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マイケル・ベイ監督がマジ切れ!?大ヒット映画の裏事情
マイケル・ベイ監督の「トランスフォーマー(邦題)」が話題を呼んでいます。先頃お伝えしたLAフィルムフェスティバルにて全米プレミア上映された本作は、SF超大作として好調なすべり出しを見せていますが、この作品の裏事情がベイ監督自身によって暴露され、ハリウッドはちょっとした騒ぎになっています。発端はベイ監督が自身のブログに書いた「暴露日記」。
ことの始まりは6月29日、夜11時を回った頃。マイケル・ベイ監督が自身のブログに「いくつかの事実を正してみよう」と題した日記を掲載しました。
文字にして3500字以上、単語で900語余りに及ぶベイ監督の長文は、ファンに向けての完成報告から始まります。本作では主なキャラクター達がロボットの為、いかに撮影が困難だったか、また、作品のプロモーションに2週間で3万6000マイルを旅したこと、そして世界中の人々に本作を鑑賞してもらうのがとても楽しみだ等、サポートしてくれた人々への感謝の気持ちから始まります。
更に日記は、最終的に1億5000万ドル(当初の予算から500万ドルのオーバー)で本作を撮り終えたと報告し、実際に他の大作と比べ半分のコストで仕上がったことを誇りに思う、と続きます。やや熱の入ってきた?ベイ監督は、スタジオ側からコスト削減のためにカナダやオーストラリアでの撮影を薦められていたことを告白。「アメリカを描くアメリカの映画は、アメリカで撮るべきだ」という自論を展開し、自らのギャランティーを30%カットして国内撮影を実現させたと明かします。そして他のプロデューサー達にもギャラのカットをお願いしてみたところ、イアン(・ブライス)とロレンゾ(・ディ・ボナヴェンチュラ)らは快諾したにもかかわらず、トム・デサントとドン・マーフィーはこれを拒否した、と実名入りで暴露。「彼らは自分の収入を、より良い映画作りに当てたいとは思っていない」と批判しました。
そしてここから、本格的な打ち明け話が展開していくことに。マスコミからやたらとデサントやマーフィーとの「共同制作」について聞かれ、監督はかなり違和感を覚えたそうです。デサントとは1年前にほんの1時間ちょっと行ったミーティングで「意見の相違」を感じ、以降は挨拶程度しか言葉を交わしておらず、またマーフィーとはクリエイティブな話は一切していないと告白。にもかかわらず、ポストプロダクション(撮影後の製作過程)に入った段階で、脚本家のアレックス(・カーツマン)とボブ(ロベルト・オルチ)から慌てふためいた電話が入り、デサントが脚本家としてのクレジットを申請しようとしていると聞いたそう。もちろんこれはWGA(全米脚本家組合)が阻止したようですが、数日後ベイ監督は更に信じられない光景を目の当たりにすることに。今年5月に行われたサターン・アワードの会場で、デサントが本作をあたかも自分の作品のように語っていたのだとか。監督は、その時のプレス用上映までデサントは本編を見てもいなかったと述べ、彼が器用に嘘を並べ、質問の答えをでっち上げていく様に激しい怒りを覚えたと告白しています。
監督は暴露記事の最後を「以上が本当のことだ」と延べ、「馬鹿馬鹿しいオモチャ映画」だった原案をあきらめずに練り上げて完成させた彼らには敬意を表する、と皮肉まじりに書いています。マスコミまで利用してクリエイティブ・クレジットを得ようとした彼ら。あまりに多くのクレジットが何もしてない人々に与えられること。そして、映画作りについて何も知らない投資家が、いきなり大プロデューサーになってしまう事実。これらについて監督は「それがハリウッドでまかり通っていることなんだ」と結びました。
全米プレミアを終え、後は一斉公開を待つばかりという時に、監督自らの手によって綴られた裏事情。よっぽどムカついたんだろうな…というのが率直な印象です。それにしても、ここまで赤裸々で絶妙なタイミングでの告白日記は前代未聞。これを機に、プロデューサー達の姿勢が改めて見直されることを願わずにいられません。何はともあれ、手塩にかけた我が子が満員御礼となったマイケル・ベイ監督。少しは腹の虫も治まってきたのでしょうか?
TEXT BY アベマリコ
ことの始まりは6月29日、夜11時を回った頃。マイケル・ベイ監督が自身のブログに「いくつかの事実を正してみよう」と題した日記を掲載しました。
文字にして3500字以上、単語で900語余りに及ぶベイ監督の長文は、ファンに向けての完成報告から始まります。本作では主なキャラクター達がロボットの為、いかに撮影が困難だったか、また、作品のプロモーションに2週間で3万6000マイルを旅したこと、そして世界中の人々に本作を鑑賞してもらうのがとても楽しみだ等、サポートしてくれた人々への感謝の気持ちから始まります。
更に日記は、最終的に1億5000万ドル(当初の予算から500万ドルのオーバー)で本作を撮り終えたと報告し、実際に他の大作と比べ半分のコストで仕上がったことを誇りに思う、と続きます。やや熱の入ってきた?ベイ監督は、スタジオ側からコスト削減のためにカナダやオーストラリアでの撮影を薦められていたことを告白。「アメリカを描くアメリカの映画は、アメリカで撮るべきだ」という自論を展開し、自らのギャランティーを30%カットして国内撮影を実現させたと明かします。そして他のプロデューサー達にもギャラのカットをお願いしてみたところ、イアン(・ブライス)とロレンゾ(・ディ・ボナヴェンチュラ)らは快諾したにもかかわらず、トム・デサントとドン・マーフィーはこれを拒否した、と実名入りで暴露。「彼らは自分の収入を、より良い映画作りに当てたいとは思っていない」と批判しました。
そしてここから、本格的な打ち明け話が展開していくことに。マスコミからやたらとデサントやマーフィーとの「共同制作」について聞かれ、監督はかなり違和感を覚えたそうです。デサントとは1年前にほんの1時間ちょっと行ったミーティングで「意見の相違」を感じ、以降は挨拶程度しか言葉を交わしておらず、またマーフィーとはクリエイティブな話は一切していないと告白。にもかかわらず、ポストプロダクション(撮影後の製作過程)に入った段階で、脚本家のアレックス(・カーツマン)とボブ(ロベルト・オルチ)から慌てふためいた電話が入り、デサントが脚本家としてのクレジットを申請しようとしていると聞いたそう。もちろんこれはWGA(全米脚本家組合)が阻止したようですが、数日後ベイ監督は更に信じられない光景を目の当たりにすることに。今年5月に行われたサターン・アワードの会場で、デサントが本作をあたかも自分の作品のように語っていたのだとか。監督は、その時のプレス用上映までデサントは本編を見てもいなかったと述べ、彼が器用に嘘を並べ、質問の答えをでっち上げていく様に激しい怒りを覚えたと告白しています。
監督は暴露記事の最後を「以上が本当のことだ」と延べ、「馬鹿馬鹿しいオモチャ映画」だった原案をあきらめずに練り上げて完成させた彼らには敬意を表する、と皮肉まじりに書いています。マスコミまで利用してクリエイティブ・クレジットを得ようとした彼ら。あまりに多くのクレジットが何もしてない人々に与えられること。そして、映画作りについて何も知らない投資家が、いきなり大プロデューサーになってしまう事実。これらについて監督は「それがハリウッドでまかり通っていることなんだ」と結びました。
全米プレミアを終え、後は一斉公開を待つばかりという時に、監督自らの手によって綴られた裏事情。よっぽどムカついたんだろうな…というのが率直な印象です。それにしても、ここまで赤裸々で絶妙なタイミングでの告白日記は前代未聞。これを機に、プロデューサー達の姿勢が改めて見直されることを願わずにいられません。何はともあれ、手塩にかけた我が子が満員御礼となったマイケル・ベイ監督。少しは腹の虫も治まってきたのでしょうか?
TEXT BY アベマリコ
2007年07月18日 16:19
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