケールの大きさを感じさせる作品に仕上がった『グリーン・ゾーン』。
臨場感溢れる映像をぜひ劇場のスクリーンでお楽しみください!!

【グリーン・ゾーン 公式サイト】

5/14(金)、TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー

(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. 

2010年05月12日

『グリーン・ゾーン』~移動探索班デルタを組織する : 撮影に参加した帰還兵たち~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回も、5/14(金)公開の『グリーン・ゾーン』から。
本作には、俳優のみならず実際の戦場で任務についていた
兵士たちが多数出演しています。

移動探索班デルタを組織する : 撮影に参加した帰還兵たち

  『グリーン・ゾーン』の撮影に関わった者たちにとって、移動探索班(MET D)の要員や、その他の軍人たちを実際のイラク帰還兵に演じてもらい、ともに働く機会を得られたというのは、映画ならではの貴重な経験だった。しかも、元兵士たちは、生粋の俳優さながらに役をこなした。
几帳面なグリーングラスにすれば、これ以上の配役は望みようもなかった。「本物の兵士に参加してもらえるなんて、最高だったね」と監督は言う。「真実味に拍車がかかって、おかげでマットやブレンダン、グレッグ、エイミー、カリード、ジェイソンたち主演俳優たちが、実際の場に身を置いているという気持ちになれたからね」

 兵役経験のない身でありながら、つわものたちの隊長役を務めたマットは、この型破りなキャスティングにも助けられた。「彼らのおかげでとてもやりやすかったよ」とマットは言う。
「どう振る舞うべきかを100%心得てるから、まるで僕が、部下に全幅の信頼を置く有能な指揮官みたいに見えるんだ。いちいち事細かに指図しなくても自発的に動いてくれるなんて、理想的だよ。彼らを起用した理由は、中身も、役と同じ軍人だからこそさ。こればっかりは、いくら役者達が逆立ちしたって、元兵士にはかなわないからね」

 また、キャストの充実を図るため、軍人エキストラの多くが、イギリスのミルデンホールおよびレイクンヒース軍事基地に駐屯していた男女の米国軍人から採用された。
 兵士転じて俳優となったキャストについて、グリーングラス監督はこんな風に語っている。「彼らは全員、ミラーの物語にすっかり引き込まれたんじゃないかな。ミラーは部隊に背中を向けて、こう言うんだ。『真実が知りたい……たとえどんな結果になっても、きっと見つけだしてやる』ってね。素晴らしいサスペンスの道具立てだろ。ヒーローがいて、どんな妨害にもめげずに真実を暴き出そうとする。最高の設定だね」


帰還兵や軍人たちが出演したことにより現場の士気も上がり、
俳優たちの演技にもより磨きがかかったのではないでしょうか?
実際の戦場さながらの迫力が味わえる『グリーン・ゾーン』は、5/14(金)公開です!

【グリーン・ゾーン 公式サイト】

5/14(金)、TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー

(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. 

2010年05月19日

『グリーン・ゾーン』~リアリズムを求めて : 『グリーン・ゾーン』のアドバイザーたち~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回も、大ヒット上映中の『グリーン・ゾーン』から。
リアルさを求めた本作には、
強力なアドバイザーの存在が不可欠だったようです。

リアリズムを求めて : 『グリーン・ゾーン』のアドバイザーたち

 ポール・グリーングラスの構築する世界は緻密だが、決して頑なではない。「先の読める映画にだけはしたくたかった」と、監督はいう。「同時に、どう思ったり感じてほしいか、観客に押しつけたりもしたくないんだ。生々しい体験を味わって、観客それぞれが自分なりの結論を出せるようにしたい。そればかりを願いつつ、5ヶ月間働きづめだったからね」

「正直えらい難しい題材だった」と、監督は続ける。「なんらかの進捗をはかるには、事実をしっかり掌握する必要がある。いつもみんなでそんなことを話し合ってたね。いろんな戦争を見過ぎて、単純な答えなんか見つかるはずないと思ってたんだけど、いかに難しくても、真実を語るのが自分の出来る最善の道だという勉強になった。次善の策なんてないんだよ」

 可能な限り臨場感を出すため、スタッフは米軍在歴20年のベテランで、元大量破壊兵器(WMD)ハンターだった四等准尉リチャード・ラモント(モンティ)・ゴンザレスを軍事アドバイザーに迎えた。
 モンティ・ゴンザレスは軍事アドバイザーとして、ロイ・ミラーの人物像に血と肉を与えていった。第75野戦砲兵旅団(後に第75特殊探索部隊[XTF]に改称)に所属中、ゴンザレスは異動捜査班アルファ(MET A)の指揮官を務めていた。MET Aの隊員は腕の立つWMDハンターでもあり、ゴンザレスは彼らに「ボス」と呼ばれた。

 『グリーン・ゾーン』の撮影セットに出向いた時、ゴンザレスは自分がまた現場のさなかにいるのにふと気づいた。映画作りの素人だった彼は、監督やスターと一緒にモニター前に何日も陣取って、本物の兵士だったらその状況下でどう対処するかを徹底的に煮詰めていった。

 本物志向がこの作品の信条となり、それは劇中で起こる事件をはじめ、兵士、車両、銃、その他画面上に出てくるあらゆる軍事的な要素について、細部にわたるまで徹底された。「モンティと兵士達に、いかに現実的な側面に得心してもらうかが肝心だったんだ」と、グリーングラスはいう。「それが日課だったね」

 マットとゴンザレスは、すぐに打ち解けた。マットは“ボス”を現場に迎える意義をすぐに見いだした。「大きな疑問から些細な疑問まで、あらゆる疑問に対して、モンティは経験者ならではの名回答をしてくれたね」とマットは語る。「兵士達がどんな目にあったのか理解する上で、本当に助かった。僕たちは基本的に、イラクで彼らが体験した通りを再現してたからね。実際にMETを率いて兵器探しをした人物に参加してもらえるなんて、願ったり叶ったりだった」

 尊敬の念と熱い思いは、相手も同じだった。「マットはちゃんと演じようと真剣そのものだったね」とゴンザレスはいう。「自分の演技力のすべてを出し切って、可能な限り完璧に兵士役を演じようと努めてた」


真実味と臨場感を求めた本作に、最高のアドバイザーは欠かせない存在でした。
“ボス”監修の元、細部にまでリアリティを感じさせる『グリーン・ゾーン』を、
ぜひ劇場でお楽しみください!

【グリーン・ゾーン 公式サイト】

TOHOシネマズ スカラ座ほか全国大ヒット上映中!

(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. 

2010年05月26日

『グリーン・ゾーン』~カオスの脱構築 : ロケーションと美術~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回も、大ヒット上映中の『グリーン・ゾーン』から。
各地でのロケーションの様子をのぞいてみましょう。

カオスの脱構築 : ロケーションと美術

  ポール・グリーングラスと美術のドミニク・ワトキンスたちは、見た目も雰囲気もそっくりの2003年のバグダードをそのまま再現した。スペイン、モロッコ、イギリスでロケを行い、まさに内からも外からも完璧に仕上げたのである。

 2008年1月10日、スペイン南東部のムルシア州の地中海に浮かぶロス・アルカザス空軍基地で撮影がスタートした。整った現場と南カリフォルニアに似た冬の気候に恵まれ、比較的気楽な感じで撮影は始まった。
 スペイン空軍が運営する今にも崩れそうなロス・アルカザス訓練施設はフセイン政権下の諜報機関ムハバラトの本部、また、共和国宮殿とそれより小さなグリーン・ゾーンの宮殿の外観としても使用された。スペインでは移動探索班デルタのコンボイが高架道路の下を走り抜け、バグダードから逃げ惑う人たちで渋滞する4車線道路で足止めを食うシーンも撮影した。このシーンはムルシアに新しくできた高速道路で撮影されたが、この道路はまだ一般公開されていなかった。
 この作品における屋外場面の大半はクルーたちが7週間キャンプをして、モロッコのラバトとその周辺の街で撮影が行われた。大西洋沿岸に位置するラバトは1956年からモロッコの首都となっている街である。

 モロッコでの撮影はラバトから北に40キロ離れたケニトラで2月2日に始まった。ケニトラでは大量破壊兵器の拠点ディワニヤのシーンの撮影が行われた。大量破壊兵器を捜査する代わりに、ミラーの移動探索班デルタのトラック隊がディワニヤに到着すると、そこは大勢の略奪者に占拠されていた。

  略奪のシーンは、略奪者役として雇ったモロッコのエキストラに自由に演じてもらった。衣装を担当したサミー・シェルドンと衣装スタッフたちは、瓦礫に囲まれたこのシーンで約200人の男性エキストラに衣装を着せた。「その作品全体を通して、登場人物の一人ひとりにリアリティをもたせなければならないわね。それがイラク人でもアメリカ人でも」とシェルドンは言う。「監督は垢や汗にまみれたリアリズムを好むの。若い人から年配までいる略奪者役には、ひどく汚れた、画面では誰だか分からないような、覆い隠す感じの衣装を着てもらったの。伝統的なディシュダーシャ(男性の服装)を取り入れた昔風の動きやすいスタイルに、顔を隠すため頭にターバンを巻いてもらったわ」

 シェルドンと衣装スタッフたちにとって、キャストの中に元兵士がいたのがどれだけありがたかったか。「この手の作品を他にもやってきたけど、大半は本物の役者さんたちだったから」とシェルドンは言う。「こういう衣装を一揃い着せるのはいいんだけど、それから休憩があったりすると、みんな、どっかにそれを置いて、忘れてしまったりするのよ。でも、移動探索班デルタの子たちは絶対に忘れなかったわね」また、「それにどうやって着たらしっくりくるか、教えてくれたりして、すごく助かったの」と語っている。


各地でロケが行われた本作は、美術やセットの力を借りて
よりリアルな戦場の様子を作り上げました。
緊迫する戦場の様子が体感できる『グリーン・ゾーン』を観に、今すぐ劇場へ!

【グリーン・ゾーン 公式サイト】

TOHOシネマズ スカラ座ほか全国大ヒット上映中!

(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. 

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