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第58回エミー賞・「あの」ドラマに栄冠!

去る8月27日、毎年多くのファンが釘付けとなるアメリカTVの祭典、エミー賞授賞式が開催されました。会場となったのはロサンゼルスで今、最もオシャレスポットが集まるジェファーソン通りに面したShrine Auditorium。以前にMTVアワードなども行われた大講堂です。歌ありダンスありコントありの一大イベントは、NBCで放映されました。エミー賞での司会はこれが2度目となる、コメディアンのコナン・オブライエンもかなりノリノリで、彼のパフォーマンスと司会進行は会場を大爆笑の渦に包みました。

最優秀賞に選ばれたのは、ドラマ部門に日本でもお馴染みの「24 」(Fox)。シーズン開始以来、ノミネートはされるものの授賞は逃し続けてきた本作も、第5シーズンにして初の受賞となりました。更に、最優秀主演男優賞にも「24」より、バウアー捜査官ことキーファー・サザーランドが選ばれています。ダブル受賞の快挙に、「誰しもに特別な夜が訪れるのなら、私にとっては今夜がその夜」とコメントしています。”Finally!”=「とうとうやった!」という言葉がピッタリの輝かしい栄冠はこのベテラン俳優が持ち帰ることとなりました。

コメディ部門には、前評判の高かった「Two and a Half Men」(CBS)や「Arrested Development」(Fox)を押し退け、ダークホース的存在の「The Office」(NBC)が受賞。アメリカのオフィスワーカーの日常をコミカルに描いたこのコメディは、もともとイギリスで放映されていた人気番組で、アメリカ版に改作するのは難しいのでは?などと囁かれていましたが、そんな懸念も何のその。堂々の初受賞となりました。第2シリーズよりiTunesでのダウンロードを開始し、iPodでいつでもどこでも鑑賞を可能にしたことも功を奏したのではないでしょうか。

一方、昨年度の話題をさらい、本年度も引き続きファンを増やし続けている大人気ドラマ、若きインターン達の日々を描いた「Grey’s Anatomy」(ABC)や「House」(Fox)、リアリティー・ショーの「American Idol」(Fox)は各々11部門にノミネートされていましたが、主要部門の受賞はならず。今年で放映終了となる人気番組「Will & Grace」(NBC)と「Huff」(Showtime)は、最優秀コメディ助演女優賞と最優秀ドラマ助演女優賞を、揃ってメーガン・ミュラリーとブライス・ダナーが受賞しています。

更に、各受賞者・受賞作品の発表に加え、今年の始めに逝去されたアメリカテレビ界の重鎮、名プロデューサーとして知られるアーロン・スペリング氏を偲んだ特別コーナーが設けられました。日本では、「ビバリーヒルズ高校白書」のドナ役でお馴染みとなった女優トリ・スペリングの父親として有名かもしれません。氏のプロデュース作品である元祖テレビ版「チャーリーズ・エンジェル」の主演女優達、ケイト・ジャクソン、ファラ・フォーセット、ジャクリーン・スミスが揃って舞台に登場。懐かしの面々が会場を盛り上げる中、スペリング氏の長年の功績を称え冥福を祈りました。

新作と旧作が入り混じる、波乱の接戦となった第58回エミー賞。納得の受賞もあれば、下馬評を覆す結果もあり、テレビの前で大騒ぎしたファンも多かったようです。エミー賞の裏番組として大作映画が放映されたこともあり、視聴者数は前年比で14%落ち込んだそうですが、それでも1610万人もの人々が見守った2006年度のエミー賞。詳しい全受賞結果は下記のサイトでご覧下さい。そこから来年の受賞作品を予想するのも、また一興かもしれません。

エミー賞・全受賞結果

TEXT BY アベマリコ

2006年08月31日 15:57

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