TEXT BY 尾崎佳加

 【トレハリ14】 お待ちかね、極タカ派評論家Mr.ブラックウェルのワーストドレッサー賞2005

今年も皆さんお待ちかね、辛口批評で高名なMr.ブラックウェルがワーストドレッサーリストを公開した。
昨年の連載でも紹介したように、ブラックウェル氏は元デザイナー時代に培ったファッションセンスでダサい有名人をこき下ろすカゲキ派の評論家。当のご自身は微笑を浮かべながらも目が据わっている感じの色眼鏡の紳士(高名なファッションチェッカーに色眼鏡が多いのは偶然か)だが、その選評は極めて私的な好みに基づいていることで知られる。
そうは言っても今年、氏のリストで1位に輝いたブリトニー・スピアーズは多くの市民が納得する結果となった。ぼさぼさのヘアスタイルに、顔中にニキビ薬をつけたままの外出…。かつてのスーパーアイドルだったという自覚のなさはブラックウェル氏じゃなくても酷評したくなる
続いてランク入りしたメアリーケイト・オルセン(2位)とジェシカ・シンプソン(3位)は、ハリウッドのトレンドをリードするファッションアイコン。2人とも際立って悪趣味な服装は見せない優等生のはずなのにブラックウェル氏は容赦しない。わざと大き目のサイズのルーズな着こなしを好むオルセンを「バッグレディー(女性ホームレス)」と評し、シンプソンのほうは「安っぽい」の一言で片付けられた。ファッション市場を動かす中核人物がえらい言われようである。
また、4位に滑り込んだエヴァ・ロンゴリアは「派手すぎる」ところがブラックウェル氏の癇に触った様子。余裕で上位を狙えると踏んでいたマライア・キャリーは意外にも5位に落ち着いた。マイクロミニにピンヒールでのゴルフショットが目撃されるなど、スピアーズに負けず劣らずの珍センスを持つ彼女だけに惜しい結果だ。
6位のパリス・ヒルトンに関しては「昨日のチーズケーキ」と意味不明だが、どこか納得できる絶妙の表現で選評。続いてダイエットに成功して巨漢からモデル時代のボディーを取り戻した努力もむなしく、アナ・ニコール・スミスが7位にランクイン。さらには、服装も言動も目立って噂されないシャキーラ(8位)をつかまえて、「サド侯爵の衣装に頭はメデューサ?救いようがない!」と、思わず「あんたがサドだよ」とつっこみたくなるような罵言を吐いた。
さらに、9位に選ばれたリンジー・ローハンにも「一晩で30歳」とこれまた鮮やかなコメントを残したが、突然病的な痩せ方をした事実はあっても彼女のファッションセンスは依然各界の注目を集めている。最後に、10位に選んだレニー・ゼルウィガーに対しては「ペンキを塗られたかぼちゃ」と極めて幼稚な表現でこき下ろし、ネタ切れの苦し紛れに出た捨てゼリフの感が拭えないコメントでリストの幕を閉じた。
ここまで偏見的だと「なんとなく嫌いな有名人」に改名したほうがしっくりくるブラックウェル氏のベストドレッサー賞。今年も言いたい放題で爆走してくれた謎の紳士、ブラックウェル氏に盛大な拍手を!


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