« 景気のよさも一長一短? 変わっていくイギリス映画1 | メイン | 英国アカデミー、BAFTA アワード開催 »
イギリス女優の底力? オスカーに3女優がノミネート
今回からライターのシラヤナギさんがコラム担当に復帰しました。シラヤナギさんは昨年12月30日、女の子を出産されました。おめでとうございます!!<eigafan編集部>2月末のオスカーに向けて、ノミネート作品や俳優が発表された。今回は、イギリス女優勢がノミネートされたせいか、英国内での注目度もアップ。さて、どうなるか?
まるでそっくりさん!?『The Queen』を演じたヘレン・ミレン
ここのところ、あまり印象深い作品の少なかったイギリス映画だが、今年は要注目? 英国女優が主演女優賞候補に選ばれ、久々のよいニュースに話題が集まった。
オスカーの常連、メリル・ストリープやペネロペと賞を争うことになったのは、ケイト・ウィンスレット、ジュディ・ディンチ、ヘレン・ミランの3人。なかでも注目だったのが、今年の夏に公開された「THE QUEEN」でエリザベス女王を演じたヘレン・ミラン。これまでにも何度かオスカーにノミネートされているヘレン・ミランだが、昨年のベネチア国際映画祭女優賞に続く、受賞なるか?
この国の人々はともかく、女王の映画がどれくらい世界的な興味をそそるものなのかわからなかったが、オーストラリアやニュージーランドのみならず、結構な好評価のようで、国内でも期待を集めているようだ。
映画は10年前、ダイアナ元英皇太子妃がパリで自動車事故で亡くなった直後から始まり、その当時の王室に起こった衝撃や苦悩が描かれている。10年経った今でも、ダイアナ関連のTVドキュメンタリーが放映されたり、事故の原因についての新情報が新聞記事になったり。ダイアナの恋人のお父さん(ハロッズ・オーナー)が王室批判したりと、国内のダイアナ・ゴシップはもはやメディアの定番記事だ。映画ポスターを駅の構内で見かけたときはヘレン・ミランのなりきりぶりも驚きだったが、「ついに映画にまで…」とちょっとびっくりしたものだ。
歴史というには日が浅い衝撃的なニュースをモチーフにしているだけに、その評価は微妙だと思われたが、ヘレン・ミランの熱演への評価は高く、今回のノミネートに結びついたようだ。ヘレンは、ノミネートされたことに「とても光栄です」と笑顔で答えつつ、実在の人物(しかも現存で、誰もが知っている)の人物を演じたことを、「(女王を)演じるのはとても難しかった」としながら「私が演じたことで、ポンド札に印刷された女王ではなく、女性として、人としての彼女を感情を伝えられたらよいけれど」と語った。
『リトル・チルドレン』を最後に休業のウワサもあるケイト・ウィンスレット、BAFTAの常連で今回は『Notes on a Scandal』でノミネートされたジュディ・ディンチも候補に入っている。とくにジュディ・リンチは、初のノミネートだけにその行方が気になるところ。3人のうち、誰が受賞しても盛り上がること間違いナシ、今年はイギリスにいながらも、これまで以上に2月25日の発表が楽しみだ。
ノミネート作品リストはこちら
TEXT BY シラヤナギリカ
2007年01月30日 12:08
この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/500
毎月第2,4火曜日更新