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2010年12月 アーカイブ

2010年12月03日

『ロビン・フッド』~中世の生活と城を再現~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回も、まるで12世紀のイングランドにタイムスリップしたような風景に目を見張る
12/10(金)公開の『ロビン・フッド』から。

中世の生活と城を再現

 リドリー・スコット監督と長年コンビを組んでいるプロダクション・デザイナーのアーサー・マックスは、中世イングランドの村の生活に加え、壮大な城郭もできるだけ正確に再現するという大仕事を請け負った。リサーチのため、彼とスコットは博物館や図書館で資料の山に当たり、ほぼ中世の面影を残しているピレネー山脈の村々にまで足を伸ばした。さらに2人は、ピーター・ブリューゲル父子の絵画も参考にした。映画の背景と時代は違っているが、悲惨な困窮生活の雰囲気をよく感じさせてくれたからだ。

 こうした調査を元に、マックスたちは、サリー州ギルドフォード近隣のハンプトン・エステートにノッティンガムの村のセットを建設した。オークの古木となだらかな野原に彩られたその土地は、松林や小川、湿原にも恵まれ、スコットに撮影アングルの選択肢をふんだんに与えたが、そこにマックスはノッティンガムの村全体を築いた。彼らが建築した50以上の建物は、ほとんどが藁ぶき屋根と丸太と網代編みを使った粘土の構築物だった。それらの建物は、穀物倉庫や居酒屋、納屋、教会としてまず村の広場の周りに建てられ、それから大小様々な家々や掘立小屋が周辺に広がるように建てられた。ディテールにこだわる美術チームは水車の粉ひき場を作り、果樹園に木を植えて何カ月もかけて育てた。

 ボーン・ウッズの森は、バーンズデイルやヨーク、ピーターバラといった北方の村々の代役をつとめると同時に、冒頭でイングランド軍が攻めるフランスの城の建設地にもなった。「その城は、シャールース城があった地域の実際のフランスの城に基づいている」と語るマックスは、伝統的な足場と石膏を使って城を建設。当時のイングランド城を手本に石積み工事を行い、その構造物が風圧に耐えるだけでなく、地盤となる丘の中腹を崩壊させないように神経をつかった。

 その他、サリー州ではヴァージニア・ウォーターにロンドン塔のロイヤル・ドックを建設し、ロビンがアリエノールの元へ獅子心王リチャード1世の王冠を届ける場面を撮影したが、その他のロンドン塔やロンドンのセットはシェパートン・スタジオに建設された。

 ロンドン塔の屋内は、シェパートンのサウンド・ステージに建てられたが、そのセットは、イギリスに現存する城を調査した際、スコットやマックスたちが目にした各部屋の配置や形を参考に作られた。

 さらにシェパートンには、マリアンとウォルター・ロクスリーが住むペパー・ハロウの屋内も作られた。美術チームは、シュロップシャー州で見学した13世紀の荘園領主館を参考に、このセットをゼロから作り上げ、それをオックスフォード・ファームというサリー近辺の領主館の外観と組み合わせた。そして全体をひとつにまとめるために、既存の建物の他に、納屋をいくつかと防衛用の門、数棟の掘立小屋、2台目の水車を追加してペパー・ハロウを完成させた。

美術スタッフの綿密な調査と現存している中世の建築物を参考に再現された、
見事なセットにもぜひご注目ください。


【ロビン・フッド 公式サイト】

12/10(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー!

(c) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2010年12月07日

『ロビン・フッド』~1500人のキャストを動員した浜辺の戦闘シーン~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回がラスト、12/10(金)公開の『ロビン・フッド』から。
必見のクライマックスシーンの撮影秘話をご紹介します!

1500人のキャストを動員した浜辺の戦闘シーン

 2009年4月に『ロビン・フッド』の撮影がスタートしてすぐ、監督のリドリー・スコットはあだ名で呼ばれるようになった。「みんなが彼を“将軍”と呼ぶようになった」と、プロデューサーのブライアン・グレイザーは証言する。「私たち世代の映画製作者にとって、リドリーは皆の先頭に立ち、“総攻撃!”と命令を下す将軍みたいな存在だ。彼自身がグラディエーターであるのは間違いないよ」

 将軍の指揮の下、ウエールズとウェスト・ペンブルックシャーのフレッシュ・ウォーター・ビーチで、イングランドに上陸したフランス軍とイングランド軍の一大戦闘シーンを撮影したのは、ロケも半ばを過ぎたころだった。撮影チームは、9台の標準カメラ、1台のステディカム、1台のウェスカムと1機のヘリコプターを用意し、スコットと撮影監督のジョン・マシソンのヴィジョンを画面に定着するべく一連の野心的なシークエンスの撮影に乗り出した。「オーストラリアでは、こんなときに“『ベン・ハー』よりも大掛かりだ”と言うんだが、まったくそんな気分だった」とクロウは言う。

 約2週間の撮影中、スタッフたちは、予期せぬ熱波から滝のような土砂降りにいたるまで厳しい気象条件と闘い続けたが、とりわけ1分間に約1メートルも上昇する上げ潮に手こずらされた。この上げ潮のせいで半マイルの浜辺にわたって、1500人のキャストと150台の車を常に移動させなければならなかったからだ。

 しかし、撮影に参加した役者たちは、それだけの苦労に匹敵する価値を、この一大叙事詩ともいうべき戦闘シーンに見出していた。ウィル・スカーレット役のスコット・グライムズは言う。「130頭の馬を並べたまま走らせたり、砂浜を疾駆させたりするあいだも、どこにカメラがあるのかさっぱりわからないんだ。まさに戦場にいるような気分だ。何とまあ、信じられない撮影だったよ」

 いまだかつてない壮大なスケールで描かれた本作、ぜひ劇場の大スクリーンでお楽しみください。『ロビン・フッド』日本公開は、いよいよ今週末12/10(金)です!

【ロビン・フッド 公式サイト】

12/10(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー!

(c) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

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