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実現間近?3D映画の可能性

昨今、観客数の伸び悩みやDVDの猛攻に押され気味の劇場映画。そこに、新たな「活力源」となりそうな計画が、各スタジオで着々と進んでいるようです。それは、3D映画。記憶が定かではありませんが、筆者も昔どこかで「飛び出す映像」を体験したような。一部のテーマパークで楽しむことが出来た、カラーフィルム製のメガネをかけて鑑賞する映像。それが、数段パワーアップして映画館にお目見えする日も近いようです。

大規模な予算を投入して企画が進む3D映画。その新しいテクノロジーは、各映画スタジオのみならず、観客にも新しい映画の可能性をもたらしてくれそうです。ドリームワークス・アニメーション部門の広報によれば、すでに2本の3D映画が2009年に公開予定とのこと。上映に向けて、施設の確保などが急ピッチで進んでいるようです。「仮にチケット代を50%上乗せしたとしても、足を運んでもらえるはず!」と自信を見せる彼らは、低迷気味である現在の映画業界に新風を吹き込もうとしている様子。また一方ではこうした動きに合わせ、映画産業におけるチケットの価格設定があまりに保守的だったという意見もちらほら。映画の内容にかかわらずほぼ一定を保っていた一枚のチケット代に対し、コンテンツやクオリティに合わせてもっと価格が異なっても良いのではないか?との声が上がっています。現在では、IMAXでの上映が通常の価格より少々割高となっていますが、3D映画もそのような形になるであろうとされています。

収益アップ以外にも、3D映画は、昨今はびこる「海賊版」対策にも有効となりそうだとか。新しい映写機の開発に合わせ、そうかんたんには違法コピーが作れないような方式が研究されているようです。家庭ではなく、映画館に足を運んでこそ楽しむことが出来る映画。3D映画のコンセプトには今日を代表する大作映画の監督達、ロバート・ゼメキスやジェームス・キャメロン、スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスやピーター・ジャクソンらも手放しで歓迎しているとのこと。特にルーカスは、新しい3D映画の実現のあかつきには「スター・ウォーズ」シリーズを3Dで見せたいと張り切っているようです。また、今後出てくる新作のみならず、2006年の大ヒット作「カジノ・ロワイヤル(邦題)」や「ディパーテッド(邦題)」、往年の名作である「ゴッドファーザー(邦題)」シリーズや「アラビアのロレンス(邦題)」なども3D化の候補に挙がっているようです。

映画業界のエグゼクティブ達は、この流れを莫大なビジネスチャンスと捉えている様子。こうした動きが映画の周辺のビジネスにも影響を与えると予想しています。例えば、スタジオとの共同開発として、3D映画専用のサングラスの販売。前出のドリームワークスの広報は、今まで私達が愛用してきた通常のサングラス同様、3D映画を観るためのサングラスを個々人が所有する時代が来るだろうと話しています。それもちょっとスゴイお話ですが、劇場で不特定多数の観客が繰り返して使うものよりも良いかも。よりダイナミックな映像が期待される次世代の3D映画が登場したら、皆さんは「My-3Dサングラス」を手に取りますか?


TEXT BY アベマリコ

2007年04月26日 22:11

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