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毎度お騒がせのリアリティショー ビッグブラザーが社会問題に

 一般視聴者が参加する、リアリティショーの人気はいまだ衰えることを知らず…。そういったショーのなかでも特に「くだらん!」との悪評が高い「ビッグブラザー」で政治を動かす大問題が勃発!

ボリウッドスターへの差別発言で苦情が3万件!
 
 大人気リアリティショーのビッグブラザーは、数名の一般人を外の世界とは隔離されたひとつ屋根の下で生活させ、その様子を監視カメラで観察する、という番組。監視映像を見た視聴者が毎週ひとりずつ「こいつ、気にいらん!」という人物を投票、最後まで残った人物が優勝するというたわいのない内容である。問題となった今回のビッグブラザーは、いわゆるセレビレティ・ビッグブラザーで、そこそこに有名人(といってもB級だったり、落ち目だったりする、ちょっとおバカなタレント)を集めた有名人バージョンだった。

 苦情の元になったのは、ハウスメイト(ショーに参加している人たちの総称)間のいじめで、美人でいい階級出身のインド人女優シルバ・シエティーに対して、他の女性参加者が差別的発言をした、というもの。その内容は「インド人はごはんを手で食べるのよね、あれ、それは中国人だったっけ?」と馬鹿にしたとか(彼女の名前を呼ばずに)「インド人さん」と呼んだとか、小学生レベルの幼稚さなのだが、いじめ首謀者のジェイドが執拗にいやみを繰り返したため、視聴者からの苦情が殺到した模様。
 この発言の主であるジェイドは、元々は素人版ビッグブラザーの出演者で、無知さ、おバカっぽさ、育ちの悪さ、で有名になった人物。特に芸もないスキャンダルタレントだけに、「話題がほしい」「キャラを立たせたい」が故の悪乗り、、、だったのかもしれない。

インド首相からも苦言

 人種差別には断固としてNOだけれど、テレビ、新聞などの過熱報道にもちょっと疑問が残るところ。そもそもそこまで大騒ぎするほどのことだったのかどうか。
 たまたま英国の大使がインドに訪問中だったこともあってか、報道が過熱した(BBCのニュースを見て、「BBCでやるくらいだから大問題なんだなぁ」と思った私のように)が、 結局、優勝したのはいじめにあったシルバだったし、ジェイドもすぐに「いじめてごめんなさい」と各タブロイドに平謝りに謝って事なきを得たし、すべては予定調和だったのでは?

ブ゙レア首相の「その番組を見てないから…(でも人種差別には反対だ)」というコメントのように、見てない人にとっては案外、どうでもいい話だった、と、番組が終わった今となっては思えてくるのだ。

 とはいえ、いまや勤勉で優秀なインド系移民の2世、3世に支えられているといってもいい英国社会。移民だが、努力で豊かな暮らしを手に入れたインド系へのやっかみもあるのだろうし、多民族国家になりつつあるイギリスのシリアスな面がおふざけ番組にも現れてきたのかも。

 ところで、私が気になったのは、このボリウッドスターのフィルムをまったく見たことがない、という点。どんなものに出ているのか、ボリウッドに詳しい方、教えて欲しい!


TEXT BY シラヤナギリカ

2007年03月01日 13:01

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