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RENTからOWNへ メジャー作品のオンライン販売、VODの救世主なるか?
海賊版などの著作権問題に対応するために開始され、飛躍的に普及した映画のオンライン配信サービスがさらに一歩前進する。
配信サービス大手Movielinkは、今週から「ブロークバック・マウンテン」、「キング・コング」など、2005年の話題をさらったメジャー作品のオンライン販売を開始した。最新のヒット作品がDVDと同時期にオンラインに出回ることは、従来の配信サービスではありえなかった試みである。この新サービスに乗り出したMovielinkは、ワーナー・ブラザーズ、ユニバーサル・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ、21世紀フォックス、MGMら大手スタジオらが共同で運営するVOD(ビデオ・オン・デマンド)サイト。デジタル・ハリウッド業界をリードする同社に続き、競合会社Cinemanowもライオンズゲートや独立系映画スタジオとタッグを組み、同内容のサービスを検討している。これでウォルト・ディズニー以外、全ての大手スタジオのオンライン参戦が明らかになった。
これまでの配信サービスは、いわゆるペイ・パー・ビュー方式で、PCに作品をダウンロードしてから24時間以内と鑑賞期間が制限されていた。一方、販売サービスでは文字通り、視聴者は購入した作品を保存し、無期限で何度でも鑑賞することができるようになる。しかし、配信サービスが新作1本4~5ドルだったのに対し、販売サービスでは20~30ドルとDVDよりも高めの価格が設定されている。自宅PCで購入した場合の手軽さとスピードに対する付加価値なのかもしれないが、ダウンロードに要する時間はブロードバンド接続でも1~2時間。DVD版にあるようなスペシャル・フィーチャーも含まず、作品のみの単価にしては高すぎるという声が早くも囁かれている。
販売サービスは、どうせ違法でダウンロードされるんだし~という開き直った価格帯以外にも、まだ多くの難を残している。購入した作品はPC以外のAV機器で鑑賞することができないのだ。バックアップ用にDVDへ書き込むことは可能だが、特殊なコピー防止信号が刻まれるため他のDVDプレイヤーでの再生は不可になる。マイクロソフト社のメディアセンターPC利用者ならTVと接続してストリームすることが可能だが、一般のユーザーはPCで我慢ね、というのが当サービスの現状だ。
違法コピー問題に対処した新サービスをうたっているにしては、ユーザーのメリットが少なすぎるのではないか。違法コピー作品は、画質が低クオリティーの場合が多く当たり外れもあるが、ほとんどのメジャー作品はDVD販売と同時にファイル交換ソフト上に出回っている。もちろん、コピーもできるしDVDプレイヤーでの再生も可能だ。違法ダウンロードユーザーには最高15万ドルの罰金が課せられるが、宝くじに当たるほどの確率では、違法コピー歯止めにならない。まじめに合法購入を考えるユーザーが損をするような内容に残された課題は多い。
配信サービス大手Movielinkは、今週から「ブロークバック・マウンテン」、「キング・コング」など、2005年の話題をさらったメジャー作品のオンライン販売を開始した。最新のヒット作品がDVDと同時期にオンラインに出回ることは、従来の配信サービスではありえなかった試みである。この新サービスに乗り出したMovielinkは、ワーナー・ブラザーズ、ユニバーサル・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ、21世紀フォックス、MGMら大手スタジオらが共同で運営するVOD(ビデオ・オン・デマンド)サイト。デジタル・ハリウッド業界をリードする同社に続き、競合会社Cinemanowもライオンズゲートや独立系映画スタジオとタッグを組み、同内容のサービスを検討している。これでウォルト・ディズニー以外、全ての大手スタジオのオンライン参戦が明らかになった。
これまでの配信サービスは、いわゆるペイ・パー・ビュー方式で、PCに作品をダウンロードしてから24時間以内と鑑賞期間が制限されていた。一方、販売サービスでは文字通り、視聴者は購入した作品を保存し、無期限で何度でも鑑賞することができるようになる。しかし、配信サービスが新作1本4~5ドルだったのに対し、販売サービスでは20~30ドルとDVDよりも高めの価格が設定されている。自宅PCで購入した場合の手軽さとスピードに対する付加価値なのかもしれないが、ダウンロードに要する時間はブロードバンド接続でも1~2時間。DVD版にあるようなスペシャル・フィーチャーも含まず、作品のみの単価にしては高すぎるという声が早くも囁かれている。
販売サービスは、どうせ違法でダウンロードされるんだし~という開き直った価格帯以外にも、まだ多くの難を残している。購入した作品はPC以外のAV機器で鑑賞することができないのだ。バックアップ用にDVDへ書き込むことは可能だが、特殊なコピー防止信号が刻まれるため他のDVDプレイヤーでの再生は不可になる。マイクロソフト社のメディアセンターPC利用者ならTVと接続してストリームすることが可能だが、一般のユーザーはPCで我慢ね、というのが当サービスの現状だ。
違法コピー問題に対処した新サービスをうたっているにしては、ユーザーのメリットが少なすぎるのではないか。違法コピー作品は、画質が低クオリティーの場合が多く当たり外れもあるが、ほとんどのメジャー作品はDVD販売と同時にファイル交換ソフト上に出回っている。もちろん、コピーもできるしDVDプレイヤーでの再生も可能だ。違法ダウンロードユーザーには最高15万ドルの罰金が課せられるが、宝くじに当たるほどの確率では、違法コピー歯止めにならない。まじめに合法購入を考えるユーザーが損をするような内容に残された課題は多い。
2006年04月07日 14:38
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