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今年はダーク路線:第80回アカデミー賞候補リスト発表
1月22日早朝、ビバリーヒルズに位置するAMPAS (映画芸術科学アカデミー: Academy of Motion Picture Arts and Sciences) 本部にて、2008年度のアカデミー賞候補が発表されました。アカデミー代表シド・ガニス氏とともに女優キャシー・ベイツがアナウンスしたリストには、一体どの作品&誰の名前が並んでいたのでしょうか?
本年度で、キリ良く第80回目を迎えるアカデミー賞。いつも以上に盛大にいきたいところですが、今なお続くWGAストライキの影響下、式典開催のGoサインは未だ出されていません。AMPASやTV放映権を持つABCは努めて前向きなコメントを発表していますが、突っ込んだ質問には言葉を濁すこともしばしば。授賞式中止に追い込まれたゴールデン・グローブ賞の二の舞になるのでは?という声や、ジョージ・クルーニーらを中心とした一部SAG俳優による「出席ボイコット」の噂もあり、来月の授賞式当日までは油断できない状況となっています。
「つぐない」7部門ノミネート
主演男優賞には、ゴールデン・グローブを持ち帰ったダニエル・デイ=ルイス(”There Will Be Blood”)、「スウィーニー・トッド: フリート街の悪魔の理髪師」よりジョニー・デップ、「フィクサー」からジョージ・クルーニー、「告発のとき」よりトミー・リー・ジョーンズ、そして”Eastern Promises”のヴィゴ・モーテンセンがノミネートされています。行方不明の息子を探す警官を演じたジョーンズ以外、とにかくみんなダークで怖い…。ちょっとお知り合いにはなりたくない、コワモテキャラばかりの選出となりました。
主演女優賞候補には、ゴールデン・グローブ賞獲得のジュリー・クリスティー(”Away from Her”)、「エディット・ピアフ: 愛の賛歌」よりマリオン・コティヤール、”Juno”に主演のエレン・ペイジ、”The Savages”のローラ・リニーと、「エリザベス: ゴールデンエイジ」よりケイト・ブランシェットが選ばれました。ブランシェットは”I’m Not There”で助演女優賞にも候補入りしており、主要部門Wノミネートの行方が気になります。
こちらも見逃せないのが、監督賞。「潜水服は蝶の夢を見る」のジュリアン・シュナーベル、「フィクサー」よりトニー・ギルロイ、ジェイソン・ライトマンは”Juno”から、”There Will Be Blood”のポール・トーマス・アンダーソンと、「ノーカントリー」からジョエル&イーサン・コーエン兄弟が選ばれています。1996年に「ファーゴ」で本部門に候補入りしたジョエル・コーエン以外、全員初ノミネートというから驚き。ベテランと若手が入り混じった混戦となりそうです。
↑会場となるコダックシアター(開催されればの話ですが…)
まだまだ見どころたっぷりのアカデミー賞候補。これまでの各賞レースとカブったり異なったり、なかなか見ごたえのあるラインナップとなっております。詳しい顔ぶれは、下記のリンクよりどうぞ。授賞式開催予定日まで、あと1ヶ月。無事の開催とスター達の出席を祈りつつ、今後の劇場拡大などによる各作品の追い込み、Box Officeの変動にも注目です。
訃報: アカデミー賞候補が発表された22日の午後、2006年に「ブロークバック・マウンテン」でオスカー候補となったヒース・レジャーが若干28歳の若さで他界。ケイト・ブランシェットが助演女優候補入りを果たした”I’m Not There”でも、翳りある存在感が光っていました。先週15日には25歳だったブラッド・レンフロ(「依頼人/1994」「スリーパーズ/1996」)が亡くなるなど悲しい知らせが続いたハリウッドは、将来が期待された若手俳優の死に揺れています。
おふたりのご冥福を心よりお祈りします。
TEXT BY アベマリコ
2008年01月24日 20:37
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