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80’s に逆戻り?ハリウッドの「依存症」

ここのところハリウッドを賑わせているゴシップの多くは、どれもアルコールやドラッグがらみ。エンターテイメント業界の光と影でしょうか、プレッシャーの中で生きる人々のアルコールやドラッグへの依存は、いつの時代にも存在しました。しかし、最近のニュースの多さは過剰気味。ここにきて、ハリウッドのある大物のアルコールスキャンダルが大きな波紋を呼んでいます。

事の始まりは先月、HBO(アメリカの人気ケーブルTV会社)のエグゼクティブ・チーフであるクリス・アルブレクトが解雇されたというニュースでした。滞在先のラスベガスで、彼のガールフレンドに激しく掴みかかり逮捕されたのですが、事件の原因は長年に渡るアルコール依存症だった事が分かりました。現在、彼はリハビリ施設に入院中。この事件が発端となって、依存症は、表舞台に立つセレブたちみならず、プロデューサーをはじめとするビジネスサイドにまで及ぶことが明らかになりました。

60-70年代のハリウッドに蔓延した、ドラッグ&アルコールの嵐。1969年の「イージー・ライダー(邦題)」の主演3人(ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン)が焚き火を囲むシーンは、本物のマリファナを使用しての撮影だったというのは知る人ぞ知る逸話です。80年代に入ってからは、セレブ専門のリハビリ施設が大流行しました。施設の関係者によれば、エンターテイメント業界からの患者数は「まるで80年代に戻ったよう」なのだとか。また、施設に出たり入ったりを繰り返すのも、エンタテインメント業界関係者の特徴なのだそうです。

更には、アルコールやドラッグに関連した事件を起こしているのが、ティーンに人気のあるタレント達ばかりであることにも懸念が。飲酒運転とスピード違反、免許停止中の運転によってとうとう実刑が言い渡され、現在刑務所で生活中のパリス・ヒルトン。いきなり丸坊主になってのリハビリ入り、退院してからは「口パク」でステージに戻って来たブリトニー・スピアーズ。飲酒・ドラッグの影響下での運転、死傷者を出す大惨事を起こした「プリズン・ブレイク(邦題)」に出演のレイン・ギャリソン。そして、アメリカで飲酒OKとなる21歳にも満たないリンジー・ローハンも、ドラッグとアルコール依存症疑惑で度々ゴシップ誌の表紙を飾っています。憧れであるべきはずの彼らを、親や学校は「反面教師」として教えざるを得ないとのこと。

このコラムを執筆中にも、俳優のトム・サイズモアが保護観察中に麻薬所持で逮捕というニュースが飛び込んで来ました。本当に、今日のハリウッドではアルコールやドラッグによる事件がどんどん増えているように感じられます。一般人には想像しがたいプレッシャーがのしかかる職業なのかもしれませんが、一方ではそういった事件とは無縁のスターもたくさん存在します。いつの時代も子供たちのお手本になるハリウッドであって欲しいものです。

TEXT BY アベマリコ

2007年06月08日 18:11

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