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Happy Oscar!気になるオスカー像の行方は?

待ちに待った、第79回アカデミー賞!去る2月25日、例年通りコダック・シアターにて華やかに開催されました。映画通の皆さんは、もうすでに結果をご存知のはず。TVの前で、固唾を呑んで見守った方々も多いかもしれません。ショーあり、コントあり、特別ゲストも多数招かれた、年に一度の映画の大祭典。それでは早速、気になるオスカーの行方とセレモニーの模様をお伝えします。

喜びのスコセッシ監督
(C)Academy of Motion Picture Arts
    and Sciences

まずはいきなり、メインの最優秀作品賞。ご存知、香港の名作「インファーナル・アフェア」(2002:邦題)をリメイクした”野郎”映画、「ディパーテッド」(邦題)に栄冠。また、最優秀監督賞も、同監督であるマーティン・スコセッシの元へ。昨年の波乱をよそに、監督・作品賞合わせての受賞となりました。「タクシードライバー」(1976:邦題)や「レイジング・ブル」(1980:邦題)、「グッドフェローズ」(1990:邦題)などの名作を送り出して来たスコセッシ監督ですが、今まで一度も最優秀監督賞を獲っていなかったことに驚き。「6度目の正直」なる念願の初受賞です。長年の監督仲間であるフランシス・コッポラ、スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスから受賞をアナウンスされたスコセッシ監督は「もう一度確認してくれないか?」と余裕のジョーク。「多くの人々が何年も、この賞を僕に…と願ってくれてたんだ」と饒舌に語りました。最終的に「ディパーテッド」は、最優秀脚色賞・最優秀編集賞を合わせた計4部門を獲得しました。


主演男優賞のフォレスト・ウィテイカー、感動ものの演説
(C)Academy of Motion Picture Arts
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続いて、最優秀主演男優賞に「The Last King of Scotland」(原題)のフォレスト・ウィテカー。満場一致!とも言える納得の受賞です。昨今は、スピーチを手短に済ませるようアカデミーからお達しが出ているようなのですが、短いながらもパワフルなウィテカーのコメントには強くこみ上げるものが。「子供の頃、映画を観るといったら家族とドライブイン・シアターで、後部座席からだった。僕にとっては映画の中で演じるだなんて非現実的だったけど、今夜この栄誉を受け取ることで、それが可能な事なんだと教わった。テキサス東部で生まれ、サウス・セントラル(ロスの危険地域)で夢を信じ続けて育った子供にも…」オスカーをしっかりと握り締めて壇上を去る、ウィテカーの感無量といった表情が印象的でした。

もう一方の最優秀主演女優賞には、「クイーン」(邦題)のヘレン・ミレン。こちらも、極めて納得の受賞です。それにしても、彼女のスピーチはいつ見ても堂々たるもの。カンニングペーパーを持ち込む受賞者が多い中、真っ直ぐカメラを見つめ、ジョークを交えてのコメントはまさに「女王」の風格そのもの。クリスチャン・ラクロワによるシャンパン・カラーのドレスをまとったミレンは、とてもチャーミングでした。「エリザベス女王は50年以上もの間、彼女の威厳、義務、そしてヘアスタイルを維持して来た。地面にしっかり足を着けて、帽子もしっかり身に着けて、ハンドバッグを小脇に抱えて、幾度も暴風にさらされて来ました。もし彼女がいなかったたら、私は間違いなくここにいないでしょう」ミレンによって高々と掲げられたオスカー像、エリザベス女王もご覧になっていたのでしょうか?

そして、混戦が予想された最優秀助演男優賞。「ドリームガールズ」(邦題)からの強豪、エディ・マーフィーを抑え、筆者一押しの「リトル・ミス・サンシャイン」(邦題)のアラン・アーキンが受賞しました!恐らく、個人的に最も興奮した一瞬だったと思います。恐ろしいまでに毒舌で、ドラッグに手を出すも「俺はもう歳だからいいんだ!」などと言い訳してしまう、強烈なキャラクターのおじいちゃんを演じたアーキン。「何よりも、我々の小さな映画が広く受け入れられたことに、深く感銘を受けました」とコメント。忘れかけられていた家族の絆や無邪気な冒険心、人間の成長を描いたこの作品は、最優秀脚本賞も合わせて獲得しています。未見の方々は是非!

我らが日本代表である菊地凛子さん(「バベル」:邦題)も参戦したカテゴリー、最優秀助演女優賞。ここでは下馬評通り、ジェニファー・ハドソンがオスカー像を持ち帰ることに。「信じられない!受賞するなんて思ってなかった」と涙のスピーチ。「もし祖母がここにいてくれたなら…。彼女が私の最大のインスピレーションです」と締めくくりました。人気TV番組「アメリカン・アイドル」落選を経て、782人の候補者から本作のエフィー役を射止めた彼女。25歳のディーヴァ=歌姫の、今後の活躍が気になります。また、セレモニー内のパフォーマンスもお見事。歌手・女優として先輩に当たるビヨンセ・ノゥルズとの共演はとても華やかでした。最多8部門にノミネートしていた「ドリームガールズ」は、最優秀音響賞と合わせて2冠となっています。

地球まるごとを巻き込んだ、ハリウッドの一大祭典。本年度のアカデミー賞は、歴代で最も国際色に富んだものとなりました。日本では秋の公開が待たれる、メキシコ・スペイン・アメリカ合作の”Pan’s Labyrinth” (邦題:パンズ・ラビリンス)は、最優秀撮影賞・最優秀美術賞・最優秀メイクアップ賞を獲得の大健闘。 日本からも、助演女優賞にノミネートの菊地凛子さん、特殊メイクアップ賞にノミネートした辻一弘さんや、50周年となる外国語作品賞のメモリアル・モンタージュを紹介し、仏大女優のカトリーヌ・ドヌーヴをエスコートして登場の渡辺謙さんが来場。皆さんの笑顔がカメラにキャッチされる度に、筆者もワクワクしてしまいました。個人的な2006年度のナンバー・ワン映画「硫黄島からの手紙」(邦題)は、最優秀音響編集賞を受賞。今後も、日本人俳優や技術者、関連作品が世界にアナウンスされていく期待大です。さて、2007年は果たしてどんな映画が登場するのでしょうか?今後も、EIGAF@N.COMで最新の映画情報をお楽しみ下さい!

オスカー受賞者・全リスト


TEXT BY アベマリコ

2007年03月05日 15:47

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