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「グッドフェローズ」

エンターテインメント界最大の祭典――と言ったら言い過ぎかも知れないが、アメリカ映画界最大の祭典、アカデミー賞の季節が到来! 

今年で第80回を迎える伝統と歴史あるイベントにちなみ、今月はアカデミー賞関連の作品をご紹介。ショップの店頭にはハデなPOPも並ぶので、2月24日の発表に向けて気分も高揚してくるモノだ。



グッドフェローズ スペシャル・エディション

 というわけで今回ご紹介するのは、1990年に公開された映画が対象となった第63回アカデミー賞で、助演男優賞を受賞した『グッドフェローズ』。
昨年の『ディパーテッド』で悲願の受賞となったマーティン・スコセッシ監督による傑作ギャング映画で、当時も数部門にノミネートされたものの、助演男優賞以外、見事にスルー。僕はTVで授賞式を観ていて、確実に獲ると思っていただけにショックだったのを覚えている。この年はケヴィン・コスナーの『ダンス・ウィズ・ウルブズ』がブイブイ言わせた年として、ファンには記憶されていることだろう。

『グッドフェローズ』で助演男優賞に輝いたのは、レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロらとともにギャングを演じたジョー・ペシ。日本では『ホーム・アローン』(90)の泥棒役が有名かも知れない小柄の俳優で、『グッドフェローズ』では気性の激しい短気なギャングを独特の存在感で演じ切った。

スコセッシ監督はギャングに対する従来のアプローチではなく、彼らの日常をリアルに追求することでマフィアの生態や本質を暴き出したのだが、ペシはそのリクエストを見事に体現。“いそうでいない”の逆の演技が助演男優賞に繋がったと僕は思う。

授賞式といえば、受賞者のスピーチもお楽しみだが、ペシのそれはとても短いものだった。それは、デ・ニーロ、スコセッシに見出されるまで苦労を重ねてきた彼が感極まって言葉に詰まった瞬間で、非常に感動的だった。

じつは毎年仕事で主要6部門(作品賞・主演男優賞・主演女優賞・監督賞・助演男優賞・助演女優賞)の受賞予想をしているのだが、これが毎回当たらぬため、個人的にはどうでもよくなっている賞レースではある(それでも去年は半分当てた!)。次回の原稿が受賞後になるため、一応ここで上記の順番で予想しておくと、『ノーカントリー』、ジョニー・デップ、マリオン・コティヤール、ジョエル&イーサン・コーエン、ハビエル・バルデム、ケイト・ブランシェットが僕の見解。今年は混戦の様相を呈しているので、果たして結果はどうなるか……。


TEXT BY 鴇田崇

【著者プロフィール】
総合映画情報サイト「映画生活」の編集を経て、フリーのライター/エディター/WEBプロデューサーに。WEB…「Yahoo!映画」「シネマトゥデイ」「映画生活」、、雑誌…「この映画がすごい!」、「Newtype」などで執筆中。映画の趣味はミーハーで特段の深い愛情もないが、『シベリア超特急』に象徴される、とりとめのない娯楽を好む。

2008年02月12日 15:33

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