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「グレムリン」
酷暑の影響で秋がないぜと思っていたら、あれよあれよという間に12月ですよ。
師走の最大イベントといえばクリスマスで、渋谷の街で男女が出会ってスベって転んだとか、そんなチンケな恋愛映画も悪くないし、ビリー・ボブ・ソーントンの『バッドサンタ』も捨てがたいが、今回はクリスマスにまつわる僕の想い出の作品を……。
で、それが『グレムリン』というわけで。今から23年前、1984年のクリスマスに公開された映画で、物語の舞台もクリスマスのとある田舎町。プレゼントとしてとある一家に買われてきた不思議だけど可愛らしい小動物が、飼うにあたっての3カ条を破ってしまったことから凶暴な怪物グレムリンに変身!
まぁ“ハリウッドの壊し屋”(←僕が勝手にそう呼んでいるだけ)スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮らしく、クリスマスがメチャクチャになってしまう内容だが……。
当時映画館で買ったパンフレットも大切に保存してあるほど想い入れは強い!
84年の公開当時、リアルタイムで観たときは小学生だったので、すべての知識はもちろん後付けなのだが、頭の片隅に感覚的な記憶の断片が残っていて、それらを現在なら活字でそれなりに説明できる。
ああ、なんという幸せ! ヒロイン、フィービー・ケイツのピュアなお姉さんの魅力、後に『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)を撮ることになる才人・クリス・コロンバスの子どもにも優しい脚本、そして何よりも刺激的だったのは、作曲家ジェリー・ゴールドスミスによる心拍数あがりまくりのけたたましいスコア。一度聴いたら、絶対に忘れない旋律!
余談だが、主演のザック・ギャリガンは本シリーズ以外では日本では馴染みが薄く、僕はしばらく同年公開の『ポリスアカデミー』(84)の主演、スティーヴ・グッテンバーグと混同していた。子どもの頃ですよ。
ちなみに監督は、ジョー・ダンテ。後に続編『グレムリン2/新・種・誕・生』(90)も撮るが、シリーズ映画が必ずと言っていいほど陥ってしまうお約束を破り、続編のほうが傑出している(多分に個人的見解)という快挙を成し遂げたスゴ腕の持ち主だ。この原稿を書くまで、その冗談のような名前を忘れていたほどだが、近頃はTV界に仕事の場を移してしまったようで、寂しい限り。が、僕はこの『グレムリン』を23年前に観たっきりだ。
楽しかった想い出の中で美化している可能性も。ここは勇気を出して自分へのクリスマス・プレゼントにするかな……。
TEXT BY 鴇田崇
【著者プロフィール】
総合映画情報サイト「映画生活」の編集を経て、フリーのライター/エディター/WEBプロデューサーに。WEB…「Yahoo!映画」、「シネマトゥデイ」、「映画生活」、雑誌…「この映画がすごい!」、「Newtype」などで執筆中。映画の趣味はミーハーで特段の深い愛情もないが、『シベリア超特急』に象徴される、とりとめのない娯楽を好む。
2007年12月11日 15:44
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