MTVビデオミュージックアワード2001
 9月6日、MTV2001ビデオミュージックアワード(VMA)の発表がリンカーンセンター内、メトロポロタンオペラ劇場で行われた。注目は、なんといっても踊るクリストファー・ウォーケンと8月25日不慮の事故で亡くなったアリーヤへのトリビュート。今年ムーンマン・トロフィーをゲットしたのは誰? 映画界からもセレブがいっぱい登場するVMAの模様を昨年に引き続きレポートします。
 当日、TVショーのオンエアは8時からスタートだが、リンカーンセンター前で6時から行われたショーン“P Diddy”コムズ、イブ、シティ・ハイらのプレショーとレッド・カーペットを通るセレブ目当てのMTVファンが、早い時間から周囲の沿道を埋め尽くした。
 今回の司会はジェイミー・フォックス。オペラ劇場にちなんでいきなりオペラ風パフォーマンスで多芸なところをみせたが、下品なギャグは去年のワイアンズ兄弟を上回りちょっと悪乗りしすぎ。ウィル・スミスと共演したモハメッド・アリの伝記映画『Ali』(01)の公開が待たれるフォックス。プレゼンテーターとして登場したスミスとのコントも幕間にあったが、観客のノリはいまいち。VMAの司会はこのところ毎回アフリカン・アメリカンのコメディアン系。そろそろもう少し趣向を凝らしたほうが良いのではという意見も聞かれる。
 賞取りで1番注目されたのは、トータルで9部門にノミネートされたファットボーイ・スリムの「Weapon of the Choice」。キング・オブ・ニューヨーク、クリストファー・ウォーケンがお茶目に踊るビデオは意外性たっぷり。一躍ポップスターの仲間入り? をしたウォーケンはステージに登場し「39才(実は59才)にしてVMAに出ることになるとは思ってもいなかった」と語った。結果は残念ながら一番のビッグ賞であるビデオ・オブ・ザ・イヤーは逃したが、監督賞、振りつけ賞、特殊効果賞等6部門に輝いた。
 次点はインシンクの「Pop」がベスト・グループ賞他4部門を獲得。インシンクのパフォーマンスではキング・オブ・ポップのマイケル・ジャクソンが特別出演し、会場総立ちとなった。

 昨年はインシンクと賞取りを争ったエミネムは、ノミネートはされたものの賞はなし。インシンクが、ポップアイドルの座をこの1年で完全に確立させたことは一目瞭然となった。
 映画関係のセレブで最初にステージに登場したのは、新ボーイフレンドとの間に子供が出来たとの噂もあったジェニファー・ロペス。ステージで華麗にダンスを披露して噂をまったく否定してしまったようだ。また『セイブ・ザ・ラストダンス』(01)が日本で公開中、こちらでは新作『O』(01)が公開中のジュリア・スタイルズもプレゼンテーターとしてコミカルなダンスを踊った。
 その他『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(01)のエステラ・ウォーレンがアシャーと、また『Rock Star』(01)のマーク・ウォルバーグがDMXと組んでプレゼンテーターとして登場した。そして『Zoolander』(01)の公開が待たれるベン・スティラーは、VMAにはなくてはならない存在。去年はデ・ニーロのフォロー・アップが大変そうだったが、今年はショーン“P Diddy”コムズ相手に奮闘。コムズのビデオ「バッド・ボーイズ」に出演しているスティラーは、自分自身をパロってみせた。
 ショーの中では特別にアリーヤへの弔辞の場が設けられた。昨年のベスト・ビデオ from ア・フィルム賞に選ばれたアリーヤは、飛行機事故により先月他界。『The Matrix Reloaded』(03)の公開が待たれ、今後の活躍が期待されていただけに、多くの人々に悲しみと衝撃を与えた。ジャネット・ジャクソン、ミッシー・エリオット、ジェヌイン、ティンバランドがスピーチを捧げ、前回VMAのステージにアリーヤと共に立った弟ラシャドが初めて公の場でファミリーを代表して感謝の意を表明。シンプルながらアリーヤへの心温まるトリビュートは、美しい彼女の笑顔のビデオで締めくくられた。
 さて、eigafan.com として一番気になるベスト・ビデオ from ア・フィルム賞。今年は『ムーラン・ルージュ』(01)の「レディー・マーマレイド」に決定。クリスティーナ・アギュレラ、リル・キム、マヤ、ピンク、Featuring ミッシー“ミスデミナー”エリオットというレディース・パワー満載のビデオは、今年のベストビデオ賞もゲットという結末となった。


■ベスト・ビデオ from ア・フィルム賞のノミネート作品
・『ムーラン・ルージュ』(01)より「レディ・マーマレイド」 クリスティーナ・アギュレラ、リル・キム、マヤ、ピンク、Featuring ミッシー“ミスデミナー”エリオット
・『チャーリーズ・エンジェル』(00)より「インディペンデント・ウーマン Part 1(アルバム・バージョン) 」 デスティニーズ・チャイルド
・『トゥームレイダー』(01)より「エレヴェイション(トゥームレイダー・リミックス)」 U2
・『セイブ・ザ・ラストダンス』より「Crazy」  K-Ci&Jojo 
・『DENGEKI 電撃』より「ノー・サンシャイン」 DMX


■受賞作品リスト
☆ビデオ・オブ・ザ・イヤー賞 「レディ・マーマレイド」 クリスティーナ・アギュレラ、リル・キム、マヤ、ピンク Featuring ミッシー“ミスデミナー”エリオット
☆ベスト男性アーティスト賞 「South Side」 モビー
☆ベスト女性アーティスト賞 「Let Me Blow Ya Mind」 イブ
☆ベスト・グループ賞 「Pop」 インシンク
☆ベスト・ラップ賞 「Ride Wit Me」 ネリー
☆ベストR&B賞 「Survivor」 デスティニーズ・チャイルド
☆ベスト・ヒップホップ賞 「Ms. Jackson」 アウトカスト
☆ベスト・ダンス賞 「Pop」 インシンク
☆ベスト・ロック賞 「Rollin」 リンプ・ビズキット
☆ベスト・ポップ賞 「Pop」 インシンク
☆ベスト新人賞 「Fallin」 アリーシャ・キイ
☆視聴者賞 「Pop」 インシンク 
☆ブレイクスルービデオ賞 「Weapon of the Choice」 ファットボーイ・スリム
☆ベスト監督賞 Weapon of the Choice」 ファットボーイ・スリム
☆ベスト振付賞 Weapon of the Choice」 ファットボーイ・スリム
☆ベスト特撮賞 Weapon of the Choice」 ファットボーイ・スリム
☆ベスト・アート監督賞 「Weapon of the Choice」 ファットボーイ・スリム
☆ベスト編集賞 「Weapon of the Choice」 ファットボーイ・スリム
☆ベスト・シネマトグラフィー賞 「Weapon of the Choice」 ファットボーイ・スリム
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