ジャンケット |
“ジャンケット”という言葉を聞いても一般の方にはさっぱり意味不明なことと思います。ジャンケット(junket)とは、直訳すれば“視察旅行”だとか“宴会”という意味なのですが、映画業界ではちょっと違う意味を持った言葉になっています。 |
映画業界で使われるジャンケットとは、映画が全米で公開される直前に、NYやLAにて監督及び出演者を招いて彼らにインタビューなどのマスコミ取材を受けてもらうように設定された場(大体はホテルにて行なわれます)のことを指します。つまりビッグスターなどに公式に取材ができる(取材を受けてもらえる)数少ない機会なのです。 |
皆さんも映画雑誌や映画番組などで、ビッグスターのインタビューなどが掲載されたり、OAされたりするのを見たことがあると思うのですが、これらは大抵このジャンケットと呼ばれる場で取材されたものです(どうしても取材出来ない場合にはEPK(Electric Press Kit)のインタビュー映像を使うこともあります)。 |
以前お話したように、勿論彼らが来日してくれれば日本でじっくりとインタビューすることが出来るのですが、必ず来日してくれるという訳ではないですし、来日したとしても公開ギリギリで公開日までにあまり取材内容を露出することが出来ないということもあるので、全米公開2~3週間に行なわれるジャンケットで取材できるかどうかは、日本公開の宣伝の一環として重要になってくるのです。 |
ジャンケットは、当然アメリカのマスコミ媒体がメインで取材するということになりますが、各国にも若干ですが枠を設けてくれるので、日本の取材に対しても紙媒体で大体2~3媒体、TV媒体で1~2媒体ぐらいの枠が設定されます。 尚、必ず事前に申請をし、登録しておかなければならないので、ジャンケットの話が出て来た時などは人選や諸手配などが非常に大変です。しかし、多くの場合、ジャンケット取材を任せられる方というのは数多くのジャンケット取材をこなせるベテランの方になりますので、その方たちを中心にスケジュール確認をしてお願いをしていくことになります。 またとても急な話(3日後にジャンケットがある、等)が出てくることも結構あるので、そういった時は、NYなりLAをベースにして活動している映画ライターさんやTVクルーに取材をお願いしたりして、急な話でも何とかチャンスを逃さず取材するのです。 |
尚、当然映画を観なくては質問が出来ないので、取材者は大体ジャンケット前日ぐらいに行なわれるプレビュー(試写。当然ノースーパー!)を観た上で取材に臨みます。通訳が付かないことも多く、自分で英語で質問しなければならないというシチュエーションもありますので、ジャンケットの取材は語学堪能な方でないと厳しい時もあります。 また、一対一での個別インタビューを希望しても(記事を厚くすることが出来るので)、スケジュールの都合でグループ合同のインタビュー取材しか出来ないということもありますので、ジャンケットの形式はまちまちです。 勿論、行なわれるジャンケットの全てに参加出来る訳ではないですし、費用をかけてまで(映画会社負担です)ジャンケット取材をするほどではない作品もありますので、やはりビッグスター出演の話題作や期待作等がジャンケット取材の対象になるのです。 |
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