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来るところまで来た?ビッグ・ブラザー2006

「低俗」「見る気がしない」と常識的な視聴者から、さんざんな(当然?)評価を受けているビッグ・ブラザー。シリーズ最悪のメンバーが集まった、といわれる今回のビッグ・ブラザーだが、過去のシリーズ同様それなりの視聴者を集めているようだ。

悪評高き、元祖リアリティショー

 シリーズ7回目を迎えるビッグ・ブラザー (略してBB)は、この季節の風物詩ともいえる、世界的に悪評の高いリアリティショーである。元々はアメリカで始まった番組らしいが、いまやイギリスやオーストラリア、オランダ、フランスなど欧州各国版のBBが放映されている。

 番組の内容は極めて単純で、一般公募で集まった素人男女十数人が監視カメラのある家で共同生活をするというもの。そして、その監視映像をみた視聴者が「あいつはヤな感じ」「性格悪い」「つまんない」など好き勝手な理由でひとりを選び出し、部屋から退去させていく。この番組は約2カ月の間、常時放送され、最終的にハウスに残ったひとりには、一躍有名人になるのはもちろん、多額の賞金が手に入るのである。

 「何でもいいから有名になりたい!」そんな理由から出演希望者が後を立たないらしいBBだが、今年のハウスメイト(出演者)のなかには、何度も応募し続け、ついに出演がかなった者もいるらしい。

 そんなに有名になりたいのなら、芝居を勉強してみるとか芸を磨いてみるとか、地道な努力をするという手もあるはずだが、彼らの頭の中に日本の芸人さんのような「小さいことからコツコツと…」という言葉はないのである。

 「とにかく目立っておこう」精神に蝕まれた彼らは、俗悪であることに命をかけているかのようだ。無意味に露出度の高い、またはアホな洋服を着、Fワードの連発し、いちおう禁止されているハウス内でのセックスをこっそり…。しかし、オーストラリア版では、ハウスメイト間の性的な嫌がらせが放送コードに触れるなどで、放送の継続が政府で検討されているとか。

 ある程度の過激さはご愛嬌だが、濃い味付けの食事を続ければ味覚が麻痺していくように、モラルも麻痺していくのではないだろうか。

 とはいえ、万が一、最後までハウスに残れたら(そこまで残れなくても視聴者にアピールできたら)、彼らの人生は一瞬にして別のものになる。昨年、イギリスの都心部在住の3000人を対象に行われた「クールなイギリス人は誰か?」というアンケートには、その前年のフィナリストで元男性(今は女性)のナディアが堂々のベスト10入り。

 良くも悪くも優勝者は(しばらくは)TVや雑誌で引っ張りだこだし、過去には自伝を出版した出演者もいる(それなりに売れたらしい)。昨年のセミ・ファイナリストが「地方議員に立候補した」と話がちょっとしたニュースになるほどで、露出度の高さは本式セレブに引けを取らない。


“有名である”ことが不当に評価される現代、せつな主義の彼らを止めるものは、何もないのである。  とはいえ、お祭り騒ぎの「面白ければいい」リアリティTVに、視聴者が食傷気味なのも確か。毎年、今年で終わり、とウワサされるBB2006、来年はさて、どうなることやら。


TEXT BY シラヤナギリカ

2006年07月11日 19:19

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