« Happy Oscar!気になるオスカー像の行方は? | メイン | 今年は「猛暑」の予感?”ShoWest” 速報 »
NAACP Image Awards:速報!!
オスカー・ウィークも過ぎて、ちょっと一段落…と思っていた矢先。3月2日の夜にハリウッドの「Shrine Auditorium」にて、第38回NAACP映像賞が開催されました。日本ではまだあまり馴染みが無いかもしれませんが、アメリカ国内では「イメージ・アワード」として親しまれています。主催は、全米有色人種地位向上協会(NAACP: National Association for the Advancement of Colored People・1909年創立)。彼らは、アメリカ国内で「マイノリティー」と称されることの多い人種、アフリカ系・アジア系・ヒスパニック系・ユダヤ系、そしてネイティヴ・アメリカンに対しての差別撲滅目的とした団体で、その歴史はアメリカにある市民権活動団体の中で最も由緒あるものとなっています。今年で38回目となるNAACP映像賞は、エンターテイメント業界、主に映画・TV・音楽で功績を残したマイノリティーを表彰するというもの。アカデミー賞とは一風変わった受賞者達が壇上に迎えられます。そこで今回は、多数の人種が集って暮らすUnited Statesならではのアワードをお伝えしていきたいと思います。
まず、最優秀主演男優賞・映画部門。こちらは、堂々のオスカー受賞者となったフォレスト・ウィテカー(「The Last King of Scotland」:原題)がまたも受賞。独裁者として名を馳せたウガンダ元大統領、アミン氏を演じた今作において、これで何と19個目のトロフィーとなりました。そして、同じくアカデミーの仲間入りを果たしたジェニファー・ハドソン(「ドリームガールズ」:邦題)も、最優秀助演女優賞を獲得しています。「絶対、絶対にあきらめないで。そして、あなたが何かを出来ないだなんて誰にも言わせては駄目。もし、誰かがあなたには出来ないと言うのなら、それは彼らがあなた程の大きな夢を見られないってことなんだから…」ハドソンの才能を見出してくれた母親に捧げたコメントでした。以上の2名が、オスカーと共にイメージ・アワードのトロフィーも持ち帰っています。
そしてここから、先に行われた各授賞式とはガラッと変わった面々が登場。最優秀主演女優賞・映画部門には「Akeelah and the Bee:原題」からキキ・パルマー。驚くことに、若干13歳!とは言っても、特にTV界では多くの作品に登場しています。本作では、サウス・セントラル(前回お伝えした、フォレスト・ウィテカーも出身のLA危険地域)に住む、単語のスペリングが得意な少女を好演。サントラ盤がスターバックス各店に置かれるなど、音楽も人気の作品です。彼女のまだあどけない笑顔でトロフィーを手にする姿が、とてもかわいらしく映りました。
最優秀助演男優賞には、「ブラッド・ダイヤモンド:邦題」よりジャイモン・ハンスゥ。オスカーを含め、数々の賞で助演候補として挙がっていた彼が、念願のトロフィーを手にしました。ベナン共和国で生まれ、パリでのスーパーモデル経験を持つハンスゥは、南アフリカやモザンビーク等での映画普及に取り組む活動家としても知られています。
そして、最優秀作品賞には「幸せのちから:邦題」。「ドリームガールズ」ではなかったことが、多くの人々を驚かせることになりました。また、ウィル・スミスが演じる主人公の元となったクリス・ガードナーは、最優秀執筆賞・自叙伝部門を受賞。出演者やスタッフ達と壇上に立ったガードナーは「ウィル・スミスと一緒に仕事をしたことを誇りに思うよ。君は世界で一番ビッグなムービースターかもしれないけど、家の中では3番目の俳優だよね」とコメント。ウィル・スミスの妻で、女優でもあるジェイダ・ピンケット・スミス、息子で本作にも登場のジェイデン・クリストファー・スミスをほのめかしての、茶目っ気たっぷりのスピーチでした。
TV部門では、大人気の”Grey’s Anatomy” (ABC) が、最優秀作品賞・ドラマ部門、最優秀主演男優賞・ドラマ部門(イザイア・ワシントン)、最優秀助演女優賞・ドラマ部門(チャンドラ・ウィルソン)を獲得。今、全米で最も人気のあるドラマ・シリーズとなっているこの作品。アメリカのドラマらしく、かなり入り組んだ恋愛模様が人気で、毎週木曜の夜は絶対に帰宅!(アメリカでの放送時間により)といった人々も少なくありません。”LOST” (ABC) のように、日本でも一大旋風を巻き起こすのではないでしょうか?そして、筆者も超お気に入りドラマ、”Ugly Betty” (ABC) 。最優秀主演女優賞・コメディ部門にアメリカ・フェレラ、最優秀脚本賞・コメディ部門にシルヴィオ・ホルタ、最優秀助演女優賞・コメディ部門にヴァネッサ・ウィリアムスが獲得しています。このドラマこそ、日本でも放送されれば良いのに…と思ってしまう今日この頃。フェレラの「ステレオタイプという仮面を剥ぎ取って、全ての人々を人間とした作品」というスピーチは、ホンジュラス出身の両親を持つ、LA出身の彼女の特別な思いが込められているような気がしました。
今年のNAACP映像賞のクライマックスでは、世界の貧困や不平等と戦うミュージシャン、U2のボノが登場。元スーパーモデルのタイラ・バンクスより、委員会特別賞を受け取りました。世界規模で、ボランティア活動を行うボノ。彼のスピーチは、まるでNAACPの意義や目的を代弁したかのようなものでした。「今日、世界は再度NAACPを見ている。人権について考えさせられる市民権、というものを世界に教えてくれたこのコミュニティーが我々には必要。これはチャリティーではなく、正義と平等ということなんだ」
TEXT BY アベマリコ
まず、最優秀主演男優賞・映画部門。こちらは、堂々のオスカー受賞者となったフォレスト・ウィテカー(「The Last King of Scotland」:原題)がまたも受賞。独裁者として名を馳せたウガンダ元大統領、アミン氏を演じた今作において、これで何と19個目のトロフィーとなりました。そして、同じくアカデミーの仲間入りを果たしたジェニファー・ハドソン(「ドリームガールズ」:邦題)も、最優秀助演女優賞を獲得しています。「絶対、絶対にあきらめないで。そして、あなたが何かを出来ないだなんて誰にも言わせては駄目。もし、誰かがあなたには出来ないと言うのなら、それは彼らがあなた程の大きな夢を見られないってことなんだから…」ハドソンの才能を見出してくれた母親に捧げたコメントでした。以上の2名が、オスカーと共にイメージ・アワードのトロフィーも持ち帰っています。
そしてここから、先に行われた各授賞式とはガラッと変わった面々が登場。最優秀主演女優賞・映画部門には「Akeelah and the Bee:原題」からキキ・パルマー。驚くことに、若干13歳!とは言っても、特にTV界では多くの作品に登場しています。本作では、サウス・セントラル(前回お伝えした、フォレスト・ウィテカーも出身のLA危険地域)に住む、単語のスペリングが得意な少女を好演。サントラ盤がスターバックス各店に置かれるなど、音楽も人気の作品です。彼女のまだあどけない笑顔でトロフィーを手にする姿が、とてもかわいらしく映りました。
最優秀助演男優賞には、「ブラッド・ダイヤモンド:邦題」よりジャイモン・ハンスゥ。オスカーを含め、数々の賞で助演候補として挙がっていた彼が、念願のトロフィーを手にしました。ベナン共和国で生まれ、パリでのスーパーモデル経験を持つハンスゥは、南アフリカやモザンビーク等での映画普及に取り組む活動家としても知られています。
そして、最優秀作品賞には「幸せのちから:邦題」。「ドリームガールズ」ではなかったことが、多くの人々を驚かせることになりました。また、ウィル・スミスが演じる主人公の元となったクリス・ガードナーは、最優秀執筆賞・自叙伝部門を受賞。出演者やスタッフ達と壇上に立ったガードナーは「ウィル・スミスと一緒に仕事をしたことを誇りに思うよ。君は世界で一番ビッグなムービースターかもしれないけど、家の中では3番目の俳優だよね」とコメント。ウィル・スミスの妻で、女優でもあるジェイダ・ピンケット・スミス、息子で本作にも登場のジェイデン・クリストファー・スミスをほのめかしての、茶目っ気たっぷりのスピーチでした。
TV部門では、大人気の”Grey’s Anatomy” (ABC) が、最優秀作品賞・ドラマ部門、最優秀主演男優賞・ドラマ部門(イザイア・ワシントン)、最優秀助演女優賞・ドラマ部門(チャンドラ・ウィルソン)を獲得。今、全米で最も人気のあるドラマ・シリーズとなっているこの作品。アメリカのドラマらしく、かなり入り組んだ恋愛模様が人気で、毎週木曜の夜は絶対に帰宅!(アメリカでの放送時間により)といった人々も少なくありません。”LOST” (ABC) のように、日本でも一大旋風を巻き起こすのではないでしょうか?そして、筆者も超お気に入りドラマ、”Ugly Betty” (ABC) 。最優秀主演女優賞・コメディ部門にアメリカ・フェレラ、最優秀脚本賞・コメディ部門にシルヴィオ・ホルタ、最優秀助演女優賞・コメディ部門にヴァネッサ・ウィリアムスが獲得しています。このドラマこそ、日本でも放送されれば良いのに…と思ってしまう今日この頃。フェレラの「ステレオタイプという仮面を剥ぎ取って、全ての人々を人間とした作品」というスピーチは、ホンジュラス出身の両親を持つ、LA出身の彼女の特別な思いが込められているような気がしました。
今年のNAACP映像賞のクライマックスでは、世界の貧困や不平等と戦うミュージシャン、U2のボノが登場。元スーパーモデルのタイラ・バンクスより、委員会特別賞を受け取りました。世界規模で、ボランティア活動を行うボノ。彼のスピーチは、まるでNAACPの意義や目的を代弁したかのようなものでした。「今日、世界は再度NAACPを見ている。人権について考えさせられる市民権、というものを世界に教えてくれたこのコミュニティーが我々には必要。これはチャリティーではなく、正義と平等ということなんだ」
TEXT BY アベマリコ
2007年03月09日 18:53
この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/402
毎週木曜日更新