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2011年09月 アーカイブ

2011年09月01日

『スマーフ』~二次元のスマーフが三次元へ~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は9/9(金)公開の『スマーフ』から。

スマーフたちを、見事に実写の世界に登場させた、
最高の特殊視覚効果についてご紹介します!

■~二次元のスマーフが三次元へ~

sub2.jpg製作スタッフにとって、2Dの世界にしか存在していなかったスマーフをCGアニメーションの世界、そして、3Dの世界に置き換えるのは最も困難な課題だった。まずはセットで撮影監督のフィル・メヒューとプロダクション・デザイナーのビル・ボーズが、視覚効果スーバーバイザーのリチャード・R・フーヴァー、Sony Pictures Imageworks(SPI)シニア・アニメーション・スーパーバイザーのトロイ・サリバ、SPIシニアVFXプロデューサーのリディア・ボテゴニらとともにセットを建て、照明を当て、リンゴ3個分の主人公たちを後に付け加えることができるように撮影を行った。3D視覚効果スーパーバイザーのロブ・エングルは全てを3Dで表現できるよう撮影にも立ち合った。

プロダクション・デザインチームは実物大のセット…グレースとパトリックのアパートやベルベデア城のレプリカ、ガーガメルの地下牢などを作った。クライマックスのスマーフVSガーガメルの戦いのシーンについて、プロダクション・デザインのビル・ボーズは次のように説明する。「城は2~3の異なる階層から成っていて、ガーガメルがある階に着地、さらに下に降りてスマーフたちと戦うという設定にしたかった。そして、あらゆる方向からスマーフたちが攻撃をしかけてきて、それをガーガメルが真ん中で迎え撃つという、中世の戦闘シーンのような雰囲気が欲しかったんだ」

PK-27_%28DF-04019%29.jpg撮影のフィル・メヒューにとっても大きな挑戦だった。 スマーフが移動する方向に合わせて照明を当てるために、メヒューらはリハーサルで実物大(7.5インチ/約19㎝)のモデルを使用した。「そうやって正しい位置に照明が当たるようにしたんだ。アニメーションが加えられた時にどの位置にスマーフが来るかがわかるから、俳優たちの目線も合う。その後でモデルを外して撮影すると、スマーフたちが背景にぴったり収まって、リアルに見えるんだ」

実物大のスマーフのモデルを実写の世界に用いたことによる効果の1つが、スマーフの視点から撮影することで、世界が全く異なって見えるということである。スマーフの視野をクリエイトするために、リンゴ3つ分の高さからの視点を体験できる望遠鏡のような装置Smurf-O-Visionが作られた。

アニメーション・スーパーバイザーのトロイ・サリバは語る。「ワイヤーのフレームが入ってポーズをつけることのできるシリコンでできた小さなモデルを作ったんだ。これらを使ってスマーフの動きを定めることで、きちんとスマーフに照明を当てることができる。そこに俳優たちを入れてリハーサルを数回行った。最初は私がスマーフを動かしていたけど、慣れたところでスマーフ抜きで撮影したんだ」


最新の技術で描き出されたスマーフたちを、ぜひスクリーンでご堪能ください!

【スマーフ 公式サイト】

9月9日(金)、TOHOシネマズ 有楽座ほか全国ロードショー!

(c) Courtesy of Sony Pictures Animation

2011年09月14日

『サンクタム』~脚本家の実体験から生まれたサバイバルの物語~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回はいよいよ9/16(金)より公開となる『サンクタム』から。

本作を製作することになったきっかけや、
見どころでもある迫力の3D映像についてご紹介していきます!

■脚本家の実体験から生まれたサバイバルの物語

5647_D057_00018.jpg1988年、プロデューサーであり著名な洞窟探検家でもあるアンドリュー・ワイトは、自ら隊を率いてオーストラリアのナラボー平原の地下深くに隠れる洞窟を探検した。その最中、予期せぬ嵐に襲われて洞窟の入口が崩れ落ち、15人が地下深くに閉じ込められた。救出作戦が展開され、奇跡的にも全員が厳しい試練を乗り越えて生還したが、人生を変えるほどのこの出来事を、ワイトは、長年の仕事仲間であるジェームズ・キャメロンと組み、1本の映画へ発展させようと考えた。製作総指揮を務めるキャメロンは、事の経緯をこう話す。「5年くらい前、仕事で苦労を共にしてきたアンドリュー・ワイトが『サンクタム』の話を持ってきたんだ。すごくいいアイディアだと思った。アンドリューとは、それまでに何度か一緒に大冒険を経験した。海の未知の領域まで潜って今まで知られていなかった海底や海洋生物を調査し、いろんな発見もした。海底に沈んでいるタイタニック号やドイツの戦艦ビスマルクも一緒に調査したりしたんだ」

そうした年月のあいだに、キャメロンたちは、深海のような厳しい環境でも操作可能で、他に類を見ない映画体験をもたらす新しいカメラシステムを開発した。キャメロンは、こう説明する。「そのカメラシステムはキャメロン/ペイス・フュージョン3Dカメラシステムといって、『アバター』のときにもワクワクしながら使ったし、アンドリューも『サンクタム』でこれを使った。信じられないような性能の三次元映像HDカメラシステムで、IMAXスクリーンに3Dの完璧な映像を映し出せるんだ。でも、この新しい技術がどんなにすごくても、映画作りはカメラがどうのという問題じゃないからね。大事なのはアイディアであり、イメージであり、イマジネーションなんだ。要は物語の内容で、この物語は絶対にいけると思っている」

『サンクタム』の脚本はワイトの体験が基になっているものの、彼は再現ドラマを作る気はさらさらなかった。「実際にあった出来事をそのまま再現するよりも、本質的な部分を取り上げたほうがはるかにエキサイティングだった」とワイトは言う。「厳しい環境と極限状態に置かれた人間がどんな状態になるのか、それを掘り下げて考えてみたかった。みんながどうやって生き抜くのかをね」

5647_D046_00010.jpg徹底的な人選の結果、キャメロンとワイトは、『サンクタム』の舵取り役としてアリスター・グリアソン監督に白羽の矢を立てた。決め手になったのは、オーストラリアの批評家から絶賛され、興業でも大成功をおさめたグリアソンの監督作『男たちの戦場』だ。この作品を見て、グリアソンに「一家言ある監督」の素質を見出したキャメロンとワイトは、『サンクタム』に対するグリアソンの心構えを判断するために時間をさいた。キャメロンは笑いながら語る。「アンドリューは、アリスターをケーブ・ダイビングに連れて行き、ひどく怖い思いをさせた。でも、アリスターが落ち着きはらって洞窟から出てきたときには、彼がケービングに対して敬意を払い、理解もしていると感じた。その時点でアリスターは、『サンクタム』を撮る心構えが100パーセントできたと言ってもいい。むしろ3Dの映画の撮り方を身につけるほうが、彼にとっては苦労が多かったようだ。向こうから“3Dの映画を撮りたい”と言ってきたわけじゃないからね」

とはいえ、『サンクタム』を3Dで撮影することは、グリアソンに監督を依頼する際の約束事だった。キャメロンは説明する。「アリスターと撮影監督のジュールズ・オロフリンは、デジタルカメラ用のライティングや立体スペース(ステレオ・スペース)の使い方、新しいカメラ・システムのすべてを習得しなければならなかった。メジャー作品の2作目でこんな作業をするのは、気が遠くなるようなことだったと思う。しかし、着実にステップ・アップしてすっかりマスターした。僕たちの期待を決して裏切らなかったよ」

グリアソンにとっては、こうした新しい技術への挑戦と、キャメロンやワイトと仕事をするチャンスに加え、物語の底辺を貫くテーマも魅力だった。「僕は差し迫った状況下に置かれた人間ドラマに関心がある」と、グリアソンは語る。「そういう状況に対して人間がどういう行動をとるかという点にね。『男たちの戦場』にも同じような要素がたくさんあった。『サンクタム』では父親と息子の非常に強い結びつきが描かれているが、僕はそこに惹かれた。そして、この映画を3Dで見たら、今までに経験したことのない全く新しい世界が目の前に広がると思った」

唯一無二の迫力と臨場感を、ぜひ劇場で体感してください!


【サンクタム 公式サイト】

9/16(金)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー!

(c) 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2011年09月28日

『ワイルド・スピード MEGA MAX』~影の主役=あらゆるジャンルの名車~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は10/1(土)公開の『ワイルド・スピード MEGA MAX』から。

"ワイルド・スピード"シリーズの見どころのひとつである、
ゴージャスなカスタムカーについてご紹介します!

■影の主役=あらゆるジャンルの名車


  ダッジ・チャージャーSRT8

『ワイルド・スピード』は、ストリート・レースという裏社会の実態を世界に知らしめ、アメリカのマッスル・カー、日本車、ヨーロッパ車の違いというものを全世界に見せつけた。『ワイルド・スピード X2』では鮮やかな色の車体に虹色のネオン管をちりばめ、ナイトラス・オキサイド・システム(NOS)を搭載したえらく艶っぽい改造車を紹介し、目をみはるようなバイナルグラフィックスまで施し、デザインもユニークだった。『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』では観客をドリフト走行の発祥の地である東京に誘い、改造した日本車にフォーカスを当てた。『ワイルド・スピード MAX』では限界ぎりぎりのストリート・レーシングの核心へ回帰し、マッスル・カーがリードしてその本領を発揮した。


  ダッジ・チャージャー(1970)

もっとも注目すべきは1970年代のダッジ・チャージャーで、ヴィン・ディーゼル演じるドムの父親を死に追いやったこのスーパー・チャージしたモンスターは、このシリーズのヘビー・メタルを代表するアイコン的な存在となった。当然のことながら、チャージャーはドムの分身でもあるから、ダッジのないストリート・レーサーのドムは考えられない。映画車のコーディネイターはこう説明する。「あのチャージャーには、前より大きなホイールをはかせ、サスペンションも強化し、ステアリング効率もよくしたり、いろいろ手を加えたんだ。映画では見たこともないような細工をいろいろとね。」よみがえった最新のスーパー・チャージャーこと、ハイ・パフォーマンスのダッジが、この総決起したカー・キャストの目玉であり、選びぬかれたこの車が金庫強奪の中央ステージに立った。最新のダッジ・チャージャーは、改造パトカーとしても登場し、悪役として双璧をなす。苦労に苦労を重ねて改造されたこれらの艶消しブラックのバージョンは、何を隠そう、スタントをこなせるよう、より強力なブレーキング性能と馬力をさらにグレード・アップしたダッジ・チャージャーSRT8なのだが、“ボールト・チャージャー(金庫つぶし)”と言われるようにもなっている。製作スタッフはこの人気モデルを数十台確保し、中でも当時引く手あまたの、デザインを一新した2011年モデルが三台手に入り、彼らを喜ばせた。このチャージャーはすぐに世界中でパトカーとしても採用され、この映画の脚本のむずかしい要求に耐えうる、マッスルを備えたパワフルでたくましい車として、完璧に務めをこなした。

週末には今でもストリート・レースで競い合うポール・ウォーカーは、車両の製作を手がけたデニス・マッカーシーやプロデューサーであるニール・H・モリッツと並んで、このシリーズに貢献してきた本物のカーキチの一人だ。こと車の話となれば、ポールはこの世界のことを誰よりも知っている。彼はこう語る。「我々がこの映画でフィーチャーする車は、信頼が置け、かつ実用性ある車なんだ。我々にはニッサン370Z(2009年)があるし、日本が生み出した最高の車トヨタのスープラ(1993年)とニッサン・スカイラインGT-R(1972年)も復活させた。最高のカー・キャスティングだろ」


  フォード GT40

製作陣は列車強盗のシーンに向けて、ターゲットとなる車に伝説のトリオ――1972年型デ・トマソのパンテーラ、2007年型コルヴェットGSロードスター、そしてフォードのGT40――をそろえた。このシーンの激しさを考えると、製作陣は200万ドルもするGT40を何台も使うわけにもいかないので、複製モデルを用意した。マッカーシーは言う。「列車強盗のシークエンスを通じて我々が破壊する車の量を考えると、ほんの一台だけでもピクチャー・カーの全予算をあっというまに使い切ってしまう。だから、複製できる車を見つけるほうがより現実的だった」



  ポルシェGT3

マッカーシーの節約策にもかかわらず、重さ4トンの怪物金庫が、あらゆる車のつぶれた金属をあたりにまき散らし、この映画の最終シークエンスまでに200台近くの車が破壊された。また、車体の美しさとスピードを表現するために、1999年型ポルシェGT3、レクサスLFA、そして2011年型ダッジ・チャレンジャーも、カー・キャストされた。ジゼルが乗るドゥカティ・ストリートファイターはこの映画で使われる唯一のオートバイで、“ピクチャー・カー”の軍団と肩を並べる。製作陣は、ドムと仲間たちがホブスという恐ろしい強敵と対決するシーンに備え、ホブスの空恐ろしさをイメージさせる軍用車はないかと探しまわった。結果、アーメット社製のグルカF5として知られる9.5トンの怪物装甲車が、彼らのお眼鏡にかかった。

2010年10月末、ついに映画がクランク・アップした時、めちゃめちゃに壊れた車体は200台にものぼった。マッカーシーは300台以上の車を購入したものの、息を呑むラストの金庫破りのシーンのせいで、ため息が出るほど大多数は無残な姿をさらしていた。背景に使われる車は数百台がレンタルで補われたが、これは生き残り、また使われる日を待っている。

モリッツは自分が産み落としたこのシリーズを振り返りながら、満足そうに最後にこう結んでいる。「ワイルド・スピードのシリーズはどれもアクションやカー・チェイスが満載で、セットも大がかりだったけど、『ワイルド・スピード MEGA MAX』に及ぶ作品はないね。車に関してはこの映画がトップの座に躍り出てくれたけど、えらいダメージだったよ」と・・・


常識を覆す超絶アクションを、ぜひ劇場で体感してください!


【ワイルド・スピード MEGA MAX 公式サイト】

10/1日(土)、全国ロードショー!

(c) 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

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