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続!ゴールデン・グローブ賞の見どころ マニアック版
あけましておめでとうございます。皆様にとって、昨年はどのような年でしたでしょうか?良い一年だったなあ、という方も、う~んイマイチ、という方も、2007年が素晴らしい年でありますようお祈りします。それでは前回に引き続き、目前に迫ったゴールデン・グローブ賞のお伝えし切れなかったノミネート者・作品達と見どころをレポートしていきます。
まず、映画部門の中でも最も気になるひとつ、最優秀監督賞には”Flags of Our Fathers”(邦題:父親達の星条旗)と”Letters from Iwo Jima”(邦題:硫黄島からの手紙)でダブルノミネートを果たしたクリント・イーストウッド、”The Queen”(邦題:クイーン)のステファン・フレアーズ、”Babel”(邦題:バベル)のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、”The Departed”(邦題:ディパーテッド)のマーティン・スコセッシがノミネート。どれも人気作品で、甲乙付け難い選出となっていますが、全米ではまだ限定公開中の「硫黄島からの手紙」が様々な賞にノミネート、あるいは獲得をしており、最も注目される作品と言えるでしょう。筆者も、スタジオで行われた上映会にお邪魔することが出来たのですが、映像・ストーリー・人間描写、そして低予算・全編日本語のハンディを乗り越えたクオリティは、どれを取っても候補作品としての資格十分です。
さて、TV部門のノミネートに目を転じてみましょう。最優秀TVシリーズ賞・ドラマ部門に”24” (Fox)、”Big Love”(HBO)、”Grey’s Anatomy” (ABC)、”Heroes” (NBC)、”Lost” (ABC)がノミネート。日本でも大人気の「24」と「Lost」ですが、ここでの注目作品は「Heroes」でしょう。本年度9月より始まったこの新ドラマは、ごく普通の人々がフツーじゃない能力を突然身に着けてしまう…といったかなりユニークなお話。今年スタートのドラマの中でも、かなり人気となっている作品。毎週見どころ満載のこのシリーズは、学校でも評判でした。本年度のエミー賞をさらった「24」が来るか、毎週木曜日はこれ!という程に人気の「Gray’s Anatomy」が来るか、それとも新参者の「Heroes」が来るか、注目のカテゴリーとなっています。
最優秀女優賞・ドラマ部門には”Medium” (NBC)のパトリシア・アークエット、”The Sopranos” (HBO)のエディー・ファルコ、”Lost” (ABC)のエヴァンジェリーネ・リリー、”Grey’s Anatomy” (ABC)のエレン・ポンペオ、”The Closer” (TNT)のキーラ・セドグウィックが選ばれています。映画「トュルー・ロマンス(1994)」でアラバマ役の好演が光ったアークェットが「死体と会話し、未来を予測できる女性」に扮したことも注目ですが、LA警察の女性刑事に扮したセドグウィックのスマートな演技、そして人気シリーズでの地位を確立しているポンペオにも期待が寄せられます。
最優秀男優賞・ドラマ部門に”Grey’s Anatomy” (ABC)のパトリック・デンプシー、”Dexter” (Showtime)のマイケル・C・ホール、”House” (Fox)のヒュー・ラウリー、”Big Love” (HBO)のビル・パクストン、そして”24”(Fox)のキファー・サザーランドがノミネートされています。今年最もセクシーな俳優に選ばれたデンプシー、伝説的な人気ドラマ「Six Feet Under」でゲイの葬儀屋の息子を演じて人気を博していたホール、更には日本でもお馴染みのサザーランドが競い合うこのカテゴリー、結果が気になります。
そして、最優秀TVシリーズ賞・コメディ/ミュージカル部門には”Desperate House Wives” (ABC)、”Entourage” (HBO)、”The Office” (NBC)、”Ugly Betty” (ABC)、”Weeds” (Showtime)がノミネート。中でも注目されているのは日本でも人気となっている「Desperate House Wives」や、性別・年齢問わずファンの多いのブラック・コメディ「The Office」ですが、筆者が最も気になっているのが「Ugly Betty」。以前にもご紹介した、NYのファッション雑誌界で「醜いアヒルの子」のように奮闘するベティーを描いたこの作品は、キャラクター設定や一話一話の展開がコミカル且つお見事。主演のアメリカ・フェレラは最優秀女優賞・コメディ/ミュージカル部門にもノミネートされる演技を見せており、本年度の新作ドラマのうち、最も視聴率を取ったドラマであるのも納得。プロフェッショナル達が活躍する撮影風景を見学に行けた!という筆者の個人的思い入れもある為、絶対に取って欲しい作品です。
そして、今回のゴールデン・グローブ賞に「バベル」の菊池凛子さんが最優秀助演女優賞・ドラマ映画部門にノミネートされていることは前回ご紹介しましたが、もうひとりノミネートされている日本人がいるのはご存知でしょうか?前述の人気SFドラマ”Heroes” (NBC)の登場人物のひとり、ヒロ・ナカムラことマーシー・オカさん。最優秀助演男優・TVシリーズに選ばれています。オカさんは、東京生まれのLA育ち。日本語・英語・スペイン語を操り、俳優業と合わせてCGアーティストとしても活躍するユニークな経歴の持ち主です。「Heroes」の中では、突然「時間を止められる能力」を身に付ける役柄ですが、そのコミカルなオタクキャラも見どころ。今後は更に重要なポジションへと進出していくようなので、彼の人気にもますます拍車がかかりそう。菊池さんと合わせて、オカさんも応援したいと思います。
今年のTV部門のノミネート作品を見ると、今のアメリカの流行が見えてきます。「Heroes」や「Medium」などの超能力もの、「24」や「Dexter」、「The Closer」などの警察ものが人気の様子。こういった中で、他を圧倒する個性を発揮し、ゴールデン・グローブ賞の栄冠が輝くのはどの番組・俳優陣になるのか?来たる1月15日が、かなり楽しみです。日本ではまだ放映されていないTVシリーズも、いくつかはホームページ上で視聴可能。この冬休みに、雰囲気だけでもご覧になってみてはいかがでしょうか?今後、日本のお茶の間にも登場しそうな、アメリカンドラマを先取り予想するのも、なかなか面白いかもしれません。
今回は、本年度最後のコラムでした。来年も、様々なカテゴリーの気になるニュースをお伝えしていきたと思いますので、よろしくお願いします。それでは皆様、ステキな年越しをお迎えください。Happy New Year!!!
TEXT BY アベマリコ
まず、映画部門の中でも最も気になるひとつ、最優秀監督賞には”Flags of Our Fathers”(邦題:父親達の星条旗)と”Letters from Iwo Jima”(邦題:硫黄島からの手紙)でダブルノミネートを果たしたクリント・イーストウッド、”The Queen”(邦題:クイーン)のステファン・フレアーズ、”Babel”(邦題:バベル)のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、”The Departed”(邦題:ディパーテッド)のマーティン・スコセッシがノミネート。どれも人気作品で、甲乙付け難い選出となっていますが、全米ではまだ限定公開中の「硫黄島からの手紙」が様々な賞にノミネート、あるいは獲得をしており、最も注目される作品と言えるでしょう。筆者も、スタジオで行われた上映会にお邪魔することが出来たのですが、映像・ストーリー・人間描写、そして低予算・全編日本語のハンディを乗り越えたクオリティは、どれを取っても候補作品としての資格十分です。
さて、TV部門のノミネートに目を転じてみましょう。最優秀TVシリーズ賞・ドラマ部門に”24” (Fox)、”Big Love”(HBO)、”Grey’s Anatomy” (ABC)、”Heroes” (NBC)、”Lost” (ABC)がノミネート。日本でも大人気の「24」と「Lost」ですが、ここでの注目作品は「Heroes」でしょう。本年度9月より始まったこの新ドラマは、ごく普通の人々がフツーじゃない能力を突然身に着けてしまう…といったかなりユニークなお話。今年スタートのドラマの中でも、かなり人気となっている作品。毎週見どころ満載のこのシリーズは、学校でも評判でした。本年度のエミー賞をさらった「24」が来るか、毎週木曜日はこれ!という程に人気の「Gray’s Anatomy」が来るか、それとも新参者の「Heroes」が来るか、注目のカテゴリーとなっています。
最優秀女優賞・ドラマ部門には”Medium” (NBC)のパトリシア・アークエット、”The Sopranos” (HBO)のエディー・ファルコ、”Lost” (ABC)のエヴァンジェリーネ・リリー、”Grey’s Anatomy” (ABC)のエレン・ポンペオ、”The Closer” (TNT)のキーラ・セドグウィックが選ばれています。映画「トュルー・ロマンス(1994)」でアラバマ役の好演が光ったアークェットが「死体と会話し、未来を予測できる女性」に扮したことも注目ですが、LA警察の女性刑事に扮したセドグウィックのスマートな演技、そして人気シリーズでの地位を確立しているポンペオにも期待が寄せられます。
最優秀男優賞・ドラマ部門に”Grey’s Anatomy” (ABC)のパトリック・デンプシー、”Dexter” (Showtime)のマイケル・C・ホール、”House” (Fox)のヒュー・ラウリー、”Big Love” (HBO)のビル・パクストン、そして”24”(Fox)のキファー・サザーランドがノミネートされています。今年最もセクシーな俳優に選ばれたデンプシー、伝説的な人気ドラマ「Six Feet Under」でゲイの葬儀屋の息子を演じて人気を博していたホール、更には日本でもお馴染みのサザーランドが競い合うこのカテゴリー、結果が気になります。
そして、最優秀TVシリーズ賞・コメディ/ミュージカル部門には”Desperate House Wives” (ABC)、”Entourage” (HBO)、”The Office” (NBC)、”Ugly Betty” (ABC)、”Weeds” (Showtime)がノミネート。中でも注目されているのは日本でも人気となっている「Desperate House Wives」や、性別・年齢問わずファンの多いのブラック・コメディ「The Office」ですが、筆者が最も気になっているのが「Ugly Betty」。以前にもご紹介した、NYのファッション雑誌界で「醜いアヒルの子」のように奮闘するベティーを描いたこの作品は、キャラクター設定や一話一話の展開がコミカル且つお見事。主演のアメリカ・フェレラは最優秀女優賞・コメディ/ミュージカル部門にもノミネートされる演技を見せており、本年度の新作ドラマのうち、最も視聴率を取ったドラマであるのも納得。プロフェッショナル達が活躍する撮影風景を見学に行けた!という筆者の個人的思い入れもある為、絶対に取って欲しい作品です。
そして、今回のゴールデン・グローブ賞に「バベル」の菊池凛子さんが最優秀助演女優賞・ドラマ映画部門にノミネートされていることは前回ご紹介しましたが、もうひとりノミネートされている日本人がいるのはご存知でしょうか?前述の人気SFドラマ”Heroes” (NBC)の登場人物のひとり、ヒロ・ナカムラことマーシー・オカさん。最優秀助演男優・TVシリーズに選ばれています。オカさんは、東京生まれのLA育ち。日本語・英語・スペイン語を操り、俳優業と合わせてCGアーティストとしても活躍するユニークな経歴の持ち主です。「Heroes」の中では、突然「時間を止められる能力」を身に付ける役柄ですが、そのコミカルなオタクキャラも見どころ。今後は更に重要なポジションへと進出していくようなので、彼の人気にもますます拍車がかかりそう。菊池さんと合わせて、オカさんも応援したいと思います。
今年のTV部門のノミネート作品を見ると、今のアメリカの流行が見えてきます。「Heroes」や「Medium」などの超能力もの、「24」や「Dexter」、「The Closer」などの警察ものが人気の様子。こういった中で、他を圧倒する個性を発揮し、ゴールデン・グローブ賞の栄冠が輝くのはどの番組・俳優陣になるのか?来たる1月15日が、かなり楽しみです。日本ではまだ放映されていないTVシリーズも、いくつかはホームページ上で視聴可能。この冬休みに、雰囲気だけでもご覧になってみてはいかがでしょうか?今後、日本のお茶の間にも登場しそうな、アメリカンドラマを先取り予想するのも、なかなか面白いかもしれません。
今回は、本年度最後のコラムでした。来年も、様々なカテゴリーの気になるニュースをお伝えしていきたと思いますので、よろしくお願いします。それでは皆様、ステキな年越しをお迎えください。Happy New Year!!!
TEXT BY アベマリコ
2007年01月10日 12:10
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