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「ブラス!」
5/30(土)より路上で暮らす実在の音楽家の物語を映画化した
『路上のソリスト』が公開になります。
音楽を題材にした素晴らしい映画は数多く存在しますが、
今回ご紹介するのは、こちらも実在のブラスバンドと
実話を元にした、ヒューマンドラマです。
ということで、おすすめするDVDは『トレイン・スポッティング』の
ユアン・マクレガー主演「ブラス!」。
小さな炭坑の町で結成されたブラスバンドが
炭鉱の閉鎖騒動をきっかけに、音楽の素晴らしさ・生きることの
大切さを教えてくれる感動作。
イギリス人監督マーク・ハーマン渾身の一作です。
1992年。イングランド北部ヨークシャー地方、炭坑の町グリムリー。
この小さな町に炭坑閉鎖問題が持ち上がります。
町の人々は動揺し、結成100年の伝統を誇る名門ブラスバンド
「グリムリー・コリアリー・バンド」も、団員の生活の苦しくなり、
解散の危機を迎えていました。
そんな時、この町にグロリアという女性がやって来ます。
彼女はこの町の出身で、バンドメンバーの一人であるアンディの幼なじみ。
グロリアはフリューゲル・ホーン持参でバンドの練習場に現れ、
難曲の「アランフェス協奏曲」のソロパートを見事演奏してみせます。
彼女の演奏に感動したメンバーは彼女をメンバーに迎えいれ、
全英選手権での優勝を狙います。
バンドは新しいメンバーを迎えたことで活気づき、アンディとグロリアの関係も
親密なものになっていきます。しかし、グロリアが実は会社側が炭坑の調査に
呼んだ人間だと知り、リーダー兼指揮者のダニーは彼女を冷たくあしらい、
アンディとの関係もこじれていくことに。
様々な問題を抱えながらも迎えた全英選手権の日。
決勝進出を決めて帰ってきた彼らを待っていたのは、
炭鉱の閉鎖決定という知らせでした…。
この物語は、炭鉱の町グライムソープに実在する
「グライムソープ・コリアリー・バンド」の実話が元になっています。
1992年、炭鉱閉鎖が決まった時に彼らは全英ブラスバンド選手権に出場し、
これまでにない素晴らしい演奏をみせ、見事優勝を勝ち取りました。
『路上のソリスト』ではベートーヴェンの名曲の数々が登場し、
ジェイミー・フォックス演じるナサニエルが素晴らしい音色を響かせますが、
「ブラス!」にもクラシックの名曲が数多く登場します。
「ダニー・ボーイ」」「ウィリアム・テル 序曲」など有名な曲が多く使われていますが、
その中でもラストで演奏される「威風堂々」は、炭坑の男たちの地の底からの
叫びような重厚な音が響き、鳥肌が立つほどの迫力があります。
また、『路上のソリスト』のロペスとナサニエルが
音楽家の多くが憧れるダウンタウンのランドマーク的スポット、
ウォルト・ディズニー・コンサートホールでオーケストラの演奏を聴き、
感動するエピソードがありますが、
「ブラス!」のバンドメンバーたちはイギリスにある
ヴィクトリア女王の夫・アルバートに捧げられた演劇場
ロイヤル・アルバート・ホールで決勝戦に臨みました。
彼らの表情を見ていると、素晴らしいホールで音楽が聴けること、演奏できることは、
音楽を愛する者にとって夢であり、とても幸福なことだと感じさせられます。
失業問題、そこに暮らす人々の人間模様など現代社会にも通ずるテーマも盛り込まれ、
観た後に生きることの大切さついて考えさせられる作品です。
『路上のソリスト』を観て感動した方は、ぜひこの「ブラス!」もお楽しみください!
2009年05月29日 14:05
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