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良質の短編映画が目白押し!パームスプリングス映画祭

2007年、日本は各地で最高気温を記録する猛暑に見舞われたようですが、それを上回る酷暑がロサンゼルスから車で約2時間のパームスプリングス。砂漠のリゾートとして知られるこのエリア、夏季は日中45度!を超える灼熱の地としても有名です。そんな炎天下8月23日から29日まで、市内のキャメロット・シアターにて「パームスプリングス国際短編映画祭」が開催されました。以前、本コラムが独占で紹介した短編映画も見事に入選しています。


↑会場となったCamelot シアター
本年度で第13回目となる「Palm Springs International Festival of Short Films」。昨年は1万5千人もの来場者があったこの映画祭は、全米のみならず世界40カ国から送り込まれた短編映画を厳選し、7日間で300作品以上を一挙に上映します。

1995年の開始から、延べ53本ものショートフィルムがアカデミー賞・短編部門にノミネートされるという実績を誇っており、アメリカ国内で最も有名かつ大規模な短編映画祭のひとつに数えられています。選ばれた作品の上映方法は至ってシンプル。各作品のテーマごとにグループ分けをして、1グループが90分前後になるようにスケジュールが組まれます。恋愛・SF・アニメーション・ドキュメンタリーなどに分けられているので、興味のあるジャンルを一度に見られることも、この映画祭の魅力かもしれません。

また、本フェスティバルでは短編映画の上映に加え、映画業界の著名人を迎えてのパネルディスカッションやワークショップも開催。今年は、マット・デイモンとエドワード・ノートンが競演した「ラウンダーズ(邦題)」、レイ・リオッタ主演の「アンフォゲタブル(邦題)」などを監督したジョン・ダール氏、オスカーに2度もノミネートされているインディー・アニメーター、ビル・プリンプトン氏らが壇上に上がりました。更に、映画祭と平行して催されるフィルム・マーケットも大盛況。配給会社の買い付けやプレスに向けて、フェスティバルに寄せられた2200本もの新作ショートフィルムを紹介。こちらの会場は、シアターに程近いヒルトンホテル内に併設されています。まるで図書館のような受付でDVDが貸し出され、その場での閲覧が可能。新人監督の発掘に目を光らせるバイヤーや、作品のプロモーションにいそしむプロデューサーの面々、他の作品が気になる監督達で賑っていました。


↑積み上げられた作品のフライヤー
それでは、本年度の審査を勝ち抜いた作品の一部をご紹介します。まず、以前に特集した短編映画「MU:無」(監督:ポール・ヤコノ/主演:竹内豊/24分)が「クライムストーリー部門」に堂々の入選。パームスプリングス映画祭の総監督、ダリル・マクドナルド氏が「本日オススメの1本」として地元紙に紹介するほど、注目を浴びる作品になりました。詳細やあらすじは、今年2月掲載のコラムでおさらいを。そし て、著名人による短編映画が集まる「スターパワー部門」には、「フレンズ」のジェニファー・アニストン初監督作品”Room 10 (原題/20分)”が登場。ショーン・ペン夫人であるロビン・ライト・ペンが緊急治療室の看護士に扮する本作は、患者やその家族との交流を描く感動作となっています。また、日本からのエントリーは「不老長寿(邦題)」(監督:Atsushi Ogata/15分)が「奇妙なカップル部門」に、「放課後ミッドナイト(邦題)」(監督:Hitoshi Takekiyo/7分)が「ねじれた物語部門」に入選しています。今後も、日本人クリエイターによる海外での活躍がますます期待できそうです。


↑気温は40度を軽く超える…
体温より高い気温も何のその、連日の大入りを見せる「パームスプリングス国際短編映画祭」。最終日の29日には「最優秀賞」や「観客賞」、「未来の映画制作者賞」など主要部門が発表される予定です。各賞の賞金・賞品の総額は、7万ドルにも登るとか。また、受賞作品のいくつかは、2008年2月に行われるアカデミー賞にノミネートされる可能性大。結果は、以下のホームページで確認してみてください。オスカー候補の予習になること請け合いです!

【Palm Springs International Festival of Short Films 公式サイト】

TEXT BY アベマリコ

2007年08月30日 20:36

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