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アカデミー賞目前!結果を大胆予測

先の日曜にNBAロサンゼルス・レイカーズのお膝元、ステイプルズ・センターで開催されたのは、第49回グラミー賞。オスカーを目前にして行われたこの音楽の一大祭典では、女性カントリーグループ、Dixie Chicksが大健闘。主要3部門と言われる最優秀年間レコード賞・年間アルバム賞・年間ソング賞に合わせ、最優秀カントリーアルバム賞とカントリー・パフォーマンス賞の計5部門を制覇しました。他にもレッド・ホット・チリ・ペッパーズやメアリーJ・ブライジ、ジャスティン・ティンバーレイクやクリスティーナ・アギレラなどなど、豪華な顔ぶれによる式典となった模様。で、次にやってくるのが待ちに待ったオスカーです。本年度のアカデミー賞まで残すところ2週間を切り、2月25日に向けてのカウントダウンが始まっています。「…映画ファンも、負けてはいられないっ!」ということで今回は、すぐそこまで迫っているアカデミー賞の候補者をおさらい。プラス、筆者の独断と偏見で結果を占ってしまおうと思います。当たるも八卦、当たらぬも八卦。2月に入ってから、妙にワクワクしている筆者とともに、第79回アカデミー賞を予想してみましょう。

まず、主演男優・主演女優賞の候補者。こちらはともに、各アワードでのレースを総ナメにしているフォレスト・ウィテカー(The Last King of Scotland:原題)とヘレン・ミレン(クイーン:邦題)が手固いでしょう。40代半ばにして「男の渋み」を増してきたウィテカーの重厚な演技。ミレンだからこそ成し得た、エリザベス女王の風格と母親としての横顔。SAG(全米映画俳優組合)会員達も認めたパフォーマンスは、まさに「オスカー」にふさわしいと言えるでしょう。

助演男優賞は、今年のアカデミー賞で最も面白くなりそうなカテゴリーのひとつ。主要部門の中では唯一、ゴールデン・グローブ賞のそれと候補者が異なっています。先のアワードを通し、エディー・マーフィー(ドリームガールズ:邦題)がリードしている観がありますが、筆者が気になるのはアラン・アーキン(リトル・ミス・サンシャイン:邦題)とマーク・ウォルバーグ(ディパーテッド:邦題)。アーキンの滅茶苦茶でありながら深い格言を残すおじいちゃん、ウォルバーグの口も意地も心底悪い刑事は、とにかく見ていて気持ち良いほど。個人的には、ベテラン俳優・アーキンによる壇上スピーチを心待ちにしています。一方の助演女優賞での注目は、ジェニファー・ハドソン(ドリームガールズ:邦題)と菊地凛子さん(バベル:邦題)。全米においてのハドソン人気は絶大ですが、聾唖者という難しい役どころに挑んだ菊地さんに対する評価もかなり高くなっています。同じ世代の日本人女性として、そして今後ますます増えるであろう「外国人俳優」の活躍を願って。筆者は敢えて、菊地さんに1票入れたいと思います。


会場となるコダックシアター
監督賞では、作品賞にノミネートされている5作品のうち、「リトル・ミス・サンシャイン」と”United 93”(邦題:ユナイテッド93)がスイッチ。2001年9月11日に起こった悲劇、アメリカ全土を揺るがしたあの事件を描いた作品がノミネートされました。遺族の多くが協力したこの作品は、ポール・グリーングラス監督の手腕が評判に。その一方で、熱い火花を散らすのがクリント・イーストウッド(硫黄島からの手紙:邦題)V.S. マーティン・スコセッシ(ディパーテッド)。ベテラン監督ふたりの「因縁」の争いにも注目が集まっています。また、若干43歳にしてすでに名匠の仲間入りを果たしたとも言われている「バベル」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督も、もちろん候補のひとり。誰が獲っても納得してしまいそうなこの激戦部門。筆者は、言語・文化、そして予算の壁をも乗り越えて名作を世に送り出した、クリント・イーストウッド監督に期待しています。

そして最後に、作品賞です。「バベル(7部門にノミネート)」「ディパーテッド(5部門)」「硫黄島からの手紙(4部門)」「リトル・ミス・サンシャイン(4部門)」そして「クイーン(6部門)」。これだけ見ても、2006年は映画の当たり年だったと言えるのではないでしょうか?筆者が挙げるトップ3は、最初の3作品。文化や風土の全く異なる三地域を描き出し、観客に厳しい問題提起をする「バベル」。香港が誇る名作「インファナル・アフェア(邦題)」三部作を、ハリウッド屈指の名優達によってリメイクした「ディパーテッド」。戦争下の日本・アメリカ両者を善悪で描かず、人間としての視点から痛烈に戦争批判した「硫黄島からの手紙」。どれも心の奥深くまで響く作品達でしたが、後世に伝えるべき作品だと感じた1本、戦争映画の歴史に一石を投じた「硫黄島からの手紙」の功績を称えたいと思います。

2月25日が待たれるアカデミー賞、候補をざっと振り返りましたがいかがでしたでしょうか?本年度は、最多8部門の候補となっている「ドリームガールズ」が作品賞レースから洩れるなど、なかなかの混戦となっています。更には、日本がらみの作品達も多く登場。今年は特に、皆さんにとって絶対に見逃せないお祭りになるのでは?昨年は監督賞と作品賞が別々(最優秀作品賞「クラッシュ(邦題)」・最優秀監督賞に「ブロークバック・マウンテン(邦題)」よりアン・リー監督)というちょっと珍しい事態になりましたが、今年は誰に、どの作品にオスカーがもたらされるのか?とにもかくにも、待ちきれません!ぜひ下記のアカデミー賞公式ホームページより、詳しい候補をいま一度ご確認ください。今月の最終日曜日に向けて、皆さんも「アカデミー会員」になった気分で、結果を予想してみませんか?

アカデミー賞候補・全リスト


TEXT BY アベマリコ

2007年02月19日 12:12

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