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第14回SAGアワード:華やかに開催!
先の日曜日「俳優による俳優の為の授賞式」=第14回SAG(全米俳優組合)アワードが、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムにて開催されました。この地には珍しく、ほぼ1週間続いた悪天候にもかかわらず、多くのスター達が続々と来場。やっぱりアワードはこうでなくちゃ!と思わせてくれる、華やかな式典となりました。
SAGアワードロゴ
それでは、主要部門の結果を。まず、助演男優賞を獲得したのは「ノーカントリー (邦題)」のハビエル・バルデム。GG賞などの各賞に続き、SAGのアクター像も持ち帰ることになりました。スピーチでは、スペイン出身の彼を暖かく迎えてくれたSAG会員と、良いカットばかり選んでくれたという監督のコーエン兄弟に感謝。劇中のピッチリ横分け殺人鬼とはかけ離れた、ノーネクタイのボタン開けというカジュアルなスーツ姿がステキでした。
「アメリカン・ギャングスター」 母親役のルビー・ディー
(C)2007 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
主演女優賞を持ち帰ったのは、こちらも各賞総ナメのジュリー・クリスティー。涙なしでは観られない「アウェイ・フロム・ハー/君を想う」で健忘症を患う主婦を熱演した彼女は、本作で長編監督デビューを飾ったサラ・ポーリーらに感謝の意を述べました。スピーチの最後に「もし誰かの名前を言い忘れてたら、まだ役に入っちゃっているのかも」と締めくくった彼女。チャーミングな笑顔と、授賞式には珍しいパンツスーツでの登場が印象的でした。
そして、主演男優賞には”There Will Be Blood (原題)”より、技巧派俳優ダニエル・デイ=ルイス。壇上では自らについてではなく、先日急逝したヒース・レジャーへの思いを語りました。特に「ブロークバック・マウンテン (2005)」終盤のトレーラーシーンは「これまで観た中で最も感動的なものだった」と表現。スピーチの最後に「これをヒース・レジャーに捧げたい」とアクター像を掲げると、会場は割れんばかりのスタンディング・オベーションに包まれました。世代は違えど、同じ俳優としての心からの敬意。今回のSAGアワードにおいて、最も胸の熱くなった瞬間でした。
本邦初公開?SAGアワード投票セット
マークシート方式の投票用紙
一方のTV部門では、1999年の初回放送より昨年の第6シーズンでフィナーレを迎え、その最終回が物議を醸した「ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア (HBO)」が主演男優賞(ジェームズ・ガンドルフィーニ)・同女優賞(イーディ・ファルコ)・アンサンブルキャスト賞の主要3冠を制覇。また、コメディ部門で主演男優賞を獲得のアレック・ボールドウィン(30 Rock: NBC)、TV映画/ミニシリーズ部門で同賞獲得のケビン・クライン(As You Like It: HBO)、同部門の主演女優賞に輝いたクイーン・ラティファ(Life Support: HBO)は揃って欠席。一部、WGAストを意識してではないかとの憶測を呼んでいます。そして、今年から新設されたスタントアンサンブル賞には、映画部門に「ボーン・アルティメイタム」、TV部門に「24(Fox)」がそれぞれ納得の受賞となりました。
会報誌より、本年度の生涯功労賞チャールズ・ダーニング
全SAG会員の中からランダムに選ばれた約4200名のメンバーによって候補者を選出、現役メンバー約12万人の投票によって決定するSAGアワード。同業者から選ばれる賞とあって、その喜びもひとしおかもしれません。オスカー像にも影響しそうな「アクター像」の行方は、下記のウェブサイトからじっくりとご覧下さい。アカデミー賞まで、残すところ1ヶ月。今回の授賞式のように豪華なスター達の競演が見られるのでしょうか?WGA関連のニュースに注目です。
TEXT BY アベマリコ
2008年01月31日 14:39
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