上海の伯爵夫人 THE WHITE COUNTESS | 10/28(土)、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー |
舞台は1936年の上海。激動の時代に翻弄される男と女。
ふたりの出逢いは偶然?それとも…必然?
ジャズのメロディー、タバコの紫煙、女たちのさざめき、衣擦れの音に混ざる秘密の会話…。
舞台は上海の夜総会(クラブ)。ロシアから亡命を余儀なくされた美しき伯爵夫人ソフィアは、家計を支えるためにホステスとして働いていた。そこへ、不条理な暴力により、愛する家族と視力を奪われた元外交官・ジャクソンが訪れ、ふたりは出会う。ジャクソンはこの出会いを機に、自身が理想とする夢のバー“白い伯爵夫人(ホワイト・カウンテス)”を上海にオープンさせ、彼女を“店の華”として招き入れるが、ふたりの関係は、決して私生活まで足を踏み入れることはなかった。そんなある日、突如として日本軍の上海侵攻が始まり、“白い伯爵夫人”や彼らの生活にも戦火が忍び寄る。
その状況の中で、互いの存在の重要さに気がついたソフィアとジャクソン。果たして、ふたりが新たに見つめる希望のゆくえとは…?!
10/28(土)、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー
『日の名残り』のブッカー賞作家“カズオ・イシグロ”書きおろしの脚本と、名匠ジェームズ・アイヴォリーが再びタッグを組んで描く壮大な大河ロマン
映画史に残る名作『日の名残り』から13年。その原作者カズオ・イシグロが、本作の脚本を担当。彼が書きあげたのは、華麗にして悲劇的な愛の物語で、第二次世界大戦前夜、混沌とした上海の租界地区で日本人ビジネスマンとして働いた祖父の人生からインスパイアされたという。傾城の街で出逢った男女の波乱に満ちた運命は、イシグロならではの気品高い滅びの美学に貫かれている。
それをゴージャスな映像美でカメラに収めたのは、『花様年華』『2046』などウォン・カーウァイとのコラボレーションで知られる才人クリストファー・ドイル。本作は、マーチャント・アイヴォリー映画の最終作としても欧米のマスコミから大きな注目で迎えられた。
盲目の元アメリカ人外交官ジャクソンを演じるのは、『イングリッシュ・ペイシェント』『ナイロビの蜂』のレイフ・ファインズ。そんな彼から“理想の人”と認められ、クラブ“白い伯爵夫人”を象徴する美貌のロシア人伯爵夫人ソフィアに、『ネル』『チェルシーホテル』のナターシャ・リチャードソン。絶望と諦めの日々を過ごしていたふたりが、思いがけない出逢いによって互いの殻を破り、もういちど愛の炎を燃やすまでの葛藤を、静かだが情感あふれる繊細な演技によって体現している。
また、もうひとりの重要な役どころとして、謎めいた日本人青年マツダに、『ラストサムライ』『PROMISE』と国際的にも高い評価を獲得する真田広之。ジャクソンに対して秘かな憧れを抱きながらも、時代の必然性から情熱と感性を分かちあった友情を裏切ることになる悲哀を毅然と演じ、戦前の日本人を彷彿させる男の美学が観るものの心を奪う。
(C)Merchant Ivory Productions/WISEPOLICY and TOHO-TOWA
【上海の伯爵夫人公式サイト】