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高額賞金は誰の手に?続報:LAフィルムフェスティバル

7月4日はアメリカの独立記念日。こちらの祭日は、スーパーマーケットさえお休みとなる為、きっと街中は閑散としておごそかな雰囲気に…と思いきや、大音量のパーティー・ミュージックとともに、そこかしこからバーベキューの香りが漂ってきています。そんなお祭りムードに染まったロサンゼルスから、先日大盛況のうちに幕を下ろした「第13回LAフィルムフェスティバル」の受賞作品や詳細をお伝えしていこうと思います。
本フェスティバルの目玉とも言える最優秀長編・ドキュメンタリー賞。この映画祭の主要スポンサーである大手マーケット「ターゲット」より、各受賞監督に5万ドルの賞金が送られます。気になる本年度の受賞作品は、何と長編、ドキュメンタリー双方の監督にとって長編デビュー作という快挙となりました。

まず、最優秀長編賞を受賞したのはクリス・エスカ監督の”August Evening (原題)”。養鶏場でひっそりと暮らす中年男ジェイム。義妹のループとともに、疎遠になってしまった彼の子供たちを捜しにテキサス中を旅するロードームービーです。沈黙の中にちりばめられた繊細な心理描写と人間関係、そして親子のきずなとそれぞれの責任を問いかける物語に、本フェスティバル最高の栄誉が贈られました。

一方、最優秀ドキュメンタリー賞に輝いたのは、ジェニファー・ヴェンディッティ監督の”Billy the Kid (原題)”。彼女はサンダンス映画祭で最優秀短編賞を獲得している”Bugcrash (原題 / クリス・カーター監督)”のキャスティング・ディレクターを勤めましたが、その時に発掘した逸材、15歳のビリーをメインキャラクターに据えた長編ドキュメンタリー作品となっています。彼の苦痛に満ちた幼少期や初恋の思い出、アウトサイダーとしてメイン州に生きる日々をインタビュー形式で綴った本作は、ティーンの葛藤を真っ直ぐ赤裸々に表現した傑作として評価を受けました。

そして、先週にお伝えした「スピリット・オブ・インディペンデンス賞」受賞のクリント・イーストウッド監督を迎えた表彰式には、華やかなセレブリティが続々と登場。「ミスティック・リバー (邦題)」に出演したケヴィン・ベーコン、「父親たちの星条旗 (邦題)」で主演を努めたライアン・フィリップ、イーストウッド氏が製作者として名を連ねる2008年公開予定のドキュメンタリー映画”Tony Bennett: The Music Never Ends (原題)”より、シンガーのトニー・ベネット、そしてアメリカが誇る名優、ダスティン・ホフマンも駆けつけました。ベーコンは、撮影時の逸話を披露。いかにイーストウッド監督の演出が最小限で、且つ俳優のモチベーションを最高潮に持っていくのかを語りました。また、ホフマンは壇上で監督のプライベートな人柄を暴露。「僕を使ったことないよね!」と茶目っ気たっぷりに話す姿に、会場は爆笑。ハリウッド史にその名が刻まれたふたりの競演、実現してしまうのでしょうか?

UCLAの学生達もビックリしてしまうほど、ウエストウッドエリアに多くの人出と賑わいをもたらした「LAフィルムフェスティバル」。来年もここを本拠地として、数々の映画を上映、またまた地域一帯を席巻してしまう予感大です。本フェスティバルでは、毎年アメリカ国外からの参加も受け付けていますので、来年こそは!という映像クリエイターの方々は、今から準備を始めても早すぎることはないはず。以下のホームページから応募の詳細、また数々の映像や写真も合わせてお楽しみください。

Los Angeles Film Festival 2007 ホームページ:http://lafilmfest.com/



TEXT BY アベマリコ

2007年07月10日 11:49

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